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出典:amazon

2019/09/12
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コトブキツカサが解説! 実写映画「キングダム」はなぜヒットした?

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大きな話題を呼んだ実写版「キングダム」を映画パーソナリティのコトブキツカサさんが解説します!賛否両論になることも多い人気漫画の実写化ですが、この映画はなぜヒットしたのでしょうか。

目次
この記事のレコメンダー
コトブキツカサ
コトブキツカサ
映画パーソナリティ

73年静岡県生。映画パーソナリティとしてTV,ラジオ、雑誌などで活躍中。年間映画鑑賞数は約500本。その豊富な知識を活かし日本工学院専門学校 放送・映画科非常勤講師を務める。

人気作品実写化はリスクが高い?

昨今、漫画原作の実写映画が数多く公開されていますが、必ずしも全ての作品が満足いく興行収入と観客の評価を得ているわけではありません。

漫画原作の映画は元々の作品愛好者が劇場に足を運ぶという大いなる利点もありますが、逆に期待値が上がっている分ファンの落胆と失望、そして辛辣な評価と背中合わせなのです。

このような状況下において、現時点で累計3800万部以上の発行部数を記録し、手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞している大人気コミック「キングダム」の実写映画は、多くの原作ファンを満足させる充実した内容とともに、興行収入50億円を突破しました。

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キャラとシンクロする出演者たち

キングダムの最大の魅力は個性溢れる登場人物達のキャラクターだと思いますが、僕が最も注目したのが王騎副官・騰(とう)。王騎傘下筆頭将軍であり後に大将軍となる騰は、普段は飄々として物事に動じず、感情を表に出さず無表情を貫いていますが、時折見せる愛くるしい一面がファン心理を擽(くすぐ)ります。強さは未知数で、片手で振り回す剣は「ファルファル」という独自の音色で高速回転します。

そんな騰を見事に演じきったのが要潤。映画やドラマでは影のある役も演じつつ、バラエティ番組などではお笑い芸人さん達と丁々発止のやりとりを見せる彼の二面性は、普段は紳士的で感情をあまり表に出さないにもかかわらず、たまに垣間見せる茶目っ気がファンから支持を得ている騰というキャラクターと奇跡的なシンクロニシティを生み出しました。

魅力に溢れ個性的なキャラクターが満載のキングダムですが、そのキャラを演じる俳優陣も実力者揃い。信を演じた山崎賢人、そして政と漂を演じた吉沢亮を筆頭に、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、満島真之介、阿部進之介、六平直政、高嶋政宏、宇梶剛士、加藤雅也、石橋蓮司、大沢たかお、などベストキャストが集結しました。

スケール感と繊細さを両立した細部のこだわり

優れた映画の多くは主人公の成長が丁寧に描かれている」というのが僕の持論なのですが、本作では、戦災孤児の信が出逢いと別れを経験しながら天下の大将軍になるために剣の修行を積む様や、政が中華統一という大いなる野望を実現するため多くの試練に立ち向かう姿が、繊細に描かれていました。

世間的に多大な評価を得た大ヒット漫画を元に、原作者である原泰久氏が脚本に参加して何度も改訂を繰り返し、作品の世界観を表現するために中国でのロケーションを敢行。日本を代表するスタッフとキャストが集結し、主題歌は若者に絶大な人気を誇り、世界でも活躍するONE OK ROCK

そして「GANTZ」「アイアムアヒーロー」「いぬやしき」などの作品を経て本作の監督となった佐藤信介。これらの事実を考慮して、映画のヒットに偶然はないと確信しました。

キングダムは実写不可能と言われてきましたが、その大きな理由はこの物語の世界観を表現するには、多額の製作費がかかる点でした。原作者の原泰久氏は10年連載していて実写映画化の話が全くなかったので半ば諦めていたそうです。しかし関係者の熱意が熟し、製作費の問題などの様々な案件がクリアしたことで、実写版「キングダム」は完成したのです。

お金をかけなくても面白いと言われる映画もありますが、お金をかけなければ絶対に面白くならない(表現できない)映画もあります。実写映画「キングダム」は間違いなく後者。

日本での撮影は極めて困難な壮大なスケールの映像を撮るためには中国ロケが必然だったはずですし、100頭近くの騎馬がいて初めて迫力あるシーンになったはず。そして付け加えるならば、そこで働いた700人のスタッフの熱意がこの作品には注ぎ込まれています。

稀代のエンターテイメント作品「キングダム」は、間違いなく体験すべき映画なのです!

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