かなりデリケートな問題となり、日本では表立ってテーマにされることのなかった「LGBT」を、映画「彼らが本気で編むときは、」で生田斗真さんが演じることになり話題となっています。
それぞれの幸せとは?映画「彼らが本気で編むときは、」
あらすじ
小学5年生のトモは母親と2人暮らしですが、とある理由でネグレクトを受け自宅に取り残されてしまいます。
トモは母親が家出をする度、叔父であるマキオの家に向かっていましたが、いつもと違うのは「マキオが恋人と同棲を始めた」こと。
同棲相手はリンコというトランスジェンダー(身体は男性・心は女性)の美しい女性で、はじめはトモも戸惑いましたが、母親よりも母親のように接し、家族として愛情を注いでくれるリンコに心を開いていきます。
「彼らが本気で編むときは、」のタイトルは、リンコが悔しいこと、悲しいことがあるたびに編み物をすることに由来します。
どうにもならない問題を抱えた家族、恋人、友達。
多種多様な生き方や価値観を尊重しはじめた時代に、是非見ておきたい作品です。
トランスジェンダーの女性役を演じるのは生田斗真さん
トランスジェンダーの女性・リンコを演じるのは、「土竜の唄」や「予告犯」など、数々の映画で主演を務めてきた実力派俳優・生田斗真さん。
女性役を演じるのはもちろん人生初となりますが、声の出し方や動作までこだわって「リンコ」を演じたそうです。
そのほか、リンコの恋人であるマキオ役に桐谷健太さん、トモ役に柿原りんかさんなど、それぞれが難しい役どころとなりますが、期待が集まります。
渋谷区がLGBT啓発で活用
関心は高まる一方で、まだまだ理解の得られないLGBT問題ですが、東京都渋谷区がLGBTを初めとする性的マイノリティに関する啓発事業に活用することを発表しました。
今回は、映画のメインビジュアルをあしらったポスターとチラシを制作し、区の施設や区内の各中学校に配布。上映会と区のLGBT担当者による勉強会をセットにして、学校・施設での「出張授業」も計画しているという。
長谷部健区長は区役所内での会見で「今までメディアではLGBTに関して特別に目立っている人ばかりを取り上げる傾向があった。でも、この映画ではLGBTを身近な隣人として取り上げているところが、渋谷区の姿勢とも通じるところがあった」と、映画を活用する理由を明らかにした。出典:http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/24/kareraga-shibuya_n_14353548.html
長谷部健区長の会見より
トランスジェンダー、LGBTとは?
性自認が身体と違う人のことを指す
トランスジェンダーの定義は曖昧で、一般的には「性自認が身体的性別と対応しない状態」のことをいいますが、概念を言い切ることは困難です。
たとえば、この映画に登場するリンコのように「身体は男性として生まれ、心は女性、女性として暮らし男性を愛する」人もいれば、「身体は男性で女性を愛するが、女性として女性を愛している」「そもそも性別がない」など、多種多様です。
性転換手術が盛んなタイでは、公式の書類の性別に「男性」「女性」「その他」の3つが用意されています。
それにとどまらず、「社会的な区分け」として18種類の性別に名前が付いていますが、日本では多様な性があることはあまり認知されていません。
LGBTとはゲイ、レズビアンなどセクシャルマイノリティの総称
LGBTとは、そんな「性的少数者(セクシャルマイノリティ)を指す総称として使われています。
日本ではまだまだ「オカマ」「オネェ」など、差別意識がないまま笑いのネタやタレントの「キャラ」として扱われがちなLGBT。
今回の映画や時代の変化により決して笑いのネタではないこと、同性を好きになるのはおかしいことではないこと、異性になりたいという気持ちは病気ではないこと、そして、「人と違う」ことで差別されてはいけないことが広まっていくことを願います。
LGBTがテーマの作品
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は、1997年ごろニューヨークの小劇場で上演されたミュージカルで、2001年には「グラムロック・ミュージカル映画」として映画化されました。
日本では2012年にロックミュージカル「ヘドウィグ&アングリーインチ」俳優の森山未來さんが主演、元・ミドリの後藤まりこさんが恋人役で上演されています。
ベルリンの壁が築かれた頃、アメリカでロックスターになることを夢見るドイツ人少年・ハンセルは、ベルリンの壁を越えるため、軍人からのプロポーズを機に性転換手術を行います。
しかし、手術のミスで股間に“怒りの1インチ(アングリー・インチ)”が残ってしまったハンセルは名前を「ヘドウィグ」と変え、憧れのアメリカで暮らすことになりますが、夫に捨てられ、ベルリンの壁は崩壊…。
自分に残ったのは"アングリー・インチ"だけ。
そんなヘドウィグが憧れの音楽と再会することで起こる波乱を描いた作品です。
チョコレートドーナツ
「チョコレートドーナツ」は1970年代のアメリカで実際にあった、「育児放棄された、ダウン症の子どもと、家族のようにすごすゲイ夫婦の話」を基に作られた作品です。
ゲイもダウン症も関係なく、愛する家族を守ること、愛する人を求めること、愛する人に出会うことをテーマとしていて、偏見や差別という困難を跳ね除けて家族の愛を深めようとするストーリーは「彼らが本気で編むときは、」とどこか似た点が多いかもしれません。
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