江戸川乱歩の小説をアニメ化！ 『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』

『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』とは

『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より』は、江戸川乱歩生誕120周年にあたり制作されたアニメである。

江戸川乱歩の小説「少年探偵団」を原案とし、舞台を2030年の近未来に移して描かれている。

2016年10月には放送が開始され「少年探偵団」を知らない方でも楽しんで頂ける作品となっている。

同年に漫画も連載開始され、2017年には「マガジンSPECIAL」から「別冊少年マガジン」へ移動となった。コミック本は2017年4月現在2巻まで刊行。

またコミカライズ化、舞台化、実写映画化などすべてを含め”TRICKSTERプロジェクト”と称されている。

『TRICKSTER』ってどんなストーリー？

明智小五郎率いる少年探偵団の花崎が、死ねない小林少年と出会う。彼がなぜ死にたいのか、なぜ死ねないのかを花崎なりに突き詰めていく。

その一方で、まるでゲームを楽しむかのように様々な事件を引き起こす、怪人二十面相に振り回される明智や探偵団を描いている。

自分の能力によって、多くの人を傷つけてしまったと心を痛める小林少年は、ただただ死にたいと願っていた。

そんな時、少年探偵団の花崎と出会い、いつか死なせてやるという花崎の条件をのみ、少年探偵団に入ることになった。

死ねない体を使って、事件に貢献する小林少年だが、誰かを守るときは自らも負傷することに気がつく。

一方で、明智を挑発するかのように事件を引き起こす怪人二十面相。

ふたりの過去に何があったのか。口を閉ざす明智と、怪人二十面相との対峙もゴングを鳴らす。

探偵活劇にGACKTも声優で参加！

小林芳雄（こばやし よしお）役/山下大輝

謎の靄によって、死ねないどころか傷ひとつつかない体になっている主人公の小林少年。

無愛想で笑顔も見せず生意気口調だが、本当は仲間のことを気遣う優しさを持っている。

たくさんの人を傷つけたことが原因で、死にたいと願うようになった。

死なせてやるという条件の下、少年探偵団に加入した。

30cm以内に近づくと傷つけてしまうということが、花崎の計量によって分かった。

しかし自分に危害がないものに関しては、自ら触れることができる。

どんなに強力な武器でも弾いてしまい、猛毒を服用しても体に吸収されることはない。

花崎健介（はなさき けんすけ）役/逢坂良太

花崎は少年探偵団のリーダーで、天真爛漫な少年である。

小林少年の不思議な能力を認め、願望をも認めたうえで探偵団にスカウトした。

小林少年が人を助けたとき傷を負ったことから、人を救うことが小林少年が死ねるチャンスだと気がついた。

花崎財閥の息子となっているが養子である。その立場ゆえ、養父に引け目を感じていたが、実は本心から愛されていたことを知る。

野呂誠（のろ まこと）役/木戸衣吹

野呂誠は、マンションに引きこもっている探偵団のメンバー。

自分を野呂っちと呼び、言葉の最後に「～っちゃう」や「～ってる」とつけて話すのが特徴。

フクロウのピッポちゃんを介して映像を見たり、みんなと会話している。

外出は一切しないためヨガをやったり、ルームランナーなどを使用し、運動不足を解消している。

井上了（いのうえ りょう）役/梅原裕一郎

少年探偵団の元リーダーをしていた井上は、過去の怪我が原因で車椅子で生活をしている。

リーダーを花崎に譲ったあとは、運転手や明智の助手としてチームに貢献している。

冷静沈着で洞察力にすぐれ、実質探偵団の司令塔としての役割も果たしている。

明智小五郎（あけち こごろう）役/小野大輔

明智小五郎は元傭兵で、現在は「明智探偵事務所」の主である。

少年探偵団の活動には一切口出しせず、好きなようにやらせている。

警察から依頼される事件で、二十面相が絡んだものに関しては自ら現場に赴く。

二十面相とは過去からの因縁が絡んでおり、それが物語の真髄となっている。

怪人二十面相（かいじんにじゅうめんそう）役/GACKT

明智を挑発しながら、”事件”という挑戦状を送り続けている怪人二十面相。

経歴は不明だが、傭兵だったころの明智と何か関係があるようだ。

花崎が動揺するようなことを吹き込んで利用し、事件を撹乱させたりもした。

小林少年と花崎の出会いが運命の扉を開く

自分の妙な能力に陰となっていた小林少年に、花崎は持ち前の天真爛漫さで希望を与えた。

その能力を上手に使えば人助けもできるし、願望を叶えることもできると気づいたのも花崎だ。

自分のことを真剣に考えてくれる花崎に、小林少年は次第に心を開いていく。

また、花崎が探偵団から外れそうになったときは、何とか元に戻そうとする小林少年の心の変化が見え隠れする。

ひとりぼっちだった小林少年だったが、花崎との出会いで友情を知り、運命の扉が大きく開いていくのだ。

相変わらず無愛想で愛嬌もない小林少年だが、彼の変化にも注目して観ていただきたい。

近未来を舞台に怪人二十面相と明智・少年探偵団が駆け回る

不可解な事件のほとんどが怪人二十面相が関わっていると考えていいだろう。そして二十面相は決して捕まらないのである。

本当の目的は何なのか。二十面相が起こす事件は明智と探偵団の関係を崩壊させるようなことばかりである。

明智がただの探偵でいることが不満なのか。過去、傭兵だったころの明智と、探偵である明智の何が違うのか。

どうやら二十面相自身の解釈で、明智が持っている”何か”の才能を、見出しているのかもしれない。

どうして探偵ではいけないのか、明智に何を期待しているのか…。

不可解な事件を起こす二十面相に、明智そして少年探偵団が駆け巡るのである。

個性的なキャラクターに注目！

『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』の登場人物には、個性的なキャラクターが多く登場する。

明智や花崎、小林など少年探偵団の面々は一癖も二癖もあるような人物ばかりである。

特に野呂に関しては曲者といわざるを得ない。ショッピングはすべて通販を利用しており、運動も屋内で行っているので、外に出る必要がないという。

ピッポちゃんにカメラやマイクも仕込んであり、オンタイムで会話できるので、調査には支障もない。

ある意味、危険が回避されるという点ではメリットがあるようだ。

しかし、花崎が通う学園にも風変わりな人物がいる。少年探偵団の道具を開発している大友も、個性的なキャラクターのひとりだ。

洞察力に優れており、天才なのか何なのか分かりにくいところがあるが、裏とも表とも取れるような言葉も気になるところだ。

2017年4月には舞台で上演！

『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』は舞台化もされており、2017年4月「TRICKSTER~the STAGE~」のタイトルで上演された。

劇場は「Zeppブルーシアター六本木」、現在上演は終了している。

出演者は、主に舞台を中心に活動しているイケメン若手俳優の面々。

各々の個性を最大限引き出した演技で、個性的なキャラクターをを演じきり、多くの観客を魅了した。

また、本が苦手な方でも動画配信サイトでアニメ視聴できるので、この機会に”江戸川乱歩”の世界観を味わってみては如何だろうか。