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出典:

2017/01/30
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変人だっていいじゃないか!言葉の意味を改めて考えさせられる物語「舟を編む」

「舟を編む」は『大渡海』という辞書の製作を巡って繰り広げられる物語である。人間関係、思いやり、悲しさ、嬉しさ、恋心…この辞書が作り上げられるまでに携わる人々の人生。「舟を編む」ってどういう意味?と思った方には是非観てもらいたい映画だ。

一つの事をやり遂げるという素晴らしさ

「右」の定義

あなたは「右を説明して下さい」と聞かれたらどう説明するだろうか?

左の反対?

お箸を持つ方?

辞書を見てみると個々の辞書によって説明が違う。

この映画はこの一つの質問からストーリーが始まって行く。


松田龍平演じる馬締光也(まじめみつや)は「玄武書房」に勤める編集部員。

大学院で言語学を専攻していた、周りからは変人と言われる27歳。

光也は他の部署で働いていたのだが、対人交流が苦手で、いまいち仕事ができない。

しかし、言語に深い興味を持つ彼は辞書編集部にヘッドハンティングされ、「大渡海」という次世代の辞書を他の部員らと作り上げていく。


余談ではあるが、光也の苗字「馬締」(マジメ)は少数ではあるが実在する苗字である。

辞書を作るという事

辞書を作るのにどのくらいの時間がかかるのか考えたことがあるだろうか?

5年?8年?

いやいや、10年でもまだまだ足りないぐらいである。

28年もの歳月を費やしてできた辞書もあるらしい。


こんなに時間のかかる作業は、好きでないなら続かないだろう。

そして又、到底一人でできる仕事でもない。

さらに、真っ直ぐ目標を見つめて、揺るぎなく進んでいける精神を持つ人でなくては、なかなかできるものではない。


この辞書「大渡海」には従来の語彙から現代語まで何十万という量の言葉が載せられる。

「言葉は海。辞書は舟。辞書はその海を渡る舟。編集者は海を渡る舟を編んでいく。」

という意味で、この物語のタイトルはつけられているのである。

馬締は辞書編集部に移動になってから13年経った頃には主任になり、「大渡海」の編集責任者となっている。

この間に、変人と言われていた馬締に可愛い配偶者(宮崎あおい)が出来る。

彼女は彼の実直な人柄に惹かれたのだろう。

人と接することが苦手だった馬締も成長する。

人との交流がそれ程不器用ではなくなったようだ。

彼は周りの人々に影響され、又、周りの人達も時と共に変わり続けていく。


この物語では、

今の時代辞書など売れるのか?
辞書出版が中止になるのではないか?

など、仕事の厳しさも描かれている。

しかし誠意が通じ、馬締たちは業務継続することができた。


誰もが前向きに仕事に取り組む。

騙し合いのようなドラマではなく、人との繋がり、思いやりや感謝の気持ちが伝わるストーリーである。

時代設定が1995年からで、携帯電話やテクノロジーに押される出版業界の厳しさが映し出されている。

実際に資源の問題などもあるし難しい課題なのだろう。

又、現代の若者言葉や言葉の移り変わりにも考えさせられる。


「ダサい」や「マジ」など以前にはなかった言葉や、グローバル化によって頻繁に使われるようになった外来語。

更に、本来の使い方や意味を曲げて使ったり、違う使い方をしている言葉。


これらは間違っているのだが、多くの人達がそのように使う事によって新語となっていくという現実。


確かに、数百年前は今とはかなり違うしゃべり方をしていたのだろうし、言葉の移り変わりとは実に面白いものである。

日本の良さを感じる

もし、仕事に間違いが見つかった時に、直ぐに「これは自分のミスです」と非を被さる上司がどれだけいるだろうか?

そして又、「だからこの為に皆、徹夜してくれ」と素直にお願いできるだろうか?


世の中、色々なしがらみがある。

なかなか言えるものではないだろう。


でも、この物語では馬締は言ってのける。

そして誰もが彼に協力するのである。

変人だと言われても、彼の真っ直ぐな姿勢が人を動かすのだ。



この様な地味な物語は日本だからできたのではないだろうか。

日本人でよかったと思わせる映画である。

歴史を振り返ると偉業を遂げた有名人は変人と言われた人が多い。

変人やオタクも悪くないのかもしれない。


映画は2013年に放映されたが、2016年にアニメ化もされている。

参考元

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