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2019/03/28
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『レ・ミゼラブル』映画のキャストを徹底解説!

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2012年に公開され日本でも大ヒットを記録した『レ・ミゼラブル』。世界中でロングランとなったミュージカルで、アメリカのアカデミー賞でも主要各賞にノミネートされ話題をさらいました。この記事では、豪華キャストについて、徹底解説します!

目次

2012年に公開され、日本でも大ヒットを記録した映画『レ・ミゼラブル』。

原作は19世紀フランスの著名作家ヴィクトル・ユーゴーの小説で、1980年代にロンドンで劇場公開され、世界中でロングランとなったミュージカルです。

Les Misrables(レ・ミゼラブル)とは、日本語で「悲惨な人々」「哀れな人々」という意味。

映画『レ・ミゼラブル』は19世紀の波乱に満ちたフランスを舞台に、当時の悲惨な社会情勢と貧困・格差にあえぎながら自由を求めて立ち上がった民衆の姿を生々しく描き出した、ミュージカル映画の最高傑作です。

米国アカデミー賞では3部門受賞し、ミュージカル映画の常識を覆したと話題になりました。

映画『レ・ミゼラブル』のストーリー

たった1本のパンを盗んだ罪で、19年間もの間投獄されていたジャン・バルジャン。

彼は仮釈放されたものの、犯罪者への風当たりは強く、寝る場所さえ見つけることができません。

やっとの思いでたどり着いた教会で、司教が温かいご飯と寝場所を提供してくれるのですが、彼は高価な食器を盗んで逃げ出してしまいます。

警察に捕まり教会に連れ戻されたジャン・バルジャンに、司教は彼が持っている食器は自分がプレゼントしたものだと言い放ちます。

そして「一番大事なものをお忘れなさったな」と言って銀の燭台まで渡してくれたのです。

ジャン・バルジャンは自分の情けなさを恥じ、心を入れ替えて神のために生きることを誓います。

そして牢獄には戻らず、新たな名前で人生をスタートさせ、数年後に街の市長にまで上りつめます。

そんなある日、ジャン・バルジャンの管理下にある工場で働いていたファンティーヌという美しい女性が、いわれのない誤解をうけて工場をクビになってしまいます。

彼女には知り合いに預けている幼い娘・コゼットがいました。

コゼットのもとへお金が送れなくなってしまったファンティーヌは、自慢の美しい髪を売って坊主になり、歯を売り、身体を売り、ボロボロに。

すっかり変わり果てた彼女を見たジャン・バルジャンは、自分が救ってやれなかったことを悔やみ、彼女の変わりにコゼットを引き取って育てることを決意します。

しかし、かつての監獄の刑吏である警察署長のジャベールがジャン・バルジャンの前に現れます。

コゼットを連れてパリへ逃避行するジャン・バルジャンですが、やがてパリには革命の嵐が吹き荒れ…。

映画『レ・ミゼラブル』の時代背景

フランスは18世紀後半から政情が不安定になり、周辺各国を含む革命期へと入ります。

ルイ16世、マリー・アントワネットの処刑など有名な史実があったのもこの時代です。

それまでの王政に疑問が抱かれはじめ、民衆が時代の主役に躍り出るようになった、ちょうど過渡期の時代といえます。

19世紀初頭、ナポレオンが失脚し、ルイ18世が王政を復古。

そして制限選挙に怒りを覚えた民衆が暴動を起こし(7月革命)、その結果フランスは立憲君主制へと移行していきます。

『レ・ミゼラブル』の舞台はこの混乱期の時代で、虐げられた民衆をはじめとする「弱者」にスポットライトが当てられています。

映画『レ・ミゼラブル』のキャスト

ここからは、アカデミー賞やゴールデングローブ賞など、賞レースで数多くノミネートや受賞を果たした、『レ・ミゼラブル』のキャストをご紹介します。

名だたるハリウッドスターが出演している本作は、そのキャストの豪華さも大きな魅力のひとつ!

そして、演技はもちろん、作中で素晴らしい歌声を披露してくれているキャストたちの渾身の役作りには脱帽してしまうはず!

ジャン・バルジャン/ヒュー・ジャックマン

主人公のジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンは、1968年生まれのオーストラリア出身の俳優です。

『X-MEN』のウルヴァリン役で一気にスターダムへとのし上がりました。

『レ・ミゼラブル』では演技が高く評価され、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)も受賞しています。

ヒュー・ジャックマンは親日家としても有名で、12歳の息子と共に富士山に登って日の出の写真をツイッターに投稿したり、皇太子さまが『レ・ミゼラブル』をご鑑賞される際には緊急来日して一緒に観たり、東京メトロの切符を持ってはしゃいだり…と日本が大好きなようです。

また、アカデミー賞受賞式で転んでしまったジェニファー・ローレンスにすぐに駆け寄り、手を差し伸べた姿が紳士的すぎる!と話題にもなりました。

本作で共演したアマンダ・セイフライドやアン・ハサウェイも彼の優しさや紳士っぷりを大絶賛。

神のご加護によって心を入れ替え、困った人々を片っ端から救っていくジャン・バルジャン役は、ヒュー・ジャックマンのまさに適役といえるでしょう。

本作を見れば、あなたもヒュー・ジャックマンのファンになってしまうかも!?

ファンティーヌ/アン・ハサウェイ

薄幸の美女ファンティーヌを演じたアン・ハサウェイは、1982年生まれのニューヨーク出身の俳優です。

2001年公開『プリティ・プリンセス』で大ブレイクしますが、恵まれたルックスとプリンセスのイメージの強烈さにより、なかなかやりたい役のオファーが来なかったそうです。

しかしその後、2005年公開『ブロークバック・マウンテン』や2006年公開『プラダを着た悪魔』などに出演し、アイドル女優のイメージを覆していきます。

本作では自身の希望で実際に髪をばっさり切るなど体当たりの役どころを演じ、本格派女優としての地位を不動のものにしました。

その決意と努力あって『レ・ミゼラブル』ではアカデミー助演女優賞とゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞します。

そんな彼女ですが、アカデミー賞授賞式後に「#ハサウェイ嫌い」というハッシュタグがつけられたツイートが連日投稿され、本作をきっかけに『アメリカで最も嫌われている女優』と呼ばれるようになってしまいました。

監督は彼女が髪を切ることを反対していたことや、役のために11キロも減量したことが明かされると、賞を取りたいのがバレバレだと非難されてしまったのです。

さらにゴールデングローブ賞受賞式のスピーチが大げさすぎてわざとらしいなど、アンチが多発。

一時はかなり落ちこんでいたようでしたが、現在は「何を言われようが気にしない」と吹っ切れたというアン・ハサウェイ。

良くも悪くも話題を集めてしまった『レ・ミゼラブル』での彼女の演技ですが、ファンティーヌを見るためだけにこの映画を観ても良いと言っても過言ではないほど圧巻の演技を見せています。

ジャベール/ラッセル・クロウ

執拗にジャン・バルジャンを追う刑事ジャベールを演じたラッセル・クロウは、1964年生まれのニュージーランド出身の俳優です。

非常に多彩な役どころを演じる演技派俳優で、2000年公開『グラディエーター』でアカデミー主演男優賞を受賞。

2001年公開『ビューティフル・マインド』ではゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞しています。

また、1995年公開『NO WAY BACK/逃走遊戯』では豊川悦司とも共演しています。

演技力には定評のある彼ですが、歌唱力には不安があったそう。

そのせいか、ミスキャストではないのかという声が上がるなど賛否両論です。

しかしラッセル・クロウ演じるジャベールは、自分の仕事と使命に忠実で一切の妥協は許さず、感情もあまり露にしない堅物の役どころ。

ジャン・バルジャンやファンティーヌをはじめとする周囲の俳優が感情むき出しで歌うなか、淡々と歌い上げる彼の姿はジャベールにピッタリです。

たしかに歌唱力では少し劣るかもしれませんが、基本的に独唱が多いためかなりの存在感を放っています。

ジャベールが迎えるラストは、他のキャストと比べても衝撃の展開を見せるので、堅物の彼がどう変わってくのかに注目しながら見届けていただきたいです。

コゼット/アマンダサイフリッド

ファンティーヌの娘で純粋無垢な美しい少女を演じたアマンダサイフリッドは、1985年生まれのペンシルベニア州出身の俳優です。

2008年公開のミュージカル映画『マンマ・ミーア!』でメリル・ストリープの娘役を演じ、一躍人気スターとなります。

『マンマ・ミーア!』で自身が演じるソフィの婚約者を演じたドミニク・クーパーと実際に交際を始めたことでも話題になりました。

アマンダサイフリッドはかつてオペラ歌手を目指してトレーニングしていたようで、その実力は折り紙つき。

『マンマ・ミーア!』に引き続き、本作でも見事な歌唱力を見せています。

混沌とする社会情勢のなか、流れる血、犠牲になる人々、ジャベールから逃げ惑うジャン・バルジャン…などシリアスなシーンが多い『レ・ミゼラブル』において、コゼットの存在は「希望の光」であり「愛の象徴」でもあります。

大きな瞳と美しいブロンドの髪、可憐で純粋な歌声を持つアマンダサイフリッドは、彼女以外にコゼット役は考えられないのではないかと思うほどのハマり役です。

ファンティーヌに愛され、ジャン・バルジャンに守られて真っ直ぐに育ったコゼットは、一見弱くて頼りない存在に見えます。

しかし、本人はインタビューで「子供っぽいコゼットは演じたくなかった」と断言。

その言葉通り、無償の愛を注いでくれるものの過去のことは何も教えてくれず、いつまでも大事な娘として手元に置いておきたがるジャン・バルジャンとの葛藤、生まれて初めて恋に落ちた男・マリウスの命の危機を経験し、強くたくましくなっていくコゼットを見事に演じています。

エポニーヌ/サマンサ・バークス

コゼットが幼いときに預けられていたテナルディエ夫妻の家の娘で、コゼットの恋敵を演じたサマンサ・バークスは、1990年生まれのイギリス・マン島出身の俳優です。

2007年に『Lookingin Your Eyes』というアルバムをリリースしデビューしました。

その3年後、オーディションに合格し、ロンドン・ウエストエンドのクィーンズシアターで公演された『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役を勝ち取ります。

映画版の『レ・ミゼラブル』のオーディションには、テイラー・スウィフトや『glee/グリー』で主演を務めたリア・ミシェル、エマ・ワトソン、スカーレット・ヨハンソンなどそうそうたるメンバーが参加したようです。

このようなハリウッドスターたちに勝ち、見事エポニーヌ役に輝いたサマンサ・バークスは当時無名でした。

映画出演経験もない彼女はこの役を勝ち取るために何ヶ月も前から準備し、死ぬほど努力を重ねたようです。

子供の頃からエポニーヌの歌を歌い、舞台でも演じてきたサマンサ・バークスにとって本作でエポニーヌ役を演じることは、「夢が叶うというレベルじゃなくて、夢見ることすらためらわれるような出来事だった」と語っています。

エポニーヌは、犯罪すれすれの汚い仕事で金を巻き上げるテナルディエ夫妻の娘で、貧乏人。

マリウスのことが好きなのに、彼から女として見られたことは一度もありません。

いつもこっそり彼を想っていた彼女の前に、かつて一緒に暮らしてきたコゼットが現れます。

見違えるように美しくなったコゼットにマリウスは一目惚れし、エポニーヌにコゼットのことを調べるよう頼みます。

複雑な思いを抱えながらも、彼の喜ぶ姿が見たくて協力するエポニーヌ。そのお礼にマリウスが渡すものは、お金でした。

やがてマリウスとコゼットはお互いに惹かれあうようになります。

エポニーヌは降りしきる雨のなか、泣き叫びながら「On My Own」を歌い上げます。「On My Own」は「私ひとり」という意味です。

彼の腕に抱かれる自分を想像するけれど、いつも想像だけ。自分がいなくても彼の人生は回っていくのだと。

なかでも、「A world that's full of happiness That I havenever known(幸せにあふれた世界は私が決して知ることのないもの)」 という歌詞は報われないエポニーヌの人生を如実に表していて、胸に刺さります。

そんな彼女がどのようなラストを迎えるのか、ぜひご注目ください。

マリウス/エディ・レッドメイン

コゼットに一目惚れし、革命と愛のどちらを取るか葛藤するマリウスを演じたエディ・レッドメインは、1982年生まれのロンドン出身の俳優です。

父親は銀行の頭取で兄弟は企業家と銀行の重役というエリート一家出身で、イギリスの名門・イートン校を卒業しています。ウィリアム王子とは同級生だったようです。

その後、アイザックニュートンなどを輩出したケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに入学しています。

2008年にバーバリーのモデルを務め、2012年に『レ・ミゼラブル』で一躍注目を浴びます。

その後の活躍は華々しく、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー主演男優賞をはじめとする数々の賞を受賞し、『リリーのすべて』でアカデミー主演男優賞にノミネート、そして近年日本でも大人気の『ファンタスティック・ビースト』でも主演を務めました。

裕福な家柄の出身でありながら祖父に反発し、革命メンバーとして王政との戦いに参加するマリウスは、コゼットと蜂起を天秤にかけて悩むなど少し頼りない一面があり、知的で穏やかなルックスのエディ・レッドメインにピッタリの役どころです。

エポニーヌの愛にお金で報いようとするなど、ちょっと鈍いところがありますが、コゼットに向けられる真っ直ぐな愛は純粋で美しいです。

徐々に心を通わせるコゼットとマリウスが歌い上げる「心は愛に溢れて」は、繊細なハーモニーが2人の喜びと幸せをこれでもかと表現していて、殺伐としたストーリーのなかで束の間の癒しのシーンとなっています。

愛ではなく蜂起への参加を選ぶマリウスには、命の危機が差し迫ります。

果たして彼は愛するコゼットと添い遂げることができるのか、王政に虐げられた民衆の決死の革命の結末は…?

映画『レ・ミゼラブル』のまとめ

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いかがでしたでしょうか?

映画『レ・ミゼラブル』は重いテーマの作品ですが、19世紀のフランスに迷い込んでしまったかのような圧倒的なスケール感と、豪華キャストが奏でる圧巻の歌声、ジャン・バルジャンとジャベールのハラハラするアクション、大人になったコゼットの恋愛模様など、エンターテイメント性も兼ね備えているのでシリアスすぎずテンポよく楽しめる作品となっています。

そして、映画のラストに流れる「民衆の歌」には、時代の波に翻弄されながら、それでも希望を捨てずに前を向いて進む登場人物たちの生き様が込められており、胸に迫ります。

観終わった後は、自然と「明日もがんばろう」と思えるはず!

参考元

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