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出典:amazon

2019/04/08
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「Always 続三丁目の夕日」のあらすじを、どこよりも詳しく解説します!

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昭和30年代の東京下町を圧倒的なリアリティーさで再現し、そこに住む人々の悲喜こもごもを描いて大ヒットした「Always 三丁目の夕日」。これはその4ヶ月後を描いた第2弾です。売れない作家の茶川と居候の淳之介、自動車修理工場を営む鈴木家。彼らを中心に東京タワー近くの下町に住む人々の生活を、笑いあり涙ありで丁寧に描き、多数の賞を受賞した感動作。その評判高い本作品をあらすじとともに詳しく解説します。

目次

売れない作家の茶川家に訳あって居候となった小学生の淳之介。向かいの自動車修理・場鈴木オートに、集団就職で住み込みとなった六ちゃん。

前作ではその出会いから、ふたりが家族の一員になるまでの騒動を描きましたが、本作品はそれから4ヶ月後。鈴木家では新たに親戚の娘・美加を預かることになり、茶川の前には、前作で登場した淳之介の実父・川渕が彼を引き取ろうと再び現れます。

裕福でわがままに育った美加は慣れない下町の生活に戸惑い、川渕は金の力で淳之介を引き取ろうとします。そんな中茶川は、前作で姿を消したヒロミと淳之介と共に暮らすことを夢見て、芥川賞に挑戦します。

完成した東京タワーをはじめ、高架橋のない日本橋や羽田空港など、見事に再現した昭和を舞台に、夕日町の人々の悲喜こもごもな出来事を詳しく紹介します。

本作を紹介する前に、前作を簡単にご紹介!

本作品は『Always 三丁目の夕日』の続編。前作を観ていない方や、観たけれどずいぶん昔、という方のために、超簡単に前作を振り返っておきましょう。

昭和32年春。青森から集団就職で鈴木オートに六ちゃん(星野六子)がやって来ます。大手自動車会社だと思っていた六ちゃんと、「自転車修理が得意」を「自動車修理が得意」と勘違いした鈴木オートの社長則文は最初から衝突。

しかし社長の「世界一の会社に」という夢に共感し、六ちゃんはそこで働くことになりました

一方売れない作家の茶川は、居酒屋の美人女将のヒロミが知合いから預かった小学生の淳之介を、酒の勢いで居候させることに。

母親に捨てられた淳之介は最初座敷わらし状態でしたが、茶川が自分の好きな小説を書いている作家だと知って心を開き、他人どうしの奇妙な生活が始まります

そして夏、秋が過ぎての年末。茶川は淳之介との関係で親しくなった居酒屋のヒロミにプロポーズ。ヒロミは「これしか買えなかった」という指輪の空箱を受け取ります。

しかし父親の病気治療のための借金があるヒロミはその翌日、元の職場である劇場で踊り子に復帰するため姿を消します。

失意の茶川に追い討ちをかけるように、淳之介の実父・川渕が登場。大企業の社長である川渕は、妾の子である淳之介を引き取りたいと申し出ます。一旦は川渕の車に乗った淳之介と見送った茶川でしたが、お互いが親子同然の間柄だということを痛感したふたり。

車から飛び降りた淳之介と、車を追いかけた茶川が、再び元の奇妙な生活に戻ったところで1作目は終了します。

そして4ヶ月後の春。

いきなりゴジラ登場!。倒壊してしまう東京タワー

本作品の冒頭はなぜかいきなりゴジラの襲撃。お馴染みのテーマ曲にのってゴジラが放射熱線を吐き、東京タワーが倒壊。崩れ落ちる建物の間隙をぬって自宅に急ぐ鈴木オートの三輪車。

避難しようとする鈴木オートの妻トモエたちですが、トモエはしっかりと「鈴木オート」の看板を抱きかかえます。そしてゴジラに踏み潰された店を前に、「よくも俺の店を!!」と怒髪天を突いてゴジラと睨み合う鈴木オート。

…と、茶川がタバコまみれの机で物語を書き、それを後ろから淳之介が覗き込む。いつもの茶川家の風景です。そんなある日、淳之介の実父・川渕が再びやって来ます

<一言解説>
前作では建設途中の東京タワーを見事なCG、VFX技術で再現させた山崎貴監督ですが、今回はその完成した東京タワーを、よりにもよってゴジラで倒壊させてしまいます。

オート三輪でがれきの中を必死に走り抜ける鈴木オートも、恐怖におののきながら看板を抱えて逃げるトモエも、しかしどこか楽しげに見えるのは錯覚でしょうか。

鈴木オートでは親戚のお嬢様を預かることに

向かいの鈴木オートでは、事業に失敗して職を探すことになった親戚から、その娘美加をしばらく預かることに。しかし母親を早くに亡くし、裕福でワガママに過ごしてきた美加は、鈴木家の住まいにあからさまに嫌悪感を表します。

「今日は奮発したから」というトモエが準備した豚肉でのスキヤキには手をつけず、持っていた24色の色鉛筆を巡って一平とも喧嘩。その際、強引に開けたその色鉛筆がかなり使いこなされていて、美加は絵を書くことが好きなことを一平は知ります。

スキヤキに手をつけなかった美加は空腹で夜眠れない。横で寝ることになった六ちゃんがそっと置いてくれたお握りを、彼女は涙を浮かべながら口にするのでした。

そしてその翌日から、「娘と思って接するからね」というトモエの指示で、洗濯を手伝わされる美加。

手回しローラーで洗濯物を絞るのに苦戦し、物干し竿に引っ掛けるのも失敗しますが、周囲の子供たちも皆なにがしかの手伝いをしていることに気がつきます。そんな美加の手に、トモエはそっとハンドクリームを付けてあげるのでした。

<一言解説>
特撮技術を駆使して昭和の世界を再現している本作品ですが、出てくる小物にも本物にこだわって揃えています。ここで出てくる色鉛筆もトンボ鉛筆による復刻版。

ただ昭和34年当時は紙パッケージだったそうですが、色鉛筆といえば缶でしょう。ということでここだけは変更されたています。ちなみに当時の価格で240円、高級品でした。

川渕に大見得を切って追い返す茶川。でも淳之介には秘密が。

川渕が再度やってくるということで、押しの強い鈴木オートが弁護士風のスタイルで同席することに。しかし大会社の社長にそのような脅しは通じるはずもなく一蹴。

学校での成績も良い淳之介には、良い教育を受けさせるのが親の義務。「君にそれができるか」と迫る川渕は、そっと封筒を差し出してきますが、茶川はそれを断固として拒否。

結局、「淳之介に不自由な生活はさせない」と啖呵をきった茶川と、彼を支える近所の人たちの熱意に負け川渕は再度退散します。しかし茶川の生活は依然苦しく、実は淳之介、学校給食費も払っていない状況でした

それぞれの小さな再開。トモエが日本橋で会ったのは元カレ?

そんなある日、鈴木オートの六ちゃんの元には、青森から一緒に上京してきた幼馴染の武雄がひょっこりと顔を出します。「世界一のコックになる」と言っていた武雄。六ちゃんに十分気があるそぶりですが、しかしその風体はどうも怪しそう。

戦友会があると出かけて行った鈴木オート・則文は、そこで戦死したと思っていた戦友と再開して盛り上がります。

自宅にまで連れてきて飲み明かしますが、翌朝トモエから、「昨日はお一人でご機嫌でしたね」と言われ呆然。「生き残った者は、戦死した者の分まで幸せにならないと」という戦友の言葉を思い出し、ひとり頷くのでした。

休日。六ちゃんと美加は、トモエが手作りしてくれたワンピースを着てお出かけ。おしゃれになった六ちゃんを観て武雄は気が気でありませんが、六ちゃんは青森女子たちと映画館に。石原裕次郎のドラマーに熱狂する六ちゃんですが、武雄がコックをやめていることを友人から聞かされます。

一方買い物帰りのトモエたちが日本橋を渡っていると、向こうからひとりのイケメンが。一瞬お互いが驚き、ドギマギしたまま目を合わすトモエとイケメン。「昨年シベリアから帰ってきた」というイケメンを眩しく見送るトモエ。帰宅するとステテコ姿でぐてーと寝ていた則文が、屁をこきながら起きてきて彼女たちを迎えます。

<一言解説>
「もはや戦後ではない」という昭和31年の経済白書の宣言通り、この頃の東京は建設ラッシュに沸き、若者文化が花開いていました。しかしまだ戦後の傷跡が残っていたのも事実。裕次郎に熱狂する六ちゃんと、幻を見た則文がそれぞれを表現しているようです。

ちなみに薬師丸ひろ子と上川隆也の日本橋での再開に、「ええ、まさか」と変な期待を抱いたあなた。そんなヤボなことにはなりません。

茶川は失意のどん底に。そこから一大決心!

そんな中、茶川にも東大卒業生の会合の連絡が届き、淳之介に促されて会場に向かいます。ところがその入り口付近で、エリートコースを走る同期の友人たちが茶川の現状を憐れみ、さげすんでいる言葉を聞いてしまい引き返すことに。

さらに帰宅した茶川は淳之介の担任の先生から、淳之介が給食費を払っておらず、そのため給食を食べていないとの連絡が。茶川に問い詰められた淳之介は、最近お米の値段が上がったため、茶川から貰っていた給食費をそれに当てていたと告白。

それを知った川渕からも海外出張前の羽田空港に呼び出され、茶川は冷たく罵倒されてしまいます。

更には、鈴木オートたちが見つけてくれたヒロミの働いている劇場に行ってみると、大阪の若旦那に結婚を迫られているヒロミに遭遇。

すべてが上手くいかない茶川は酒の力で一夜を明かした後、自分の再起を賭けて、諦めかけていた芥川賞を目指して小説を書くことを決意。淳之介を鈴木オートに預け、駄菓子屋も休業し、背水の陣で執筆に集中します。

<一言解説>
ほんのちょっとの出演シーンですが、淳之介の担任教師には吹石一恵、大阪の若旦那は渡辺いっけい、劇場の踊り子に手塚理美や貫地谷しほりと豪華な顔ぶれです。

茶川の作品は最終選考に。しかしそこに卑劣な男が…

こうして書き上げた茶川の作品は最終選考作品にまで残り、雑誌に掲載されることに。茶川の自宅には新聞記者が押し寄せ、そのニュースを知ったヒロミも雑誌を買おうと売店に向かいます。

しかし、「そんな立派な先生の周りに、私たちみたいな者がいると迷惑になるよ」という先輩踊り子の忠告を思い出し、手に取った雑誌を元に戻します。

発表日を控えたある夜。バーで飲んでいた鈴木オートたちの前に、芥川賞選考の関係者だという男が現れます。ひとしきり茶川の作品を褒めちぎった後、「でもねえ」と一言。そして選考委員会も醜いところがあって、最後の決め手は委員たちへの接待だとうそぶきます。

その上手な口車に乗せられ、鈴木オートも、茶川本人も、六ちゃんまでもが、なけなしのお金を男に渡してしまいます

これで芥川賞は確実。と信じた茶川は改めてヒロミのいる劇場に。ところがヒロミはちょうどその時、茶川の自宅に。ヒロミは身を引くため、あの大阪の若旦那の後妻に入ることを決心して劇場をやめたのでした

茶川と淳之介のためにカレーを作ったヒロミは、茶川から受け取った指輪の空箱を彼の机の上に返し、引き止める淳之介を振り切って出て行くのでした。

<一言解説>
カレーは茶川、ヒロミ、淳之介が始めて3人で食べた思い出のディナー食。淳之介にとっても初めての家庭の味でした。協賛したハウスカレーからは公開時に復刻版のルーも発売され、味はバーモントカレーの中辛でした。

いよいよ発表の日。川渕もやって来て、ヒロミは大阪に

そして発表当日。鈴木オートの店先には多くの報道陣が集まり、居間にはくす玉と宴会の準備が整ってます。「結果を見届ける」と川渕も陣取りました。

そして時間通りに鳴る電話。裏返った声で受話器を持つ茶川。しかし結果は。。。
慌てて男の名刺に書かれた番号に電話をかける鈴木オートですが、もちろんそんな男はいません。そこに六ちゃんに連れられて武雄が登場。

コックを辞めた武雄は詐欺師の手先となっていて、武雄から茶川のことを聞きつけたのがあの男だったのです。

「金で賞を買おうとしたのか」と罵り、「約束だ」と淳之介を連れ帰ろうとする川渕。しかし「所詮、君には才能がないんだ」という川渕の言葉に、「あんた、読んだことあるのか!?」と、鈴木オートやトモエ、六ちゃんや近所の人たちが一斉に反発します。

「文学くずれ」と茶川をバカにしていたご近所さんたちでしたが、実はみな作品を読んでいたのでした

「読んでみろ!」と迫る鈴木オートに押され、ページを開く川渕。

一方その頃、大阪に向かうため東京駅に着いたヒロミは、先輩踊り子から「餞別」としてあの雑誌を渡されます。特急「こだま」に乗り込んだヒロミ。開いた雑誌のページには「踊り子」というタイトルが。

読み終えて雑誌を閉じ、一瞬動揺する川渕。同じく雑誌を閉じて遠くを見つめるヒロミ。

しかし「こんなのは願望だな」と川渕は厳しく言い放ちます。落選の事実を受け入れた茶川は通りに淳之介を連れ出し、静かに川渕のもとに行くよう説得。「ヒロミさんと3人で一緒に暮らしたい」と泣く淳之介。

そこに、駆け戻ってきたヒロミが登場。驚く川渕。目を見張る淳之介。恐る恐る振り返る茶川。「迷惑だってわかっているけど」と言いつつ、ヒロミは茶川と淳之介の腕の中に飛び込みます。大喜びする鈴木オートたちの中を、川渕は静かに車に乗り込み去って行くのでした。

<一言解説>
東京駅の再現も特急「こだま」の再現も素晴らしいですが、ここはキャスト皆さんの渾身の演技に注目して下さい。

鈴木家では美加の成長と残念な別れが…

こうして茶川家での騒動は一段落しましたが、鈴木家でも美加との別れが訪れました。父親の新しい仕事が決まり、彼女は九州に行くことになったのです。ワガママだった美加がお茶を運んできた姿に父親は感無量で、一平はご機嫌斜め。

そして出発の日。トモエからハンドクリームを渡された美加は思わず「お母さん」と涙ぐみ別れを惜しみます。しかし、一平から24色の色鉛筆セットをプレゼントされると、「大きくなったらお嫁さんになってあげる」と言って、元気に出て行くのでした。

こうして鈴木家での騒動も一段落。

そして晴れて3人で暮らすことになった茶川、ヒロミ、淳之介は日本橋のたもとから、鈴木家は、高所恐怖症の則文を連れ出し東京タワーの展望台から、今日も美しい夕日を見つめるのでした

ということでこの映画は終了します。ワガママだった美加は他人の釜で飯を食ったことで成長し、淳之介は茶川家に、ヒロミも一緒に生活することになっての大団円でした。

昭和30年前半は、戦争を体験した世代と、戦後の復興を支える世代、その後の豊かな日本を体現する世代が同居する珍しい時代でした。

そんな日常を描いたこの映画は、もちろんひとりで涙しながら観るもよしですが、おじいちゃんと一緒とか、息子と孫たちと一緒、といった多世代で一緒に観るのも楽しいかもしれません。

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