2002~2007年のサム・ライミ監督による映画3部作が大成功した、人気アメコミヒーローの『スパイダーマン』。蜘蛛の力を手に入れた普通の高校生の活躍や葛藤を描いた実写映画シリーズが、スタッフ・キャストともに一新され、再始動! 新たな設定に基づき、再びスパイダーマン誕生から描かれるストーリーについて、さまざまな視点から分析していきたいと思います!
2012年から新たにマーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演で『アメイジング・スパイダーマン』(略称:アメスパ)、『アメイジング・スパイダーマン2』の2作品が公開されました。
スパイダー・スーツのデザインや能力が一新、ヒロインもMJからグウェン・ステイシーに変更され、大幅にアップデート!
ストーリー面ではピーターの両親や、巨大企業「オズコープ社」を中心に隠されたさまざまな謎を追い求める、ミステリー要素が強くなっています。
それでは、謎に満ちたストーリーを解き明かし、分析していきたいと思います!
『アメイジング・スパイダーマン』1作目 概要・あらすじ
出典:amazonアメスパ・シリーズ第1作目。
ライミ版の経緯をリセットし、再びスパイダーマン誕生から描かれるリブート作品です。
新たなヒロインとしてエマ・ストーン演じるグウェン・ステイシーが登場する他、ピーターの実の両親が重要な役どころとなります。
あらすじ1 ピーターの両親の謎。グウェンとの出会い
ストーリーは主人公の幼少期の回想から始まります。
幼いピーター・パーカーの両親、リチャードとメアリーは科学者で、ある研究をしていました。
しかし、両親は突然ピーターを伯父・伯母であるベンとメイ夫妻の家に預け、姿を消してしまいます。
その後、両親は飛行機事故で亡くなってしまいました。
成長し高校生となったピーターは、ニューヨークのクイーンズでベンおじさん・メイおばさんと暮らしていました。
写真と化学が得意な優秀な高校生でしたが、ミッドタウン・サイエンス高校では、屈強なバスケットボール部員のフラッシュ・トンプソンにからかわれていました。
一方で、クラスで自分と並んで成績優秀な女生徒グウェン・ステイシーと親しくなります。
父の秘密とコナーズ博士
ある日、ピーターは父のリチャードのカバンを見つけ、そこからリチャードと働いていた科学者のカート・コナーズ博士の写真と「ΦΦ 崩壊率の数式」と書かれた書類を見つけます。
コナーズ博士は巨大科学企業「オズコープ社」で働いている隻腕の爬虫類学者でした。
彼は自身の失った右腕やパーキンソン病などを治療することで「弱者のいない世界」を作ろうと考えていて、トカゲの尾が再生するように、人体の欠損を回復できる技術を研究していたのです。
グウェンはコナーズの助手でオズコープ社の主任研修生でした。
蜘蛛の能力の入手
インターン(研修生)のふりをしてオズコープ社に潜入したピーターは、社内で「オズコープ00」と書かれたラボを見つけます。
父・リチャードが研究していた書類にも「オズコープ00」と書かれていたため、気になってラボに入りますが、そこで実験動物の蜘蛛に噛まれてしまいます。
その日の帰り道、気がつくとピーターは蜘蛛ようなの俊敏さや機器察知能力、超人的な身体能力を手に入れていました(ただし蜘蛛の糸は体から出せません)。
大いなる力を手に入れたピーターは自信を持ち、いつも学校で自分をいじめていたフラッシュにバスケットコートで仕返しをします。
しかし学校側はそれを問題と考え、ベンおじさんが呼び出されてしまいました。
ピーターはベンおじさんから注意を受けます。
この時点ではピーターは正しい力の使い方を理解していなかったのです。
父の遺した数式
後日、ピーターはコナーズの自宅を訪ねます。
ピーターがリチャードの息子と知り、コナーズは過去を語り始めます。
かつて、リチャードとコナーズは共同で遺伝子交配技術を研究していて、やがてリチャードが蜘蛛の実験により得た研究結果から、その技術は成功目前でした。
しかし、リチャードは突然研究データとともに姿を消してしまい、研究ができなくなってしまったのです。
残されたコナーズは研究を続けていましたが、未だに動物実験にも成功していません。
それには、何らかの数式が必要だったのです。
そこでピーターは、リチャードの遺した「ΦΦ 崩壊率の数式」をコナーズに見せます。この数式が問題解決の鍵かもしれません。
オズコープ社でピーターとコナーズはその数式を用いて、トカゲの遺伝子から作った新薬を前足を欠損したマウスに投与したところ、マウスの足が再生したのです!
2人は実験の成功を喜びます。
あらすじ2 ベンおじさんとの口論
しかし、ピーターは浮かれるあまり帰りが遅くなり、ベンおじさんから言いつけられていた、メイおばさんを迎えに行くという約束を忘れていました。
ピーターはそのことでおじさんからお叱りを受けます。
そして「お前は父親によく似ている。だが、彼には“人は誰かのために何か良いことができるなら、それを行う責任がある”という信念があった」と告げられます。
それを受けてピーターは「それなら父さんはどこに行ったの? 子どもにそれを伝えるって責任は放棄して戻らなかったじゃないか!」と涙目で憤慨し、家を飛び出してしまいました。
突然の別れ
街をうろつくピーターは、食料品店のレジの金を盗んで逃げる男に遭遇します。
気が立っていたピーターは「僕には関係のないことだ」と相手にしませんでしたが、その男はピーターを追ってきたベンおじさんとぶつかり、止めようとしたおじさんは銃で撃たれてしまいます。
ピーターは慌てて駆け付けますが、おじさんは帰らぬ人となってしまいました。
こうしてピーターは父親同然だったおじさんと口論になったまま別れることになってしまい、深く後悔します。
傷心のピーターでしたが、バスケットコートでの一件以来親しくなっていたフラッシュやグウェンの励ましで、何とか気力を取り戻します。
そしてベンおじさんを撃ち殺した「腕に星のタトゥーがある男」を見つけることを決意します。
当初は、素顔のまま身体能力のみで街の悪党を倒してはタトゥーを確認していましたが、やがてマスクをかぶり、スパンデックスのスーツを全身に包むようになります。
そして、オズコープ社の特殊な蜘蛛の糸「バイオケーブル」を用いた糸発射装置「ウェブシューター」も装備するようになりました。
こうしてピーターは自警活動を開始しましたが、犯罪者のみを捕らえているとはいえ、警察はマスクの男も犯罪者ではないかと考えるようになります。
ニューヨーク市警の警部ジョージ・ステイシーは特に問題視していました。
あらすじ3 コナーズの暴走。グウェンへの告白
その頃、オズコープ社では問題が起きていました。
コナーズの上役のラーサ博士は、マウスの実験が成功したことを知ると、人体実験を強要します。
コナーズは危険性を主張し反対しますが、オズコープ社の設立者のノーマン・オズボーンが生命の危機に瀕しているため、早急に新薬が必要とのことでした。
それでも人体実験を断るコナーズをラーサは解雇し、新薬を取り上げてしまいました。
正しい選択をしたはずのコナーズでしたが、自身の長年の研究や右腕を諦めることができず、1本だけ隠し持っていた新薬を自分に投与してしまいます。
するとすぐに右腕が再生しましたが…。その薬は不完全で、右腕は爬虫類の腕となり、コナーズの意識は凶暴な人格へと変貌していきました。
グウェンへの想いを伝える
一方でピーターはグウェンの家のディナーに招待されます。
そこで会ったグウェンの父親は、以前からマスクを被った自分を追っていたジョージ・ステイシー警部でした。
ジョージはやはりマスクの男に否定的で、ピーターはいい気分はしませんでした。
ピーターはグウェンと2人だけで話していると、彼女には本当のことを知ってほしいと考えます。
ピーターは、意を決して自身がマスクの男だということと、グウェンへの愛を告白します。グウェンはそれを受け入れ、2人は結ばれるのです。
あらすじ4 スパイダーマンの誕生。そして、リザード登場
その直後、ウィリアムズ・バーク橋で騒動が起こり、ピーターは現場に急行。橋では巨体なトカゲのような姿の謎の生物が暴れていました。
コナーズは全身が爬虫類の怪物、ヴィラン「リザード」へと変貌してしまったのです!
リザードは橋にいたラーサから新薬を奪うとその場を去りました。
しかしリザードが暴れたことで車が橋から落とされ、その中には子どもが乗っていました。
ピーターはなんとかその子どもを救助し、橋の上まで引き上げて父親に届けます。
父親は子どもを抱きしめ、ピーターに深く感謝しました。ピーターはベンおじさんの仇探しや悪党退治ではなく、初めて誰かを助けることができたのです。
そしてその子の父親から「君は何者なんだ?」と聞かれ、答えます。
「スパイダーマン」だと。
それは、初めてスパイダーマンと名乗り、自身の進むべき責任ある道を見つけた瞬間でした。
リザードの正体
翌日、ピーターはオズコープ社のコナーズを訪ねますが、彼の様子がおかしいことに気がつきました。
そして、以前新薬を投与したマウスがリザードのような姿となり凶暴化していたことから、リザードの正体がコナーズだと察します。
親しかったコナーズがリザードだと知り、ピーターは苦悩します。
また、自分が父の数式を教えたことで新薬が作られてしまったため、何とかコナーズを傷つけずに止めなければいけないと考えます。
リザードの陰謀
リザードの正体を警察に知ってもらうため、スパイダーマンはリザードの下水の隠れ家に侵入し、写真を撮ろうと目論みました。
しかし、投与増加により更に強化されたリザードの襲撃に遭ってしまい、傷を負って退散します。
更に、隠れ家に残されたカメラから、リザードにスパイダーマンの正体がピーターだと知られてしまいます。
リザードはスパイダーマンを邪魔者と考えて排除しようとミッドタウン高校にまで現れますが、ピーターはなんとか撃退します。
スパイダーマンがリザードの後を追うと、下水の隠れ家でリザードのたくらみを知ります。
リザードは新薬をガス状にし、それをオズコープ社にある薬剤散布装置「ガナーリ装置」でニューヨーク全体にばら撒くつもりでした。
実行されれば、人々が全員リザードになってしまうのです!
ジョージとの和解
隠れ家からも逃げたリザードは、街で既に数名の警官に新薬のガスを浴びせていました。
ピーターはグウェンに連絡し、オズコープ社のラボで新薬の解毒剤を作成するよう頼みます。
そして急いでオズコープ社のビルに向かいますが、途中でジョージに捕まり、マスクを剥ぎ取られて、自身の正体を知られてしまうのです。
ピーターは「オズコープ社にはグウェンがいて、リザードもそこに向かっています! 止めないでください!」と必死にジョージを説得します。
その真剣な様子を見て、ジョージは逮捕を思いとどまります。
ピーターはマスクを被り、再びオズコープ社へ向かいますが、途中で警官に足を撃たれたせいで、いつものように素早くビルからビルへと飛ぶことができません。
このままでは間に合わない…。追い詰められたピーターに救いの手が差し伸べられます。
ニューヨーク市民の助け
街に避難勧告が出る中で、クレーン工事業者の男性がテレビ中継で負傷したスパイダーマンがオズコープ社へ急いでいることを知ります。
その男性は、以前ピーターが橋で助けた子どもの父親だったのです。
「彼は息子の命の恩人だ。スパイダーマンのために近道を作れ!」と同僚に命じます。
そして、オズコープ社への直線状にクレーンを配置し、ピーターはそれを伝っていくことでショートカットが可能になりました。
ニューヨーク市民に助けられ、ピーターはなんとかオズコープ社へ辿り着きます。
しかし、既にリザードはビル屋上へ登り、「ガナーリ装置」の準備を進めていました。
一方、グウェンは解毒剤の作成に成功しましたが、リザードがオズコープ社へ来てしまったため、ビルの外へ逃げるしかありません。
そこに現れたジョージは「スパイダーマンはお前の彼氏だったんだな。誤解していたよ。解毒剤は私が彼に渡す」と告げ、グウェンを避難させました。
あらすじ5 リザードとの決戦、ジョージの死
ピーターは屋上に辿り着きますが、装置には新薬がセットされ、散布のカウントダウンが始まっています。
リザードを止めるためスパイダーマンは必死に戦いますが、度重なる負傷もあって歯が立ちません。
追い詰められたピーターにリザードは「哀れだな。父も母も伯父もいない…。1人きりだ」と語りますが、そこに「1人じゃないぞ!」という声とともにジョージが現れました。
ショットガンでリザードを足止めし、ピーターには解毒剤を渡します。
ピーターはカウントダウンのギリギリで、散布される薬を新薬から解毒剤へ入れ替え、街全体に振り撒くことに成功します。
街で新薬をかけられた人々は解毒され、リザードもコナーズへと姿を変えていきます。
それによりコナーズは元の人格を取り戻し、ビルから落下しかけたピーターを救助しました。
しかし、助からなかった者もいました。
ジョージがリザードにより致命傷を負っていたのです。
薄れていく意識の中で、ジョージは「私が間違っていた。街には君が必要だ。だが、これからも敵ができるし傷つく者もいる」とピーターに語ります。
そして「ひとつだけ約束してくれ。もうグウェンには近づくな」と言い残し、息を引き取りました。
メイおばさんとベンおじさんからの励まし
ピーターはジョージの葬儀にも出ず、グウェンと距離を置くようになります。
その様子から、グウェンはジョージが約束させたことを察します。
悲しみに暮れるピーターでしたが、メイおばさんの「ピーター、あなたはダメな人間じゃないわ。文句がある奴は私が許さない」という言葉と、ベンおじさんが携帯の留守番電話に残した最後の言葉を聞きます。
ベンおじさんはこう言っていました。
「困難が人の運命を決める。どんな人間になるかをだ。自分の才能をどう使うかを考えろ。その結果、何が起きようと私たちはお前の味方だ。お前は私のヒーローだ…。愛してる」
ピーターはスパイダーマンとしてこれからも戦い続けることを決意すると同時に、グウェンへの愛を諦められないことを認めます。
こうして、これからの戦いを予感させるエンディングで『アメイジング・スパイダーマン』の1作目は幕を閉じます。
『アメイジング・スパイダーマン2』 概要・あらすじ
前作の続編で、監督や主演キャストは継続しています。
興行成績がスパイダーマンの映画としては低い結果に終わり、脚本も詰め込みすぎとの声が多かったことから、アメスパ・シリーズは本作で打ち切りとなりました。
そのため、ストーリーに散りばめられていた伏線もほとんど回収されることなく終わっています。
あらすじ1 ピーターの両親の最期
ピーター・パーカーの父リチャードと母メアリーは遺伝子交配技術を研究していましたが、その過程で、新薬にはある危険性が伴うことに気がつき、研究データを持って飛行機で国外に避難します。
ピーターを危険に巻き込みたくなかったので伯父・伯母夫婦に預けたのです。
飛行機内でリチャードは研究データを「ルーズベルト」という謎のサーバーにアップロードしていました。
しかし、飛行機内には暗殺者が潜入しており、機内で乱戦になった結果、飛行機は墜落。表向きは事故死ということになりました。
あらすじ2 マックスとの出会い。グウェンとの関係
そして現在―。
ピーター・パーカーはスパイダーマンとしてニューヨークの人々を救う自警活動をしていました。
ある日、ロシア人強盗のアレクセイが核燃料プルトニウムを積んだトラックを強奪し、街を逃走。
スパイダーマンは街を飛び回り、トラックに追いつきますが、途中で車の下敷きになりかけた男性を助けます。
その男性はマックス・ディロンという冴えないオズコープ社員でした。
マックスはスパイダーマンの大ファンで、地味な自分が彼のような有名人に気にかけてもらえたことが嬉しくてたまりませんでした。
スパイダーマンは再び追跡を再開し、無事プルトニウム奪還とアレクセイの逮捕に成功します。
しかし、その日はミッドタウン高校の卒業式で、グウェンは卒業生総代としてスピーチを行っていました。
ピーターは式にギリギリで間に合い、証書を授与されます。
グウェンとの別離
恋人のグウェンとの仲は良好で、ピーターの日常は一見順調でしたが、ある悩みがありました。
グウェンの亡き父・ジョージから「グウェンに近づくな」と言われたことが忘れられず、どこにいてもジョージの幻影を見てしまうのです。
それが積み重なり、ピーターはグウェンと過ごすのが徐々に辛くなっていきます。
「愛してるけど、君まで失えない」と切実に語るピーターに「スパイダーマンのあなたは好きだけど、ピーターの方がもっと好きなの」と告げます。
それでもジョージの幻影を振り切れないピーターに、グウェンは「いいわ。別れてあげる」と告げます。
相思相愛でありながら、2人は別れてしまうのです。
あらすじ3 幼馴染のハリー。マックスの変化
その頃、オズコープ社の設立者にしてCEOのノーマン・オズボーンが危篤状態となり、息子のハリーがオズボーン家の屋敷を訪れます。
ハリーは11歳の時に寄宿舎に入れられ、それ以降ノーマンと会えずにいたため、父を恨んでいました。
ノーマンを含むオズボーン家は、代々「R-ウイルス増殖異常」という遺伝性の難病を抱えていました。
それはやがてハリーにも発病することがわかっていたため、治療薬の開発をしていたのです。
これがノーマンがハリーを遠ざけた理由でした。
しかし、何年経っても未だに薬が開発できていませんでした。
余命が少ないことを察したノーマンは、ハリーにオズコープ社の全権・財産・研究データを渡します。
ノーマンはそのまま亡くなり、ハリーがオズコープ社のCEOに就任します。
就任を報じるニュースを見てピーターは驚きます。ハリーはピーターの幼馴染だったのです。
マックスの事故
一方で、以前スパイダーマンが助けたマックスは憧れの彼に会ったことで執着心は病的なものとなっていました。
部屋中にスパイダーマンの写真を貼り、彼と会話しているように独り言をつぶやき、自分は彼と親友だと思い込みます。
マックスはオズコープ社の優秀な電気技師でしたが、友達はなく社内でもぞんざいな扱いを受けていました。
誕生日でも誰も祝ってはくれず、1人だけ残業を言いつけられる始末。
その上、残業で配電の異常を修理していると、事故で電気ウナギの水槽に落ちてしまい、感電して心肺停止状態となってしまいます。
しかし、後に息を吹き返したマックスは体が変異し、全身が青く光る電気を帯びた電気人間になっていました。
グウェンの留学
ピーターとハリーは8年ぶりに再会します。
ハリーはピーターが両親を亡くした際に、支えになってくれた大切な友人でした。
2人は空白の時間を埋めるようにともに時間を過ごすようになり、グウェンと別れて傷心していたピーターは元気を取り戻します。
そして、やはりグウェンのことが忘れられず会いに行きます。恋人には戻れなくても、せめてただの友達として過ごすことにしたのです。
しかしグウェンは、イギリスのオックスフォード大学へ留学するかもしれないことを告げます。
もう会うこともできなくなるのではないかとピーターは動揺しますが、そのときタイムズ・スクウェアで騒ぎが起きます。
あらすじ4 マックスの暴走。ハリーの発病
電気人間となったマックスは自分の状況がわからず混乱し、街をさまよっていました。
体には常に電気を貯めておかなければならず、タイムズ・スクウェアの配電線から電気を得ようとしますが、それが原因で周囲は騒然となります。
マックスは人々を傷つけるつもりはありませんでしたが、電気の力をうまく制御できません。
そこにスパイダーマンが現れ、マックスを落ち着かせて事態を治めようとします。
しかし、警官隊のスナイパーが独断でマックスを撃ってしまったことで、彼は「俺をハメたな!」と激怒してしまいます。
スパイダーマンへの憧れは激しい憎悪へと変わり、怒りのままに暴れ始めました。
スパイダーマンはマックスを鎮圧しようとしますが、ウェブシューターの糸は電気を通すため、糸を彼に放つとウェブシューターの片方が破壊されてしまいました。
最終的にスパイダーマンは水をかけることでマックスの電力を分散させ、鎮圧に成功します。
スパイダーマンへの憎悪
ハリーはノーマンと同じ遺伝疾患が発病し始めていました。
ノーマンからもらったデータを見ていると、ピーターの父リチャードが蜘蛛と人間の遺伝子を融合させたうえで、蜘蛛の毒を投与すれば治癒力を高められるという研究を行っていたことを知ります。
そしてスパイダーマンこそが、その蜘蛛に噛まれて自然治癒力を手に入れた唯一の成功例なのではないかと推測し、スパイダーマンの血があれば遺伝疾患を治療できると考えます(かつて社内で研究していた蜘蛛はすべて処分されていました)。
そこで、スパイダーマンの写真を撮って新聞に投稿しているピーターに、彼に会わせてくれと頼み込みます。
ピーターは自身の血が治療薬になるとは思えず、気が進みません。
過去のコナーズのように先走った行動が、悲劇に繋がるかもしれないためです。
スパイダーマンの姿でハリーと対面し、「今はまだ危険だから、もう少し時間をくれ」と丁重に断ります。
ハリーは「人を救うのが仕事のくせに、僕のことは見捨てるのか!」と激昂し、スパイダーマンを憎むようになってしまいます。
エレクトロ、誕生
一方で、マックスは「レイヴンクロフト異常犯罪者収容所」というオズコープ社と関わりのある収容所に収監されていました。
そこの研究者、カフカ博士がマックスを調査します。
マックスの電気を操る力は凄まじく、今まで自分を認めてこなかった世界から電力を奪い、スパイダーマンを消し、自分の存在を知らしめてやると宣言します。
そして「俺はエレクトロだ!」と叫びます。こうして本作のヴィランが誕生しました。
あらすじ5 両親の研究、グウェンへの愛
ピーターはハリーを助けるためにリチャードの研究していた蜘蛛について何かわかればと思い、両親のことを調べ始めます。
リチャードの遺した鞄を調べていると、「ルーズベルト」と書かれた書類と、昔の地下鉄で使われていたトークン(コインの形の切符)を見つけます。
調べたところ、ニューヨークの地下鉄に「ルーズベルト」という廃駅があったことを知り、その場所に向かいます。
廃駅の改札口にトークンを入れると、電車の車両が出てきました。
中は研究設備が整っていて、ピーターはコンピュータを起動したところ、リチャードのビデオメッセージがありました。
オズコープ社のノーマン・オズボーンは、外国の軍事組織から依頼を受けて、生物化学兵器の研究をリチャードに命じていたのです。
リチャードは拒否しましたが、ノーマンに強要され、やむを得ず化学兵器となる蜘蛛を研究していました。
しかしリチャードはある細工をしていました。蜘蛛に移植した人間のDNAはリチャードのものだったのです。
つまり、リチャードか彼の血を引く者でなければ効果がなく、研究も続けられません。
「私は科学者として、自分の研究やノーマンの脅威から世界を守る責任がある。だから姿を消すしかない。だが、父親として…。息子に会えなくなることだけが心残りだ。息子のピーターより大切なものはない。もっと時間が欲しかった…」とリチャードは切実に語ります。
ピーターは両親が誠実な科学者で、自分のことを愛してくれていたことを知り、涙を流します。
しかし、やはり自分の血ではハリーは救えません。
ハリーとエレクトロの結託
一方で、ハリーは副社長のドナルド・メンケンの陰謀で、オズコープ社を解雇されてしまいます。
ハリーはレイヴンクロフト収容所へ向かい、エレクトロと対面します。
話術でエレクトロを仲間に引き入れることに成功し、脱獄させ2人でオズコープ社へと乗り込みます。
ハリーはメンケンに銃を突きつけ、オズコープ社内に隠している蜘蛛の毒を要求します。
蜘蛛はすべて処分しても、毒だけは残っていたのです。
ハリーは毒を自身に投与しますが、やはりリチャードの血を引かなければ適合せず、副作用を発症します。
グウェンへの愛の決心
そして、グウェンはイギリスへの留学が決まりました。
両親の愛情を知り、気力を取り戻したピーターはグウェンのところへ向かい、一緒にイギリスへ行くと告げます。
グウェンがいない人生は考えられない、死ぬまで一緒にいようと語り、決意を固めたのです。
彼女は喜んで了承しますが、突然ニューヨーク全体が停電しました。
エレクトロが送電所を乗っ取ったことで街中の配電線を支配したのです。
あらすじ6 エレクトロとの決着
ピーターは、エレクトロを止めに向かわなければなりませんが、電撃はウェブシューターを破壊するため、その対策ができていないままでした。
それを聞いたグウェンは、磁化を応用した対策をウェブシューターに仕込みます。
ピーターはグウェンを街に残し、エレクトロがいる送電所へ飛んでいきました。
送電所ではエレクトロとの激しい戦いが始まります。
グウェンの対策のおかげでウェブシューターは故障しませんが、エレクトロは全身が電気で構成されているため、物理攻撃ではほとんどダメージがないのです。
水をかけても今回は鎮圧できません。
苦戦を強いられますが、そこにグウェンが追ってきて、救援に駆け付けます。
ピーターは巻き込むことを恐れグウェンに避難するよう言いますが、「勝手に私のことを決めないで! これは私の選択よ!」と強く主張する彼女に根負けします。
そして、エレクトロを倒すためにピーターが彼を押さえつけ、グウェンが配電盤の操作により大量の電気を流し込み、過充電させることで爆発させる計画を練ります。
ピーターは再びジョージの幻影を見ますが、それを消し去り、呪縛から完全に解放されます。
2人の連携により、エレクトロは過充電で消滅し、街も電気が復旧します。
予期せぬ敵、グリーン・ゴブリン
これですべて終わったはずでしたが…。そこに、もう1人の敵が姿を現します。
そこに現れたのは、蜘蛛の毒の副作用で醜い姿へ変貌し「グリーン・ゴブリン」となったハリーでした。
グライダーに乗って飛行してきたハリーは、スパイダーマンの正体がピーターだと既に察しており、「友達のくせに裏切りやがって!お前は俺から希望を奪ったんだ! 俺も奪ってやる!」と叫び、グウェンを攫います。
ハリーは時計塔まで飛んでいき、グウェンを解放しました。
しかし、まだかなりの高度がある狭い時計塔内部で、ピーターとハリーは戦うことになります。
時計塔内部ではグウェンが落下しかけていて、彼女を助けながら戦うのは困難を極めました。
苦戦の末、ハリーを昏倒させますが、グウェンは落下し、遥か下へ落ちていってしまいます。
ピーターは急いでグウェンを追い糸を放ち、床に激突する直前で糸はグウェンの体を掴みました。
あらすじ7 最愛の女性・グウェンの喪失
ピーターは下に降りてグウェンに駆け寄ります。
しかし、グウェンの様子を確認すると…。彼女は息をしていませんでした。
ピーターは何度も何度も呼び掛けますが、彼女は反応しません。
体からは外傷は確認できませんが、脈も確認できません。
ピーターはそれでも「行かないでくれ…。僕のそばにいてくれ…」と語り掛けますが、それでも彼女は眼を覚ましませんでした。
間に合ったかのように思えましたが、ピーターの最愛の女性までもが帰らぬ人となってしまったのです。
ピーターは泣き叫ぶしかありませんでした…。
ピーターの喪失感、新たなる決意
それから5ヶ月―。
ピーターは気力を失い、ただ彼女の墓の前に立って過ごすだけの日々を送るようになります。
スパイダーマンとしての活動は、とても行えません。
街は警察も含めてスパイダーマンの復活を願っていましたが、ピーターはこれからどうすればいいのかわからずにいました。
そんな中で、メイおばさんは家の掃除をしていて、ベンおじさんの持ち物を片付けていました。
おばさんは「これは私の一部だから捨てはしないわ。ただ、大切にしまっておくの。彼の物をよく見て心に整理をつけて、後悔を残さないために」と語ります。
その言葉を聞いたピーターは、グウェンの高校の卒業式スピーチの動画を見ます。
「人生には暗く寂しい日もあるでしょう。そんな日こそ希望を持つべきです。どんなに辛く悲しくても、決して希望を捨てないと約束してください。悲しみを乗り越え、あなた方自身が希望になってほしい。自分が何者で、何をすべきかを考えて、行動してください」
ピーターはグウェンや両親の思い出を心にしまい、自身が希望となることを決意します。
あらすじ8 もう1人の小さなスパイダーマン
後日、パーク・アベニューでは以前ピーターが逮捕したアレクセイが脱獄し、巨大なサイの形の装甲スーツを着て暴れていました。
アレクセイは「俺様はライノだ!」と叫び警官達を圧倒します。
その様子を見ていた1人の少年が突然ライノの前に飛び出します。
その子は、以前ピーターがいじめっ子から助けた子どもで、スパイダーマンの衣装を着ていました。
無謀な行動でしたが、その子は恐れずにライノに立ち向かおうとします。
ライノが襲い掛かろうとしたその時、空から人影が降ってきます。
子どもが振り返ると、そこにはスパイダー・スーツに身を包んだピーターが立っていました。
「代わりをありがとう。勇気があるね。あとは任せて君はママを守るんだ」と告げ、子どもを下がらせました。
悲しみを乗り越え戻ってきたスパイダーマンが「ここが僕の居場所だ」と呟き、ライノと激突するシーンで本シリーズは幕を閉じます。
映画『アメイジング・スパイダーマン』シリーズまとめ
いかがでしたでしょうか?
さまざまな悩みを抱えるスパイダーマンですが、本シリーズでは亡き両親への想いやグウェンへの愛が重要なストーリーの道しるべとなり、同時に試練となりました。
シリーズ史上最も悲劇的な結末となり、その後の展開は描かれずに終わってしまいましたが、未だに本シリーズの復活を願うファンは多数です。
2代目のスパイダーマンがいたということも、誰かの記憶に残っていくことでしょう。
彼の更なる活躍はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のシリーズへと受け継がれることになりました。
次の単独主演映画『スパイダーマン:ホームカミング』が待ち受けます!
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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