アカデミー賞5部門にノミネートされた話題作「セッション」。3億円という低予算で製作されながら観客、批評家の双方から高い評価を得たこの作品の魅力にせまります。
世界中に旋風を巻き起こした映画「セッション」!!
数ある音楽映画のなかでも異彩を放つストイックな内容で、多くの映画賞を受賞した「セッション」。厳格すぎる音楽教師テレンス・フレッチャーを演じたJ・K・シモンズはこの作品でみごとオスカーを獲得しました。
元々若手監督のデミアン・チャゼルの書いた85ページの脚本がブラックリスト(映画化されていない優秀なシナリオの一覧)に乗ったことで注目され、映画化がなされました。資金集めのため、デミアンは脚本の15ページ分を映像化、その18分の短篇をサンダンス映画祭に出品すると激賞されます。
製作の発案時点では資金の集まらなかったこの作品は、そうして晴れて映画製作への道がひらけたのです。
完成後はサンダンス映画祭でのグランプリ、観客賞受賞を筆頭に、アカデミー賞主要3部門受賞、他にも各地の映画祭において高い評価を得ることになります。
「セッション」Story
アメリカ1の音楽学校に通う19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は超一流のジャズドラマーを目指し、日々練習にはげんでいます。
そんなあるとき、最高の指揮者であり鬼教師のテレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)がニーマンの演奏に耳を傾けます。そしてフレッチャーは自分の率いる学内のスタジオ・バンドにニーマンを引き入れます。ニーマンはそこでスパルタの音楽教育を受けることになるのです。
フレッチャーの指導は体罰を持さない厳しいものです。人間性さえ否定される罵詈雑言とドラム・プレーに求めるレベルの高さに必死に食らいつくニーマン。恋人のこともわずらわしく感じるほどにドラムの練習に没頭していきます。
彼はライバルたちからついにドラムの主演奏者の座を奪い取ります。苛烈を極めるフレッチャーの教育のなかで病的なまでにドラム演奏にのめり込むニーマン。そしてついに主演奏者として迎えたコンペティションの日がやって来ますが……。
「セッション」メインキャスト
アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)
主人公ニーマンを演じたマイルズ・テラー。ジャズ・ドラマーを演じるために2か月間にわたり毎日3~4時間の練習を重ねました。作品内で演奏中に手から血を流すシーンがありますが、それは本人の本物の血です。演奏も実際にマイルズ・テラーが行っています。
テレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)
狂気に満ちた指導者テレンス・フレッチャーを演じたJ・K・シモンズ。魅力的な深みのある悪役を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。これ以上ないほどのハマり役です。鬼気迫る演技はオスカーに値しました。
「セッション」注目の若手監督
「セッション」を世に送り出した仕掛け人デミアン・チャゼル監督。ミュージシャンを目指し、高校でジャズ・ドラムに打ち込んだ時に出会った厳格な音楽教師がフレッチャーのモデルとなっています。この作品がキャリアの画期となり、その後も各作品で数々の賞を受賞しています。
驚愕のクライマックスへと続く作品のみどころ
作品のキャッチコピーにも使われていますがラスト9分は圧巻です。手に汗握るクライマックスが待っています。
ニーマンとフレッチャーのセッションはどのような結末を迎えるのでしょうか?
この2人の師弟関係は単純な愛憎をこえた魅力をそなえています。重厚な人間ドラマとしても今作品は楽しめるはずです。
これまでの音楽映画の紋切り型のストーリーとは一線を画した作品世界に、夢中になること請け合いです!
参考元
- ・参照リンク:セッション (映画) - Wikipedia
- ・参照リンク:映画『セッション』公式サイト
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