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出典:amazon

2019/04/12
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笑いあり、涙あり。愛猫たちとの生活を描く家族の物語『ペン太のこと』

漫画家・片倉真二がある日、家に連れてきたアメショーの雌「ペン太」。癒ペットショップで出会ったペン太を始め、迎え入れた愛猫たちとの日常生活は何気ないことも一つ一つが思い出となって笑わせ、心を温かくしてくれます。

目次

ペン太との出会いから始まった物語

『ペン太のこと』とは、元は漫画家である片倉真二が自身のHP「まんぷく遊々記」で公開していた四コマ形式の日記漫画でした。

当時連載漫画を抱え、精神的に余裕がなかったと自身で語っていた時期に、ふと立ち寄ったペットショップで一匹の子猫と出会ったことから始まります。

猫砂で爆睡していたそのアメショーの雌猫に惹かれ、家に連れて帰ったことで片倉真二の生活は次第に変わっていきました。

まんぷく遊々記 http://dekuchin.com/

ペン太が変えてくれた生活

仕事で神経をすり減らし、家庭での空気が冷たくなっていた最中、ペン太が我が家に来たことで徐々に明るさを取り戻していくこととなりました。

甘えん坊だけど、作者とその奥さんに褒めてもらいたくて一生懸命なペン太の姿が、ほのぼのタッチで描かれているので、可愛らしさと温かさがより強調されています。

突然の余命宣告

家族から愛されてすくすく育って言ったペン太でしたが、10歳を迎える直前に突然の余命宣告を言い渡されます。

あまりにも唐突な出来事に、作者の片倉真二は作品内でも受け止めきれないような心情を書き綴っていました。最後の日を迎えるその日まで、ペン太を「これまで以上に甘やかしてあげる」と言う作者の言葉にその意味が感じられます。

それまでの当たり前だった日常が一転する瞬間、人はいつも以上に冷静になって現実を受け止めようとする準備に入る姿がとても印象的です。
初めてペン太と出会った季節、一緒に見た桜を再び見ながら思い返す作者の姿に涙を誘われます。

ペン太との別れから新たな家族との物語

最後の時を迎えようとするペン太を看取る作者と奥さんの姿、その言葉がそれまでペン太に注いできた愛情をうかがわせます。
最後の別れの際、ペン太の体に無言で手を置き、声を殺して泣いている作者の姿に思わず涙が溢れそうになります。

面白おかしく、愉快なタッチで描かれている本作品は一貫してコミカルな絵面が変わることはありません。
ですが、この別れの回でもペン太との思い出を振り返る姿には強い説得力が込められているのです。

ペン太が亡くなった後も連載は続くことが発表され、本作品は商業化の際にリメイクされています。
本作品のリメイク版はWebコミックモアイのサイトで1話から掲載されています。
ペン太健在時は登場していなかった猫も続々と登場し、これまで同様猫たちとの微笑ましい生活が繰り広げられています。

モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ http://www.moae.jp/

モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ

ペン太の親友「ポン太」

ペン太がメインだった頃から登場しているポン太は、作者が里親募集のサイトで一目ぼれして迎え入れた雑種の雌猫です。

ペン太もそうでしたが、ポン太も雌猫でありながら雄のような名前を付けられています。
いかにも女の子と言う名前を嫌った夫婦が付けたらしいですが、当初作者は「ガンテツ」と名付けようとして奥さんに激怒されたという経緯があります(笑)。

来た当初はペン太とソリが合わず、しょっちゅう喧嘩をしていたことが作品内で紹介されていましたが、ある日夫婦でペン太とポン太が仲良くなることを夫婦で神頼みしました。

帰宅後に見ると、2匹が寄り添って昼寝をしているのを目撃します。
「神様も粋なことをする」、それから2匹は寄り添う仲睦まじい関係になったそうです。

片倉家初めての雄猫「金太」

作者に猫たちがあまりにも懐くものだから、奥さんは自分専用で愛でられるアビシニアンの雄「金太」を迎え入れるのでした。

しかしこの金太、食い意地が張っているわんぱくな猫でした。
その性格のため、いつも晩御飯をあげていた作者にべったりと懐いてしまうのでした。
奥さんの思惑通りとはいかなかったようですね。

ブサカワ猫「ハムやん」

奥さんと一緒にペットショップに行った際、ケージにやたらガリガリで不細工な猫を見かけるのでした。
その猫を見ているとなんだか憐みが湧いてきて、思わず連れ帰ってしまうと言う展開になりました。

ロシアンブルーの雄の猫は「ハムやん」と名付けられ、たくさんご飯を食べさせて元気にさせようと考えるのでしたが、一向に変化がないと言うのです。

心配した作者は動物病院に連れていき診察してもらいました。
その結果、健康そのものと言われ、結局ハムやんは「ただのブサイクだった」と言う酷いオチが付きました。

写真や漫画で見るとそこまで不細工なようには見えませんが、作者曰く「おっさん臭い猫」らしいのです(笑)。
作中でも奥さんとの主従関係が面白おかしく描かれているので必見です。

挙動不審で臆病「はたけ」

知り合いから譲ってもらった雌のメインクーン「はたけ」はとにかく臆病でおバカな雌猫と言う紹介がされています。

人目が怖く、ちょっとした物音で怯えてしまうくらいの臆病な猫ですが、スイッチが入ると途端に甘えモードに入ると言うから先が読めないのです。

メインクーンのような高貴さが欠片もなく、おつむに問題があるなど作中でも散々な描かれ方をするはたけですが、人気投票では見事ペン太を破っての1位獲得という作中でも屈指の愛されキャラです。

様々な猫(と人)たちの生活を描いたほのぼの作品

猫たちにスポットライトが当たっていますが、元は個人HPで紹介していた日記風の漫画が元となっています。
ペン太たちを迎える以前は片倉真二を取り巻く(変な)人たちの日常を描いている内容です。

そのため、『ペン太のこと』においても作者とその仲間たち人間をメインにした話も多数登場します。
そこでも猫たちに負けないくらいおかしな挙動や言動を繰り広げつつ、ありそうな内容を展開するので、こちらも見逃せません。

猫たちだけではない、取り巻く人たちの面白おかしい日常

ペン太との出会いから始まった一つの物語である『ペン
太のこと』は、何気ない日常生活だけどどこか面白おかしくて思わずうなずいてしまう出来事の連続です。

片倉真二のコミカルタッチで描かれる愛らしい猫たち「家族」との触れ合いは、癒しを求める人たちにぜひ読んでもらいたい作品です。

参考元

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