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目次
約30ヵ国に配給され高い評価を得た大ヒット歴史ドラマの第2弾!
始皇帝が中国を統一する約100年前、“商鞅の改革”により国力増強に成功した秦を舞台に、第26代君主・恵文君の時代を中心に描く。
戦国時代中期、秦の君主、駟(えいし)は「商鞅の変法」による改革を堅持すること、そして魏と斉とともに彭城で王を称することを朝議で発表する。
決意
戦国時代中期、秦の君主、?駟(えいし)は「商鞅の変法」による改革を堅持すること、そして魏と斉とともに彭城で王を称することを朝議で発表する。改革により勢力を奪われた旧勢力の甘龍(かんりゅう)や杜摯(とし)は、?駟のこの決議に反感を持ち、密かに蜂起を企てるのだった。一方、斉と魏は互いに利用する下心を抱えながら、秦が王を称すことに合意していた。だが秦への憎しみが勝る魏王は、配下である将軍・公孫衍(こうそんえん)に彭城への途上で?駟を暗殺することを命じる。
彭城(ほうじょう)へ
公孫衍(こうそんえん)らの襲撃を切り抜け、さらに彭城へ向かった?駟(えいし)ら一行は、途中で魏の将軍の出迎えを受け、郡守の屋敷で一泊することになる。しかしそれは、?駟らの命を狙うための罠だった。これらはすべて魏王の策略であったが、?駟は郡守の娘・魏?(ぎじょ)の手引きで脱出する。その後、式典に駆けつけたものの、結局間に合わなかった?駟は、魏王を激しく非難する。そんな時、秦の軍が河西に集結しているとの情報を得た魏の宰相・恵施(けいし)は、この状況を穏便に切り抜けるため、?駟に和解を求めようとし、?を后として差し出そうとする。
暗殺
?駟(えいし)は魏の宰相、恵施(けいし)からの縁談の申し出を承諾する。しかし、その裏で魏王は魏?(ぎじょ)に匕首の剣を渡し、婚礼のさなか、?駟を暗殺するよう命じるのだった。同じ頃、甘龍(かんりゅう)と杜摯(とし)は義渠(ぎぎょ)や魏と組み、蜂起の準備を着々と進めていく。魏王の命令どおり、婚礼で魏?が?駟を刺すと、甘龍と杜摯は?駟の伯父、?虔(えいけん)に即位を迫る。?虔は宮中へ向かい、?駟の安否を確かめようとするが、?疾(えいしつ)に制止されてしまう。
甘龍(かんりょう)の死
?駟(えいし)は、?虔(えいけん)の協力を得て、甘龍(かんりゅう)と杜摯(とし)の謀反を阻止し、秦に攻め入った義渠(ぎぎょ)も壊滅状態に追い込む。?虔は、杜摯勢との戦いで負傷し死ぬが、その死の直前に、秦公剣を?疾(えいしつ)に託す。秦に惨敗した義渠は鳴りを潜めていたが、王子は生き延びていた。その叔父は秦への復讐を果たすべく、楚との関係を着々と築く。一方、王子は逃亡先の楚で?八子(びはつし)(びはつし)という女性と知り合い、恋に落ちるが、叔父に引き裂かれ、草原へと帰ることになる。
河西(かせい)の大勝
河西を占領した魏軍との戦を前に、?駟(えいし)は総大将の人選に頭を痛めていた。?疾(えいしつ)の推薦により、秦軍は公孫衍(こうそんえん)を総大将とし、魏の老将・龍賈に勝利する。同じ頃、魏出身の論客・張儀は周の公子、昭文君と出会う。張儀の才覚を高く評価した昭文君は、路銀と湛盧の剣を与えたのだった。秦へ向かった張儀は、大商人・猗蔚(いい)と共に賭場で戦の賭けに参加する。大方の予想とは反対に、秦軍の勝利へ張った二人は大勝するが、秦軍に捕まり連行されてしまう。
張儀(ちょうぎ)参内
魏人の店で魏の嗣公子が暴れ、そこに乗り込んできた?辛(えいしん)と衝突し、死者が出る事件となる。?駟(えいし)は、?辛を法に基づき裁こうとするが、公孫衍(こうそんえん)が魏人の店にいたことも問題となる。戦で母国と戦い大良造となった公孫衍は、割り切れないものを感じ、秦を離れることを決意する。引き止めようとする?駟に、公孫衍は張儀をその後任に推薦する。宮殿に呼ばれた張儀は持論を展開するも、大臣たちのそしりを受け、侮辱されたまま、その場から出て行くことになる。
連衡(れんこう)策を説く
大商人・猗蔚(いい)の話に興味を持った?駟(えいし)は、張儀と再び面会し、客卿として秦に招く。張儀は?駟に連衡策を説き、魏から河西を奪回する方法として魏と盟約を結んだ上、秦が魏から奪った3城(蒲陽、曲沃、焦城)を返還するよう提案する。張儀は自ら使者として魏へ向かい、魏王に盟約を受け入れるよう提言する。一方、?駟が張儀の策を採用したことで、反対の立場を取った公孫衍は秦を去るのだった。
張儀(ちょうぎ) 楚(そ)へ
河西返還の正式な調印を無事に果たし、帰国した張儀と入れ替わりに、公孫衍は秦を去った。河西の問題が落ち着いたところで、?駟(えいし)は南方を押さえるため、まずは楚と修好を結ぶことを考える。そこで張儀は楚と姻戚関係を結ぶことを提案し、さっそく楚王のもとへ交渉に行く。ちょうどその頃、??頭(びあとう)は義渠駭(ぎぎょがい)との間にできた子供を産んでいた。 一方、??頭に会いに行こうとしたのを叔父にたしなめられた駭(がい)は、言い争いになり、叔父を斬ってしまう。
盟約と花嫁
張儀は楚との盟約締結という大役を果たし、雲夢沢の女、??頭(びあとう)を秦公・?駟(えいし)の妃とするべく雲夢沢を訪れる。??頭は義渠(ぎぎょ)王・駭(がい)(がい)との間に子供をもうけ一児の母となっていたが、秦へ嫁ぐ決心をする。一方、楚を訪れた駭は、??頭が秦に嫁いだことを知り慌てて後を追う。だが??頭は駭を捨て、秦へと向かう。?駟は楚との盟約締結を機に、いつまでも河西を返還しない魏の討伐を開始する。同時に楚から来た妃、??頭に溺れてゆくのだった。
雪辱
和睦を求めてやって来た魏の宰相・恵施(けいし)に対し、張儀は取引として、?駟(えいし)が王を称することを認めるよう求める。さらにその式典では、?駟の乗る馬を魏王に引かせるという、屈辱的な要求もする。恵施(けいし)は渋々要求を持ち帰ることになる。??頭(びあとう)は、義渠(ぎぎょ)王、駭(がい)との間にできた子供のことを?駟に打ち明け、宮殿を追い出される。しかし?駟は御者になりすまし、??頭についていく。
二人の賢才
楚王は使者を通じ、?駟(えいし)に王を称さぬよう進言せよと??頭(びあとう)に迫る。息子を盾にとる卑怯なやり口に、??頭は使者の要求を突っぱねるのだった。一方、??頭を忘れられない義渠(ぎぎょ)王・駭(がい)は、?駟が王を称す式典を狙い、彼女を奪還しようと考える。張儀は秦に潜入していた斉の客卿・陳軫(ちんしん)を見破り、?駟に謁見させる。陳軫は秦での仕官を拒むが、彼の洞察力に脅威を感じた?駟は、斉に帰すまじと策を弄するのだった。
龍門(りゅうもん)への道
秦の特使として魏を訪れていた陳軫(ちんしん)は、式典への参加を魏王に呼びかける。秦に従うしかないことを悟っていながらも、魏王はすぐに返事をせず、陳軫をいったん宿へ帰らせる。しかし宿で待機していた陳軫はさらわれ、斉に戻される。宮廷の夫人の集まりに参加した??頭(びあとう)は、場違いな服装をして他の夫人たちの前で恥をかく。それを見た魏?(ぎじょ)は、??頭を自室に呼んで化粧を教える。龍門の式典がいよいよ始まる。各国の君主が次々に駆けつけるが、もちろん心から祝福する者ばかりではなかった。一方、魏や韓の宰相からも、「王の具合が悪いので馬車は引けない」との申し出がある。
戴冠式
龍門では?駟(えいし)が王を称す式典が始まろうとしていた。式典の会場で義渠(ぎぎょ)王は、??頭(びあとう)を誘拐する。一方、張儀は?駟の屈辱を晴らすべく、?駟の乗る馬車を魏王が御し、その馬を韓王が引くことを迫り、両国に承諾させる。王を称した?駟の勇姿に臣下たちは大いに沸く。そのさなか、秦軍の捜索により??頭が救出される。追い詰められた義渠王を魏の嗣(ぎ)太子が救出、義渠王と魏王は秦に対抗すべく同盟を結ぶのだった。
犀首(さいしゅ) 復活
魏の嗣(ぎ)太子は、自ら罪人として処刑されるという芝居を打ち、公孫衍(こうそんえん)を都に呼び戻すことに成功する。公孫衍は魏の将軍として迎えられ、合従策を進めるべく韓へと向かう。?駟(えいし)のもとに、韓に嫁いでいた従姉(いとこ)が一方的に離縁されたとの知らせが入る。張儀らは、怒る?駟を説き伏せ、公孫衍の合従に対抗するために、まずは韓と盟約を結ぶことを勧め、張儀も韓に向かう。一歩先に韓に到着した張儀は、韓王に連衡策を持ちかけ、盟約成立寸前の段階までこぎつける。そこで公孫衍は囲碁の好きな王に対し、囲碁を語りながら合従の重要性を説き、王の心をつかむ。交渉に失敗した秦は、韓 魏 趙を封じるべく、斉や楚と手を組むことを考える。
楚(そ)の屈原(くつげん)
張儀(ちょうぎ)は楚に行き、屈原(くつげん)と会う。屈原は若くして外交を担当する左徒を務める楚の重臣である。屈原は楚も秦のような変法を行うべきだと主張するが、誰も取り合わない。秦の使者である張儀にも敵意をむき出しにし、楚は秦と対抗するべく斉との同盟を進めると言い放つ。一方、老獪な宰相である昭陽は、秦との同盟を承諾する。屈原の存在を疎ましく感じる張儀は、彼を失脚させるべく子蘭(しらん)王子に接近するのであった。
3国会談
息子が都に来ていると知った?八子(びはつし)は、規則を破って滞在先の宿屋萱蘇(けんそ)へ行くが、結局会えずに王宮へ戻る。この行為に処分が下り、?八子(びはつし)は幽閉される。蘇萱(そけん)は責任を感じ、都を去ろうとするが、張儀の送った兵に呼び戻される。ここで張儀は改めて蘇萱に求婚するが、生きる道が違うと断られる。蘖桑の会盟が始まり、秦、斉、楚の3国はそれぞれの思惑を胸に集まる。挨拶を兼ねた最初の会談が物別れに終わったうえに、斉から「次の会談の場所を、宋公の行宮にしたい」との申し出がある。身の危険を感じた張儀は、密かに手を打つ。
交渉決裂
蘖桑での秦、斉、楚の同盟交渉は決裂に終わり、楚と斉は、秦を阻むため魏韓を攻撃する。魏王は公孫衍(こうそんえん)の合従のせいだと非難し、恵施(けいし)の進言により、魏は秦へなびき始める。一方、秦の王宮では、?華(えいか)が同盟決裂は張儀の失策であると厳しく非難していた。憤った張儀は秦を去ることを決意する。蘇萱(そけん)は張儀に思いを伝えるが、張儀は志を諦められぬと拒むのだった。魏に帰国した張儀は恵施(けいし)に宰相の位を要求し、恵施(けいし)はこれに応じる。
魏(ぎ)の宰相張儀(ちょうぎ)
宰相として魏に迎えられた張儀は、秦楚と組み、斉を討つよう魏王に提案する。楚軍の撤退を望む魏王は喜んで受け入れる。しかし楚は軍の撤退および共同で斉を討つ交換条件として、楚の人質となっていた魏の高(こう)王子を、魏の太子とするよう要求する。これは、楚が魏を操るための策だった。それを見抜いた現太子の魏嗣(ぎし)は、弟の魏高(ぎこう)を殺す。魏と結んで斉を討つこととなった秦は、魏韓の領内の行軍を認めさせたうえに、韓の弱みに付け込んで、韓軍の出動を要請する。
寝返り
公孫衍は、軍の目付け役として前線に同行した張儀を拘束する。公孫衍は張儀の魏への仕官そのものが、秦の策略であると見抜いていたのだった。そんなこととは露知らず、?華(えいか)率いる秦軍は斉軍を攻めるが、味方のはずの魏軍の寝返りで大敗を喫する。魏の裏切りに怒った秦は魏への報復攻撃を開始する。魏王は嗣(し)太子を次期王と指名し、秦に謝罪の意として領土の割譲を命じ、息を引き取る。魏嗣は王に即位すると、公孫衍の合従策を推し進めていく。
命拾い
牢に入れられていた張儀は、斬首を免れ追放処分となるが、魏王(魏嗣・ぎし)は張儀を密かに殺すよう衛氓(えいもう)に命じる。山中で衛氓に殺されそうになった張儀であるが、運良く山賊の集団が乱入し、命拾いする。山賊の頭領は女性で、しかも周王室の姫、昭文君の妹・姫狐(きこ)だった。張儀は彼女と、その手下である魏冉(ぎぜん)を連れて、秦へ帰る。張儀は連衡の失敗を?駟(えいし)に詫び、死をもって償うと申し出る。しかし?駟は張儀を再び秦の宰相に任命し、生きて罪を償うこと、つまり宰相として秦を危機から救うよう命じる。
戦か和議か
張儀は斉の使者のために盛大な宴席を設ける。目的は魏の合従により、斉が標的になりうるのだと警戒心を抱かせるためだった。一方、公孫衍(こうそんえん)は合従に承諾した楚の屈原(くつげん)を訪ね、秦討伐のための出兵を催促、楚は韓魏趙燕とともに出兵を決断する。5国の侵攻を前に、?駟(えいし)は戦か和議か、今までにない焦りと迷いを感じていた。張儀は秦の存続の方法は戦しかないと断言する。さらに自身が兵を率いるという張儀の覚悟に、?駟は心を動かされるのだった。
迫る連合軍
5国の攻撃にそなえ、秦では兵士の訓練が進められていた。腕の立つ魏冉(ぎぜん)は、視察に来た?駟の目に止まり、腕比べをする。一方、白起(はくき)は料理でも才能を発揮し、?疾(えいしつ)の目に止まる。さらに白起は、軍の動かし方を料理になぞらえて?華(えいか)に説明し、?華にも気に入られる。 函谷関に先に到着した趙 魏 韓の軍は、楚と燕の到着を待っていた。それに対して、?疾率いる秦軍の方も攻撃に出ず、ひたすら守りに入っていた。多くの使者や商人が秦から離れていく中、斉の客卿 陳軫(ちんしん)もまた秦を離れ、楚へ行こうとしていた。そんな陳軫に、張儀はスパイ役を頼む。
王子の愛国心
王子・?稷(えいしょく)の国を思う心と知恵に感心した?駟(えいし)は、褒美として幽閉されている?八子(びはつし)に会わせる。?駟は?八子の気遣いに触れ、彼女を許すのだった。函谷関への出陣式で、魏冉(ぎぜん)は?八子と言葉を交わし、実の姉だと確信する。?八子(びはつし)は秦が5国に対抗している際に、義渠(ぎぎょ)が背後から侵攻せぬよう、義渠王に直談判に行こうと考えるのだった。一方、張儀は5国の合従を瓦解させようと燕軍の説得を考えていた。姫狐(きこ)は張儀に同行し、燕の軍営への潜入を試みる。
合従(がっしょう)破壊工作
張儀は姫狐(きこ)とともに燕の太子と交渉し、トラブルに巻き込まれて負傷するも、燕軍の撤退に成功する。一方、義渠を撤退させようと出かけた?八子(びはつし)は、交渉に失敗する。燕の撤退を知った公孫衍(こんそんえん)ら連合軍は動揺する。それに追い討ちをかけるように、楚王は函谷関に向かっていた楚軍に待機を命じる。
敵兵拉致命令
新兵を訓練していた白起(はくき)は、函谷関の前線に召集される。そこで、魏冉(ぎぜん)とともに敵陣の偵察を命じられ、楚の子蘭(しらん)王子率いる兵糧部隊に遭遇するのだった。魏冉と白起は楚の兵糧を焼き討ちし、楚軍は撤退を余儀なくされる。こうして、楚魏韓趙燕の5国同盟は燕と楚が抜け、魏韓趙の3国のみとなってしまう。開戦を前に公孫衍(こうそんえん)に再会した?駟(えいし)は、全力で戦うことを宣言するのだった。
決戦 函谷関(かんこくかん)
函谷関での戦いは、秦の圧勝となる。捕虜になった韓の太子は、連行される途中で崖から身を投げて死に、公孫衍(こうそんえん)は戦の責任を取る形で魏を追放され、韓へと向かう。戦に参加しなかった楚は、さっそく秦に取り入る策に出ようとするが、これに対して屈原(くつげん)が激怒する。秦は戦勝ムードにわいていたが、関内侯(かんないこう)ら老臣の一派の動きが不穏であることを案じた櫟陽姫(やくようひめ)が、?駟(えいし)に注意を促す。
切ない恋心
甘茂は張儀の取り計らいで太子傅の職を得るが、王子の求めに従い武術を教えていたため、后妃の不評を買ってしまう。甘茂は太子傅を辞して軍に入りたいと告げ、張儀はこれを了承する。燕の太子は姫狐(きこ)との縁談を求め、張儀に使者を使わした。秦燕の友好のため、張儀はやむなく姫狐の嫁入りを見送るのだった。同じ頃、公孫衍(こうそんえん)は再び合従を結ぶべく韓王に面会するが、宰相公仲侈の激しい反対に遭ってしまう。
韓(かん)宣戦の波紋
姫狐(きこ)を燕に嫁がせてしまった張儀は意気消沈していた。そんな時、燕で政変が起こり、張儀は姫狐と平太子を助けに行こうとするが、同じタイミングで韓が秦に宣戦布告する。楚は、韓の宣戦布告を受けて、どういう立場を取るか話し合っていた。その席上で屈原(くつげん)と陳軫(ちんしん)の意見が対立する。秦の密偵である陳軫は、屈原の純粋な愛国心に打たれ、徐々に心境が変化していく。蘇萱(そけん)の結婚が虚偽であったことを突き止めた?八子(びはつし)は、それを張儀に伝える。張儀は燕に向けて旅立つ前に、蘇萱に求婚する。
東進か巴蜀(はしょく)討伐か
張儀は、政変のさなかの燕へ赴く。燕の宰相の子之(しし)は盟約締結の条件として、内政不干渉を挙げる。張儀は、政変に破れ国を追われた姫狐(きこ)を案じながらも、やむなく承諾するのだった。秦へ帰国後、張儀は蘇萱(そけん)の思いに心を打たれ、結婚を決める。同じ頃、巴蜀両国の間に紛争が起こる。張儀は韓討伐の後、周に迫り覇業を成すよう進言するが、将軍司馬錯(しばさく)は実利のために巴蜀を討つべきだと主張、秦王・?駟(えいし)も巴蜀討伐に同意するのだった。
王子の初陣
秦は巴蜀への遠征を決行するため、韓への懐柔策として、兵糧を献上する代わりに停戦をお願いすることにした。この交渉に当たった?疾(えいしつ)は見事に韓王の説得に成功する。韓王から撤退命令が出る中、公孫衍(こうそんえん)は、秦討伐の協力者を求めて斉へ向かう。蕩(とう)王子は、母の心配をよそに、巴蜀遠征に参加する。一方楚は、秦を討つべく、景翠(けいすい)将軍の作戦を実行に移そうと準備を進める。
苦渋の割譲案
公孫衍は田文(でんぶん)(孟嘗君・もうしょうくん)に、魏の宰相への就任を要請する。これを了承した田文は、斉王から「魏軍を函谷関に駐留させ、秦の東進を阻め」と命じられる。秦の将軍、甘茂の守る曲沃は、景翠(けいすい)率いる楚軍に包囲された挙げ句、水攻めにより落城する。しかし秦は巴蜀討伐により国内に余剰の兵力がなく、八方塞がりに陥ってしまう。張儀は商於を楚に割譲することを進言し、?駟(えいし)はしぶしぶこれを承諾するのだった。
汚い手
監禁状態から、なんとか楚王への謁見がかなった張儀は、商於と引き換えに楚軍撤退の約束を取り付ける。そのやりとりを聞いていた陳軫(ちんしん)は、張儀の提案がウソであることを見抜く。秦のやり方に失望した陳軫は、密偵役を下りる。正式に盟約を結ぶため、楚の使者とともに秦へ戻った張儀は、落馬してケガをする。一方、巴蜀の遠征軍では、危険な任務からはずされそうになった蕩(とう)王子が、自らの腕力を証明し、部隊に残ろうと食い下がる。
巴蜀(はしょく)を手中に
蜀での行軍中に敵の間者を発見した蕩(とう)王子は単身で襲いかかる。ところが、間者と見間違えたのは若く美しい娘で、蕩は娘にほのかな恋心を抱くのだった。一行は娘の案内で蜀の王宮に到着し、蜀を下す。 同じ頃、楚では、子蘭(しらん)王子が?尚(ぎしょう)と屈原(くつげん)失脚について密談する。 蜀の陥落後、司馬錯(しばさく)は巴へ侵攻したため、巴人は激しく抵抗する。蕩は覆面の巴人を斬り捨てるが、なんとそれは行軍途中で出会った娘だった。
6里の土地
商於を奪還できると信じた楚王は、祝いの宴を行う。席上で楚王の甘さを指摘した屈原(くつげん)は、王の怒りを買う。その頃、秦には巴蜀遠征成功の知らせが入る。療養を理由に楚との盟約締結を先延ばしにしていた張儀は、盟約の文書を楚の使者に渡す。しかしその内容は、約束していた商於の地600里ではなく、自分の所有地6里を割譲するという詐欺まがいのものだった。一方、公孫衍(こうそんえん)は韓魏の連合軍で秦を攻めるが、大敗する。勝利に沸く秦のもとに、義渠との戦いで蹇平(けんぺい)が死んだとの知らせが入り、秦は義渠を滅ぼす決意をする。
楚王(そおう)の怒り
商於割譲はうそだったと知らされた楚王は激怒し、秦との開戦を強引に決断する。楚との戦に備え、張儀は「斉と同盟する楚に対抗し、秦は魏韓と盟約を結ぶべきだ」と主張、早速魏韓に使者を送る。だが韓王は、秦との盟約締結の条件として、函谷関での戦いで息子、奐(かん)太子を死に至らしめた秦兵馮高(ふうこう)を引き渡すよう要求するのだった。同じ頃、義渠は秦に滅ぼされる。行き倒れていた?(えん)王子を保護した商人は、奴隷として咸陽へ連れていく。
義に殉ずる
秦から解放された韓朋(かんほう)は、韓王に対し秦と盟約を結ぶよう勧めるが、自責の念から韓朋は自害する。一方、馮高(ふうこう)は盟約を成立させるため自分の命を差し出す決意をし、韓へ向かう。 楚との戦が始まる。丹陽城の前に駐留する魏章(ぎしょう)は、敵将屈丐(くつかい)の守る城の中へ突入するために一計を案じるが功を奏さない。ひたすら守りに徹する屈丐に楚王は怒るが、昭陽はその戦術を評価する。引退を考えた昭陽は、屈原(くつげん)に今後の心得を示す。
丹陽(たんよう)攻略
張儀の離間の計が奏功し、斉軍が撤退した。その結果、?華(えいか)の部隊は援軍として丹陽へ向かい、魏章(ぎしょう)の部隊と合流する。籠城する屈丐(くつかい)に対し、魏章は火攻めでこれを攻略したのだった。しかし、楚の名将、景翠(けいすい)は軍を二分し、一方を丹陽の援軍、もう一方を秦の藍田へと差し向ける。藍田は都、咸陽に近く、?駟(えいし)も危機を募らせる。丹陽を占領した魏章と?華(えいか)だったが、楚軍の包囲により、守りの手薄な自国を楚軍に脅かされるという窮地に陥る。
勇将散る
丹陽の城を守るため、?華(えいか)が戦死する。楚の景翠(けいすい)は秦の咸陽を落とすべく進軍するが、またも秦に兵糧を焼かれ、撤退する。秦楚の戦いは秦の勝利となるが、今後、斉の増長を心配した張儀は、あえて楚と盟約を結ぶことが上策と判断。戦勝国であるにもかかわらず、あえて楚に漢中の地を割譲することを秦王に勧める。この提案には、秦王をはじめ大臣らが猛反対し、張儀は立場をなくす。そんな中、楚から盟約締結の条件として、領土ではなく張儀を差し出すよう要求が入る。
陳軫(ちんしん)の情け
?駟(えいし)が止めるのも聞かず、張儀は単身、楚へ向かう。商於割譲で張儀にだまされ、戦でも大敗を喫した楚王は、恨みを晴らすべく張儀を投獄してしまう。張儀は牢内で屈原(くつげん)に殺されそうになったところを陳軫(ちんしん)に救われ釈放される。楚を出国する際、張儀は秦での仕官を誘うが、陳軫は哀れな楚のために力を尽くしたいと告げる。 一方、?八子(びはつし)の侍女項紋(こうもん)は戦死した家族の復讐のため、?駟の命を狙うが事前に発覚し自害する。
後継者
?華(えいか)の墓参りをしたあと、秦王は後継者である太子に誰を立てるべきか?疾(えいしつ)に相談する。?疾は長子を立てることが妥当だと答え、その意見に従って、蕩(とう)が太子となる。ところが、太子となった蕩(とう)が、母・魏?(ぎじょ)の意に反して楚の娘を見初めてしまうことで、波紋が広がる。猗蔚(いい)の店で義渠人と秦人のケンカが起こる。給仕として働いていた義渠の?(えん)王子は、間に入り、秦の武官を殺してしまう。?(えん)は逃亡しようとするが、逃げ切れず、猗蔚の店に舞い戻り、身分を明かした上で助けを求める。
母を慕う
?駟(えいし)は、義渠人と乱闘した蕩(とう)太子を叱責する。張儀は乱闘の相手である義渠?(ぎぎょえん)の身柄を確保しようとするが、?壮(えいそう)に先手を打たれてしまう。息子である?が咸陽にいることを張儀から知らされた?八子(びはつし)は、居ても立ってもいられない気持ちになるが、張儀は自重するよう釘を刺す。同じ頃、?壮は蕩に取り入ろうと画策し、王后と?(えん)を自らの屋敷で引き合わせる。蕩と魏の王女との婚礼の夜、花嫁の王女は、巴の娘と密会した蕩に怒り、帰国してしまう。
画策
?駟は蕩(とう)を激しく叱責し、太子から下ろそうと考えるが、張儀や?疾(えいしつ)が反対する。?壮(えいそう)に脅された猗蔚は、我が身を守るため?壮に情報を提供する。魏冉(ぎぜん)は蕩太子の家を訪れた際、?壮に向かって「姐(?八子(びはつし))に危害を加える者には容赦しない」と言い放つ。息子の?(えん)が咸陽にいることを知った義渠王・駭(がい)は、命懸けで会いにやってくる。?を連れ戻すのかと思いきや、義渠王は?に対して「義渠復興のため、このまま咸陽に残れ」と告げるのだった。
意外な黒幕
?八子(びはつし)は生き別れた息子、?(えん)に会いに行く。しかし、そこにいたのは義渠王であった。邂逅の現場を?壮(えいそう)に押さえられた?八子は、?駟(えいし)に死刑を言い渡されてしまう。?八子釈放の陳情に来た張儀は、すべては?壮によって仕組まれたものだと釈明する。だが?駟は自らが?壮の黒幕であることを明かす。国を安定させるために、蕩(とう)太子の障害になる?八子を自ら排除しようとしたのだ。しかし、死刑を思い直した?駟は、?八子と稷王子を人質として燕へ送るという張儀の提案に承諾するのだった。
人質 王妃
?八子(びはつし)と稷(しょく)王子が人質として燕に送られる。張儀は同行するつもりだったが、張儀を少しずつ大任から外していくべきだと考える?疾(えいしつ)の進言により、任務から外されてしまう。魏?(ぎじょ)に見送られながら馬車は出発するが、?八子は見送りの中に?(えん)がいたことを後になって知るのだった。?駟(えいし)は?八子を人質に送ったことで後悔の念に苛まれる。再び張儀を燕と趙の外交任務に充て、ついでに?八子に多くの差し入れを届けさせようと考える。政情が不安定な燕に到着した?八子らは城へ入ることもできず、郊外で暮らし始める。不便な生活の中、召使いたちも次々に去っていってしまう。
?八子(びはつし)の受難
燕の太子平は、斉より援軍を得ると政権奪還を試みるが、子之(しし)に破れ、無念の最期を遂げる。同じ頃、?八子(びはつし)親子も身に迫る危険から逃れようと燕を脱出していた。一方、張儀は、趙と同盟すべく趙王に謁見する。秦との同盟の利を説く張儀に対して、懐疑的な趙王は「秦と斉は共に趙の敵である」と言い放つ。そして、?八子親子を保護していることを張儀に告げ、同盟の条件として?八子親子を趙の人質とすることを迫るのであった。一方、秦では?駟(えいし)に異変が起きていた。
秦王?駟(えいし) 崩御
張儀が?八子(びはつし)のもとを訪れるが、趙王の要求により、秦には連れ戻せなくなったことを伝える。?駟(えいし)は自分の死期が近いことを考え、?疾(えいしつ)に「?壮(えいそう)の行動に注意せよ」と命ずる。病床の?駟のもとへ?(えん)がやってきて、憎しみもあらわに、「秦の王室を混乱させてやる」と宣言する。?駟が息を引き取り、王后・魏?(ぎじょ)は錯乱状態に陥る。
失意の中で
?駟(えいし)の死後、秦は着実に変化を遂げつつあった。新王・?蕩(えいとう)の外交政策について苦言を呈した張儀だったが、?蕩は聞く耳を持たない。?蕩は自分の意に添わぬ張儀を遠ざけ、?疾(えいしつ)と甘茂を重用しようとする。しかし、張儀が前王の寵臣であるため、思うに任せずにいた。やがて、宰相の座を狙う?壮(えいそう)が、張儀を亡き者にせんと刺客を放つ。その刺客に妻の蘇萱(そけん)を射殺された張儀は、傷心のまま秦を去る決意をする。
再会の杯
張儀が秦を去る。母国の魏に到着すると、息子の帰りを待っていたかのように、張儀の母親が息を引き取る。葬儀のあと、張儀は田舎の料理屋で公孫衍(こうそんえん)と再会し、遊説家としての半生を振り返りながら酒を酌み交わす。妃である魏の姫を追い出した上に、王であるにも関わらず力比べに熱を上げる息子・?蕩(とう)を魏?(ぎじょ)は心配する。しかし実際の?蕩は、王としての野望を果たすべく、着々と計画を立てていた。その内容は、周の天子に迫り実質的な権力を手に入れることであった。その足がかりとして、まずは宜陽を攻め落とすべく、甘茂を送る。
鼎(かなえ)の重み
韓を下した?蕩(えいとう)は、周の都洛陽へと向かう。その狙いは、周王を秦へと迎え入れ、天下に覇を唱えることにあった。周王が?蕩の申し出を突っぱねたため、?蕩は王宮に据えられた九鼎を秦へ持ち帰ろうとする。天下を象徴する宝物、周の九鼎を持ち上げると豪語した?蕩は、そのあまりの重さに押し潰されてしまう。?蕩は臨終の床で、腹違いの弟である?稷(えいしょく)を次期王に指名し息絶える。趙にいる?八子(びはつし)と稷王子の帰国を巡り、宮中が慌ただしく動き始める。
謀殺の危機
?壮(えいそう)らの妨害をくぐり抜け、?八子(びはつし)と稷(しょく)王子は無事に秦へ帰国する。先王である?蕩(えいとう)の遺言により?稷(しょく)を王に就かせることとなったが、?壮(えいそう)ら一派が猛烈に反発。魏?(ぎじょ)もそれに振り回され、反対派のトップに担ぎ出される形となる。稷(しょく)の即位式の日、?壮(えいそう)らはわざと葬儀を行い、妨害しようとする。しかし、その場の話し合いで魏?が折れ、葬儀と即位式をともに行うこととなる。
覇者への道
王座を狙う?壮(えいそう)は、?稷(えいしょく)と?八子(びはつし)親子の暗殺をたくらむ。魏?(ぎじょ)を抱き込んだ?壮は、戴冠式にかこつけた酒宴で?稷(しょく)を亡き者にしようとするが、罠を見抜いた?八子は魏冉(ぎぜん)、白起(はくき)とともに阻止へ動く。魏?は?八子を憎みつつも、その息子、義渠?(ぎぎょえん)や?稷(えいしょく)を思うがゆえに自ら命を絶つ。?壮自身もまた白起の手にかかり、反対勢力は一掃されたのだった。ここに乱世の覇者となる昭襄王・?稷(えいしょく)が無事戴冠式を迎え、親政を始める。
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