『クダンノゴトシ』は、楽しい思い出となるはずの卒業旅行の帰り道にいつの間にか迷い込んでしまった脇道で男女7人の乗った車が、何かを轢いてしまったことで事件が始まります。 轢いてしまったのはただの獣だったのか?それとも・・・。次々に起こる奇妙な体験に夢ではなくこれが現実だと実感した時には、この悪夢から逃れられなくなった仲間が犠牲になっていきます。 伝承が残る妖怪「件(くだん)」をもとに作られた作品。
異形のホラーの作者は渡辺潤先生
「とくかく怖い」と評判になった『クダンノゴトシ』の作者は渡辺潤先生です。
1989年の第103回月間新人漫画賞で入選し、ヤングマガジンに掲載されてデビューをしました。
・1990年 ヤクザ漫画『代紋TAKE2』(原作:木内一雅)
・2007年 ボクサー漫画『RRR』
・2010年 三億円事件を題材とした『三億円事件奇譚 モンダージュ』
いずれも週刊ヤングマガジン(講談社)で連載しました。
今回、話題となった『クダンノゴトシ』は同じく週刊ヤングマガジン(講談社)で2015年8月から2017年1月に掲載され、単行本は全6巻で完結しました。
画力のある力強いタッチで描かれる「件(くだん)」がとても怖いと話題になった作品です。
そもそも「件(くだん)」ってなに?
件(くだん)は、19世紀頃から日本に伝わる妖怪です。
「体は牛で顔が人間の半人半牛」と伝えられてきましたが、第二次世界大戦の頃は体は人間で、頭が牛の姿だとも言われました。
伝承は様々な形で伝えられ、幕末頃には「牛から生まれて人語を話す」と噂されました。
件が現れると、流行病や戦争など重要な事件や事柄を予言すると言われています。
この予言は必ず的中すると言われて恐れられる反面、件の姿を厄除けの護符とする風習もありました。
江戸時代から昭和にかけて日本各地で目撃されたと言われています。
ホラー好きの心をつかむ?!ジャケ買いする人も
渡辺先生の画力によってホラー要素がますます強まっている『クダンノゴトシ』は、表紙のデザインにも迫力があります。
ホラー好きには堪らないカバー画にジャケット買いしてしまう人も続出するほどです。
ストーリー構成も怖いと定評がありますが、それを後押しするのが渡辺先生の画力です。
本編を読み進める間に出てくる「件(くだん)」は生々しい迫力があり、牛のような妖怪に人の顔がついているのでますます怖さが増します。
襲われる登場人物たちの恐怖におののく表情には鬼気迫るものがあります。
『クダンノゴトシ』ってどれくらい怖いの?
ホラーの醍醐味はなんと言っても怖さのあまりに、眠れなくなったり、夜が怖くなったりするということにおもしろさを感じるところにあります。
恐怖を感じることが楽しいわけですが、『クダンノゴトシ』はどれくらい怖いのでしょう?
あまりの怖さに眠れなくなる人続出!
子供の頃にホラー映画を観て眠れなくなったという経験をした人もいるかと思われますが、「この『クダンノゴトシ』を読んで、夜が怖くなった。眠れなくなった」とつぶやいている人がいます。
それほど、怖いストーリーということですね。
あまりの怖さに読むのを断念してしまった人も・・・
いい大人が途中で読めなくなるとは、一体どれほど怖かったのでしょう。
怖くても怖くても、きっと続きが気になって仕方がなくなり、また手に取りなおしてしまう作品です。
ホラーが好きな人にはたまらないシチュエーションです。
多くの人が怖いと断言するその内容にはハラハラしてしまいます。
続きが気になって仕方がないストーリー構成
怖くても読んでしまうというのはホラーにとって最高の褒め言葉です。
続きが気になるというのは、本編のストーリー構成が優れているからです。
全編、謎と恐怖がうまく織り込まれている漫画である証明です。
謎が多いため、つい読みすすめてしまうこと必須です。
謎が謎を呼ぶ先の読めない展開にモヤモヤする
読み終わったあとも謎について自分なりの解釈がうまくできず、またそれをうまく伝えることも難しくモヤモヤしてしまう人が多いようです。
ホラーらしくハッピーエンドではなく、どこかにまた謎や引っ掛かりを残してラストを迎えます。
ミステリーの要素もたっぷりと詰まった内容は、主人公の光の存在がキーパーソンとなりどんどん壮大な謎へはまりこんでいくことになります。
惜しまれつつも第6巻で完結
続きが気になって一気に読み上げてしまった人も、最新巻の発売を心待ちにしていた人も完結には落胆が隠せません。
続編が作り出されてもおかしくない内容の濃さがある『クダンノゴトシ』は、「件(くだん)」に翻弄された人間の悲惨な最後に恐怖が残るばかりです。
謎と恐怖が交錯する傑作
『クダンノゴトシ』は、日本に伝わる妖怪の存在と理解しがたい不思議な現象を巧みなストーリー構成と迫力ある画力で仕上げられたホラー漫画です。
謎がまた謎を呼び、逃げられない恐怖にその人の人格が現れる様子が描写されています。
怖いけれど、続きを読まずにいられない作品ですので、怖がりの人は決して夜に読まないようにしてください。
参考元
- ・参照リンク:漫画『クダンノゴトシ』公式ページ ヤングマガジン公式サイト|無料試し読みと作品情報満載!
- ・参照リンク:渡辺潤 - Wikipedia
- ・参照リンク:件 - Wikipedia
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