当サイト内に掲載されている[PR][Sponsored]の表記がある商品は広告(アフィリエイトプログラム)により編集部のおすすめとしてご紹介させて頂いております。

SHARE

contents kv

出典:amazon

2019/04/08
1,556 0

「吊り橋効果」?「純愛」?ストーカー女子の恋愛物語『あげくの果てのカノン』

滅びかかった世界、不安定な不倫愛、好きな人を一途にストーカーする主人公 人気の要素を集めてごった煮にした様な SF世界で起こる新しい恋愛ストーリーで話題になっている作品 その魅力をご紹介します。

目次

●あらすじ

不定形でクラゲの様な姿を持つ敵対生物「ゼリー」によって、人類は壊滅的な打撃を受けている世界。

人類の大半は地下へ逃げ、地上の覇権を巡って「ゼリー」と膠着した小規模な戦闘を続けている。

そんな世界で暮らしている主人公「高月かのん(こうづき かのん)」は、高校生時代に振られた先輩「境宗介(さかい そうすけ)」へいまだに好意を寄せている。

そんな「境宗介」は、今や「ゼリー」と戦う特殊部隊のリーダーで知らない人は居ない英雄的存在。

しかも、すでに結婚していて、「高月かのん」にとって「遠い存在」。

「高月かのん」は、彼の行動や生活をストーカーしている毎日だったが、そんな生活に突然、変化が訪れた。

●恋愛マンガ?SFマンガ?分類不能な作品

端的に説明すると内容的には、テンプレ的な少女マンガです。
主人公の女の子には、前々から思いを寄せていた男の子がいて、しかもその男の子は誰からも好かれるヒーロー。
いかにして主人公は、男の子に存在を気付いて貰って、恋人になれるか?
そんな普通の作品なのですが、その男の子は結婚している。
しかも、主人公は一度振られていて、それでも諦め切れずにストーカーになっている。
そんな現代的な恋愛ストーリーになっています。
更にそこへもう「ひと悶着」が発生して、自体は複雑に変化してゆきます。

もうひとつは本作品がSFである事。
SFといっても、堅苦しい設定でありません。
敵対生物「ゼリー」といっても、現在は国会議事堂にくっついて「雨」を降らせているだけの存在。
人類とは定期的、かつ議事堂だけの限定的な戦闘を繰り返しているだけで、主人公「高月かのん」とはまったくと言っていい程関係ありません。
でもこの「ゼリー」という存在が、うまい具合に先の恋愛ストーリーに絡んでいます。
どう物語に関わっているのかは、ネタバレになるので作品を読んでください。

●奥手な作者が描く恋愛ストーリー

作者の「米代恭」は、自身の恋愛経験の少なさから「恋愛が描けなくて」悩んでいたと告白しています。
少しでもそれを克服するため、スタンダールが書いた恋愛感情を哲学的に分析した本「恋愛論」を手始めに、多くの恋愛指南書を読んで勉強しながら執筆したそうです。
作品中でも「高月かのん」が「境宗介」との関係に悩み、「恋愛論」に目を通すという描写が登場します。

インタビューや対談の中でも、「米代恭」は自身と主人公「高月かのん」の近似性をあげています。

作中であるエピソードで「高月かのん」が、声を録音したり歴代の彼女について調査したりといったストーカーじみた行動があります。
それについて、「米代恭」としては「普通の事」だったのに、読者から「こわい」「気持ち悪い」という感想が届いてビックリしたと述べています。

他にも作中の幾つかのエピソードについて、「米代恭」は自身の経験談だと述べています。

本作品は読者だけでなく、他の漫画家や作家などから大きく支持を受けています。
これは、「晩婚化」「コミュニケーション欠如」が多いと言われる現代社会の風潮も「追い風」となっているのでしょう。

また、主人公「高月かのん」がテンプレートな恋愛ストーリーの主人公でありながら、実はそれが拗らせて「恋愛ストーリーのダークヒーロー」的な魅力があるからでしょう。

現代恋愛劇には不可欠な「肉体関係の有無」。
インタビューの中で作者は、「高月かのん」と「境宗介」について、肉体関係を持たせられるか?
ストーリー上、持たせるべきなのか非常に苦悩しているそうです。
そうした「肉体関係」も含めて、こうした話はつい「ドロドロ」としがちですが、本作品では軽い感覚で読めてしまいます。

この不思議な読書感は、「米代恭」の才能なのか、それとも恋愛経験が少ない作者が描いたフィクションだからでしょうか?

●不可思議な敵「ゼリー」

人類の存在を脅かす敵対生物「ゼリー」。

本作品において、彼らの存在は希薄で直接的には関与していません。
しかし、本来ならば世界の支配者であった人類を半地下へと追いやった存在です。

なので、このまま静観しているとも思えません。

物語途中からハリウッド映画よろしく、「高月かのん」を守りながら「境宗介」が闘うパニックアクションへと移行するのか?
それとも、このまま物語の「設定」として「ゼリー」は鎮座し続けるのか?
もしかしたら、「高月かのん」が「ゼリー」の「影響」を受ける可能性もあります。

敵対生物「ゼリー」は、これから劇的に物語を一変させる可能性がある「伏兵」です。

●最後に

その他にも「高月かのん」と同居している「血のつながらない弟」、「境宗介」の妻の存在など、ふたりがハッピーエンドを迎えるためには、対処すべき様々な要素が散乱しています。

恋愛のダークヒーロー(?)「高月かのん」の活躍と今後が気になります。

作者「米代恭」が身を削って描く、新しいシチュエーションの恋愛マンガです。

参考元

当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。

合わせて読みたい

「漫画・本」人気ニュースランキング