『ALWAYS 三丁目の夕日』 シリーズ３作品のあらすじをご紹介！

『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズとは？

三部作となっている『ALWAYS 三丁目の夕日』。

1作目の『ALWAYS 三丁目の夕日』では、六ちゃんと淳之介が、舞台となる東京下町の夕日町三丁目にやってきます。

それぞれ事情を抱えて、この街で暮らすことになりますが、二人を迎え入れた人情味あふれる2つの家族を、昭和の街並みを背景に、笑あり涙ありで描いています。

2作目となる『ALWAYS 続・三丁目の夕日』では、六ちゃんがお世話になっている鈴木家には、新たに親戚の女の子が一緒に暮らすこととなります。

そして、淳之介を受け入れた作家の茶川は、念願の芥川賞の候補作に選ばれますが…。

最終作の『ALWAYS 三丁目の夕日'64』になると、集団就職のために田舎から東京へやってきた六ちゃんもすっかり大人になり、小学生だった淳之介も大学受験を控える歳になります。

それぞれの旅立ちが近づくなか、変わらない、鈴木家と茶川家の家族の絆が描かれています。

『ALWAYS 三丁目の夕日』あらすじ1　六ちゃんと淳之介

物語は青森からの集団就職列車が上野駅に到着するところから始まります。

大手自動車メーカーで働けると期待してやってきた星野六子(通称・六ちゃん)。

しかし、就職先の鈴木オートが一軒家の軒先だけのただの自動車修理屋と知って、彼女は呆然とします。

一方、鈴木オートの向かいで駄菓子屋を営む茶川竜之介は、芥川賞を目指す売れない作家。

最近開店した居酒屋の美人女将・ヒロミに頼まれ、酔った勢いで全く他人の小学生、古行淳之介を預かることに。

翌日二日酔いで目を覚ました竜之介は、そこに座敷童子のように座っている淳之介を見て、これまた呆然とします。

鈴木オートにやってきた六ちゃんの仕事ぶりに不満を持っている社長の鈴木則文は、「自動車修理が得意」と書かれた履歴書で採用したはずなのに、「これはサギだ！」と六ちゃんを叱責します。

ところが六ちゃんも「自動車会社じゃなぐて、ただの自動車修理場じゃねが！」と応戦し、向かいの茶川の家に逃げ込みます。

思わぬ反撃にあった鈴木オートは大激怒。

自分の店の玄関も、駄菓子屋の店先もぶち壊し、止めに入った茶川を投げ倒し、六ちゃんの荷物を放り投げての大暴れ。

息子の一平が履歴書には「自転車修理が得意」と書かれていることを見つけても、それは後の祭りでした。

一方の駄菓子屋では、執筆している茶川の後ろでじっと座っている淳之介。

茶川はそのことが気になって集中出来ず、ボヤきまくります。

しかし、その原稿を見た淳之介は、茶川が自分が好きな冒険小説の作家だと知り、嬉しくなって初めて笑顔を見せます。

淳之介を押し付けてしまった居酒屋の美人女将のヒロミも、笑う淳之介を見て一安心。

六ちゃんが逃げ込んできて騒動に巻き込まれますが、その後ほっこりとした雰囲気で3人はカレーを食べるのでした。

季節は過ぎて夏。

回転する扇風機に向かって「アー」と声を出して遊ぶ一平。

今日は鈴木家にテレビがやって来る日でした。

ご近所さんたちもお祝いの品を持って集まり、鈴木家は大騒ぎ。

テレビの前にかけられた風呂敷のカーテンが厳かに上げられ、ブラウン管が姿を見せると「おお～」という感嘆の声が。

背広姿の鈴木オート社長が挨拶し、早速スイッチを入れます。

映り出されたのは、力道山が出ているプロレス。皆一心になって力道山を応援します。

空手チョップを繰り出して熱狂するなか、突然画面がプツッと消えてしまいます。

「何やってんだ」としゃしゃり出てきた茶川は、ガチャガチャスイッチ類を回してチャンネルを壊してしまった挙句、テレビを解体までしてしまってオジャンに。

原因は、単にコンセントが外れただけでした。

そんな騒動を起こした茶川は、冒険小説のアイデアに行き詰まっていました。

そしてふと、淳之介の使っているちゃぶ台を見ると、そこに一冊のノートが。

学校ではイジメられっ子だった淳之介でしたが、ある時、冒険小説を書いていると知られたことをキッカケに、急速に友だちと仲良くなります。

そして、冒険小説が掲載された漫画雑誌の最新号を読んだ時、そこに自分のアイデアが使われていることを知り感動。

盗作してしまった茶川は、そんな純粋な淳之介を愛しく感じるのでした。

『ALWAYS 三丁目の夕日』あらすじ2　子供たちが感じた家族の愛

淳之介を介していい雰囲気になってきた茶川とヒロミ。

そんなヒロミが、淳之介の母親の居場所について茶川に相談したことから、騒動は起こります。

高円寺にいるという話を聞いてしまった淳之介は、どうしても母ちゃんに会いたくなり、一平と一緒に高円寺に向かいます。

母ちゃんが住む饅頭屋まではたどり着けましたが、店の主人に軽くあしらわれて結局会われずじまい。帰る金もなく、途方に暮れます。

夜になってもふたりが帰ってこないと鈴木家と茶川、ヒロミは大騒ぎ。

茶川は鈴木オートに突っかかり、取っ組み合いの喧嘩になりますが、そんななか、ふたりはトボトボと帰って来ました。

一平に手を出して叱ろうとする鈴木オート社長。

しかし、その前に茶川が淳之介の頬をピシャリ！　呆然とする鈴木一家とヒロミ。

片道切符分の小銭を握っての冒険は、母ちゃんに会えないという失望で終わりました。

ヒロミはその夜、「先生と一緒になって、淳之介のお母さんになろうかな」と呟くのでした。

そして冬になりクリスマスが近づき、茶川は淳之介へのプレゼントと、ヒロミへの想いで頭がいっぱい。

淳之介が万年筆を欲しがっていることを知った茶川は、天敵鈴木オートに相談をして、なんとか金の工面をします。

プレゼントを玄関先に置いたのは、子どもたちから「悪魔」と怖がられている開業医の宅間先生。

淳之介は初めて見るサンタクロースに大喜びして、幸せを感じるのでした。

そして、淳之介が眠りについた後、茶川はヒロミの店に行き、思い切ってのプロポーズ。

「今はこれしか買えなかった」と渡そうとしたのは、指輪の入っていないただのリングケース。

それでもヒロミは左手を差し出し、そこに見えない指輪をはめてもらうのでした。

しかし、その幸せな時間もまもなく終わってしまいます。

茶川からプロポーズされた翌朝、ヒロミはひっそりと店を閉め出て行ってしまったのです。

父親の病気治療のために出来た借金返済のため、以前のストリップ劇場に戻ったのです。

失意の茶川のもとに更なる追い討ちとして、淳之介の父親が登場。

大会社社長の彼は、淳之介は妾の子であること、今後は家族の一員として育てるからと説明し、慇懃無礼に淳之介を引き取りに来たのでした。

淳之介の将来を考え、「行きたくない」と目で訴える淳之介を突き放し、茶川は父親に彼を渡します。

しかし、淳之介が残した手紙を読んだ茶川は、ふたりが乗った車を追って猛ダッシュ。

足がもつれて倒れこんだ茶川の前に、車から降りて戻ってきた淳之介が。

それを見て、再び淳之介を突き押す茶川。それでも茶川の胸に飛び込もうとする淳之介。

必死に食い下がる淳之介を、茶川はやがてしっかりと抱きしめるのでした。

『ALWAYS 三丁目の夕日』あらすじ3　六ちゃんの帰郷

鈴木家でも、一平と六ちゃんにプレゼントが届きます。

六ちゃんに届いたプレゼントは、青森と東京の往復切符でした。

しかし、六ちゃんは浮かない顔をしています。彼女には帰りたくない理由があったのです。

そして帰省する当日。切符の時刻近くになっても六ちゃんは家を出ようとしません。

呼びかける鈴木家の家族に六ちゃんは切符を返却。

青森を出る時、母親からは「これでひとり口減らしがでけたぁ」と喜ばれ、手紙を書いても返事が来ないことを嘆き、「オラァ、家から捨でられたんだぁ！」。

そんな六ちゃんに、鈴木オートの妻・トモエは、「お母さんは里心が付かぬよう、わざと厳しく接しただけよ」と、毎月トモエに届いていた母親からの手紙を見せます。

それを見た六ちゃんは号泣するとともに、荷物を持ってこれまた猛ダッシュ。一路上野駅に。

列車に乗った六ちゃん。それを見送った鈴木家の3人。茶川と淳之介。

そして劇場の屋上にいるヒロミは、それぞれの思いを胸に、夕日の中に立つ東京タワーを見上げるのでした。

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』あらすじ1　茶川と鈴木オート

あれから4ケ月。完成したばかりの東京タワー近くに突然ゴジラが出現。

ゴジラの吐く放射熱線によって東京タワーは破壊され、鈴木オートの店も粉々に。

大事な店を潰されて怒髪天を突いて怒る鈴木オート社長・則文はゴジラと睨みあって…。

と、茶川は相変わらず冒険小説を書き、淳之介が後ろから覗き込む生活。

そこに再び淳之介の父、川渕がやって来ます。

「金が人生を決める」と淳之介の引き渡しを迫る川渕に対し、茶川は「淳之介に不自由な生活はさせない」と啖呵を切り追い返しますが、相変わらず苦しい生活が続いていました。

一方鈴木家では、事業に失敗した親戚筋から頼まれ、美加という娘を預かることに。

母親を小さい頃に亡くし、お嬢様として育った美加は最初から反発。

豚肉のスキヤキには手を付けず、息子一平と早くもケンカ。しかしそれは寂しさゆえの強がりでした。

優しい鈴木オートの妻・トモエはそれでも美加に洗濯の仕事手伝いをさせます。

背の低い美加は洗濯干しに失敗してしまいますが、淳之介が手助け。

その時美加は、子どもたちが皆家の手伝いをしていることに気づき、自分から台所の洗い場に立つようになります。

そして、自動車修理の仕事にもすっかり慣れた六ちゃん。

そんな六ちゃんのもとに、同じ青森から集団就職してきた武雄がひょっこりと顔を出します。

世界一のコックになると言っていた彼でしたが、その姿はどうにも怪しく…。

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』あらすじ2　茶川が芥川賞候補に

大学の同窓会に参加しようとした茶川は、売れない作家家業を揶揄されます。

そして、茶川がヒロミに会いに行くと、大阪弁の旦那から後妻になるよう口説かれている様子を見てしまいます。

さらに茶川は、淳之介が学校給食費をお米の支払いに充てていたことも知るのです。

川渕からも厳しく最後通告を受け、失意の中、茶川は大逆転をかけ芥川賞を目指します。

一方、六ちゃんはおめかしして、休日にお出かけ。

六ちゃんへの想いを募らせる武雄はデートではないかと気を揉みますが、実際は青森時代の同級生の女の子たちと映画館へ。

石原裕次郎のドラマーに熱狂した六ちゃんでしたが、その帰り道、友人から武雄がコックを辞めて、良からぬ仲間たちとつるんでいるとの噂を聞きます。

駄菓子屋の店を休業し、淳之介を鈴木家に預けて必死に書き上げた茶川の作品は、芥川賞候補作として雑誌に掲載されます。

それを知ったヒロミは喜びますが、劇場の先輩から「そんな立派な先生の近くに、自分たちのような者がいたら迷惑だよ」と諭されてしまいます。

候補になったことで、茶川や鈴木オートたちも大盛り上がり。

飲み屋で、芥川賞選考を担当しているという雑誌社の男・松下に偶然出会います。

最終的に選ばれるためには、実力だけではなく、選考委員への接待も必要とうそぶく松下に、茶川や鈴木オート、それに六ちゃんまでもが、なけなしのお金を松下に渡し、受賞間違いなしと確信します。

受賞を確信した茶川はヒロミを迎えに劇場に向かいますが、ヒロミは大阪弁の旦那の後妻になるべく劇場を辞め、最後の別れに茶川家に来ていました。

カレーを作った後、茶川からもらった空のリングケースを机に置き、ヒロミは去って行きます。

そして芥川賞発表当日。

お祝いムード一色の鈴木家には「結果を見届ける」と川渕もやってきます。

しかし、結果は落選。

そこに六ちゃんが武雄を連れて帰宅。

武雄と松下はつるんでいて、武雄の情報をもとに松下がサギを働いたことが判明します。

「所詮、才能がなかったんだ」と淳之介を連れ出そうとする川渕に、鈴木オートは雑誌を渡し「読んでから言え！」と一括。

その頃大阪に向かうため駅に向かったヒロミは、そこで劇場の先輩から「餞別」として雑誌を渡されます。

そこに書かれていたのは「踊り子」。茶川の深い愛を知ったヒロミでした。

「踊り子」を読んだ川渕は、一瞬目を泳がせますがすぐに立て直し「夢物語だ」と一蹴します。

落選の事実を受け入れた茶川も静かに淳之介を説得し、淳之介もそれに対し静かに、そして断固たる思いで拒否します。

そこに電車から降りて駆けつけたヒロミが登場。3人の抱擁を見て、川渕は「金じゃない世界か」と立ち去ります。

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』あらすじ3　もう一つの別れ

そして鈴木家では、美加の父親の就職先が決まり、美加は九州に行くことになりました。

すっかり鈴木家の一員となった美加は、トモエからハンドクリームを手渡されれ、思わず「おかあさん」と声を詰まらせ別れを惜しみます。

しかし、最後は一平に向かって「将来はお嫁さんになってあげる」と告白して九州に旅立ちました。

六ちゃんの心配のタネだった武雄も髪を丸めて出直しを決意し、そんな武雄に六ちゃんはデートのお誘いをします。

東京タワーに登るため貯金していた一平でしたが、それは美加へのプレゼント、24色色鉛筆に化けてしまったため、父・則文におねだり。

高所恐怖症の則文は、意を決して東京タワーに登ります。

そして鈴木一家は東京タワーの展望台から、茶川たち3人は仲良く日本橋から、美しく輝く夕日を眺めるのでした。

『ALWAYS 三丁目の夕日'64』あらすじ1　東京オリンピック開催

あれから約5年の歳月が流れ、鈴木オートは間口を広げ、作業員も1人増えて事業を拡大。

晴れて結婚した茶川とヒロミ、淳之介一家も家を二階建てに増築し、ヒロミのお腹には赤ちゃんが。

そんな茶川家にはようやく白黒テレビが運ばれ、新しもの好きの鈴木オートはカラーテレビを購入。

皆が皆、もうすぐ始まる東京オリンピックの開催を待ちわびていました。

そしてその開催式。

自衛隊機による上空での五輪のマークを描く見事な演出に、鈴木一家も茶川家の家族も、日本中の人々が感動に沸きました。

鈴木オートで働く六ちゃんはすっかりベテランになり、後輩の指導ばかりか社長の鈴木オートにも指示を出す成長ぶり。

社長の悩みは、エレキギターにうつつをぬかす高校生の一平のことだけでした。

そんな六ちゃんですが、仕事前にはいつもオシャレをして町の大通りまで出かけます。

以前腕に火傷を負った時に治療してもらった病院の先生・菊池と、偶然を装って挨拶をするために。六ちゃんにも、恋の季節がやってきたのです。

一方の茶川は、「少年ブック」の看板作家として冒険小説を連載していますが、相変わらず筆は進みません。

家計を助けるため、身重のヒロミは駄菓子屋の一部を改装して居酒屋を経営。

しかし、雑誌「少年ブック」で連載している茶川の「銀河少年ミノル」の人気が下降線をたどり、それに対抗するように、謎の覆面作家緑沼アキラの「ヴィールス」という作品の人気が急上昇します。

雑誌編集担当者は茶川に「もっと斬新なアイデア」を要求し、連載中止も示唆してきます。

そんなある日、茶川に「チチキトク」の電報が届きます。

最初、茶川はそれを無視します。小説家になることを茶川の父は認めず、茶川は勘当同然に家を出ていたのでした。

しかし、ヒロミの説得で何十年ぶりかの帰省。

ところが、叔母に面倒を見てもらっていた父は、茶川が来たことを知ると、寝ていた体を起こし「わしに息子はおらん！」と一喝。

茶川は帰ってきたことを後悔して、東京に戻ります。

『Always 三丁目の夕日'64』あらすじ2 六ちゃんの恋

鈴木オートでは、車を修理したことが縁で、六ちゃんと菊池が急速に親しくなります。

鈴木オートに内緒でデートをする六ちゃんですが、それを見つけたタバコ屋のオバサンは、大学病院で菊池の悪い噂を聞きつけ、六ちゃんに忠告します。

「遊ばれてんだよ」と忠告された六ちゃんは、自分の目で確かめるため菊池を尾行。

すると彼はイカガワしい雰囲気の路地裏で、イカガワしいお兄さんやイカガワしいお姉さんたちに囲まれて、ビルの中に入って行きました。

思い悩む六ちゃんは居酒屋のヒロミに相談。

火傷した時に菊池が呟いた「火傷の跡や傷の跡は、一生懸命生きている証で美しい」という言葉を思い出し、彼の誘いで一泊旅行に出かけます。

一方、「銀河少年ミノル」の人気が下降してきたという危機感から、茶川は自分でファンレターを大量に書きます。

しかし、原稿とファンレターの筆跡が同じなため、「これはやっちゃあいけない」と編集者にバレてしまいます。

更に、勉強していると思っていた淳之介が、実は小説を書いていて、彼が覆面作家の緑沼であることを知ります。

茶川は売れなくなった小説家がどんなに惨めかを切々と説き、茶川に深い恩義を感じている淳之介も東大受験に専念するため、アイデアノートを燃やします。

結局連載は中止。そこに追い打ちをかけるように「チチシス」の電報が届きます。

「後始末のためだけに帰ってきた」と言う茶川に叔母は、実は父親が熱心に茶川を応援していたことを切々と語ります。

半信半疑の茶川は自室の本棚に、茶川の「冒険ブック」が全巻揃えられていたこと、一つひとつに応援メッセージが書かれていたことを知ります。

「小説家は背水の陣でのぞばなければならん」と勘当した父。

「発想が面白い」「もう少し頑張れ」そして「芥川賞確実」と達筆な字で書かれた短冊を見ると、茶川は号泣して父の死を悲しむのでした。

そして、タバコ屋のオバサンから、全ての事情を知った鈴木オートは、戻ってきた菊池を店先で思い切りぶん殴り、道路に叩きつけます。

怒髪天を突き火をふく鈴木オートに平謝りする六ちゃん。そこに往診帰りの宅間先生が登場します。

菊池と親しく接する宅間先生。

実は宅間先生と菊池は、お金や保険を持てず、イカガワしい商売に身を置かざるを得ない人々に、無料の診療活動をしている知り合い同士でした。

その活動は病院では認められず、そのため前の病院は解雇。今も出世は望めぬ待遇とのこと。

それでも「放って置けない」と神妙に語る菊池と、「菊池先生は六ちゃんにふさわしい立派な男」という宅間先生の言葉に一同は納得。

一泊旅行は菊池の父親が開業していた寒村の診療所への挨拶のためでした。

しかし、菊池との交際は認めつつ、ふたりの結婚は渋りにしぶる鈴木オート。

それでも妻トモエに背中を押され、「幸せにしなかったらお前を殺す！」と涙ながらに訴えて承諾するのでした。

『Always 三丁目の夕日'64』あらすじ3　それぞれの旅立ち

東京オリンピックのハイライト。

東洋の魔女として一大旋風を巻き起こした、日本女子バレーのソビエトとの決勝戦。

試合開始と同時にヒロミは産気づき、無事女の子を出産します。

そして六ちゃんは純白のウエディングドレス姿に。

トモエは自分が結婚式の時母親からもらった真珠のネックレスを、花嫁の首に飾って送り出すのでした。

一方茶川は、家にまで押しかけて淳之介に執筆を依頼に来た編集者と大げんか。

淳之介を呼びつけ、東大か小説家かの選択を厳しく問います。

小説家になりたい！　と訴える淳之介を茶川は殴り倒し、激しく罵倒したあと荷物を外に放り出し勘当を言い渡します。

全ては、編集者を家に呼んだ茶川の芝居でした。

しかし、淳之介の部屋に入った茶川はそこに万年筆があることに気がつき猛ダッシュ。5年前と同じ道を猛ダッシュです。

淳之介の胸ポケットに「これが道しるべになる」と優しく納めますが、「これから俺は、お前を全力で潰す」と言い捨てます。

それに答えるように淳之介は、「オジちゃんの気持ちは全部分かってますから」と深々と頭を下げるのでした。

こうして物語は終了。

開業間もない新幹線の車窓に、六ちゃんと菊池が見えます。それを見送った鈴木家の人々。

タクシーの中の淳之介。店先で娘を抱く茶川とヒロミ。

今日も皆それぞれの想いを胸に、鮮やかな夕日を眺めるのでした。

『Always 三丁目の夕日』シリーズ　まとめ

1作目となる『ALWAYS 三丁目の夕日』は企画当初、決して派手ではないストーリーに成功を危ぶむ声も多くありましたが、結果は30億円を超える大ヒットを記録します。

そして、その年の日本アカデミー賞では最優秀作品賞をはじめ、主演の吉岡秀隆さんや堤真一さん、薬師丸ひろ子さんといった豪華なキャストたちも全て受賞。

さらにはレトロな昭和の時代を再現したVFX技術や舞台設定にも最優秀撮影賞、照明賞、美術賞等が贈られ、その年の日本映画界で大きな話題となりました。

こうした大きな反響を受けて、作品のシリーズ化が決定したのです。

『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズは、誰かの血が流れたり、謎解きがあったり、ハラハラドキドキする展開といったことはまったくありません。

普段の日常を描いただけの物語ですが、そこに描かれる家族愛や人々の絆に、見終わったあとほっこりとした気分にさせてくれる名作ですので、ぜひご覧ください。