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出典:amazon

2016/12/21
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変わってゆく、自分のカラダ。【化身】

急に休暇を取りたくなって、嫌味を言われながらも長期休暇をむしり取り異国へと旅立つ主人公。そこで起きる思わぬハプニングと、それに伴う心身の変容。

目次

窮屈な都会を離れて

会社の繁忙期に適当な言い訳で有給休暇をむしり取り、やってきたのは南の島。上司には散々嫌味を言われたけれど右から左に聞き流し、クビならクビでも構わない!

そんな意気込みでもって、満員電車もノルマも残業もない国へ、行き当たりばったりでやってきた主人公。空港の駐車場にいた、変わったカブトムシにひかれてついふらふらと、森の中に分け入ったのが運の尽きだったようです。

同じカブトムシはおろか似ている甲虫すらなかなか見つけられないなか、主人公は生来の頑固さ、意地っ張りなところを無駄に発揮して先へ先へと進んでしまいます。

当然、視界も足元も悪い原生林。
彼は足を滑らせて、大きな池に落ちてしまいます。

文字通り、転落

その池は巨大なすり鉢状で、中央に一本だけ、柱のように岩が顔を出しています。なんとかその「柱」まで泳ぎ着いた彼は、まず状況を把握するところからスタート。

助けを呼ぼうにもあたりに人の気配はなく、よじ登ろうにもつるつるしてとっかかりがありません。じりじりと照り付ける太陽にあぶられながら、彼は考えます。

ここで、死ぬのかと。

試行錯誤

彼は生きることを決してあきらめませんでした。目下のターゲットは、時折岩に上がってくる蟹。なんとかつかまえれば、食料にはなりえるはずです。

しかし相手は蟹。素手で挑めば、その鋭いはさみで文字通り血がにじむ一撃を受けてしまいます。

それでも彼はあきらめません。気が遠くなるような時間、考え続け、ついに「あるもの」を利用して蟹を仕留めるに至ります。

もちろん加熱もできず、味付けもない生の蟹ですが、彼にとってはこの上ない勝利の味わい。「飢えて死ぬ」という恐怖から脱却できた、記念すべき味なのですから。

水への帰還

蟹を狩る方法を編み出して飢え死にの危険を免れた主人公ですが、今度は蟹を叩くのに使っていた道具が壊れてしまいました。手ごろなサイズの石なりなんなり、手に入らなければ再び餓死の危機にさらされてしまいます。

そこで彼が挑戦したのは、素潜り。

最初はとてもこれでは……という結果ばかりだったのですが、反省に反省を重ね、データとして経験を活かし、ついに彼は深い池の底に潜れるようになりました。

池の底ではもちろん石は拾い放題の選び放題。それに、みっしりと繁殖している2枚貝。これもちゃんと食べることができて、池の底はすべて彼らで構成されているのではないかというくらいにはびこっています。

ここまでくれば、彼の食卓は保障されたも同然。自然、心の余裕もできはじめます。

化身

食料を確保してからというもの、主人公はもはや人間というより水生生物のように”進化”していきます。

慣れだけというわけではありません。小鼻や耳の筋肉が発達することで水の浸入を防ぎ、手足の指の間には水かきができます。心臓は心拍数を制限させることで長時間の潜水に耐え、肺には浮袋としての役目まで与えられます。

これはまさしく進化。タイトル通りに言うなら「化身」でしょう。

無論、こんな劇的な変化が、数日やそこらで起きるわけがありません。水底に捨てた靴や時計が繁殖する2枚貝に覆われるくらいの時間を、すでに主人公はこの池で過ごしているのです。

襲撃者

生態系の頂点として池に君臨する主人公ではありましたが、ある日突然、恐るべき襲撃者が現れます。

それは巨大なニシキヘビ。

いったいどんな理由でか、池に落っこちてきた大蛇。それはかつて彼が生活していた柱のような岩に巻きつき、そこに居座ってしまいます。

持久戦では(一応)哺乳類である自分が不利と目算を立てる主人公。事故とはいえ長く暮らして、「なわばり」のような感覚を彼も抱いていたのでしょう。

この景色にあの蛇はふさわしくないし、なにより自分の生活を脅かすと判断して、蛇退治に乗り出します。

再び、地上へ!

もう元の世界など忘れたような様子でいた主人公ですが、あるきっかけでかつての思いを取り戻し、地上に帰ろうと四苦八苦を始めます。

失敗続きの「脱出作戦」、成功するかどうかは、ぜひあなたが見届けてください!

参考元

  • ・化身角川書店

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