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目次
料理人の夢といえば「自分の店を持つこと」。しかし今、あえて店を持たない選択をする人が増えている。ひとつは、ここ10年で目覚しい進化を遂げた「キッチンカー」。キッチンを装備した軽トラックで、お客のいる場所に直接乗りつける。固定の店を出すより初期コストもかからず、車一台で手軽に始められるとあって、かつて店で働いていたシェフだけでなく、料理の腕に覚えのある主婦などが挑戦する例も増えてきている。躍進する“キッチンカー・ビジネス”の舞台裏を追う。
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が叫ばれる中、逆に利用が増えているのが、ネット通販などのいわゆる“巣ごもり”需要だ。しかし、その商品を運び私たちの家まで届けてくれる物流サービスはここ近年、深刻なドライバー不足などの問題を抱えている。そんな中、問題を解決しつつ、さらに広がるニーズをつかもうと、様々な企業が新しいサービスを生み出そうと動き始めていた。コロナ禍をきっかけに、大きく変わろうとする「物流」。中でも私たちの生活にも大きく関わる「宅配」の新しいカタチ、その最前線を追う。
例年、ゴールデンウィークと言えば、家族や仲間と旅行したり、イベントに参加したりと、楽しさが溢れる時期。しかし新型コロナウィルスに怯える今年は、これまで経験したことのない“不気味な静けさ”に包まれている。中でも観光業への打撃は深刻だ。多くの宿泊施設は、今まさに“休業”から“廃業”へと追い込まれようとしている。しかし、この逆境に立ち向かう人々がいる。国内外に42施設を展開する「星野リゾート」。その中で最も早く打撃を受けたのが、北海道の「OMO7旭川」だ。地元のスタッフは、今こそ“原点回帰”と、周辺の店舗を巻き込んだ取り組みをスタートさせた。さらに「星のや東京」では、あるシミュレーションを開始。それは「ウィズコロナ」を見据えたもの。業界をリードするブランドの次なる一手とは?一方、新潟。越後湯沢駅前の「HATAGO井仙」と南魚沼の「ryugon」、ふたつの宿を経営する井口智裕さん。従業員たちに「みんなの雇用は守る!」と宣言した先に見据えるのは、コロナ収束後だ。客のいない今こそ、“地域の魅力”を伝える新たな手法を考え出し、ワンランク上のおもてなしを準備しようというのだ。
4月8日、楽天が携帯電話事業に本格的に参入する。最大のウリは大手3社の半額以下という料金プラン。300万人に限っては「1年間無料」にする。しかし、サービス開始までは苦難の連続だった。通信ネットワークの要となる基地局の設置が計画通りに進まず、当初予定していた昨年10月のサービス開始を大幅に延期せざるをえなかった。試験サービスで通信障害が発生したことなどで、総務省から4度もの「行政指導」を受けた。何としても自前の通信網を完成させなければ…楽天グループ数千人が総力を結集する特命プロジェクトが始まった。ガイアはその舞台裏に密着取材。グループを率いる三木谷社長が携帯参入の先に描く「楽天の野望」に迫る。
いつの世もお金をだまし取る標的にされるのは、弱者である高齢者。そして、その老後資金。この10年の特殊詐欺による被害は、3700億円にも及び日本経済の大きな損失となっている。「人生100年時代」と言われ老後資金を少しでも増やそうと投資に乗り出す人も多い。そうした「将来の不安」を食い物にする “新手の投資詐欺”が横行、その驚くべき実態に迫った。そして、詐欺(振り込め詐欺)撲滅を目指し、犯罪集団に立ち向かう人々も。最新のIT・AI技術を武器に、封じ込め作戦が始まる。その先頭に立ったのは、「大事なカネ」をだまし取られ、生きる気力を失った高齢者を見てきた、一人の主婦だった。
環境への意識が高まってきたとはいえ、ゴミ問題はますます深刻な問題になっている。例えばプラスチックゴミで見ると、日本人一人当たりが出す量は世界2位というデータもある。日本のみならず、世界にとって環境問題はこれからも最重要課題だ。そんな中、ニッポンの町工場の新たな技術や手法で、ゴミを宝に生まれ変わらせようという取り組みが加速している。ガイアの夜明け2020年最初のスペシャルは、日本や世界のゴミに再び価値を与える“町工場のすごい技術”を追う。
新型コロナウィルスの感染拡大を、いかに防ぐか?企業活動や、市民生活に大きな影響が出始めた中、動き出した日本企業の独自の取り組みを追う。簡易検査キットや、新型マスクなどこれまで培った技術や、研究開発の成果を活かそうと「ウィルス対策」に独自の強みを持つベンチャー企業たちが動き出している。こうした民間企業の持つ技術や開発した成果は、「新型コロナ対策」にどこまで役に立つのか?そして官民がタッグを組んで、経験したことのない「国難」に当たれるのか?一方、震源地となった中国では、生産活動、物流機能が麻痺。中国に依存してきた多くの日本企業にとって、今後、オペレーションの見直しが出ることは必至だ。「見えない敵」の脅威に日本企業はどう克服しようとしているのか?
人材不足、働き方改革などの影響で逆風が吹く「外食業界」で、特に苦戦しているのが「居酒屋」業態だ。チェーン店の増加で店は飽和状態。さらには若者を中心とした飲み会離れなども追い打ちをかけている。そんな中、新しい時代にふさわしい新しい居酒屋をつくろうという動きが加速。人気の居酒屋チェーンの仕掛け人が独立し、いままでのチェーン店の逆を行く“常識破りの居酒屋”を次々と仕掛けていた。客も、働く人も、そして店を取り巻くすべての人を幸せにしようという、“新時代の居酒屋”像を探る。
今広がりつつある「モノを持たない」ライフスタイル。それを背景に盛り上がりを見せているのが「シェアリング・エコノミー」。「誰かが所有しているモノ」を、インターネット上のプラットフォームを使い、個人間で貸し借りや売買、交換するというものだ。様々な分野でそのビジネス化が進む中、今注目を集めているサービスがある。それが、「普段使わない家電や美容器具などを、誰かに貸して小遣い稼ぎをしたい」と考える貸し手と、「モノは必要なときだけ借りたい」と考える借り手、その両者のマッチング。一方、高級ブランドバッグの分野でも、自分の持っているモノを貸し出せるサービスが登場。そこでは、すでに300万円以上稼ぐ人も現れているという。大量生産大量消費の時代から新たな時代へ。進化するシェアリング・ビジネスの最前線を追う。
核開発、ミサイル実験の再開とますます先が読めない北朝鮮情勢。一方、国連による経済制裁が続いている北朝鮮国内では、スマホの普及、高級化粧品の販売など、一見活気に溢れているようにも見える。最近よく目にするのが「自力更生」というスローガンだ。意外なことに今、北朝鮮では競争原理や市場経済を取り入れた改革が導入されつつある。 識字率が高く地下資源も豊富で実は、経済的なポテンシャルは高いとの指摘もある北朝鮮。世界を振り回し続けるこの国は、いったいどこに向かおうとしているのか?さらに、60年前に「地上の楽園」と宣伝された帰国事業で、北朝鮮に渡った「日本人妻」たち。北朝鮮の地方都市で観た、驚きの生活とは?
国内で「まだ食べられるのに棄てられる食品」の量は、年間600万トン以上。そんな中、賞味期限や過剰在庫などを理由に棄てられる運命にある“ワケアリ”食品に、再び「売るチャンス」を与えるべく動き出した企業がある。カギを握るのは、かつてないマッチングだ。一方、一流シェフたちも新たなチャレンジをスタート。それは「腕とアイデアで調理現場での廃棄を減らす」というもの。そこには家庭でも取り入れられる様々なヒントが。昨年10月、食品ロス削減推進法が施行され取り組みが本格化する中、その先頭を走る人々の奮闘を追う。
料理人の夢といえば「自分の店を持つこと」。しかし今、あえて店を持たない選択をする人が増えている。ひとつは、ここ10年で目覚しい進化を遂げた「キッチンカー」。キッチンを装備した軽トラックで、お客のいる場所に直接乗りつける。固定の店を出すより初期コストもかからず、車一台で手軽に始められるとあって、かつて店で働いていたシェフだけでなく、料理の腕に覚えのある主婦などが挑戦する例も増えてきている。躍進する“キッチンカー・ビジネス”の舞台裏を追う。
秋の行楽シーズン真っ盛り。ありきたりの紅葉ツアーや、定番の温泉旅行などに飽きてきた人も多いはず。今回は、あなたの知らない「癒しの旅」をテーマに自然やグルメなど、様々なジャンルを新たに開発する取り組みを追う。その一つが、航空会社。路線先である島の眠れる観光コンテンツを自ら発掘、これまでにない個性的な旅行プランを展開することで、客足を伸ばそうとしている。南の島といえば海のイメージが強いが、秋・冬でも楽しめるコンテンツが次々と登場している。
日本の農産物のレベルは世界屈指…と言われるが、農家を取り巻く現状は厳しい。高齢化や後継者不足に加え、消費者のレベルも上がり、ただ“いいもの”を実直に作っているだけではなかなか生き残っていけないのが現実だ。そんな中、地方の農家と異業種をコラボさせて、農作物を“売れる商品”にブラッシュアップさせるプロジェクトが成果を出し始めている。農家たちは異業種と絶品グルメを開発。年に一度、「にっぽんの宝物」グランプリというコンテストで競い合う。ここで高評価を勝ち取れば、日本のみならず、世界にもPRできるチャンスをつかむことができる。すでに年商が100倍になった農家まで出現している。
旅の大きな目的の一つでもある「ニッポンの伝統文化」。その現場が今、危機に陥っている。例えば「祭り」。日本全国で開かれる数は30万件、市場規模は1.4兆円ともいわれている。しかし、存続が危ぶまれているものが増えているという。原因は、資金不足。相次ぐ事故などで安全対策の強化が求められ、警備員などにかかる人件費が増加。一方で、地元企業からの協賛金などは減少しているためだ。そして、もう一つは人手不足。少子高齢化などで運営の担い手が減っているのだ。このように苦境にあえぐ「祭り」…それを「サポートして盛り立てよう」という会社がある。資金や人手が足りないといった課題も、「祭り」という特別な場の価値をアピールすれば解決できるというのだ。その意外な手法とは?
日本の全国津々浦々にある「コンビニ」。今やセブンイレブン・ファミリーマート・ローソンの大手3社を中心に、全国で6万店に迫る。24時間いつでも豊富に商品が並び、“手軽で便利”なサービスで成長を続けてきたが、ここにきてそのコンビニのビジネスモデルが大きな岐路に立っている。仕事の増加・人手不足・人件費の高騰で現場からSOSが上がっているのだ。そんな中、各社とも新しい時代のコンビニの在り方の模索を始めている。令和の時代に始まった“コンビニ大変革時代”。その変革の最前線を追う。
年間100億皿。日本人にとって“国民食”となっているカレー。
近年、食全体のマーケットは減少傾向となっているが、総菜やコンビニ弁当など調理済み食品を家で食べる“中食”市場は、働く女性の増加や高齢者の単独世帯の増加などもあり、着実に伸びている。そんな中、総菜に一層力を入れるのが、人気スーパー「成城石井」。社長自ら世界に飛び出し、日本人にも合う、これまでにない総菜を作るという。その一部始終に密着。さらに、都会の八百屋が挑む、農家も消費者もそして店も幸せにする弁当とは・・・。食欲の秋にかけて一層競争が激化する“中食市場”、その最前線を取材する。
新たな店が次々と誕生し、そして消えていく。外食業界では、日々熾烈な争いが繰り広げられている。中でも激しさを増すのが、「肉」を扱う外食業界の闘いだ。“量り売りの立ち食いステーキ”という斬新なスタイルで、一世を風靡した「いきなり!ステーキ」。飛ぶ鳥を落とす勢いであったが、ここに来て大きな壁に。再生に向けた「大胆戦略」とは?一方、新興勢力も台頭している。1人1台の無煙ロースターで“ひとり焼肉”を楽しむ、「焼肉ライク」。全国300店舗を目標に、「焼肉のファストフード化」を図ろうと、進撃している。シリーズ7弾の「外食王」は、戦国時代を迎えた「肉」の王を巡る仁義なき闘いを追う。
いまアウトドアが再びブームになっている。手間暇をかけなくてもホテル並みの施設で快適にキャンプができる「グランピング」が広まったことや、90年代に起きた「アウトドアブーム」が一巡し、時間やお金に余裕のある中高年が戻ってきたことなどが背景だ。世界最大というアウトドア専門店も登場。観光名所の少ない地方自治体や遊休地を抱える企業は、アウトドアをウリに新たな集客作戦を始めようとしている。この夏、アウトドアで新名所を作ろうというチャレンジャーたちを追う。
夏、行楽シーズン真っ盛り。有名な観光地は大勢の客で賑わっているが、約1700あるニッポンの市町村には日本人でも知らないような町がたくさんある。観光客も来なければ過疎化が進み、元気がなくなっていく・・・。そんな中、驚きの手法で“なにもない町”に人を呼び込む動きが広がっている。地方を元気にする、これまでにない新しい取り組みだ。シリーズ「ニッポン新名所ウォーズ」第3弾は、何もない場所に客を呼び、日本全国津々浦々を名所にしようとする仕掛け人たちの動きを追う。
「温泉大国」ニッポン。各地で今、新たな動きを見せている。街中には「都市型温泉」が続々と登場。アクセスが容易で気軽に楽しめると人気を博している。一方、辿り着くだけで一苦労の「秘湯」も、登山人気と相まって盛り上がりを見せているという。また、バブル崩壊以降、団体旅行の減少とともに衰退していった「昔ながらの温泉地」も、一部で活気を取り戻しつつある。中でも勢いがあるのが、湧出量日本一を誇る大分県別府市だ。今年9月に行われる「ラグビーワールドカップ」の公認キャンプ地に選ばれていることもあり、今、世界からも注目を集めている。そんな別府に国内外の企業が続々と進出。「大江戸温泉物語グループ」が2017年に老舗ホテルを買収し新形態で開業すると、あの「星野リゾート」も2021年の進出を計画。そしてこの8月には、外資系ホテルの雄「インターコンチネンタルホテルズグループ」が、世界初となる温泉リゾートを開業する。まさに群雄割拠、日本有数の温泉地を舞台に繰り広げられる熾烈な戦い。その行方は…?
年々暑さが酷くなるニッポンの夏。熱中症や水不足など深刻な問題も引き起こしている。そんな中、それに立ち向かうニッポンの中小企業の技術がある。まずは、画期的な構造で老若男女を“熱中症”から守るスポーツキャップ。開発したのは畑違いの屋上緑化事業を手掛ける中小企業だ。世界初の構造で、帽子内の温度を抑制するだけでなく、湿度も大幅カット。炎天下で動く人々の命を守る。そして“水不足”に立ち向かうのが東大阪の町工場が開発した節水ノズル。蛇口に取り付けるだけで最大節水率は9割超。それでいて強い洗浄力も備えているという。
親が年老いて介護が必要になった、自宅での生活が困難になった・・・など、超高齢社会の到来を前に、「終の住処」をどうするか?誰しも必ず直面する大きな課題だ。しかし多くの施設の中から、最適なものを選んで、決断するのは至難の業。入居してみたものの、望んでいたサービスを受けられなかったという声も多い。良い施設の見分け方や、選ぶ際に注意すべきポイントはどこに?
不要になっても捨てずに持ち続ける…日本人の美徳と言われる『もったいない』の精神。
総額37兆円―。これは、日本人が自宅などに保管していて「1年以上使っていないモノ」=「不要品」の総額。1世帯あたりに換算すると、およそ70万円もの「かくれ資産」があるといわれる。中でも、最も資産を所有しているのは40代から60代。今、この年代をメインターゲットに、家庭に眠る、使われなくなった不要品を掘り起こそうという動きが広がっている。「不要品」=「ゴミ」から、「不要品」=「商品」へ。進化し続ける中古品業界、その新たな戦略を追う。
人生が変わる働き方第3弾は、コンビニより数が多いと言われる「ヘアサロン」。昨年、
高い品質で人気の商品を生み出している働き手は、ハンディキャップを背負った人たちの集団だった! 昔ながらの「福祉的」な職場ではなく、消費者が欲しがる、競争力のある商品やサービスを生み出す障害者の職場が、広がりを見せようとしている。
長時間労働、低賃金が問題になり、“ブラック”と言われることもある外食業界。そんな中、新たな働き方を提案する新勢力が台頭している。
年間2842万トンの食品が捨てられているとされる、日本。
「激烈!航空戦争」シリーズの後編。今や日本最大のエアラインとなったANA。しかしそのANAが未だにJALの後塵を拝しているのが「ハワイ路線」だ。座席数のシェアでは、JAL30%に対してANAは14%。大きく水をあけられている。JALの牙城に挑む切り札が世界最大の航空機、A380だ。日本のエアラインとしてANAが初めて導入。「ハワイの覇権」を一気に奪う作戦だ。だが、JALはハワイで長年に渡りホテルなどと強固な関係を築き、消費者からの信頼も厚い。新鋭機でANAは新たなハワイの旅を提案できるのか?ハワイ進撃作戦を独占取材した。
年間150万人以上の日本人が訪れる“常夏の楽園”ハワイ。日本航空(JAL)は1954年に就航以来、その観光需要の開拓を担ってきた。ハワイと日本を結ぶ便の座席数シェアでは3分の1を握り、ライバル全日空(ANA)に倍以上の大差をつけている。しかし、その牙城に今、ANAが迫ろうとしている。5月24日、成田―ホノルル線に2階建ての大型機、“空飛ぶホテル”の異名を持つA380を投入するのだ。狙うはシェアの逆転。ライバルの猛攻に対し、JALはいかなる対抗策を取るのか?
RIZAPグループは5月、2019年3月期連結決算の最終損益が193億円の赤字になると発表した。前期は90億円の黒字。ライザップに何があったのか?ライザップといえば減量に成功したタレントを起用したテレビCMもあってトレーニングジムの印象が強いが、実は様々な業種の企業80社以上を傘下においており、今回の赤字転落は企業買収を繰り返し肥大化した構造に問題があると言われている。だが瀬戸健社長(41歳)は、「ライザップのストーリーは終わらない」と再生を掲げる。一体、ライザップはどのように復活を果たそうとしているのか?今回、ガイアのカメラは改革に取り組む瀬戸社長に独占密着。グループの「減量化」をはかるための会社の売却や立て直しの裏側を取材。苦境に立たされた企業はどのように復活の道筋をつけるのか?再生の光を見いだすことができるのか?
今も大ブームが続いている「高級食パン専門店」。1本1000円近くするが、連日大行列の店も珍しくない。全国で出店が相次ぎ、今まさに“戦国時代”。そんな中、“売れるパン屋の仕掛け人”は今回新たに和惣菜の老舗と組んで、いままでにないパンを作ろうとしていた。さらに、“誰が作ってもおいしい食パンができる”というコンセプトで全国展開を狙う企業も現れた。膨らみ続ける“食パン市場”、その知られざる戦いの現場を取材する。
客がのぞむものだけを作って売り尽くしたい。多くの企業が渇望する壮大な夢に、全社をあげて挑む企業がある。2018年8月期に過去最高の売上高2兆1300億円を記録した日本最大のアパレルメーカー、ユニクロだ。その名も「有明プロジェクト」。東京・有明に本部機能を全て移し、これまでの縦割りの組織を解体。企画から開発、販売までを横串しにしたフラットな小チームに編成し、顧客の声を積極的に収集し、即断即決で商品開発を行う組織作りに着手した。ユニクロの新戦略“情報製造小売業”だ。これまで店舗やネット販売を通して集積されてきた「客の声」=「情報」を駆使し、客が望むものだけを作るビジネスを模索している。
東京ではオリンピック、大阪では万博、そして名古屋ではリニア中央新幹線開通などなど、今後ビッグプロジェクトが次々に控える日本。それもあり、都市部を中心に全国的に地価が値上がりしている。バブル期を超え、過去最高額となるところも。そんな中、土地や住まいなどの不動産を巡って、不当に儲けを狙う“地面師”や“ブラック家主”といった集団が動きを活発化させている。あなたや親の土地や住まいも狙われているかもしれない・・・。その驚きの手口や実態について緊急取材する。
「家賃保証30年」「一括借り上げ」などのうたい文句で拡大した、アパートやシェアハウスなどへの投資。マイナス金利の下、金融機関からの積極的な融資姿勢もあり、「サラリーマン大家」たちが増えた。番組は去年5月、販売件数や融資額を増やす目的で、一部金融機関と販売会社が共謀。投資家の預金通帳を「改ざん」するなどして販売した違法な実態を追跡。さらに、「家賃保証」をうたう賃貸アパート大手「レオパレス」のアパート建設を巡っては、防火や耐震で必要な「界壁」が存在しない、建築基準法違反の物件が全国に多数建設されていたことを、独自取材により明らかにした。番組の放送以降、行政指導を受けた企業は「改善策」を発表。業界は「浄化」される方向に向かうものと期待されたが…。
冬シーズンのレジャーといえばスキー。しかし、バブル期を境にスキー・スノーボード人口は大幅に減り、現在は620万人とピーク時の3分の1以下になった。しかしここに来て全国のスキー場では少しずつ活気が戻っているという。若者時代にスキーブームを経験したバブル世代がゲレンデに戻って来ているのに加え、訪日外国人客が押しかけているのだ。しかし、多くのスキー場は、長年続いたスキー人気の低迷から積極的な投資や開発を控えたままで、せっかくのビジネスチャンスを逃している例も少なくない。そんな中、長野県の白馬エリアがいま、新しい取り組みを始めている。改革を仕掛けるのは、たった一人で白馬に乗り込んだ元キャリア官僚の男性。しかも、冬だけでなくオールシーズンで客を呼ぼうというのだ。成功すれば、日本各地のスキー場にまた賑わいを取り戻せるはず。もちろんそれだけではない。大手デベロッパーも外資ホテルと組んで、白馬のリゾート開発に乗り出してきた。白馬を舞台に繰り広げられる、山のリゾート争奪戦。その最前線を取材する。
プラスチックが大量生産・大量消費されるようになって約半世紀。軽くて丈夫、安価なことから、いまや私たちの生活に欠かせない存在となっている。しかし近年、レジ袋やペットボトルなどの使い捨てプラスチックごみによる海洋汚染が深刻化。一方、これまで世界のプラスチックごみを資源として受け入れていた中国が国内の環境汚染を理由に輸入を禁止。いま、行き場を失った「廃プラスチック」が世界中にあふれている。番組では、中国禁輸による廃プラ問題、深刻化する海洋汚染の実態に迫るとともに、加速する「脱プラスチック」の行方を追う。
「ゴーン会長逮捕!」11月中旬、世界を震撼させるニュースが駆け巡った。日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が東京地検特捜部に逮捕された。報酬を約50億円少なく有価証券報告書に記載した疑いだ。会社の投資資金などを自宅の購入等に充てるなど、不正に流用していた疑いもあるという。なぜ、稀代のカリスマ経営者は、このタイミングで表舞台から退場することになったのか?ガイアの取材班が逮捕から1カ月を緊急取材。捜査当局の狙い、日産現役社員の証言、仏ルノーとの暗闘、日仏両政府の駆け引きなど、水面下で複雑に交錯した「カリスマ退場劇」の真相を追跡!「日産・三菱・ルノー」の3頭立ての自動車連合は、どこに向かうのか?平成時代の日本経済・企業を見つめ検証するシリーズ「さよなら平成!君は夜明けを見たか」の第1回目として放送。
全国に3万店、オープンから1年以内に4割が閉店するという「超激戦」ラーメン業界。大手チェーンから個人店まで、ライバルにない「美味しい一杯」を求めて競争は続く。しかし業界には、ある“越えられないハードル”が…。それがラーメンを「B級グルメ」に留めているのだという。そのハードルをクリアできれば、ラーメンはイタリアンやフレンチなどと同じレベルにまで進化を遂げる可能性があるというのだ。また、栄養分が偏りがちともされるラーメンを、究極の“健康食”にしようという取り組みも!?
大きなものから小さなものまで売っている「ホームセンター」。家庭に必要なものは何でもそろうとあって、世代を問わず人気だ。しかしホームセンターの市場規模は4兆円弱と10年以上横ばいが続いている。各社の出店攻勢で飽和状態に陥っているのだ。そんな中、業界大手のカインズは今、生き残りをかけて新たな挑戦に打って出ている。キーワードは「DIY」・「女性」・「都市部」だ。客のニーズや時代に合わせて変貌するホームセンター、その“新時代”を追う。
私たちの食卓を支える「築地市場」が、移転問題に揺れて約2年。10月11日、「豊洲市場」への移転が完了した。近年、産地直送など市場を通さない取引が増える一方、築地市場の水産物取り扱い量は年々減少、厳しい状況にある。そこに市場移転の多額な費用が重くのしかかり、小規模の仲卸業者の多くが廃業に追い込まれた。83年の歴史で築き上げた“築地ブランド”から、“豊洲ブランド”へ。これまでの発想や常識を捨て、豊洲新市場から新たなビジネスで勝負する、仲卸業者の闘いを追う。
江戸時代より経済・流通・金融の中心地として栄えてきた歴史ある街・日本橋。近年、日本橋エリアでは大規模な再開発が進行中だ。オフィスビルが次々と建ち、新たに働く人々が増えたり、近隣の湾岸地区のタワーマンションに住む人々の生活圏となったりと、街が大きく変化している。その日本橋に9月、新名所が出現した。老舗百貨店の高島屋が新館をオープン。新しい客層を取り込むため、今までの百貨店の常識を超えた、これまでにない発想の“ショッピングセンター”を作り上げたのだ。その裏に隠された老舗百貨店の真の野望とは...。大変貌する日本橋、その裏側を独占取材した。
女性の身体を包む下着。その市場規模は約6240億円。その秘められたマーケットに、今、大きな地殻変動が起きている。これまで専門メーカーが独占していたブラジャー市場にユニクロが参戦。快適な着心地にこだわった低価格の「ワイヤレスブラ」の大ヒットで業界トップに迫る勢いだ。ユニクロ参戦をきっかけに、各メーカーは、独自の機能や斬新なデザインを備えた新商品を次々と投入、熾烈な販売競争にしのぎを削る。女性たちの心をつかむ究極のブラジャー、知られざる「美」をめぐる攻防を追う。
ZOZOTOWNの前澤社長。42歳。率いるスタートトゥデイは、時価総額1兆円以上。インターネット上で様々なブランドの服を販売している。「ファッション革命」を目指し、投入したのがZOZOスーツ。人の身体を正確に自動測定し、これまでのS・M・Lではなく、その人にぴったり合った着心地の洋服をフルオーダーできるシステムだ。最近は、世界で初めて民間人として「月旅行」への参加を発表、「規格外」のアパレル業界の風雲児として注目される。これから手がけるビジネスは、いったい何をもたらすのか?独占取材で追った。
かつては「大部屋で雑魚寝」のイメージが強かったフェリーだが、ここに来て各社が次々と新しい船やサービスを投入している。完全個室や豪華な食事、多彩なアクティビティを売りにしたものもあり、今や「海上のホテル」へと大変貌。時間に余裕があるシニア層を中心に、積極的にフェリーの旅を楽しむ利用客が増えている。さらなる利用者拡大を狙って、各社が繰り広げる“海上の戦い”に密着する。さらに陸上からフェリーに熱視線を送るのが運送業界。働き方改革が叫ばれる中、ドライバーにも負担をかけずに荷物を運べる手段として注目されているのだ。“時代の波”に乗るフェリー、その最前線を追う。
2016年8月に台湾の電気機器大手・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入った大手家電メーカー シャープ。買収の翌日には、鴻海の副総裁、戴正呉(たい・せいご)氏が社長に就任、鴻海の全面的な支援のもと再建を進めてきた。2年経たずして2018年3月期決算では、4期ぶりの黒字転換を達成した。瀕死の状態だったシャープは、なぜ劇的な復活を果たすことができたのか。台湾人経営者のもと、現場で働く社員達はどう変わったのか。2015年に放送した「“シャープ危機”…再生への闘い」から3年、シャープの社員たちを再び追った。
いま、バターを巡るある挑戦が、いよいよ実現へ向けて動き出していた。目標は「なるべく価格を抑えた、おいしい国産バター」。 それを支える大きな転換点のひとつが、今年4月の法改正。「半世紀ぶり」に、生乳の流通が自由化された。生産者が出荷先を選べることになったのだ。自らの努力と経営の才覚次第で、事業を大きくできる可能性がもたらされるはずだった。しかし、その行く手には、「半世紀」以上にわたってそびえる"壁"の存在が...。 日本の農業を強くし、世界の市場で付加価値のある日本の農産品を販売する??。国が掲げる農政の大きな目標だが、一方で「生産者を守る」ための"規制"も存在する。そうした巨大な規制は、農政の目標実現に見合ったものなのか。そしてその規制は、消費者が望む農産品を、適正な価格で提供することができているのか。 「巨大"規制"に挑む!?明かされるバター不足の闇?」(2016年11月放送)から続くシリーズ第3弾。酪農の現場から改めて日本の今を見つめ、そこに横たわる課題と、日本の農業が秘める将来への可能性を考える。
ファストファッションの台頭などで、様々な服がリーズナブルに買える時代になり、国内の服の供給量は37億点(2016年)と、ここ25年ほどで倍増している。しかしその一方で、最終的には処分される「余った服」がたくさん出ているのも現実だ。そんな余った服を、様々な形で世に出し、再び「服」として“宝”に変えようという動きが出始めている。「食品ロス」に続き「衣類ロス」ともいうべき問題にスポットを当て、そこに眠るビジネスチャンスをつかもうとする人々の挑戦を追う。
1993年に「道の駅」が誕生して今年で25年。当初の103ヵ所から今では全国1145ヵ所に増えた。(18年4月時点)。ドライバーの休憩所としてだけでなく、地域の観光スポットとして、さらには地元の人の買い物場所としても欠かせない存在になっている。その数は増え続けているが、中には赤字経営に苦しむ道の駅も少なくないと言われている。これまでは自治体や第三セクターが運営するケースが多かったが、いま「民間企業」が続々と参入し始めている。民間だからこそ生み出せる斬新なアイデアや本業の強みを生かして“人を呼べる”道の駅に再生しようと挑んでいる。進化が止まらない「道の駅」、その最前線を追う。
日本の“国民食”カレー。その人気はいまだ絶大で、1人あたり週に1回以上食べている計算だという。街中では、様々なカレーチェーンや専門店がしのぎを削り、スーパーでは、何種類ものレトルトを販売。また、各地に“ご当地カレー”があり、最近では、大阪発のスパイスカレーがブームになっている。そんな中、あの「ボンカレー」を、“カレーの本場”インドで売る極秘プロジェクトが動き出していた!しかし、そこには様々な壁が…。「ガイアの夜明け」は、1年半前から独占取材。果たして「日本のカレー」は受け入れられるのか?
日本人に馴染み深い野菜や米。農家や売り手はあの手この手で消費を増やそうとするが、なかなかうまくいっていないのが現状だ。そんな中、野菜や米を使った新たな“食材”が誕生している。「野菜」を紙状にした”野菜シート”や、「米」から作った新食感の”ライスジュレ”。開発したのは、地方の中小企業や大手機械メーカーだ。天然でしかもヘルシーな食材を生み出して食ビジネスに挑戦する。驚きの”新食材”は、新たな市場を切り開き、日本の農家を救う”起死回生”の切り札となるのだろうか。
「家賃保証30年」といううたい文句で、日本全国で拡大したアパートなどを中心とする不動産投資。マイナス金利時代、金融機関からの積極的な融資姿勢もあり、「サラリーマン大家」たちが増えた。しかし、いま、大きな曲がり角を迎えている。銀行から億単位のカネを借りて購入した物件は、実は割高。入ってくるはずの賃料は払われず、巨額のローンだけが残り、運営会社は破たん――。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」は、破産寸前の人々を大勢生み出し、問題解決の糸口は見えていない。昨秋から追跡取材をしてきたガイア取材班。個人投資家を囲い込み引きずり込んだ背後には何が?不動産投資の「魔力」を暴き出す。
東京に「日比谷」という場所がある。商業エリアの「銀座」、官庁街の「霞ケ関」、ビジネス拠点の「丸の内」の結節点という、抜群のロケーション。しかし目立った商業施設が無く、週末は閑散としていた。そこに2018年3月、複合施設「東京ミッドタウン日比谷」が誕生した。手掛けたのは不動産業界最大手の三井不動産。都心最大級の映画館のほか、充実したレストラン街が入居。オフィスフロアにも、有名企業の本社移転が決まっている。日比谷は多くの人が行きかう街となるのか。ビッグプロジェクトの裏側と、日比谷にかける人々に半年にわたって密着した。
日本で排出される食品廃棄物は年間2775万トン。このうち、食べられるのに捨てられている『食品ロス』は621万トンにのぼる。これは1300万人の東京都民が、1年間に食べる量に匹敵する。この「捨てられる食べ物」を「ビジネス」で解決しようと、動き出した人たちがいる。一方、流通業界の慣習で、まだ食べられる食品が「廃棄」される実態も独自取材。食品ロスが常態化させない仕組み作りや、意識改革に動き出した企業の挑戦を追う。
“氷上のF1”ボブスレー。そのソリの開発には、フェラーリ、BMWなど、世界の名だたるメーカーも参戦。そこに、ニッポンの町工場が技術を結集して挑む「下町ボブスレー」。2014年のソチでは日本代表に採用されなかったものの、ジャマイカ代表とともに2018年平昌オリンピックを目指すことに。しかし、開幕を目前に控え、事態は急変する。ジャマイカ代表が、「下町のソリを平昌オリンピックで使用しない」と通告してきたのだ。4年越しの夢は、実現目前でまさかの結末に…そこに至るまでに、一体何があったのか?10カ月にわたる独占密着から見えてきた、”知られざる真実“とは?
世界最大の旅行会社、エクスペディアグループのホームアウェイ。民泊業界ではエアビーアンドビーと肩を並べる“民泊の巨人”だ。現在、世界190ヵ国、200万件以上の物件を運用しているが、いよいよ今年から日本へ本格進出をする。ホームアウェイが得意とするのは、長期滞在の観光客を狙った、「ラグジュアリー民泊」。友人・家族との贅沢なプライベート空間と時間を提供するという“バケーションレンタル”という新しい民泊の形でアピールしている。ホームアウェイの日本支社長を任されたのが木村奈津子さん。狙うのは地方の“未開拓の地”だ。その第一弾として目をつけたのが、三重県志摩市。この地はバブル時代に建てられた高級別荘が数多く存在する。別荘が使用されていない時期に「民泊」として訪日外国人に貸し出す提案をしていくのだ。営業部のトップ榎田豪さんは現地に足を運び、民泊として貸し出すよう説得。しかし、オーナーの中には不安の声が…。そこで榎田さん、とっておきの“秘策”を用意していた。
フィットネスジム「ライザップ」を運営するライザップグループ。ジムを皮切りにゴルフや英語、料理教室にも参入し業容拡大を続けている。その一方で、次々と赤字企業を買収し再生を手がけている。そのライザップグループが新たに買収したのが、9期連続で赤字が続くカジュアル衣料専門店の「ジーンズメイト」。畑違いにも見えるアパレル事業の再生に向け、グループトップの瀬戸健社長が送り込んだのがファーストリテイリング出身の岡田章二さん。今回の岡田さんの肩書きは顧問。自らを“トレーナー”と呼び現社長をサポートするというライザップ流で再生を目指す。これまでのジーンズメイトは、商品の買い付けが中心で、売れるものなら何でも並べる戦略。そのため、商品数は多いが、一貫性のない商品が店頭に並んでした。そうした戦略を改め、本格的な自社ブランド「メイト」を立ち上げてシャツやジーンズといった核となる商品を投入することに。果たして再生はなるのか?
およそ250年前の江戸時代から「足袋の街」として知られる埼玉・行田。典型的な“斜陽産業”だが、そこで足袋作りを営む創業数十年の企業は、苦悩を深めていた。市場自体が縮小を続けるなか、どうやって生き残るのか…。何とかして老舗の伝統を守ろうと、開発したのは「マラソンシューズ」。マラソンが一般的なスポーツとして広く浸透しつつある今、足袋の技術を駆使してこれまでにない商品を生み出し、新たな市場を狙おう、というのだ。一方、そのマラソンシューズの市場に、海外の巨大メーカーがまったく新しい発想の新商品を投入した。“足袋シューズ”に現れた、強力なライバル。果たして日本の足袋の伝統は、守ることができるのか?
コンビニの惣菜部門の中で、売り上げがダントツだという「おにぎり」。中でもローソンでは、15年前に大幅リニュアルした際に大ヒットとなり、「おにぎりといえばローソン」と評される看板商品だった。しかし、ライバル各社が同様におにぎりに力を入れるなか、かつてのような存在感は薄まっている。そこで、ローソンでは、新たに大がかりな「おにぎり開発プロジェクト」を始動。お米、海苔、塩、具材など一から見直し、10月末より「新おにぎり」として様々な種類を発売していく予定だ。プロジェクトリーダーを務めるのは、堤洋平さん。まず取りかかったのは、販売数NO.1の「シーチキンマヨネーズ」。どのコンビニも使用していないやり方で具材の量を1.6倍にするという。さらに「焼さけハラミおにぎり」のレベルアップにも動き出す。1つ200円近くする高級シリーズ。これまで鮭の大きさがバラバラだったのを改善する必要に迫られていた。さらに今年は原料の鮭の高騰という事態に。追い込まれた堤さんが開発した“驚きのおにぎり”とは?
日本の消費・流通の頂点に君臨してきた、百貨店。いま、生き残りをかけた大きな岐路に立たされている。全国百貨店売上高(2016年度:5兆9780億円)は2年連続で前年実績を下回り、日本各地で、大型店の連続閉鎖が相次いでいる。訪日外国人による「爆買い」に頼り、売り上げを維持するものの百貨店の“花形”婦人服は不振が続く。ファストファッションや、猛烈な勢いで拡大しているネット通販に顧客を奪われているのだ。番組では日本を代表する老舗百貨店の内部を徹底取材。時代に翻弄される百貨店は、どう生きるか?
年間250万人以上が訪れる大阪城。その天守閣の真横に10月19日、新たな施設「ザ ランドマーク スクエア オオサカ」がオープンする。実はこの施設は1931年に欧州の古城を模したロマネスク様式で建設された歴史的建造物。陸軍第4師団司令部庁舎や大阪市立博物館として使われていたが、2001年に閉館。以後、活用されてこなかった。リノベーションを手掛けたのは、ホテルやレストラン事業を手掛ける「ポジティブドリームパーソンズ」。歴史的建造物の趣はそのままに、レストランやエンターテインメントの場として新たな価値を生み出そうというのだ。
兵庫県神戸市の「イオンスタイルumie」は、イオン最大級の食品フロアを持ち、新しい“食”のスタイルを提案する店舗となっている。イートインスペースでイオンは自ら外食店を展開している。一番人気は自社の牧場で育てた牛を使ったステーキ店「ガブリングステーキ」。仕掛け人は店長の中田博紀さん。中田さんは、この商業施設には広域から様々な客が来るが、その割に手頃な飲食店が少ないと分析。その結果、自ら外食店をつくったが、これが店に思わぬ効果を生み出していた…。
夏の商戦はビールメーカーやアイスメーカーにとって、看板商品を売り込む大きな稼ぎ時だ。だが2017年の夏は、40年に一度の長雨に安売り規制、働き方改革で残業もできない…。厳しい条件下で、各メーカーの現場担当者たちは知恵を絞り、1本でも1個でも多く売ろうと、激烈なシェア争いを闘っている。異変に見舞われたこの夏、ビール、アイスに看板商品を持つ大手メーカー内部にカメラが入った。シェアNo.1を巡る2カ月の闘いの裏側をドキュメントする。
日本各地には、その土地ごとの自然を活かした“昔ながらの知恵”が存在している。新潟では、そんな知恵を今に活用。日本各地の農産物を、雪を使った貯蔵=「雪室」で熟成させ付加価値をつける「雪室留学」を進める。一方、鹿児島の食品加工業者が仕掛けるのは「灰干し」。桜島の“火山灰”を活用し、食材のうま味を引き出すというもの。地域に根付く“先人の知恵”を現代に生かし、新たな「食の革命」に挑む人々を追う。新潟市…食品企業などが地元ブランドを立ち上げた。その名も「越後雪室屋」。雪室とは、昭和30年代頃まで使われていた、雪で冷やす“天然冷蔵庫”のこと。一定期間貯蔵することで、食材の糖度が増すことなどが実証されている。これを活用して食材を熟成させ、付加価値をつけて売り出している。そんな越後雪室屋の新しい取り組みが「雪室留学」。雪の降らない地域の食材を、新潟の雪室で熟成させるというもの。今回、新たに挑戦するのが、佐賀県・白石町のレンコンだ。熟成に成功すれば、旬を過ぎた時期でも新たな価値をつけて販売することができる…農家の期待を背負い、新商品開発に挑む人々を追う。鹿児島市…桜島の火山灰が降り注ぐ町では、屋外に洗濯物を干すこともままならない。
岡山県倉敷市は、半世紀前から続く伝統ある縫製工場が数多く存在し、国産ジーンズ発祥の地として知られる。しかし、ファストファッションなどの煽りを受け、倉敷を取り巻く状況は厳しい。この現状を打破するために、立ち上がったのが山脇耀平さんと島田舜介さんの兄弟。現役の大学生だ。弟の島田さんは岡山大学に通う大学の工場見学で全国有数のジーンズ工場が集まる倉敷市児島地区を初めて訪れ、職人が顧客の要望に合わせて丁寧にジーンズを仕上げていく姿に感銘を受けた。そこで岡山の職人の技術を集結したオリジナルブランドを作って世界に発信しようと、2015年から兄の山脇さんとともにジーンズ作りに挑戦している。今回、ジーンズ生地として目を付けたのが、横糸にシルクを使った光沢感のある“シルク混”という生地。シルクを使うことで従来のカジュアルな印象のデニムとは真逆のフォーマルな見た目になるという。果たして兄弟の思い描く新たなジーンズは出来上がるのか?
沖縄のあちこちで目にするのが、ひと際ド派手な黄色いボディの飲料自販機。そこには「毎日激安販売」などのステッカーが…。ナショナルブランドの商品が他の自販機よりも安く買えるとあって、多くの人が利用している。この自販機を設置・運営しているのは、沖縄県うるま市に本社を構えるミリオンだ。指揮をとるのは専務の平川隆行さん(44)。低価格を可能にするのは、大手メーカーとの直接やり取り。在庫処分に困ったメーカーから提示された数量を丸ごと現金で買い取ることで値段交渉の余地が生まれる。加えて、オリジナルの自社製品を投入するのも特徴だ。例えばシークヮーサージュースなら、自社で原料を直接仕入れ、国内外の協力工場で製品化するシステム構築している。そんなミリオンが夏商戦に向けて、東京に本格進出をはかる。平川専務には秘策があるという。東京で好まれる飲料を新たに開発し、投入しようというのだ。低価格とオリジナル飲料を武器に、どんな結果が出るのか?
岐阜県恵那市山岡町にある道の駅「おばあちゃん市・山岡」は駅内のレストランで働く従業員は、山岡町に住む70代のお婆ちゃんたちが中心だ。彼女達が作る人気メニュー「おふくろ味定食」は、地元の野菜をふんだんに使ったオリジナルメニュー。さらに、店内で販売されている加工品も地元の高齢者の手によって作られ人気を博している。その生産者の平均年齢は、なんと75歳。西尾さん夫婦が作る「山岡の手作り餅」は、年間1150万円を売る大ヒット商品となっている。
「服が売れない…」ここ数年、アパレルメーカーの業績は軒並み悪化するなか、過去10年で売り上げが20倍と急成長を続けているのがアダストリアだ。「ニコアンド」を始め、家族向けブランド「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」などを展開している。アダストリアの強さの秘密は、高品質で低価格を実現する「多品種少量生産」にある。通常「多品種少量生産」では、生産性が下がりコストかかる。しかしアダストリアには、コストを削減させ低価格を維持する工夫があった。アダストリアの福田三千男会長は、さらなる攻勢に出る。“普段の生活をもっと楽に”をコンセプトに「機能性」に特化した生活雑貨の新ブランド「LAKOLE (ラコレ)」を3月下旬に立ち上げる。新業態の立ち上げを任されたのは、北村嘉輝(41)さん。各アパレルブランドから集められたスタッフやデザイナーで構成され、新たな戦いに挑む。どんな商品が出来上がるのか?
岡山県津山市のスーパーで人気となっている地元ブランドのうなぎがある。「つやま青うなぎ」という養殖のうなぎだ。「臭みがなく天然のうなぎに近い味がする」と評判になり、入荷のたびに売り切れるという。このうなぎを生産したのは地元のRBCコンサルタントという会社だ。本業は池や川の水をきれいにする水質改善。火山岩の粉と天然ミネラルを配合した「バクチャー」という“黒い粉”を独自に開発、この粉を撒くと水中の微生物が活性化して汚染物質を分解、何もしなくても長期間きれいな水質を保つことができるという。うなぎの養殖にこの技術を応用したことで、これまで養殖業者の大きな負担になっていた水を入れ替えるためのポンプ代や濾過するためのフィルター代などが不要になっただけでなく、常にきれいな水質を保つことで、“低コストで絶品”のうなぎの養殖に成功したのだ。そしてRBCの杉山孔太さんが新たに挑戦するのが高級食材「アワビの陸上養殖」だ。果たしてアワビでも“低コストで絶品”を実現することができるのか。
多くの人が子どもの頃に慣れ親しんだ、ブロック遊び。そのブランドの一つ、「レゴブロック」をモチーフにしたテーマパーク「レゴランド」が4月、名古屋にオープンする。国内では「東京ディズニーリゾート」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に並ぶ大型“黒船”テーマパークの登場となる。実はこの「レゴランド」、すでに海外の各地に展開している世界規模のブランドだ。2歳から12歳の子供とその家族がターゲットで、目指すは「春休み」。“見たことがない”アトラクションと世界観を作り上げようと、知る人ぞ知る“有名人”が奮闘していた…。
今、大手スーパーマーケットが軒並み業績不振に陥っている。「全国一律で大量に仕入れて安く販売する」という総合スーパーのビジネスモデルが、多様化する消費者ニーズに合わなくなって来ているからだ、と言われている。一方、大手との価格競争にさらされる中小の地域スーパーの経営は、もっと厳しい。しかし、日本全国を見渡すと、進出してくる大手スーパーに負けず業績好調な地域スーパーがある。地域の固定ファンを掴んで離さない秘訣は何か?
東京・千代田区のオフィス街のビルの地下に一際賑わう食堂がある。店の名は「未来食堂」。お客が席に着くやいなや、注文もしていないのに目の前に料理が並ぶ。この店のメニューは1種類、900円の日替わり定食のみ。メニューを1種類に絞ることでオーダーを聞く手間もなく、仕込みも楽になり食材ロスもなくなるという。お客にとっては素早く食事ができるメリットがある。この店のオーナーは、小林せかいさん。さらに未来食堂の人気のヒミツがもうひとつある。それは「50分働けば一食タダ!」という “まかない”システムだ。飲食業界の常識を覆す仕組みで、未来食堂は月平均100万円を売り上げている。
高度成長期から半世紀が経ち、私たちの生活に欠かせないインフラの老朽化問題は待ったなし。そこで立ち上がったのが“ニンジャ”と呼ばれる職人集団。京都の「特殊高所技術」は、高い橋やダム、風力発電施設といった作業車が入れなかったり、足場が組めないなど、従来は近づけない場所にロープを駆使して近づき、点検や保守を行う。「ニンジャテック」と呼ばれる彼らの技術は、足場などが必要なく、時間も短くすむため、コストも安いのが特徴だ。しかし、大きな課題を抱えていた。それは「人材不足」。2012年の中央道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、国土交通省は全ての橋やトンネルに対して5年に1度の近接点検(構造物に近寄っての点検)を義務化。そのため、各地の自治体や企業から依頼が殺到していたのだ。そんな中、特殊高所技術にある依頼が来た。舞台はアフリカ・モロッコ。実は、25年ほど前から本格的に高速道路を次々建設。しかし、その維持のノウハウがないのだ。ニンジャテックではこの依頼を受けることにした。
“知らない町”で新たな人生を。地域の活性化を狙う様々な移住政策。その明暗を追う。住民の3人に1人が高齢者で、農業の後継者不足が深刻な岩手県遠野市。駅前の商店街も空き店舗が目立ち、観光スポット「かっぱ淵」も閑古鳥が。この状況に、市は「市町村も生き残りの時代だ」と危機感を募らせる。2016年7月、遠野市役所で、ある最終面接が行われていた。みな、大手企業に勤めるなど、都会で活躍する人材ばかり。地域の活性化を担う人材を募集していたのだ。市に移住し、地域の資源をいかして起業してもらうというもので、採用されれば、最長3年間、毎月手取り14万円を保証するという。地域の活性化と移住を一挙両得ねらう考えだ。すると、全国400人以上から問い合わせが殺到。採用されたのは10名。彼らは、カフェ経営、ビール醸造など、市が指定した事業に取り組んでいくことに。
不特定多数の個人から資金を集めるクラウドファンディングとしては後発のマクアケが注目を集めているのは、地域の金融機関と連携をした仕組みをつくったからだ。金融機関は融資を希望している企業をマクアケに紹介、マクアケはその企業と面談、調査し、そのプロジェクトに可能性があれば、クラウドファンディングを実施する。金融機関はその結果を見て、事業としての可能性があるのかどうか判断し融資をする。手がけるのは坊垣佳奈さん。岐阜県関市にあるツカダ。プレス加工を営む地方の典型的な町工場だ。2代目社長の塚田浩生さんが考えたのが、6通りの使いみちのできる多機能のカギ型金具「キークエスト」。量産のためには資金がいるため、地元の金融機関にいくが、すぐには融資をしてくれない。そこで塚田さんはマクアケを活用してみることに。果たして塚田さんの思いは実現するのか?
豊洲新市場への移転が2ヵ月余りとなった8月31日。小池都知事が、豊洲移転延期を発表した。豊洲新市場に勝負をかけ、移転に向けて億単位の投資をしてきた大手仲卸業者「山治」の山崎社長は怒りをぶつける。「風評被害が心配、誰も豊洲から魚を買わなくなる…」。一方、市場移転を機に廃業を決めていた「徳永水産」も戸惑いを隠せないでいた。「辞めるに辞められなくなった…」すでに取引先には廃業を知らせるハガキを発送済みだ。豊洲移転で事業拡大を狙っていたプレコフーズも揺れていた。プレコフーズは、もともと食肉卸の会社。仲卸「嘉徳」の営業権を買い取り子会社化した。豊洲新市場には、すでに大きな加工スペースを確保し、多額の設備投資をしているのだ。一方、築地の場外に新設された「築地魚河岸」。市場が豊洲に移転した後も築地の賑わいを維持しようと中央区が造った施設なのだが、移転が不透明の中、「築地魚河岸」の役割は今どこにあるのか? この施設もまた、移転問題に翻弄されていた。
大阪・門真市。パナソニックグループが本社を構える典型的な「企業城下町」だ。松下と取引のある中小企業は、創業者・松下幸之助の経営哲学「共存共栄」という考えから、「共栄会社」と呼ばれてきた。その中でも、特に優秀な技術を持つ企業が「協栄会」として組織化されていたが、2012年、41年間の歴史に幕を下ろした。パナソニックの仕事が激減した元協栄会の会社社長は「パナソニックのおかげで技術力を身につけた。あとは自分たち次第」と話し、慣れない営業活動で新たな仕事を探しているという。
女性の働き方に注目が集まる中、地方の子育てママたちがチームで働く仕組みを自ら作る動きが広がっている。静岡の女性専用シェアオフィスでは、それぞれ経験や知識を持つ子育てママがチームを結成。このチームが中小企業再生などで引っ張りだこになっている。一方、三重ではフルタイムで働けない主婦の空き時間を有効活用した、女性だけの農園の有機野菜に全国から注文が殺到。シリーズ「働き方が変わる」第15弾は、地方再生にもつながる、新しい女性の働き方を追った。
1000店以上のレストランなどで使われているのが、あるパンメーカーが納入したパン。ちぎるとパリッと音を立て、外はカリカリ、中はしっとりとしていて“焼きたて”の味わいが客に好評だ。実はこれ、“焼成冷凍パン”と呼ばれるもの。製造元で焼きあげた後に冷凍し、納入され、厨房で軽くオーブンで加熱するだけでよく、パン職人もいらない。このパンを製造しているのが、群馬県桐生市の「スタイルブレッド」だ。ここはもともと大正時代創業の“町のパン屋さん”。パン職人として4代目社長を継いだ田中知さんは、朝早くから夜遅くまで働き続けるパン職人としての限界を感じた。そこで2006年、焼成冷凍パン事業を開始すると、売り上げを10年で12倍に伸ばした。現在は一般家庭への販売に力を入れ始めている。そこで、総合スーパーの「イオン」とタッグを組み、新たな冷凍パンを開発、主婦たちに売ろうというのだ。“シェフ”から“シュフ”へ!その取り組みに密着した。
「デフレ脱却」の掛け声とともに、一時は「高価格でもこだわり重視」というような商品がもてはやされた。しかし今、消費者の間で再び節約志向が高まり、物価は下落の一途、「デフレ再燃か…」との声も聞こえる。そんな中、低価格を売りにした企業の新たなサバイバルが始まった。まず家具チェーン最大手の「ニトリ」。意外なところから出店の依頼が舞い込んでいた。百貨店の「?島屋」。9月9日にリニューアルオープンする「横浜港南台店」の上層部、4階と5階部分に初出店することになった。?島屋が価格も顧客層も対極にあるニトリに共闘を呼びかけたのだ。また、西友が低価格路線を堅持するため2012年に商品化したプライベートブランド「みなさまのお墨付き」。200品目を今後2年間でリニューアルするとともに、100品目について値下げする方針を打ち出した。担当者は「値段を下げた商品が如実に売れていく」と価格に敏感な消費者意識を分析する。一方、ファミリーレストラン最大手「すかいらーく」では「ガスト」で今年に入り来店客の前年割れが続くなど苦戦を強いられた。そこで今年6月にメニューを刷新、500円台〜600円台の値ごろ感のある価格帯の商品を強化した。年配客や女性客向けを中心に新たな値ごろメニューを投入する。果たしてその成果は…。そして「郊外型」「タッチパネル」「特急レーン」といった回転寿司のサービスでパイオニアだった「かっぱ寿司」。デフレ真っ只中の2010年度には、業界一の売り上げを誇った。しかしライバルが業績を伸ばす中で、価格競争に陥ったかっぱ寿司は「安かろう悪かろう」とのイメージが定着、いつしか業界の“負け組”に転落してしまった。そんな中で訪れた消費者の節約志向。今を復活の好機ととらえイメージ刷新に乗り出す。担当者が向かったのは北海道・網走。美味しくて安く提供できる「いくら」の買い付けに奔走する。
全国シェアの約4割を占める日本一の鰹節生産地、鹿児島・枕崎市。ところが食の多様化が進むなかで年々生産量も下がり、厳しい状況が続いている。廃業する工場も多く、最盛期150軒以上あった生産工場も48軒にまで減ってしまった。そんななか、枕崎の鰹節生産者ら10社がタッグを組んで新たな戦略に打って出た。世界を代表する料理・フレンチの本場に「鰹節工場」を建設し、現地で鰹節を生産、まだまだ鰹節が広まっていないヨーロッパ市場を開拓しようというのだ。リーダーの大石克彦さん(58歳)は、「いかに日本と変わらない品質の鰹節を生産するか」が大きな課題だと話す。試行錯誤を続ける大石さんたち。無事、工場のオープンを迎えるものの、果たして現地で作った鰹節は受け入れられるのか…。
社員を東南アジアなどの新興国に送り込み、本業で培ったスキルを生かして貧困などの社会問題の解決のために活動させる。そんな人材育成を行う企業が増えている。海外の大学などで勉強する「留学」ではなく、実際に仕事を通じて学ぶことから「留職」と呼ばれている。NPO法人のクロスフィールズが作るプログラムで、これまでにパナソニックやハウス食品など30社が導入している。今年3月、日立製作所の石黒康平さん(30歳)が「留職」することになった。石黒さんはソフトウェアのエンジニア。自分の仕事が社会にどう役立っているのかわからず、やりがいを感じられずに悩んでいた。海外旅行すら行ったことがなかった石黒さんが送り込まれたのは、東南アジア・ラオスにある貧困層向けの小児病院。石黒さんに託されたのは、3ヶ月の滞在期間中に病院内のITシステムを改善すること。与えられた仕事をこなすのではなく、自分で課題を見つけて仕事を生み出さねばならない。初めての経験に戸惑いながらも、石黒さんの挑戦が始まった。一方、今年5月、北海道・美瑛町で、異業種合同の「リーダー育成」合宿が始まった。参加したのは、ヤフー、アサヒビール、テンプHD、日本郵便、美瑛町役場の社員たち。ごちゃ混ぜでチームを組み、地元・美瑛町が抱える課題の解決策を編み出すというものだ。各社の人事担当者も合宿に参加。研修で培った内容を会社に持ち帰ることで、今後の人事戦略に生かすという。アサヒビールの宮崎淳さん(43歳)は中堅の営業職。営業成績は優秀で、上司からはリーダーとして期待されているが、物足りないところがあるという評価。そこでリーダーシップを身につけようと、この研修に参加した。宮崎さんはAチーム。他の企業から参加したメンバーはみんな20代〜30代と年下だ。発想や考え方が全く異なるメンバーたちが、激しく意見をぶつけ合う。宮崎さんはこの研修で、変わることができるのか?
自動運転が新たなステージを迎えている。ある調査会社では、2025年には新車の13%を占めると予想。完全自動運転を見据え、開発競争には世界中の自動車メーカーやIT企業がしのぎを削る。8月には日産が自動運転車「セレナ」を発売。海外メーカーの高級車には既に搭載されている自動運転機能の一部をファミリーカーに導入、国内メーカーとして初めて世に出した。300万円を切る価格で普及を狙う。自動運転と聞けば、「うたた寝しても大丈夫」「スマホいじっても大丈夫」といった先入観や、「運転する楽しさが失われる」というネガティブなイメージを持つ消費者も多い。しかし実際は、「渋滞時のドライバーの負担を減らす」「ドライバーの誤った判断で引き起こす事故を減らす」といった“安心・安全”が、自動車メーカーの狙いだという。ただ消費者の持つイメージとのギャップはなかなか埋まらない。過剰な期待をさせず、その一方で期待を失わせない…自動車の営業マンにとっても難しい挑戦が始まった。一方、海外勢は日産よりも自動運転機能が盛りだくさん。その筆頭がメルセデス・ベンツだ。「ウインカーを出せば自動的に車線変更」「スマートフォンを使って自動駐車」…と高機能を前面に売り出す。ただし価格は675万円〜とセレナの倍以上だ。また、自動運転の進化とともに、意外な分野にもチャンスが広がっている。カーナビメーカーだ。車のセンサーは、一般的に前方約200mしか捉えられない。高速走行中や、角を曲がった先の信号や標識などを捉えることは難しい。しかし地図でその情報を把握しておけば、事前に速度など対応することができる。そのための高精度の地図データを提供しているのが、カーナビ大手、パイオニアの子会社「インクリメントP」。カーナビの次の主軸に育てようと国立金沢大学と手を組み、反転攻勢を狙う。
住宅ローン金利が空前の低水準となったいま、“我が家”を手に入れようという動きが活発なようだ。マンションの場合、購入客の関心が特に高いのは、物件の立地、設備、環境…。しかしいま、「管理」がクローズアップされようとしている。かつてはマンションから一戸建てへ住み替えるケースが多かったが、最近ではマンションに長く住む傾向が目立ち、「資産価値」が重視されつつあるからだ。一方、戸建て住宅では、新築から20年?30年ほど経つと家屋の価値がほとんどゼロになる、という現状が。たとえその時期に綺麗にリフォームしたとしても、その価値が認められにくいという状況だ。
回転寿司業界で最大手の「あきんどスシロー」が、食材の調達方法を見直そうとしている。これまでは商社を通じて仕入れることが多かったが、スシロー自身が生産地に乗り込もうというのだ。いま力を入れるのが「ウニ」。今年4月、仕入れ担当の堀江陽さんたちが、ウニの生産量で世界トップを誇るチリに向かった。普段あまり美味しくないと感じていたチリ産のウニの味を、改善できないかと考えたのだ。冷凍加工する工場を視察すると、問題点が次々に見つかった。扱い方が雑なため、加工の過程で身が崩れたり溶けたりしてしまっていたのだ。実はチリではウニを食べる文化がなく、味には無頓着。従業員たちもほとんど食べた経験がないという。そんな中、堀江さんたちに思わぬ事態が発生した。漁師たちがデモを起こし、ウニの調達が難しくなったのだ。日本人がよく食べるウニ。生産地の意外な現実を取材した。一方、乱獲により太平洋では漁獲規制が強まっているクロマグロ。こうした中、水産商社のジェイトレーディングでは、いち早く大西洋に目をつけ、クロマグロの輸入を手がけている。新たな漁場として開拓しているのがアイスランド。実はアイスランドではこれまでマグロ漁はほとんど行われてこなかった。しかし、温暖化の影響で海の温度が上昇。ここ数年、マグロがアイスランド近海まで到達するようになったのだ。このアイスランドに乗り込んだのが、ジェイトレーディングの森若良三さん(70歳)。長年、築地でマグロの競りを仕切り、「マグロの親方」と呼ばれてきた人物だ。森若さんは2年前からタラ漁専門だった漁師たちにマグロ漁のやり方を伝授してきた。獲ったマグロは生の状態のまま空輸。上質なマグロが品薄となる夏場に、日本に届けようというのだ。森若さんの挑戦を追った。
2016年8月。瀬戸内海に面する広島県の境ガ浜。日本では半世紀ぶりに、水上飛行機が飛び立った。せとうちSEAPLANESという会社が手掛け、遊覧飛行やチャーター飛行の運行を始める。新たな観光の起爆剤にしようというのだ。ウリは「水陸両用」ということ。海や湖から発着できるだけでなく、通常の空港からも発着できるという利点がある。この水上飛行機に、観光客の獲得に悩む地方自治体も関心を持ち始めた。そのうちの1つが島根県松江市。交通の便が悪い日本海側にあるため、なかなか観光客を呼び込めずにいた。島根県と鳥取県にまたがる「中海」を整備し、水上飛行機が離着水できるようにする計画だ。番組では、半世紀ぶりに復活する水上機事業を8ヶ月に渡り独占密着した。一方、兵庫県の中東部に位置する篠山(ささやま)市。篠山城を中心に風情ある城下町が残る町だ。去年10月、この篠山市に「NIPPONIA」というホテルがオープンした。歴史ある古民家をリノベーションしたホテルだ。大阪や神戸からも離れ、交通アクセスが良いとは言えない場所にありながら、人気となっている。こうした古民家ホテルを仕掛けたのが、「ノオト」という会社の代表で篠山市出身の藤原岳史さんだ。大阪のIT企業に勤めた後に、地方活性化の仕事を経験。「かつての賑わいを失い、過疎化に苦しむ地元をなんとかしたい」と2009年に帰郷し、空き家になった古民家の再生事業を始めた。藤原さんが新たに仕掛けたのが、各地にある古民家を泊まり歩く新たなツアーだ。兵庫県は太平洋側から日本海側まで広がるが、観光客が訪れるのは神戸や姫路、淡路島など太平洋側に集中している。そこで、篠山市を拠点に日本海側の豊岡市まで古民家ホテルを転々としながら、地域ごとに異なる文化やアクティビティを楽しんでもらおうという狙いだ。果たして、どんなツアーになるのか?
愛媛県松山市内のはずれにある「ふく紗」本店。店頭には、タンスの肥やしとなった古い着物を売りにくるお客さんが絶えない。買い取り価格は、数千円。なかには数百円のものも…「ふく紗」はこのリサイクル着物をリメークして洋服や小物を作って販売している。着物離れの現状に危機感を抱いている社長の伊東信二さん。実は今年の3月に開催されたインドネシアのファッションショーに、中古着物からつくったムスリム衣装を出品していた。日本の着物の美しさと暑さ対策の機能性を加えた新たなムスリム衣装を作れば、現地で受け入れてもらえるのではないかとの思いからだ。本格的なムスリム衣装への進出を目指して、古くなった着物を買い集め奔走する伊東社長。一方デザイナーは、現地の人の好みを分析し、かつ日本人らしさも残したムスリム衣装を考え出す。はたしてタンスの肥やしで眠っていた着物たちがどんな華やかなムスリムファッションに生まれ変わるのだろうか?
日本の製造業が長年極めてきた技術が、いま医療の世界で実力を発揮しようとしている。中でも歩行が困難な人々に役立つ技術に注目が集まっている。ホンダは、病気や障害で歩行が困難な人を補助する歩行アシストという機器を開発。腰に装着し、足の振り出し・蹴り出しを誘導する。杖が無いと歩けない人でも、歩行アシストを20分程使って訓練すると、自力で歩行できるケースもあるという画期的なリハビリ機器だ。その開発リーダーは、伝説のレーサー、アイルトン・セナのマシンを手がけた元F1エンジニアだ。彼らに新たな課題が…「歩行アシストを子どもにも使えないか」という要望だ。歩行アシストでのリハビリを願うのは、車イスや杖が無ければ自力移動できない小中学生たち。技術者と彼らの挑戦を追う。
男子短距離界のエース、桐生祥秀選手。彼のスパイクを作っているのが、アシックスの靴職人、田崎公也さんと素材担当の谷口憲彦さん。一般的にスパイクのアッパーと呼ばれる足の甲に当たる部分は、合成皮革を重ねて縫い合わせる。今回、2人は1枚の布だけで足を包み込み、縫い目のないスパイクを作ろうと考えた。しかし、従来の素材では難しいため、繊維メーカーの「東レ」と手を組み、新素材の開発に乗り出した。特徴は「金属バネのように強くて伸びる布」。この新素材で作る新型スパイクを履き、桐生選手は日本人初となる9秒台に挑む。この桐生選手のライバルが、ケンブリッジ飛鳥選手。日本人の母とジャマイカ人の父を持つ。そのケンブリッジ選手が履くのが、アメリカの新興スポーツメーカー、アンダーアーマーだ。桐生選手とケンブリッジ飛鳥選手の戦いは、いわばアシックスとアンダーアーマーの代理戦争。リオを目指す、水面下の攻防を追った。一方、今年3月、バドミントンの全英オープンを制し、リオでも金メダルの期待がかかる奥原希望選手。その奥原選手と2015年10月から契約しているのが、バドミントンでは後発のミズノだ。奥原選手が使用するラケットを新たに開発することで、巻き返したいと考えている。担当するのは三宅達也さん。三宅さんは技術陣とともに、リオ五輪に向けて開発に乗り出した。使うのはカーボンという素材。ミズノはゴルフのシャフトやテニスラケットの素材として、古くからカーボンを開発してきた。織り方や形成などで日本屈指の技術を誇り、Gショックのベルト、燃料電池車「ミライ」のタンク部分など、最近ではスポーツ用品以外にもミズノのカーボン素材が使われているほどだ。しかし、刻一刻と五輪が近づく中、試作のラケットに奥原選手は次々とダメだし。番組では7ヶ月に渡り、ラケットの開発に密着。選手とメーカーによる真剣勝負の開発を追った。
オーダースーツの店を全国36か所に展開する「佐田」。創業90年の中小企業だ。社長の佐田展隆さんは様々な課題を抱えて悩んでいた。例えば店舗での接客サービスの改善。2つ目は工場の生産効率の改善だ。オーダースーツは既製品に比べて製造工程が多く、出荷前の検品で不合格品も多く出ていた。そこで佐田さんが助けを求めたのが、企業コンサルタント事業を行っている「サーキュレーション」。大手企業を退職した人など約1万人が登録。顧客企業からの依頼内容に応じて、相応しい経験やノウハウをもつ人を送り込む。今回、佐田の求めに応じて、大手企業出身の2人を派遣。それぞれが得意の分野で改善を行い、佐田の立て直しをはかることになった。結果やいかに?一方、中小企業の生産性向上を指導する人材を育成する、「改善インストラクター養成スクール」が全国で相次ぎ開講している。大手企業退職者は培ってきた知識や技術、経験が豊富だが、いきなり中小企業を立て直そうとしてもうまくいかないことが多いという。企業の規模や人材、社風などが違うからだ。そこでまずはスクールで学び、経験を普遍化するのが狙いだ。スクールを卒業した人を様々な課題を抱える中小企業に派遣し、経営改革を後押しする。群馬県の「改善インストラクター養成スクール」の卒業生で大手企業を退職した2人が、ある会社の改善のために送り込まれることとなった。「北毛久呂保」。コンニャクを製造する、従業員15人の小さな会社だ。2代目社長の兵藤武志さんは従業員との意思の疎通がうまくいかず、生産効率が上がらないことが悩み。そのため改善インストラクターに頼ることにしたという。インストラクターの2人は、さっそく現場を視察。問題点をあぶりだして次々と改善策を打ち出していく。果たして、こんにゃく製造工場はどう変わるのか?
長野県にある小さなビールメーカー、『ヤッホーブルーイング』。日本のビール市場の9割以上を大手がつくる「ラガービール」が占める中、ヤッホーは「エールビール」に特化。ユニークなネーミングと斬新なパッケージデザインも話題になり、ビールマニアやこれまでビールをあまり飲まなかった若者世代も取り込んだ。そのヤッホーブルーイングが、独自に培ったビール作りのノウハウをもって海外に打って出ようとしていた。挑むのは約4000ものビールメーカーがひしめくアメリカだ。コロラド州の醸造所とコラボし、新たにアメリカ専用の商品を作ることにした。担当は岡秀憲さん。本場で戦うには圧倒的な差別化が必要だと考え、和テイストのビールを作りたいと考えた。ヤッホーが作るオンリーワンの味は、本場アメリカで受け入れられるのか…?一方、東京・四谷に本社を構える「綿半」。創業は戦国時代の1598年。当初は綿の栽培と流通を手掛けていたが、時代の流れとともに建設業に転換。長らく大手ゼネコンのもとで下請けとして仕事をしてきた。ところがリーマンショック以降、業界の低迷してしまった。このままでは先行き厳しいと、社長の野原勇さんは“下請けからの脱却”をキーワードに独自戦略を推し進めることにした。いま力を入れているのが、「緑化」という付加価値をつけた自社製品の開発だ。その1つが、「コンテナガーデン」という製品。中古コンテナを改装し、その周りに簡易的な庭を設けるもの。コンテナなので簡単に移設ができ、要望に応じてアレンジできる。また、低コストで設置可能なことから、区画整理などで期間限定の空き地を抱える自治体がイベント用に使うなど、人気が出ているという。その綿半がロンドンで開かれる世界最高峰のガーデニングの祭典に「コンテナガーデン」を出展することになった。下請けの建設会社が開発したオンリーワン商品は本場で認められるのか?
熊本県阿蘇市。阿蘇山が形成するカルデラの内側にあり、国道や鉄道まで敷設されている世界的にも珍しい町だ。しかし、その独特の地形により、今回の地震で大きな被害を受けてしまった。阿蘇の自然の恵みを活かした特産品として、阿蘇市が認定している「然」ブランド。今回の地震で深刻な事態に陥ったのが、「然」ブランドの1つで牛乳やヨーグルトなどを作っている阿部牧場。食品のミシュランガイドと称される国際コンクールで日本初の「三つ星」を与えられた牧場だ。だが、断水により水が足りず、牛の世話や牛乳の生産に必要な1日40トン以上の水が調達できなくなってしまった。牧場主が阿部寛樹さん。牧場から1km以上離れた湧き水まで自分たちでホースを引いて水を確保し、地震から2週間後にようやく工場を再開させる。しかし、次の試練が待ち受ける。阿蘇を訪れる観光客が激減したため、商品が売れないのだ。阿部さんは仲間たちと手を組み、新たな販売ルートの開拓に乗り出した。一方、熊本市にあるベンチャー企業「シタテル」。熊本県内だけでもの34の縫製工場と連携。全国にあるアパレルショップから商品生産の注文を受け、その縫製をできる工場を紹介する会社だ。シタテルの社長は河野秀和さん。今回の地震で自らも実家が半壊してしまったが、すぐに縫製工場の被災状況の確認に動き始めた。そんな河野さんのもとに、パリコレにも出展するデザイナーが経営するアパレルショップから注文が入った。「熊本の工場で服を作ってほしい」という。河野さんは長洲町にある「モード・レディース」という縫製工場を紹介することにした。社長は2代目の大塚賢哉さん。従業員の半分はベトナムや中国からの実習生で、すでに一人が地震を怖がって帰国してしまったという。その工場が挑む、パリコレデザイナーの服作り。どんな出来栄えになるのか。
東京都内のある店。連日、地元客で賑わう居酒屋がある「兎屋」。この店のウリは24時間以内に獲れた全国の新鮮な魚が食べられること。築地市場の開いていない日でも、この店には新鮮な魚が当日届くという。どのようにしてこの新鮮な魚を仕入れているのか?その秘密は、昨年オープンした羽田空港内にある「羽田鮮魚センター」にあった。ここでは土日・祝日関係なく毎朝、全国の獲れたての魚が集まり、仕分け・加工をした上で、首都圏の飲食店やスーパーなどに届ける「超速鮮魚」という仕組みを実現している。さらに、全国の生産者と首都圏の飲食店や小売店をオンライン上の直接取引でつなぎ、それぞれが魚種、数量、値段を打ち込むと、最適にマッチングしてくれるという新しい流通システムに取り組んでいる。次に仕掛けるのは、個人客向けのサービスだ。狙いは今が旬の紋別の毛ガニ。これまで家庭で毛ガニを食べるには、流通の関係で、冷凍ものになってしまうことが多かったという。野本さんはそれを破りたいとしている。
「保育園落ちた日本死ね」というブログへの書き込みが拡散、安倍総理が国会で答弁する事態にまで発展し、待機児童問題が今、改めてクローズアップされている。その大きな原因が、保育士不足…東京のある認証保育園では、定員が60人にもかかわらず、実際に預かっている人数は51人。保育士が確保できないからだ。仕事量と給与など待遇が見合わず、結婚や出産を機に仕事を辞めて復帰しない「潜在保育士」は全国に約80万人はいるといわれる。その潜在保育士を活用しようという会社が東京のハイブリッドマム。厚生労働省によると、潜在保育士が増えているのは「賃金が安い」という理由とともに「家庭と仕事の両立が難しい」からだという。そこでハイブリッドマムでは、子育て中のママ保育士に対して、家庭と仕事を両立しやすいよう子連れ出勤・週休3日・時短制度・保育料半額などを導入。働くママを応援する。そんなハイブリッドマムに駆け込んできた、10歳と2歳の男の子2人を育てるママがいた。このママの意外な正体とは。
4月1日にスタートした電力自由化。様々な企業が電気の小売り事業に参入し、顧客の獲得合戦が激しさを増している。関東で約2000万世帯と契約してきた「東京電力」。原発の問題もあり、逆風を受けての闘いだ。これまでは営業をする必要もなかったが、新たに営業部隊を編成。多くが技術者出身だ。不慣れな営業に戸惑いながらも、顧客囲い込みに動き出した。そして、新規参入する会社の中でも、特に有力と見られているのが「東京ガス」だ。東京ガスの強みは、地域密着のサービス拠点である「ライフバル」を通じて、ガスの顧客との関係を築いていること。ガスの点検やガスコンロの調整などで家を訪問する機会が多いため、「ついでに電気も」と営業をかけやすい。さらに、天然ガスを使った独自の発電所をもっているという強みもある。実は1年後の2017年にはガスも自由化される。そうなれば、今度は受け身に回らざるを得ないという危機感がある。東京電力と東京ガス。その仁義なき戦いの行方は?一方、企業だけでなく、自治体も電力小売りに参入しようとしている。群馬県の山あいにある中之条町。人口1万7000人。大きな産業はなく、人口の流出も深刻だ。そんな町が「中之条電力」という会社を設立し、太陽光発電を中心とした電力事業を始めた。担当するのは、役場を退職した山本政雄さん、たったひとり。「町が東京電力に支払っている年間の電気代は約1億円。それを中之条電力が扱うようになれば、お金は外には出ていかず、町の中を循環することになる」そう話す山本さん。しかも、電気を町の産業にすることができれば、雇用が生まれ、町に若者が定着するかもしれないという考えもある。果たして、町の未来をかけた試みはうまくいくのか?
一般家庭で年々広がる内食。そうした需要で加熱しているのが大手家電メーカーによる調理家電の開発競争だ。そんな調理家電売り場で一番人気となっているのが山本電気の商品。ちょっと聞きなれないメーカーの商品が高額にも関わらず飛ぶように売れているという。福島県須賀川市に拠点を構える山本電気の歴史は80年。モーター技術で高い評価を得ていて、海外の自動車や電機メーカーとも取引きがある。そんな山本電気が調理家電に乗り出したのは、下請けだけの仕事に危機感を募らせたからだという。現在、山本電気が取り組んでいるのは、食材と水さえ入れればスープが出来る「スープメーカー」の開発。市場に出回るスープメーカーはモーターの力不足などから調理に数十分かかり、便利な調理家電というには時間がかかりすぎているという。山本電気が自社のモーター技術を生かして時間の短縮を目指すと同時に小型化にもこだわった。試行錯誤の末どんなスープメーカーが出来上がったのか?
“空き部屋”を持つ人と旅行者を仲介する、世界最大の民泊サイト「エアビーアンドビー」。日本でもすでに3万件の物件が掲載されている。しかし、現状ではそうした部屋の多くは旅館業法に違反している。本来、有料で客を泊めるには、フロントや男女別トイレなどを設置する必要があり、自治体の許可を受けなければならないからだ。一方で、宿泊施設が不足する中、政府は民泊に注目。規制緩和に乗り出した。全国に先駆けて、特区として合法的に民泊制度を始めたのが、東京・大田区。さっそく、民泊ビジネスに参入する会社が名乗りを上げた。また、様々なベンチャー企業が「民泊ビジネス」に参入し、サービスも拡大している。そんな中、世界有数の観光地・京都では、エアビーアンドビーを利用した“違法な宿”が急増していた。騒音やゴミ捨てなどをめぐり、近隣住民からの苦情も増えていることから、京都市は実態調査に乗り出した。一方、新しいスタイルの宿も出現し始めた。品川駅に近い北品川商店街。東海道最初の宿場町だ。その商店街に、いま外国人旅行者が殺到する宿泊施設がある。「ゲストハウス品川宿」。2009年にオープンしたバックパッカー向けの宿だ。料金は3300円からと格安。ただし、部屋にはベッドがあるだけ。テレビもなく、トイレやシャワーは共同。キッチンもない。「部屋に荷物を置いたら、なるべく町に繰り出してほしい」館長の渡邊崇志さんは、その狙いを語る。等身大の日本を感じてもらおうと、宿泊客には商店街を紹介する英語の地図を配る。そんな渡邊さんがいま手掛けているのが、民家を再生した宿。リフォームして、1日1組の客に一棟貸しする。これまでのホテルや旅館とは一線を画す、新たな宿のスタイルを取材する。
東京の郊外に1964年に開園した「よみうりランド」。90年代半ばから来園者数の落ち込みに歯止めがかからず、一時は閉園の噂もささやかれていた。夜のイルミネーションなどあの手この手の対策で現在、入場者数は持ち直している。そのよみうりランドが開園以来最大の100億円を投資して、かつてない遊戯施設をオープンする。新施設の名は「グッジョバ!!」。日本のお家芸である「モノづくり」をテーマに、楽しみながら学べるアトラクションを登場させる。この社運をかけた巨大プロジェクトを託されたのが曽原俊雄さん(49歳)。今回の新施設では、「クルマ」、「食品」、「ファッション」、「文具」の4業種のメーカーと手を組み、「学び」と「エンターテイメント」の両立など、様々な課題に立ち向かいながら開発を進めている。運命のオープンは3月18日。少子化の時代、ディズニーランドやUSJのような豊富な資金も人気キャラクターもない遊園地は、どうすれば生き残れるのか。起死回生を懸けたよみうりランドの挑戦に密着する!
世界初のクロマグロの完全養殖で一躍名を馳せた、大阪の近畿大学。通称、近大。いま、その近大に企業が殺到している。エースコックは近大と組んでカップラーメンを開発。ある化粧品会社は近大と「すっぽん美容液」を開発した。近大も積極的に企業とコラボすることで、学生に経験を積ませようとしている。こうした取り組みによって、いまや入学志願者数でも日本一を誇るまでになった。2015年の夏、近大に菓子メーカーのUHA味覚糖から新たな連携の依頼が届いた。近大の力を借りて、新たに化粧品を開発したいというのだ。商品開発を担当するのは薬学部。パッケージデザインは文芸学部。そして宣伝は経営学部。それぞれ学生たちが動き始めた。果たして、どんな商品が誕生するのか?一方、製品作りに課題を抱えるものの、大手企業と違って研究開発する人材も費用もなく困っている町工場がある。そうした町工場と地元の大学を結びつけようと動いている人物がいる。四国TLOという会社の坂井貴行さん。四国四県にある国公立大学の研究成果を生かし、地元の中小企業が抱える課題を解決するのが仕事だ。坂井さんは、工業用モノレールメーカー「ちぐさ技研工業」のために知恵を絞っていた。工業用モノレールとは、作業員や物資を山の上などに運ぶための乗り物。主に山の上にある工事現場や農地で使われるが、近年は需要が頭打ち。そのため、「観光用にも使えるようにできないか」と相談を持ち掛けられたのだ。しかし、従来品は排ガスと騒音、振動が問題に。その問題を解決しようと、坂井さんは愛媛大学に協力を求めることにした。学生と企業が組んで始まった、新たなモノレールの開発。その現場に密着した。
最近、一風変わった商品を次々と発売している家電メーカーがある。経営破綻した三洋電機から洗濯機と冷蔵庫事業を引き継いだアクアだ。率いるのが、伊藤嘉明さん。デルやレノボなど、名だたる企業で実績を積み、2014年にアクアのCEOに就任。以来、「閉塞感のある家電業界で既成概念にとらわれないモノ作りをしよう」と社員に意識改革を即してきた。多くの家電メーカーが同じような商品を作る中、斬新なモノを作らなければ存在感を示すことができないと考えるからだ。そんなアクアで新たに開発が進められているのが、中が丸見えの「透明な洗濯機」だ。開発にあたるのは、元三洋電機の技術者たち。果たして、世界初の透明な洗濯機は完成するのか? 一方、2015年8月、第1弾として一挙に17種類もの製品を発表したベンチャーの家電メーカー「UPQ(アップ・キュー)」。可愛らしいデザインだけでなく、他にないアイデアが備わっている。立ち上げたのは、中澤優子さんという31歳の女性だ。中澤さんは大学を卒業後、携帯電話の開発に携わりたいとカシオに入社。その後、カシオが携帯電話事業から撤退したために退職。モノづくりへの夢が諦めきれず、自分で家電ベンチャーを立ち上げたという。中澤さんがたった一人でモノ作りができる秘密はどこにあるのか?向かったのは、中国・深?。中澤さんは現地の工場に商品のアイデアを渡し、設計から生産まですべてを任せていた。日帰りや1泊2日のスケジュールで頻繁に現地を訪れて、工場と交渉。製造を依頼するだけでなく、開発途中の製品をチェックし、改善点を指示していく。様々な工場に設計や生産を依頼するため、一度に多くの製品を生み出すことができるのだ。中澤さんは、2月末に第2弾として10種類以上の製品を発表しようと動いていた。驚異的なスピードで斬新な製品を数々生み出す、彼女のモノ作りに迫る。
東京・大田区の塗料メーカーの「太洋塗料」。1951年の創業以来、道路の白線を引くための塗料など一貫して業務用の特殊塗料を手掛けてきた。しかしここ10年、公共事業の減少などで業績が低迷。2010年から続けざまに赤字に沈んだ。業績回復のため、新たに開発・販売したのが“剥がせる”塗料。通常、剥がれてはいけないのが塗料の使命だが、塗って剥がせるという画期的なもの。開発したのは技術担当の神山麻子マネージャー。自動車工場などで保護しておきたい部位を覆うためのニッチな製品だったが、思うように売れず、会社の業績回復にはつながらなかった。そこで“剥がせる”塗料を使って外部デザイナーと一緒に生み出したのが、“マスキングカラー”という特殊なペン型塗料。描いた後、シールのように剥がせ、貼り直したりできる。一般消費者向けに発売したところヒット商品に。その勢いで、フランス・パリで行われる見本市に出展を計画する。果たして、“魔法のペン”は世界を驚かせることが出来るのか?
2015年に“お家騒動”を起こした大塚家具。創業者であり、父でもある大塚勝久さんと娘の久美子さんが経営方針を巡って対立。結局、久美子さんが会社を率いていくこととなった。勝久さんは1969年、埼玉県春日部市で大塚家具を創業した。高級家具をそろえ、「会員制」を導入し、店員が客につきっきりで接客する手法を採用。結婚後のまとめ買い需要を取り込むなどして、会社を急成長させた。しかし、近年はニトリやイケアなど新興勢力の台頭や、住宅需要の低迷などで業績が低迷していた。久美子さんは時代の変化に対応すべく、大改革に乗り出した。それは、「会員制」の廃止や、中価格帯路線への転換など、勝久さんが築いてきた戦略をひっくり返すものだ。ところが、社内には勝久さんとともに大塚家具を成長させてきた社員が数多く残っている。「お家騒動」に揺れた組織をまとめるには、目に見える結果を出すしかない状況だ。番組では、6か月に渡って大塚久美子さんに密着。社内をどうコントロールしていくのか?ライバル企業にどう対抗していくのか?一方、通信販売業大手のジャパネットたかた。創業者は?田明さん。当初は長崎県佐世保市にある小さなカメラ店だったが、その後、ラジオやテレビの通販番組に参入。高田さん自身が出演して、独特の甲高い語り口で商品を紹介するスタイルが世間に受けた。2010年には過去最高の売上高1759億円を達成するなど、順調に業績を伸ばしてきた。2015年1月、そのあとを継いで二代目社長に就任したのが、長男の旭人さん。父の明さんは社長を退いた後もテレビショッピング番組には出演していたが、2016年1月、ついに完全引退することになった。自らはショッピング番組に出演しないと宣言している旭人さん。これまでとは違う通販番組を作ろうと、陣頭指揮に乗り出していた。その戦略を追った。
長時間労働や賃金未払いなどが問題となって大きなダメージを受け、対応を迫られる企業が相次いでいる。しかし同様の問題は、他の企業でも依然として隠れて続いているようだ。この状況を撲滅しようと、国による“特別部隊”が動き始めた。組織的に“長時間労働”を強いている疑いのある企業を内偵し取り締まる…ガイアのカメラは、その捜査を10ヵ月に渡って密着。誰もが知る大手企業の摘発までを追った。またある有名企業の現役社員が、未払い残業代や労働環境の改善を求め、会社側を相手に交渉し続ける姿を取材。会社と闘う人たちの“決死の奮闘”を伝える。
関西地方で回転寿司店の赤身などに使われるキハダマグロ。その国内供給量が激減している。新たな供給先として、大阪のある商社が目をつけたのがベトナム。世界有数のキハダマグロの漁獲量を誇る、知られざるマグロ大国だ。しかし、現地のマグロを見てみると鮮度が悪く、とても日本では売れないものばかり。実はベトナムでは、元々魚を生で食べる食文化がない。海外へもツナ缶などに加工して輸出している。そのため、釣り上げたマグロをハンマーで叩いて気絶させるなど、日本とは全く違う漁法が行われていた。そこで日本から3人の元マグロ漁師が乗り込み、日本式の漁業技術を地元の漁師たちに伝授するプロジェクトが始まった。果たして、ベトナムのマグロを、日本人が求める品質へと変えることができるのか?一方、日本で最大のレタス産地、長野県川上村。夏と秋に限れば、全国の生産量の3割以上を占める。涼しい気候や広い平地に加え、独自の栽培方法でその地位を築いてきた。しかし、その川上村もある問題を抱えていた。冬になると雪が積もり、栽培ができなくなるのだ。最大の産地で生産が止まるため、毎年、冬は全国的にレタスの価格高騰を引き起こしてしまう。「1年中、川上村と同品質のレタスを作ることはできないか?」そう考えた川上村の農業法人「ラクエ」の花岡貴也さん(37歳)は、ベトナム中南部のダラットに向かった。川上村とほぼ同じ標高や気候に恵まるうえに、冬もないため、絶好の環境が1年中続く。レタス栽培に最適な土地であると判断。ここに川上村のやり方を持ち込んで、レタスを作り、日本に輸出することにした。2015年4月、ダラットで本格的なレタス生産が始まった。しかし、夏になると猛烈なスコールや害虫の発生など、想像を超える事態が次々と畑を襲った。果たして、冬でも日本の食卓に“川上村のレタス”を届けることはできるのか?
東京・墨田区の町工場は、45年前に9700社ほどあったが、現在は2800社にまで激減してしまった。そうした状況に危機感をもったのが、「浜野製作所」。板金など金属加工を得意とする町工場だ。下請けだけではこの先立ち行かないと、社長の浜野慶一さんが開設したのが「ガレージ・スミダ」だ。ベンチャー企業の若者など、新たにものづくりを始めたいと考えている人たちを支援する施設だ。墨田区内の町工場が協力して部品の加工を手伝うなど、様々な要望に応えられる仕組みを作っている。ここで新たな製品が生まれれば、町工場の仕事も増えると考えたのだ。そんなガレージ・スミダに、あるベンチャー企業から新たな依頼が舞い込んだ。プロペラがなく、微風でも強風でも発電できるという、次世代型の風力発電機を開発したいという。町工場とベンチャーが組んで挑む“夢の製品”の開発。果たして、実用化できるのか?一方、下請けだけでなく、自社製品も作りたいと考える町工場を支援しようという企業がある。『enmono(エンモノ)』。人気なのが、『自社製品開発セミナー』だ。計48時間にも及ぶ講義を通して、企画から販売戦略、原価計算に売上予想まで、開発に欠かせないノウハウを伝授する。2015年7月。経営に苦しむ町工場の社長が、このセミナーの門を叩いた。富山県で金型製造会社を営む梶川貴子さん。これまで大手メーカー1社に売上の多くを依存してきたが、その会社が海外に生産拠点を移したことで、売上が激減したという。アパレルの専門学校を卒業し、アパレルメーカーに勤務していたという梶川さん。金属削り出し技術をいかして、芸術性のある自社製品を開発することにした。一体、どんなものが完成するのか?
食品から衣料、日用品など幅広く品揃えをする「総合スーパー」が不振だ。食品スーパー、ユニクロやしまむら、マツモトキヨシ、ニトリなど、それぞれの専門分野の品揃えに特化した専門店に客を奪われているのが現状だ。イトーヨーカ堂は40店舗を閉鎖。西友も約30店舗の閉鎖を発表するなど、大量閉店時代に突入している。そんな中、業界トップのイオンはこれまでにない新業態のスーパーを出店する事にした。これまではどの店も同じような売り場、品揃えだったが、新業態は地域のニーズを徹底的に調査し、特色のある店舗を作ろうというもの。12月には大田区の店舗の改装に着手。一体、どんな店に生まれ変わるのか?一方、家電量販店も、ネット通販の台頭などによって競争が激化している。最大手のヤマダ電機は、2015年の5月、6月に不採算だった約60店舗を一斉閉鎖した。そこで始まったのが店舗の改革。一度、閉店させた店をアウトレット店としてリニューアル。店舗展示品や型落ち品だけでなく、中古品を買い取り、洗浄、修理して売り出すなど、リサイクル品の販売にも力を入れる。また10月には東京駅の目の前に、新しいコンセプトの店を出した。どんな店なのか?また、全国に約3200店あるというショッピングセンターも厳しい状況が続く。東京・荒川区にある単館ショッピングセンター「サンポップ」。20年前にオープンしてから地元の人たちに親しまれてきたが、近年は周辺に大型店が進出したことなどにより集客が低下。苦境に立たされている。そこで、年末商戦に向けて集客のイベントを仕掛けることにした。鍵となるのが、他の単館ショッピングセンターとの連携。その取り組みを追った。
島根県で最も高齢化が進む浜田市。老人ホームでは、足腰が弱り、耳が遠くなった60?70代のパート女性が、さらなる高齢者を介護するという「老老介護」の状態だ。浜田市は、そうした介護施設で働いてくれる人材を探すことにした。狙いは「都市部で暮らす、ひとり親世帯」。移住者には給与や養育費、家賃補助など、1年間で最大400万円相当の支援をすると発表した。今年9月、選ばれたシングルマザーたちが移り住んできた。大阪でいくつかの仕事を掛け持ちしながら、中学2年生の息子を育ててきた谷和香苗さん(45歳)。反抗期の息子と向き合う時間を増やしたかったと言う。また、名古屋で2才の娘を育てていた立松凛さん(24歳)は、待機児童の問題で娘を保育所に預けられず、そのためフルタイムの仕事にも就けないという状況から抜け出すためにやってきた。知り合いのいない土地で、仕事と子育てを両立させながら暮らしていこうとする、シングルマザーたちの姿を追う。一方、高齢化率は全国2位、人口減少率4位という高知県。特に問題となっているのが、地元企業の人材不足だ。そこで、都会で能力や経験のある人材を探して、地元企業に橋渡しする特命チームが作られた。そうした取り組みが功を奏して、高知県に移住してきた人もいる。これまでセブン?イレブン・ジャパンで店舗開発を担当してきた高橋大弐さん(34歳)。会社を辞めて、家族と共に名古屋から中土佐町に移住してきた。町役場が募集していた、「地産外商マネージャー」という特別職に採用されたのだ。いきなり、「道の駅」の建設計画プロジェクトを任された高橋さん。都会での経験を役立てることができるのか?
東京・有楽町のオフィスビルの地下に、連日サラリーマンで賑わう居酒屋がある。1月にオープンした「魚治」。この店のウリは、安くてうまい海鮮料理。高級魚のヒラマサやマグロの刺身7点盛りは、約1500円。さらに、1杯8千円はするという毛ガニが、なんと2千円台。通常の3割安で提供している。その安さの秘密は仕入れにある。それは、築地市場大手の仲卸とタッグを組み、その日に買い手が付かなかった魚を仕入れているからなのだ。それは、足が折れたカニ、鱗がはがれた魚、大きさが小さい高級魚、新鮮なのに、買い手が付かない…いわば、魚のアウトレットだ。このユニークな店を仕掛けたのが食品メーカーのコンサルタントをしてきたエードットの社長・伊達晃洋さん。「もったいないプロジェクト」と銘打って、魚治の他にも、3店舗を展開している。そんな伊達さんが目を付けた次なる“もったいない食材”とは?
京都府中京区。ここに今年400周年を迎えた老舗の手ぬぐい屋「永楽屋」がある。江戸時代初期の1615年に綿布商として創業。近年は主に手ぬぐいや風呂敷などを取り扱ってきた。手ぬぐいは、かつては日本人のライフスタイルに欠かせないもので、贈答品としての需要も多かった。しかし、徐々に海外の有名ブランドのタオルが市場を席巻し、手ぬぐい業界は凋落。永楽屋も売り上げが落ち込んだ。この永楽屋の再生に乗り出したのが、14代目の細辻伊兵衛さん。12代目の娘と養子縁組をした上で結婚。代々受け継がれてきた名前と共に、会社も継いだ。元々、アパレル業界で働いていた細辻さん。“よそ者”ならではの方法で、老舗の改革を進めてきた。そんな細辻さんに海外からラブコールが舞い込んだ。イギリスの国立博物館が、永楽屋の手ぬぐいを取り扱いたいというのだ。これを機に手ぬぐいを売り出そうと、細辻さんはヨーロッパへと向かった。一方、同じく京都に本社を構える陶磁器販売会社「たち吉」。創業して263年という老舗だ。かつては愛用する人が多く、1992年のピーク時には売り上げが271億円にものぼった。ところが、バブル崩壊で高級な器が売れなくなった。さらに安価な中国製が入ってくると、対抗しようと低価格路線に転換。かつてのファンが離れ、経営が悪化した。そして今年、たち吉は大手投資ファンドの支援を仰ぐことになり、創業家の社長は退任。同族経営に終止符が打たれた。新社長として投資ファンドが送り込んだのが、渡邊信夫さん、66歳。かつて「三越」で営業戦略の責任者を務めた人物だ。渡邊さんはさっそく、たち吉の改革に乗り出した。果たして、“よそ者”の新社長は老舗企業を再生させることはできるのだろうか?
“庶民の味”サンマが、食卓から消える?? 今年は漁獲量が半減、スーパーでの売値が、例年より5割以上跳ね上がったことも。これまでにも気候の変化などでサンマが値上がりする年はあったが、今回は日本にとって、深刻な事情が横たわる。サンマ漁の「ライバル」が、急浮上してきたのだ。それは、中国や台湾?。和食人気による「爆食」を受け、それらの国や地域の漁獲量が急激に増えている。その勢いは、将来のサンマの資源量が心配されるほどだ。このままではサンマが庶民の手が届かなくなる“高級魚”になってしまったり、姿を消してしまいかねない…。消費者に「安くておいしい」サンマを届けようと、岩手の水産会社が新たな挑戦へと動き出した。
百貨店のそごう・西武。苦しむ地方店を活性化させようと、今春、新たなプライベートブランド「エリアモード」を立ち上げた。各店が地元の職人や地場産業と組み、地域色を打ち出した雑貨や衣類を開発し、地域限定で販売するというものだ。こうした地方独特の商品は予想以上の売れ行きを見せた。その成功をうけ、そごう・西武は各地域で開発した商品を東京に集め、大規模なフェアを開催することに決めた。地方発の商品で都心を攻めるという、これまでとは逆のパターンである。地方を救うために開発した商品が、都会の消費者にも受け入れられるのか?百貨店の新たなブランド戦略を追った。一方、都心での販売ルートを持たない全国の中小食品メーカーの商品を、駅ナカなどに構えた小さな店舗で販売しているのが、生産者直売のれん会という会社だ。代表の黒川健太さんは様々なアイデアによって、これまで多くのメーカーの売上アップに貢献してきた。その黒川さんが新たに始めたのが、「特産品ブランド化支援事業」。地域に眠る特産品をブランド化し、地域をまるごとPRしようというものだ。今年8月、ある自治体から新たな依頼が寄せられた。北海道・三笠市。炭鉱の町として栄え、最盛期には6万人を誇った人口も、いまや9000人にまで激減。衰退を続ける町の活性化を図りたいという。現地に足を運んだ黒川さんの目に留まったのが、色鮮やかな“三笠メロン”。地元では特産品として知られているが、全国的にはほとんど無名のものだ。早速、黒川さんはこれまでの事業で構築したネットワークを使い、全国のメーカーに三笠メロンを使った商品開発を依頼した。商品は三笠市の「道の駅」で販売し、さらに東京でも売り出す計画。地方と地方が組んだ新商品は、衰退した町を救うことができるのか?
2009年から東京都瑞穂町で「井垣農園」を営む井垣貴洋さん夫妻は、東京初の新規就農者だ。無農薬、有機栽培にこだわり、季節ごとに40種の野菜を栽培。個人宅配を中心にお客を広げている。井垣さんのように東京都内で新規に職業として農業を始める人がここ数年急増しているという。そんな新規就農希望者をサポートするのが「東京都農業会議」の松澤龍人さんだ。松澤さんを通して新規就農した若者は、6年で30人を超え、月に1度、新規就農したメンバー「東京ネオ・ファーマーズ」の集まりでは、松澤さんを中心に情報交換をしている。メンバーの中には、その品質が認められ企業と組む者も出てきた。「東京で農業を始める…」そんな若者たちの取材を通して、これからのニッポンの農業の可能性を探る。山梨県に展開するスーパーマーケットチェーン「オギノ」。ここで売られている野菜が話題になっている。安くておいしい、地元で作られた野菜だ。この野菜を作っているのが山梨県中央市の株式会社サラダボウルだ。地元の耕作放棄地を引き受け、こだわりの野菜を作っている。「農業は必ず儲かる」と言い切るのは11年前にサラダボウルを立ち上げた田中進社長だ。前は金融関係に務めていて、異業種からの農業参入だ。サラダボウルは、日々、徹底した効率化とマニュアル化に取り組んでいる。儲かる農業のため従来の農業の無駄を省き、農地から最大限の利益を得ることを目指す。またサラダボウルでは、多品種ではなく売り先から必要とされる最低限の品種を効率よく栽培する。作物別にチーム別けして、素人でも栽培でき、最少人数でいかにロスを少なく工夫し収穫までもっていく。サラダボウルが現在取り組んでいるのが、農協や商社と組んだ大規模プロジェクト。日本でも最大級のトマト農園だ。栽培する品種は、まだ日本では珍しい「スプラッシュ」という品種で、新たな市場開拓を目指す。
グルメ情報サイト「ぐるなび」。飲食店のメニュー等のホームページ制作が主な業務だが、実はそれだけにとどまらない。全国の飲食店の価値を高めるため、それぞれの店舗にコンサルティング営業を行っている。その中でも、最近いちばんの課題はインバウンド対応についてだ。「ぐるなび」の多摩地区担当営業・伊東翔磨さんは、東京立川市のある焼肉店から相談を受けていた。「近年の訪日外国人観光客増加に伴い、都心のホテルに外国人旅行者が入りきらなくなっている。その影響で、立川などの郊外の街にも外国人観光客が増えていて、インバウンド対応を迫られている」と。伊東さんが外国人観光客に対応できる武器として考えているのが、「メニュー情報一元変換システム」。日本語でメニューを作ると、ボタン1つで英語や中国語など3カ国語に変換できるシステムだ。このほかにも新たな対策を続々と準備中だという。急増する外国人観光客の影響で「宿不足」だけでなく「バス不足」も起きている。和歌山市にあるバス会社「ユタカ交通」には大阪で観光バスが確保できなかった旅行業者からの配車要請が殺到しているという。ところがそうした配車要請の多くは和歌山市を素通りして大阪に向かってしまう。会社の利益にはなるが地域の利益にならないというのが現状なのだ。この状況を逆手にとって、地方創生のチャンスに変えることができるのではと動き出したのが和歌山市の観光課。和歌山市内のバス会社を利用する団体ツアーが市内観光や地元商店街に立ち寄る“ある仕掛け”を考えたのだ。さっそく市の観光課でインバウンドの誘客を担当する谷口さんは、観光協会の理事でもあるユタカ交通の豊田社長と共同で旅行会社への営業活動を開始した。すると間もなくタイの観光業者から「このプランを利用してみたい」という問い合わせが入った。果たして、彼らの仕掛けは成功するのだろうか?
一般の家庭をまわり、着物の訪問買い取りをする東京山喜。その数、年間50万点。着物の9割は家庭のタンスなどに眠っているとされ、金額に換算すると約40兆円とも。着物を着る機会はないが、高価でなかなか捨てられないのがその理由だ。東京山喜では、買い取った着物を丸洗い、殺菌・消臭・加工をして、全国に約120店舗を展開する「たんす屋」で販売している。安いものだと着物一式1万円台から購入できる。東京山喜の中村健一社長は、着物を消費者が求めやすい価格で販売することで、着物を着る機会が増えて欲しいと考えている。そこで中村社長は新たな勝負に打って出た。地方の日本旅館。各地の旅館に着物を提供し、宿泊客に着物体験をしてもらうのだ。舞台は長野県下諏訪温泉。ここ数年、客足が落ち、閉館する旅館が後をたたないという。下諏訪温泉は「着物体験は他の温泉街との差別化になり、観光客を呼び込めるのでは」と期待を寄せるが、新たな試みは成功するのか?日本国内の廃タイヤの発生本数は年間約1億本。こうした廃タイヤに隠れた資産としての価値を見出し、目を付けたのがモンドデザインの社長、堀池洋平さんだ。堀池さんは廃タイヤのチューブを使い、カバンや財布、シューズなど70アイテム以上を製作。東京・表参道などの店舗で販売し、若者たちから耐久性、防水性があると人気に。廃タイヤ製品は東京・足立区の縫製業者の工場で、熟練した職人が一つ一つ手作業で丁寧に縫製している。元々、職人たちは、革カバンなどの縫製を請け負ってきたが、人件費の安い中国などに仕事を奪われてしまっていた。堀池さんは、日本の職人の高度な技術力が途絶えてしまうと、彼らに廃タイヤのカバン製作を依頼したのだ。今年9月、廃タイヤ製品のさらなる飛躍を目指し、堀池さんは縫製職人を伴い、本場イタリアに向かった。有力ブランドの本場イタリアで、廃タイヤ製品は受け入れられるのか?
独自に開発した数々のシステムで人気の回転寿司チェーン「くら寿司」。タッチパネルで料理を注文すると、高速レーンで運ばれてくる。回転レーンでは「鮮度くん」と呼ばれるプラスティックドームが皿を覆い、ネタの渇きを防ぐ。さらに、客が食べ終えた皿を回収口に入れると、5皿ごとにルーレットが回り、当たると景品が飛び出す。くら寿司は6年前からアメリカに進出し、8店舗を展開してきた。しかし、アメリカには様々な規制があるため、日本のシステムを導入することができなかった。しかも、アメリカは多様な人種が混在しているため、マーケットを絞るのが難しく、日本の外食チェーンにとって非常に難しい市場なのだという。ようやく認可がおりた今年、くら寿司は閑古鳥が鳴いていた不振店に日本と同じシステムを導入することにした。果たしてアメリカで反転攻勢となるのか?一方、一流のシェフが高級食材で作る料理を格安で提供する「俺のフレンチ・イタリアン」。立ち食いスタイルによって客を長く滞在させず、回転率を上げることで収益を得る仕組みだ。その「俺フレ」に中国の大手飲食店グループから提携のオファーが届いた。上海の一等地に店を出したいというのだ。しかし、中国では大勢でテーブルを囲み、食事をゆっくりと楽しむ時間を大切にするため、「立ち食い」の習慣はない。そして、いよいよオープンの日。立ち席に着こうとする客は一人もいない。さらに、座り席ではパソコンを広げてくつろぐ始末。とても回転率を上げるどころではなかい。はたして、「俺フレ」スタイルは中国で成功するのか?
ベンチャー企業「ナイトレイ」は、今年から訪日外国人の行動を「見える化」するサービスを始めた。旅行者がSNSに投稿した内容から、訪れた場所や行動を分析して地図に表示する。さっそく、このサービスを利用したいという企業が現れた。ブランド用品の販売を手掛ける「ブランドオフ」。外国人の行動を把握して、どのようにビジネスに生かすのか?一方、大阪の旅行会社「フリープラス」。訪日外国人に「国別」のツアーを用意して急成長を遂げているベンチャーだ。「外国人」と一口に言っても、国や文化圏によって、行きたい場所や、食べたいものがまるで違う。そうしたことに注目し、きめ細かな対応で人気となっている。今年、フリープラスは次の一手を打った。商品を外国人に売り込みたい企業向けに、国別のマーケットリサーチを請け負うことにしたのだ。さっそく調査を依頼しにきたのが、男性化粧品大手の「マンダム」。「男性用汗ふきシート」を中国で大々的に売り出したいと考え、まずは訪日中国人の反応を知りたいというのだ。フリープラスは中国人ツアー客に汗ふきシートを配り、調査を行うことにした。果たして、どんな意見がでるのか?また、外国人に特化した人材派遣会社「グローバルパワー」も、今年新たなビジネスを始めた。登録している4万人もの外国人を活用し、企業向けに「覆面調査」を提供しようというのだ。依頼があった店に、日本語が堪能な外国人を派遣。日本語が出来ない観光客を装い、従業員がきちんと接客できているかを調査する。さっそくグローバルパワーに覆面調査を依頼したのが、大手百貨店、大丸東京店。一体、どんな問題点が浮かび上がったのか、そして、どのような対策を講じるのか。その現場に密着した。
タクシー業界最大手の日本交通。社長の川鍋一朗さんは、ここ数年多くの中小事業者を合併するなどし、車両の保有台数を増やしてきた。その日本交通に迫るのが、「km」で知られる業界2位の国際自動車。陣頭指揮をとる副社長の藤森健悦さんもまた、買収などによって会社の規模を拡大してきた。業界全体が苦しむ中、二強を中心とした合従連衡が加速しているのだ。国際自動車の藤森さんがいま力を入れているのが、大学や専門学校などの新卒人材の獲得。今年4月には109人をドライバーとして採用した。一方、日本交通の川鍋さんもまた、kmに対抗して新卒採用を本格化。ドライバーの獲得合戦が激しくなっている。また、両社は経験の浅いドライバーの支援にも力を入れている。川鍋社長が進めているのが、「乗務員お助けアプリ」の開発。IT技術を活用して乗客がつかまりそうな場所を解析し、ドライバーを導くのだという。一方、国際自動車はアナログな手法で対抗。業績が優秀な「カリスマドライバー」を新米ドライバーの車に同乗させ、乗客をつかまえるテクニックを伝授させる。こうしたタクシー業界の熾烈な競争により、弱体化する中小タクシー会社が増えている。日本交通は経営に苦しむ会社に次々とM&Aを仕掛けている。6月中旬、日本交通の幹部が向かったのは、関西のあるタクシー会社。「御社の全株式を取得しました。きょうから日本交通として…」突然、突きつけられる通告。戸惑うドライバーたちをよそに、タクシーの行灯が一斉に取り替えられる…その企業買収の現場にカメラが入った。
2010年に創業した電動バイクメーカー「テラモーターズ」は現在、アジアをターゲットに市場開拓を進めている。今年から新たに販売することになったバングラデシュ。国のエネルギーを支えてきた天然ガスが15年後には枯渇するとされ、国家的な問題となっている。そこに送り込まれた桑原康史さんと上田晃裕さんの二人は、ある地方都市に目をつけていた。そこは、インフラ整備の遅れから天然ガスが行き届かず、一足早く電動三輪タクシーが生活に欠かせない交通手段となっていた。その町には中国製の電動三輪タクシーが溢れていたが、ドライバーからは不満が続出していた。バッテリーを頻繁に交換しなければならないため、出費がかさむというのだ。実はテラモーターズの売りは充電器。バッテリーへの負担が少ないため、中国製に比べて寿命が長いという。桑原さんたちが日本の技術を詰め込んだ品質の高さをアピールすると、さっそくドライバーたちが店に押しかけてきた。しかし、そこには予期せぬトラブルが待っていた…。一方、東大発のベンチャー企業「デジタル グリッド ソリューションズ」は、未電化地域の多いアフリカで電力の小売り事業に乗り出した。世界初の技術を使って、電気の“量り売り”をしようというのだ。人口の約7割が電気のない暮らしをしているというタンザニアに、去年、現地法人を開設。どの村にも必ずある小さな商店に協力してもらい、サービスを開始した。携帯電話に充電するだけでなく、LEDランタンやラジオなどの電気製品も貸し出す。”初めての電気”に村の生活が変化し始めた。
実は航空機用シートの市場は、これまで欧米メーカーの3社がほぼ独占してきた。そのため、主に欧米人の体型に合わせてシートが作られていたという。そこで全日空は日本のメーカーとタッグを組み、日本人の体型に合わせたシートの開発に乗り出すことにした。相手はトヨタ紡織という自動車部品メーカー。特に自動車シートでは、トヨタ車の約8割を生産。コンパクトカーから高級車、レース用まで、様々なシートを開発してきた。そうした自動車で培ってきた技術を、航空機シートに生かそうというのだ。全日空とトヨタ紡織がタッグを組み、3年間かけて開発した航空機シート。今年5月の初フライトまでの舞台裏を追った。一方、北海道の空の玄関口、新千歳空港。土産売り場では、これまで「白い恋人」や「六花亭のバターサンド」などが定番の人気商品だった。ところが最近、「Oh!焼きとうきび」「カリカリまだある?」といった、聞きなれない名前の菓子が大人気となっている。それらを作っているのが、「YOSHIMI」という会社だ。YOSHIMIは北海道を中心に、飲食店を17店舗運営している。社長でありオーナーシェフが、勝山良美さん、64歳。空港の人気菓子の仕掛け人である。勝山さんは6年前、ある菓子メーカーと初めてコラボして開発した商品を売り出したところ、大ヒット。その噂を聞きつけて、様々なメーカーが勝山さんのもとに殺到。カルビーのような大手まで、勝山さんとコラボ商品を売り出すことになった。シェフとしての勝山さんの発想によって、メーカーの“常識”を超えた商品を作れるのが魅力だという。いまでは、菓子以外にもコラボが広がっている。今年、勝山さんは初めて羽田空港で商品を売り出そうとしていた。東京オリンピックに向けて、海外の人にも食べてもらいたいからだという。新商品の開発を始めた勝山さんがコラボの相手に選んだのは、九州にあるパンメーカー。一体、どんな商品を作ろうというのか?
百貨店の生鮮野菜売り場や楽天市場などで、いま人気のレタスがある。秘密は、2週間以上鮮度を保つ保存性、またエグ味が少なくおいしいと主婦層を中心に売れている。そのパッケージには「キレイヤサイ」の文字と富士通のロゴが・・。実は、 富士通グループが「植物工場」の運営に乗り出したのは2013年から。リーマンショック後、閉鎖した半導体製造工場と半導体技術者を活用し、なんと野菜作りを進めているのだ。富士通の野菜のウリは「低カリウム」。「カリウム」を多く含む野菜は腎臓病患者にとっては、茹でて食べるしか方法がなかった。今後、高齢化社会を考えると市場規模は大きい。富士通が次に、取り組んでいるのが低カリウムの「生で食べてもおいしいホウレンソウ」。試行錯誤を繰り返し、今年7月の初出荷を目指しているが、はたして…。
創業から91年という老舗の玩具メーカー、タカラトミー。「トミカ」や「リカちゃん人形」、「プラレール」など、これまで数々の人気商品を生み出してきた。ところが、ここ数年はヒット商品が生み出せず、売上げが低迷。創業家3代目として社長を務めてきた富山幹太郎さんは、初めて外部から経営者を招くことにした。それが、オランダ人のハロルド・ジョージ・メイさん(51歳)。メイさんはハイネケンの日本支社を皮切りに、ユニリーバ・ジャパン、サンスターで勤務。日本コカ・コーラでは副社長を務めた。いわば“プロ経営者”だ。メイさんはさっそく62あった部署を2割削減するなど、組織の合理化と若返りを断行。若手社員たちが自由にアイデアを出せるよう、様々な改革に乗り出した。“プロ経営者”によって、老舗玩具メーカーはどう変わるのか?一方、日本の中小企業の経営者の多くが後継者問題で悩んでいるという。「親族に後継者がいない」「従業員に適任者がいない」といった理由からだ。そんな問題を解決する手段として、今「M&A」が注目されている。会社そのものを他の企業などに売却。その企業が選んだ人物に経営を任せるという手法だ。長野県駒ヶ根市にある中小企業「天竜精機」。電子機器用の業務用機械を製造している会社だ。そこの三代目、芦部社長も後継者問題に悩んでいた。4人の娘はいずれも会社を継ぐ気はなく、従業員にも適任者がいないのだという。そこで、M&Aによってあるコンサルティング会社に株式の7割を売却。その会社が連れてきたのが、大手メーカー日立のグループ会社に30年以上務めたという小野賢一さんだった。小野さんは営業の経験が長い上に、工場の責任者を務めた経験がある。新社長に就任した小野さんは、さっそく大手の視点で天竜精機の舵取りを始めた。M&Aという手法を通して、大手出身者に会社を託すことにした中小企業。果してうまくいくのか?
2013年末に、冷凍食品に農薬が混入するという事件を起こしたアクリフーズ(現マルハニチロ)群馬工場。事件後、マルハニチロは工場内の様子が撮影できるカメラを5台から172台に増設するなど10億円をかけ様々な再発防止策を実施し、2014年8月に生産再開にこぎつけた。作業中は監視員が生産ラインを巡回チェック、徹底した衛生管理は勿論、従業員の動きをICタグで管理している。さらにマルハニチロは、事件の背景には従業員の不満に気づけなかったことがあったとして、ハードだけではなく、従業員のケアなどソフト面からも再発防止を探っている。異物混入防止を防ぐ最前線に密着する。一方、事件によって失った信頼と売り上げを取り戻そうと営業部隊が必死の巻き返しをかけていた。バイトテロによる写真や動画のアップ、口コミでの風評被害など、SNSの進化によって、企業が食の安全にどう取り組んでいくのか、新たな方策が求められている。そんな中、ネット上の情報を24時間監視し、事態の拡大を未然に防ぐサービスで注目されている企業が「エルテス」だ。取引先の社名や商品名、異物混入などのキーワードをもとに顧客企業に対するSNS上での異変にいち早く気づき、企業へ通報する。現在、およそ200社と契約しているという。ネット社会で新たに生まれた?食の安全を守る?仕組みを探る。外食企業の「物語コーポレーション」は過去、スタッフのSNSへの投稿がもとで店舗が営業停止に追い込まれた苦い経験を持つ。スタッフが調理前の食材で悪ふざけをした写真が拡散したのだ。これを機に「物語コーポレーション」は、スタッフへの指導が行き届かなかった責任があるとし、全社的に再発防止に立ちあがる。全国で1万人以上が働く店舗で「事件を起こそうと思わない環境づくり」に乗り出したのだ。
セブンイレブンの商品は、これまで基本的に本部がメーカーから一括で仕入れて、全国の店舗で販売してきた。ところが、セブンイレブンを率いる鈴木敏文会長は今年、年頭の挨拶で「これまでの在り方を全面的に見直す」とぶち上げた。約3000の商品のうち、半分の1500を地域限定で開発・販売する商品にするというのだ。そのため、全国を9つのブロックに分け、それぞれの地域が独自に商品の開発を始めることになった。長野県で商品開発を担当する永井将人さんが目を付けたのが「味噌」だ。実は長野県は味噌の消費量が日本一。大手味噌メーカーの多くが本社を置き、地元のスーパーには50種類もの味噌が並ぶ。一般家庭でも数種類の味噌を使い分けるほど、味噌が生活に根ざしている。そんな長野の人に向けて、味噌を使った弁当や総菜の開発が始まった。果たして、どんな地域限定商品が生まれるのか?一方、長野県の阿智村。全国的にはほとんど知られない、人口6700人ほどの小さな村だ。いま、夕暮れになると、その阿智村に続々と観光バスがやってくる。観光客はゴンドラで山の上に上り、地べたに寝転がる。すると、視界には満点の星空が広がる。。。これは、大手旅行代理店のJTBが仕掛けた「美しい星空を眺められる」というツアー。これまでJTBは東京の本社が全国を統括し、あらゆる旅行ツアーを決めていた。しかし、数年前、全国を地域ごとに分社化、ツアー企画の権限を委譲することにしたのだ。これまでは有名な観光地や大きなイベントをメーンとしたツアーが多かったが、地域に密着して企画を練ることで、知られざる観光資源に着目したユニークなツアーが生まれるようになったという。今年5月、瀬戸内海に浮かぶ周囲10キロしかない小さな島に、JTBの担当者がやってきた。人口わずか180人ほどの過疎の島を舞台に、新たに地域密着のツアーを企画しようというのだ。
1年前の消費税増税に加え、進行する円安で商品価格の見直しを迫られるなか、苦戦を強いられているスーパー。そんな中、地方の中堅スーパーでありながら、好業績をあげている企業がある。好調な理由は何なのか?その秘密は、独自に編み出したユニークな人材教育にあった。開店30分前だというのに、100人以上もの行列ができる地方のスーパーがある。広島を中心に31店舗を展開する「エブリイ」だ。店内に入ると、『生みたて卵』や『朝さばいた鶏肉』など、鮮度の良さをアピールする商品が目につく。安くて新鮮な商品を武器に14年連続で売り上げがアップしている。エブリイが取り入れているのが?類人猿セミナー?という独自の人材教育。エブリイでは社員をオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボという4つの類人猿の行動傾向の違いを社員に当てはめて、人材配置に役立てているという。この結果、職場で良好な人間関係が結べ、それが売り上げアップにもつながっているというのだ。好調なエブリイの中で、売り上げが伸び悩む引野店の青果部門。売り場の責任者がセミナーを受けてみると、どんな変化が起こるのか?大阪を中心に10店舗を展開するスーパー「フーズマーケットサタケ」。店の外観は普通のスーパー。しかし、一歩中に入ると、「安いで!今日はこれを買わないと損やで」と威勢のいい声が飛び交い、まるで昔の商店街で買い物をしているよう。これが「親しみやすい」と客に好評で、坪単価1500万円を売り上げる店舗もあるという。サタケの店の特徴はスーパーの良さと商店街のお店の良さの両方を取り入れたことにある。そのサタケの店舗を支えるのは、熱烈な追っかけファンができるほどの?カリスマ店員?の存在。しかし彼らのモチベーションの高さはどこから生み出されるのか?
ヒット商品が出にくいと大手企業が頭を悩ます中、個人が創作したハンドメード商品の人気が拡大している。“得意技”を駆使した手作り商品は、素人の域を超えるモノもたくさんあり、多くのファンが付いて、月数十万円稼ぐという主婦も…。中でもハンドメード作品を個人間で売買するネット通販サイト「ミンネ」は業界最大手。出品数は100万点以上で、この1年で倍増したという。ハンドメード商品を集めて販売するイベントでは、そんな出品者の?一点モノ?を狙って、女性が殺到する。客は「自分しか持っていないという満足感」が魅力だという。出品者はプロではなく、主婦やパート、会社員など…みな自分の?得意技?を持った様々な“素人職人”だ。サイト側の仕掛け人は、新規のハンドメード作家を発掘するために動く。そして、次々と新人作家がデビュー…活気づくハンドメード市場の裏側を追う。
野菜や果物を使って作られたクレヨンが、いま人気となっている。その名も「おやさいクレヨン ベジタボー」。「赤」「青」「黄」といった色ではなく、「ほうれんそう」「りんご」「とうがらし」など、野菜や果物の名前が書かれている。実はこのクレヨン、形が悪い、傷があるなどの理由で捨てられてしまう廃棄野菜を使って作られている。手掛けているのは、青森市でデザインの仕事をしていた木村尚子さん。小学生の娘がお絵かきを好きなことから、クレヨンの製作を思いついたという。集めた廃棄野菜はパウダー状に加工。それを名古屋市の町工場が試行錯誤の上にクレヨンに仕上げてくれた。木村さんはいま、廃棄野菜を使って、クレヨンに続く新たな商品の開発に乗り出している。果たして、どんな商品なのか?一方、放置されたままになっている竹を使って、青果物の鮮度保持剤を開発した会社がある。佐賀県のベンチャー企業「炭化」だ。炭化の鮮度保持剤の特徴は、竹だけでなく三番茶も使っていることだ。通常、茶農家は4月から6月にかけて採れる一番茶と二番茶を売りにだすが、7月から8月に採れる三番茶は風味が落ちるため、売らずに捨てられてしまうケースもある。炭化はその三番茶を加えることで、鮮度保持剤の効果を上げることに成功したという。この鮮度保持剤に、いま企業も注目を始めている。その中の1つが香港の高級スーパー「シティ・スーパー」だ。シティ・スーパーは日本からの野菜の輸送に、炭化の鮮度保持剤を使いたいと考えていた。これまで野菜の輸送は航空便を利用していたが、長時間の保持が可能なら、船便で運ぶことでコストを抑えることができるからだ。4月、野菜を積んだコンテナに鮮度保持剤を入れ、輸送実験が行われた。果たして、放置されていた竹や三番茶で使って作られた鮮度保持剤は、博多から香港まで野菜の鮮度を保つことができるのか?
世界中で希少な植物を採取して日本に運び込み、“フ?ラントハンター”と呼ばれる男がいる。西畠清順さん(34歳)。兵庫県川西市で明治元年から続く、花や植物の卸売り問屋「花宇」の5代目だ。西畠さんは卸の仕事だけでなく、自らが世界各地で採取してきた植物を使ってイベントのプロデュースなどを手掛けている。例えば、長崎のハウステンボスでは、世界の珍しい植物を集めた「世界一周植物園」というイベントを開催。また、東京・代々木の商業施設には、オーストラリアに生息する巨木「ボトルツリー」を移植。他にはない施設のシンボルを生み出した。こうした施設からは、集客の起爆剤になるとして人気だ。そんな西畠さんに、神戸にある商業施設から、新たな依頼が舞い込んだ。近年、周辺に次々と競合施設ができた影響で、来場客数が前年割れを続けているという。客を呼び寄せるため、屋上庭園のテコ入れを任された西畠さん。ある巨木をシンボルツリーにしようと、イタリアへ向かった。一方、1872年に創業し、全国に約180の店舗を展開する日本最大級の花き小売企業 「日比谷花壇」。「花が売れない」と言われる中、年間売上高は約207億円。2012年以降、右肩上がりで売上を伸ばしている。好調な業績を支えているのは、花と緑に囲まれた高齢者住宅の展開、花でおくるお葬式事業など、次々と打ち出している新規事業だ。そんな日比谷花壇がいま力を入れるのは、「フラワースイーツ事業」。2013年12月に、香りの高い希少なバラ「さ姫」を使用して開発したスイーツを期間限定で発売したところ、完売。翌年からは定番商品となったが、贈答用を見込んでいたため価格も高めだった。そのため今回、より気軽に食べてもらおうと、新たなフラワースイーツの開発が始まった。
菓子問屋で小売りも手がける二木。東京・上野のアメ横で創業した二木は現在、関東近郊に17店舗を展開している。売り上げ好調の二木では、独自の売り場づくりをしている。大手スーパーで扱っている定番の菓子のかわりに、ずらっと置かれているのは地方の中小メーカーの名もないお菓子。高級品やこだわりの商品が目立つが、これが飛ぶように売れるというのだ。創業者の孫で専務の二木英一さんは言う。「小さな工場で作られた美味しいお菓子こそ、大手が大量生産する菓子に対抗できる可能性を秘めている。」そんな地方の無名のお菓子を売る様々な工夫があるという。そんな二木が目を付けた菓子が福島県喜多方市の「おくや」の豆菓子。原料の落花生の良さを最大限生かした製法でつくっているため、これまでにない味を実現しているのだが、これまで地元中心の販売しかしてこなかった。これまで数々の地方のお菓子を広めてきた二木はどう売るのか?
住民自らの手で、理想の地域を創り出そうという動きが拡大している。名古屋市緑区の新興住宅街に2010年に移転してきた南生協病院。一見普通の総合病院だが、中には、カフェやコンビニ、フィットネスクラブ…さらには本格ベーカリーやオーガニックレストランまでもが併設されている。運営するのは愛知県南部の「南医療生協」。組合員数7万5000人以上で、総工費100億円のうち、20億円を組合員の出資金で集めた。そして、病院とは思えない数々の施設は、組合員による“声”から生まれたという。なぜ、このような病院ができたのか?
オフィス街で働くサラリーマンやOLを悩ますのが、日々のランチ。周辺の食堂やレストランには長蛇の列。コンビニで弁当を購入しようとしても、ここでもレジ待ちの行列に並ぶはめに。そんな“ランチ難民”を救おうと、様々な新しいサービスが登場している。いま、渋谷で働くサラリーマンの間で人気となっている弁当宅配サービスがある。スマートフォンを3回タッチするだけで注文。10分ほどで弁当が届く。しかも、値段は500円と手ごろだ。運営しているのは、渋谷にオフィスを構えるベンチャー企業「ベント―・ドット・ジェーピー」。短時間で配達できるのは、サービスを狭いエリアに限定しているためだ。道を熟知した配達スタッフが効率よく自転車で弁当を届ける。一方、肉じゃが、ハンバーグ、煮物など、様々な惣菜をオフィスで食べられるサービスがある。真空パックに詰められていて、電子レンジで温めるだけ。しかも、1品、100円〜200円という手軽さだ。これは株式会社おかんが運営する「オフィスおかん」というサービス。専用の冷蔵庫は「おかん」が会社に貸し出す。そして、毎月、取り寄せる惣菜の品目や数に応じて、会社がおかんにまとめて費用を払うという仕組みだ。会社の規模が小さいために「社食」を作れない中小企業が福利厚生として利用している。惣菜は福井県にある総菜チェーンの工場と提携して作っている。チェーン店に出す惣菜は朝夕ピークの時間があるが、おかんの惣菜は保存食のため時間を選ばない。手が空いたときに作ってもらうことで、自社工場を持たずにコストを抑えられるという。また、物流コストを抑えるために、ウォーターサーバーの宅配業者と提携。トラックの空きスペースを利用することで、配送を代行してもらっている。
東京・原宿に外国人旅行者に人気の店がある。ブランド古着を中心に扱う「ブランドコレクト」。外国人客はいま、「メイド・イン・ジャパン」ではなく、「ユーズド・イン・ジャパン=日本で使われたもの」に価値を見出しているという。壊れた家電から汚れた古着まで「何でも買い取る」というリサイクルショップ「エコリング」。いま、日本で買い取った中古品を海外でも販売している。特に力を入れているのがアフリカのウガンダだ。エコリングは卸問屋のように、日本の中古品をウガンダに運ぶ。そして、現地での販売はウガンダの個人事業主に任せるという方法をとった。しかし、商品を持ち逃げされ、売上を回収できないケースが頻発する事態に。ウガンダで成功すれば、アフリカ各国にこのビジネスモデルを広げたいというが、果たしてうまくいくのか!?一方、中古車買取・販売業の大手「ガリバーインターナショナル」。去年11月、ニュージーランドに進出した。実はニュージーランドは国内に自動車メーカーがないため、車の購入は輸入に頼らざるを得ない。これまで中古車は、現地の人が新車を乗りつぶしたものや、業者が日本などでまとめて購入してきたものを、ロードサイドの店で購入するのが一般的だった。そのため、なかなか希望の車種が見つからず、質の悪い中古車も流通するなど、評判はあまり良くなかったという。ガリバーは日本国内の全ての店舗にある中古車の詳しい情報を、どの店でも見られるシステムを持っている。そのシステムをニュージーランドにも持ち込んだ。客はニュージーランドにいながら、日本国内の店舗にある全ての中古車のうち好きな1台を選べるのだ。しかし、注文してから輸出するため、納車まで2ヶ月もの時間がかかってしまうという問題がある。そもそも、オープンしたばかりで店の知名度もない。そんな中、いかに日本の質の高い中古車を販売するか?その取り組みを追った。
三陸沿岸の浅瀬に自生する海藻「アカモク」。ワカメやコンブの仲間で湯がいて刻むと、メカブに似た粘り気のある食感となる。一部の地域ではご飯のお供として食されているが、地元漁師の間では「船のスクリューや網に絡む」という理由で、これまでむしろ嫌がられる存在だった。宮城県塩釜市で水産加工会社を営む赤間俊介さんは震災前からアカモクに着目し、商品化してきたが、地元以外には販路が広がらなかった。その赤間さんに手を差し伸べたのが、「東の食の会」。オイシックス、カフェカンパニー、キリン、キユーピー、ぐるなびなど、食を通じて被災地を支援しようという企業の集まりだ。赤間さんと東の食の会、さらに岩手県の水産加工業者も手を組んで、アカモクを全国に売り出そうと動き出した。一方、岩手県陸前高田市。その町で昔から愛されてきたもう1つの木がある。「気仙椿」だ。岩手県大船渡市から宮城県の気仙沼市あたりまで、三陸沿岸に自生する。昔から地元の人々は、気仙椿の種から採った油を様々な用途に使ってきた。肌や髪の手入れ、やけどの塗薬として、また郷土料理であるけんちん汁を作るときなど、料理にも利用されてきた。しかし、地元以外ではほとんど知られていなかった。その気仙椿に注目したのが、大手化粧品メーカーの資生堂。復興支援の一環として、気仙椿を新たな産業に育てるプロジェクトを立ち上げた。第1弾の商品として開発したのが、気仙椿の油を使ったドレッシング。去年11月に系列のレストランである資生堂パーラーなどで約5000本を売り出したところ、瞬く間に完売した。今後、新商品の開発を進めていくという。また、ハリウッド化粧品も復興支援として気仙椿の油を使ったハンドクリームを商品化。これも予想を上回る人気のため、今後、全国で売り出していくという。
地方スーパーの苦境が伝わる中、山梨・甲府市を中心に13店舗を展開する「いちやまマート」は、地元客で毎日大賑わい。その秘密は中小スーパーでは珍しい充実したPB商品だ。ブランド名は『美味安心』。消費者の健康志向に配慮したものでその数は400種類以上。社長の三科雅嗣さんは「ウチはお客に健康になってもらうことに力を入れている。大手さんはここまでやれない」と胸を張る。さらに全国の中小スーパーから「PB商品を置かせてほしい」と要望を受けて、積極的に商品を提供している。愛知県のスーパー「やまひこ」もそのひとつ。2月末、やまひこの担当者が「いちやまマート」で研修に臨むことになった。なぜ研修が必要なのか?それは商品だけでなく、客のニーズに対応する売り場を作り上げるノウハウも伝授するのが「いちやま流」だというのだ。果たして「地域スーパー共闘」の取り組みは、実を結ぶのか?徳島で生まれた「とくし丸」という移動販売の仕組みが、いま全国で注目されている。地域のスーパーと契約して、個人宅の玄関先一軒一軒を特殊な車両で訪問している。価格はスーパーの店頭価格に加え、1商品につき10円の手数料かかるが、買い物に苦労する高齢者にとっては利便性のメリットの方が大きいという。社長の住友達也さんは、高齢の両親が買い物に苦労する姿を見てこの「究極の移動販売」を思いついた。これまでも売り上げアップのため移動販売を始めるスーパーはあったが、いずれも手間がかかり過ぎて撤退を余儀なくされてきた。しかし「とくし丸」は独自ノウハウで、利益がでる仕組みをつくり上げたのだ。その仕組みに売り上げに悩む地方スーパーから連携したいとの要請が殺到しているという。
国内有数のアパレル産業の町、東京・墨田区。ここに去年、あるアパレルショップがオープンした。江戸の粋をコンセプトにしたというブランドの名前は「IKIJI(イキジ)」。カットソーの「精巧」、ニットの「テルタ」、シャツの「ウィンスロップ」、革製品の「二宮五郎商店」。。。それぞれを専門とする4社が共同で立ち上げたブランドだ。いずれも、長い間、国内外の有名ブランドの商品を手がけ、技術力を培ってきた工場ばかり。そのIKIJIが、イタリアで開催される世界最大規模の展示会に参加できることになった。海外へ打って出る足掛かりにするべく、メンバーたちが持ち込んだのは、「メード・イン・ジャパン」の品質と和のデザインを強調した製品。下町の工場が手を組んだ日本の新たなブランドは、海外で飛躍できるのだろうか。一方、アパレル業界に新たな流通の仕組みを持ち込んだ人物がいる。熊本市のベンチャー企業「シタテル」の社長、河野秀和さんだ。河野さんは、小さなセレクトショップから作ってみたい商品を聞き出し、縫製工場に直接、生産を依頼するというサービスを開始した。これまでセレクトショップ(や小売店)は、バイヤーが既製品を買ってくることで商品を揃えてきた。オリジナル商品を作りたくても、少ない量では工場に作ってもらえなかったからだ。一方、繊維工場は、長年、大手メーカーからの受注に頼ってきたため、新たな客を開拓するルートがないという問題を抱えていた。河野さんのサービスでは、店にとってはオリジナル商品を作ることができ、縫製工場にとっては新たな商売を運んできてくれるというメリットがある。セレクトショップと工場をマッチングさせるという、アパレル業界にとっての流通革命。繊維工場を救うきっかけになるのだろうか。
愛知県・名古屋市から車で1時間半の蒲郡市に「ラグーナ蒲郡」(現在はラグーナテンボスに名称変更)という複合レジャー施設がある。2001年、愛知県やトヨタ自動車などが出資する第三セクターが運営する施設として開業。海のテーマパークをウリに、東海3県からの集客を狙ったが、近隣のテーマパーク・遊園地との競争が激化して、年々入場者数が減少、経営危機に陥っていた。昨年6月、その立て直しに名乗りを上げたのが大手旅行会社のエイチ・アイ・エス。経営難に陥っていた長崎のハウステンボスをわずか1年で再生させたエイチ・アイ・エスは、そのノウハウを注ぎ込み、ラグーナを再建させようというのだ。陣頭指揮をとるのが、エイチ・アイ・エスから送り込まれた社長の巽泰弘さん。ラグーナ蒲郡は、集客のほとんどを施設内の巨大なプールの利用に頼っていた。課題は夏以外のシーズンの集客。巽さんは、一年中、しかも夜でも客が楽しむことができる施設に変貌させるため、日本初となるアトラクションの導入を検討。日本初のアトラクションとは一体何か?遊園地が新たなアトラクションを導入するには、莫大なコストが必要だ。例えば人気のジェットコースターを設置しようとすれば、最低でも5億円以上はかかるという。目玉となる乗り物を設置して集客をはかりたいものの、資金が足りない地方の遊園地にとって、頭の痛い問題だ。ところが…なんと格安で目玉となる遊具を設置できる方法があった。それが“中古”の遊具だ。大阪にある岡本製作所は、閉園した遊園地のジェットコースターや観覧車などを買いとり、整備や修理をした上で、格安で販売している。今年1月、閉園を余儀なくされたばかりのある遊園地に向かった岡本製作所のスタッフ達。そこには使える遊具が多数あった。さっそく乗り物などの解体作業が始まった。そしてリサイクルされた中古遊具が向かった先は?
スーパーコンピューターから携帯電話までを製造してきた「富士通」。1935年の設立以来、最先端の技術を数多く開発し、特許を取得してきた。その数は約10万件。しかし、全ての技術が製品化に結びついている訳ではない。特許を取得したものの使われないまま埋もれている技術も多い。それらの特許を維持するためにかかる費用は年間数十億円にものぼり、大きな悩みとなっていた。そこで、「埋もれた技術に、もう一度光を当てよう」と、特命チームが立ち上がった。自社の技術を活用してもらえないかと、全国の中小企業に売り込み始めたのだ。中小企業にとっても大企業の技術を使えるメリットは大きい。いま、富士通が小さな町工場とタッグを組んで開発しているのが、「ポロシャツ」。富士通のイメージとはかけ離れているが、そこにも富士通の「埋もれた技術」が隠されていた。一方、他社の技術を活用して、数々のアイデア商品を開発している会社がある。事務用品メーカーの「キングジム」。書類ファイルやネームテープの「テプラ」等で知られている会社だ。アイデア商品を開発するようになったのは、デジタル化で書類が減るという危機感があったからだという。キングジムの新商品の開発には特徴がある。社員が新製品のアイデアを提案する製品開発会議。社長や幹部たちがずらりと並ぶが、参加者のうち1人でもそのアイデアに賛同すれば、すぐに商品化が決まる。「発売してみなきゃわからない。10本のうち1本当たればいい」というのが社長の口癖だ。結果として売れず、在庫の山となってしまったものも数多くあるが、アイデアを簡単につぶさないことを優先しているという。番組では、開発部隊の新たな商品開発に密着。果たして、どんな技術を用いた、どんな商品が生まれるのか。。。
関西地方で70店余りを展開する「がんこ寿司」。本格的な和食をリーズナブルな値段で味わえると人気の店だ。がんこ寿司がこれから本腰を入れようとしているのが、7店舗しかない関東での店舗拡大。関西では新規オープンした店でも客が入る。しかし、知名度の低い東京では、サービスが悪ければすぐに客が離れてしまう。そこで、サービスを向上するスピードを上げようと、がんこ寿司はある試みを始めた。今年10月に東新宿にオープンした「がんこ・新宿山野愛子邸」。仕事を始める店のスタッフたちに着けられたのは、GPS装置。店内各所に設置したセンサーによって、スタッフ一人ひとりの動きを計測し、データ化するというのだ。その結果、「接客係が客室よりも廊下やバックヤードにいる時間が長い」ことなどがわかった。動きのデータ化によって、サービスをどう変えていくのか?今年10月3日にオープンした、ユニクロ吉祥寺店。実はこの店、ユニクロの新戦略の実験店だという。その戦略とは「地域密着」。店の2階には、吉祥寺の様々な商店を紹介するパネルが設けられているほか、商品の並べ方や提案するコーディネートも、吉祥寺の客層に合うよう工夫している。また、地元の商店会に加入し、ユニクロの店舗スタッフが地域の祭りやイベントにも参加するなど、これまでのユニクロにはなかった取り組みを進めている。実はこの「地域密着」は、今年1月、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が打ち出した戦略だ。これまで、ユニクロは本部が決めた方針をもとに、各店舗が基本的に同じように店舗をつくり、同じ商品やサービスを提供してきた。ところが、店舗数が増えた結果、消費者からは「画一的で無個性」と受け取られるようにもなってきた。新規に出店する店がある一方で閉鎖する店も多く、日本国内の店舗数はここ数年、頭打ちとなっている。この状況を打破するために打ち出した「地域密着」戦略。果たして、マニュアルから脱して、個性的な店をつくることができるのか?
新鮮な魚を客に提供し、人気を集める居酒屋がある。「四十八漁場」だ。運営するのはエー・ピーカンパニー。自社の養鶏場で育てた地鶏を使った居酒屋「塚田農場」で知られる会社だ。岩手県陸前高田市。エー・ピーカンパニーのバイヤー、長野泰昌さんは、漁船に乗り込んで魚を目利きする。長野さんは現地に常駐。獲った魚の鮮度を保つため、神経締めにして「四十八漁場」に直送している。また、魚や漁師の写真を撮影して、おいしい食べ方などの情報を店に送る。11月中旬、新たにオープンしたのが「四十八漁場」調布店。オープンに合わせて、エー・ピーカンパニーは新たな目玉を考えていた。目を付けたのは、うまい寒ブリが評判の福井県美浜町の日向漁港。ここに社員を送り込み、新たな仕入れ拠点にしようというのだが、果たして・・・。一方、大阪府豊中市にある「ぶっちぎり寿司」。店内のメニューを見てみると、「スギ」「ニザダイ」「フエフキダイ」「ウスバハギ」など、聞きなれない寿司ネタが並ぶ。どれも天然魚で味も良いのに、値段は1貫あたり、ほとんどが110円と安い。実はこれらは、漁獲量が少ないために市場に出荷されない、いわゆる“捨てられる魚”だ。捨てられる魚だから安い。「こうした魚を使うことで、大手チェーンが仕入れで発揮するスケールメリットに対抗できる」と、運営するナリッシュ・カンパニー社長の佐々木俊明さんは話す。実際、捨てられる魚を使い出してから、店の売り上げは15%アップしたという。一方、この「ぶっちぎり寿司」に魚を卸しているのが京都の魚卸「食一」の代表、田中淳士さんだ。田中さんは市場に出ない珍しい魚を「漁港に眠る宝」と呼び、全国の漁協や漁師などから直接買い付けている。「ぶっちぎり寿司」の佐々木さんは、この秋、田中さんに目玉となる新たな魚の入荷を依頼。これを受け、田中さんは漁港の開拓に奔走する。客が喜ぶ魚を求めて駆け回る、舞台裏に密着。
2020年の東京五輪などで、いま建設需要が急激に膨らんでいる。ところが、現場で作業する職人の人数が足りず、建設を延期するケースが出てきている。また、職人を募集するにも、危険、きつい、汚いの「3K」のイメージがつきすぎ、若手はなかなか集まらない。いまや現場を支えているのは55歳以上のベテランが3割を占め、29歳以下は1割ほどにすぎないという。大林組は今年5月、職業訓練校を開いた。約900社ある取引先の建設会社の若手を育成するのが狙いだ。大手ゼネコンが行うのは初めて。そこには、業界全体の危機感がある。技術を伝えるだけでなく、各社の若手を一堂に集めることで、横のつながりを作ろうという目的があるという。一方、女性を活用しようという動きも活発になってきた。例えば、三井住友建設が施工している晴海三丁目の現場。協力会社を含め12人の女性の職人や技術者が「チーム晴海女子」を結成。女性が働きやすい環境を作ったり、現場見学に来た女子学生の案内をするなど、後に続く若い女性たちを増やそうと動き出した。東大や京大、早大など、高学歴の大学や大学院を卒業した職人が集まる建設会社がある。静岡県沼津市にある平成建設だ。平成元年に創業した時から、「いずれ建設業界で職人が不足するだろう」との危機感をもって職人を採用し、育ててきたという。能力に応じて給料や手当がもらえ、研修や待遇なども好評で、いまや学生に人気の就職先となっている。また、現場の作業も独特だ。通常、建設現場では作業ごとに専門業者に外注する。しかし、平成建設では、ほとんどの作業を自社でまかなっている。社員一人ひとりに様々な資格を取らせ、「多能工」として育てているからだ。これにより、現場で欠員が出た時に迅速に対応できるほか、色々な作業ができるため、仕事に飽きにくいなどのメリットがある。また、同じ会社の社員たちなので先輩後輩の意識が強く、技術の伝承も行いやすいという。
メーカーなどから依頼を受け、営業活動のサポートを行う「インブルーム」という会社がある。インブルームの特徴はスタッフのほとんどが主婦という点だ。男性の営業マンではなかなかうまくいかない現場などで活躍しているという。例えば、乳製品のメーカーがスーパーマーケットでの自社製品の売り上げが伸び悩んでいるとする。そのメーカーの営業担当者は男性ばかり。そこで、インブルームの主婦スタッフが代わりに営業に行く。すると、売り場のパート社員と立ち話感覚で仲良くなり、商品の陳列を工夫してもらうといったものだ。主婦は自分が購入する立場でもあるため、実体験を仕事に取り入れやすい。また、近所や学校関係者との付き合いにより、自然とコミュニケーション能力を身に着けているという特徴もある。結婚や出産の前には企業でバリバリ働いていた人も多く、即戦力でもある。そんな主婦たちの営業テクとは!?一方、埼玉県を地盤とするスーパーマーケット「ヤオコー」。スーパー単体では25期連続で増収増益と好調だ。その秘密は、従業員の約8割を占めるパート社員のモチベーションの高さにある。パート社員はほとんどが主婦だ。ヤオコーは創業時からパート社員と正社員をなるべく同じように扱い、仕事の権限を委譲している。例えば、売り場作りはパート社員に一任。各店舗に設けた「クッキングサポート」と呼ばれる調理実演コーナーでは、専任のパート社員が主婦目線で簡単に作れるレシピを自ら考え、客に提案する。また、店頭販促の方法なども彼女たちに任せている。結果を出せば見返りもある。年に2回のボーナスの他、決算時には業績に応じてボーナスも出る。さらに毎月1回、130以上ある店舗から優秀なパート社員を集めて表彰。海外への研修旅行などの特典も与える。パートの主婦たちがどんどん“やる気”になる。そんなスーパーの秘密を探る。
今年7月、中国の食肉会社が使用期限切れの肉を使用していた問題が発覚し消費者の間で再び、“食の安心・安全”への関心が高まっている。番組では、食の安心・安全にこだわり、好業績をあげる企業に注目。東京や埼玉に20店舗を展開する「ひびき」。埼玉県川越市に本社をおく飲食チェーンだ。店の看板メニューは豚肉を串で刺して焼いた「やきとん」だ。その「やきとん」に特製の味噌だれをつけて食べるというスタイルがお客に支持され毎日店は満席状態だ。この店の大きな“売り”がもうひとつある。それは自社で開発した「生産者流通履歴システム」(トレーサビリティー)だ。 「豚肉の生産業者情報」から、「肉を加工した場所・日付」、さらに驚くべきは、串に肉を刺した人まで分かるという特許までとったシステムだ。こうした情報は、ひびきのホームページで公開され毎日更新。さらに、お客に見えるように店頭でも公開されている。こうした取り組みを仕掛けたのが社長の日疋好春さん(43)。そんな「ひびき」に今年、「合同で新会社を立ち上げたい」という新たな話が持ちかけられた。その相手は全農。小規模のチェーン店ながら、「食の安全安心」に徹底的にこだわるひびきの姿勢に惚れ込んだ全農が、共同で新たな飲食店を出店したいというのだ。果たしてどんな店が出来上がるのか?愛知県豊橋市を中心に5店舗を展開するスーパー「サンヨネ」。客のお目当ては、安心安全のサンヨネオリジナル商品。青果売り場を見てみるとポップには、「サンヨネ独自のミネラル豊富な肥料を使用」の文字。実は、サンヨネは契約した生産者に特注の肥料を提供し、低農薬の作物作りを依頼しているのだ。オリジナル商品にはピンクのハートマークが貼られ、その数420種類にものぼる。しかも手ごろな値段におさえられているのが特徴だ。全国各地の生産者とともに安心安全の商品作りを続ける三浦さんの挑戦を追った。
いま台湾で大ヒットしているお菓子がある。日本の有楽製菓が作るチョコレート菓子「ブラックサンダー」だ。有楽製菓は1955年に創業した老舗の菓子メーカー。しかし、これまでは他社から受注するPBブランドやOEM商品の生産が多かった。数少ない自社ブランド商品の1つが、ブラックサンダー。発売当初はそれほど売れなかったが、2008年、北京五輪に出場した体操の内村航平選手がブラックサンダーを好きだと報じられたことで、突然、ブームとなった。その人気が台湾にも波及したというわけだ。この人気に乗じて、有楽製菓はさらに販売網の拡大に動いた。今年9月、ブラックサンダーをアメリカに売り込みに行ったのだ。チョコレート菓子が溢れるアメリカ市場で、果たして受け入れられるのか?インドネシアの首都ジャカルタでは、車体に「POCKY」と書かれた真っ赤なワゴン車が街中を走る。グリコのポッキーだ。向かう先は中学や高校。無料で配るキャンペーンだ。生徒たちはスマートフォンを使ってSNSに写真やコメントを投稿するため、ポッキーの噂が広まるのだ。グリコは早くから海外展開を始め、主力商品のポッキーはすでに約30の国や地域で販売されている。しかし、フランスでは「ミカド」と呼ばれるなど、商品名が国によって違った。また、これまでは現地の代理店に販売を任せていたため、認知度が低い国も多かった。そこで、グリコが打ち出したのが、「ポッキーグローバルブランド化計画」。2020年には、海外での売り上げを現在の約2.5倍にあたる10億ドルを目指すという目標を立て、販売のテコ入れに動き出した。今年、初めて日本人駐在員を派遣したのが、マレーシア。その市場では、キットカットなど欧米の菓子メーカーの商品が席巻していた。そこでグリコは、ライバルがまだ進出していないボルネオのジャングルの奥地に向かった。ポッキーの巻き返しはなるのか?
インドネシアの地方都市バンドンにあるパジャジャラン国立大学で人気なのが、日本語学科だ。約800人の生徒が日本語を学んでいる。しかし学習熱が高まる一方で、学生たちは日本企業に就職するルートがないことが悩みだった。そんなインドネシアの大学を訪れたのが、企業に人材採用のアドバイスを続けてきた日経HRの石渡順也さん。実は石渡さん、去年から東南アジアの大学生たちの日本での就職活動を後押しするプロジェクトを始めていたのだ。昨年はベトナムやインドネシアなどASEAN地域から日本で働きたい優秀な学生およそ80人を選抜して日本に無料招待。東京で一流企業18社と合同面接会を開催し24人を就職させた実績を持つ。グローバル展開を考える企業にとっては、優秀なアジア学生を効率的に獲得が出来ると好評だった。今年8月、日経HRはアジア8カ国から学生2200人を書類選考して絞り込んだ100人を東京に呼び、2回目となる大面接会を開催した。果たして何人が狭き門をくぐり抜けることができるのか。そして企業は望む人材を獲得できるか…。今や日本国内はもとより世界各国に40店舗を展開する博多ラーメン・一風堂。しかしシンガポールにある一風堂の拠点で、創業者の河原成美さんは悩んでいた。「どんどん海外に進出したいのに、現場を担う人材が足りない」。そこで目をつけたのが、日本で勉強する外国人留学生。グローバルキャリア採用担当の原智彦さんは留学生を多く抱える日本語学校や大学に出向き、会社の海外戦略を説明して優秀な学生を紹介してもらう「青田買い」を展開しようと考えた。そして8月、福岡の日本語学校から紹介され、初めて店にやってきたのがネパールから来た留学生。幹部候補生として店舗経営のノウハウを叩き込む英才教育が始まった!
兵庫県豊岡市は明治時代からカバンの生産が盛んだ。“カバンの街”と呼ばれ、国内シェアは日本一とされる。しかし、中国など海外からの安い輸入品に押され、約130社あったメーカーは3分の1ほどに減った。ところが、イトーヨーカドーでは1年ほど前から「メード・イン・ジャパン」の商品が売れてきているという。そこで、国内生産の商品を増やそうと、新商品の開発に動き出した。目を付けたのは、兵庫県豊岡市にある木和田正昭商店。この夏、女性向けのカバンを発注することにした。これまで豊岡のカバン工場は、ほとんどが男性向けだけを作ってきた。ヨーカドーの注文をきっかけに、木和田正昭商店だけでなく、町ぐるみでも女性向けのカバンの開発が始まった。一方、苦境が続くアパレル業界の中で、いま急成長しているベンチャー企業がある。“メード・イン・ジャパン”の工場直販商品をネット販売している「ファクトリエ」だ。2年前にこの会社を立ち上げたのが社長の山田敏夫さん。山田さんは世界のブランド製品を受注生産してきた全国の工場を回り、工場直販の製品の生産を依頼している。「ファクトリエ×工場」をブランドにし、山田さんが販売を請け負うという仕組み。商社や卸問屋などを通さないため、高級ブランドと同等の品質の商品を割安で買えるというのがウリだ。このファクトリエの取り組みに、三越伊勢丹が目を付けた。期間限定でファクトリエのショップを出したいというのだ。実は三越伊勢丹も今年から国産品の割合を増やす方針を打ち出していた。ショップ向けに新商品を開発しようと、山田さんが向かったのは新潟県五泉市。五泉市はニット製品の生産額で日本一を誇る町だが、近年は衰退の一途をたどってきた。最盛期には800億円以上あった生産額は、この20年で80億円あまりまで激減したのだ。工場直販という新たな手法は、地場産業が復活する足掛かりとなるのか!?
大阪の「辰巳商会」はコンテナ船の荷揚げから輸送まで手がけている会社だ。最近、熟練の作業員から「体がきつい」と悲鳴があがるようになった。中国や東南アジアから送られてくるコンテナの荷物は、ひとつひとつ人の手で積み込まれているため、荷下ろしも手作業に頼らざるを得ないという。このため高齢の作業員にとって足腰への負担が大きくなっていたのだ。そこで奈良市にある「アクティブリンク」というベンチャー企業に相談を持ちかけた。アクティブリンクが開発しているのは、ロボット技術を駆使して、人体に装着して筋力をアシストする「パワードスーツ」と呼ばれる装置。パナソニックでモーターを研究していた藤本弘道さんが、2003年に社内ベンチャーとして立ち上げた。今回、辰巳商会からのオーダーを受けて開発するのは、下半身の筋力をアシストする日本初の汎用型パワードスーツ。試作機をさっそく現場でベテラン作業員に試着してもらったのだが…「重い」「体の動きに連動しない」との評価を受ける。すぐに部品一点一点から見直す作業が始まった。改良型の行方は?夏は建設現場で働く作業員にとって、いちばん嫌な季節だ。防災上、長袖長ズボンにヘルメットを着用して作業を行う必要があるため、猛暑での作業は過酷を極めるからだ。いま、そんな現場から注目を集める商品がある。作業着にファンを取り付け、外気を服の中で循環させ気化熱で体を冷やすという「空調服」。元ソニーの技術者だった市ヶ谷弘司さんが立ち上げた。2004年に販売を開始したものの、始めは赤字続き。しかしある改良を重ねることで、今年は25万着を売り上げる大ヒットとなった。そして市ヶ谷さんが次に挑むのがアメリカ市場。カリフォルニアワインで有名な現地のワイナリーから、ぶどう園で働く人たちのために空調服を使えないかと問い合わせが来ていたのだ。
2013年9月に「ガイアの夜明け」で放送した「メビオール」という会社。土や水がほとんどなくてもトマトを育てられるという特殊なフィルムを開発したベンチャー企業だ。そのフィルムは「ハイドロメンブラン」と呼ばれ、糖度やアミノ酸を多く含む「甘くて果物のような」トマトを作り出せるという。社長の森有一さんは早稲田大学の研究員。元々は東レの技術者として人口透析膜を開発してきた。森さんはこの技術を海外にも広めたいと考えていた。世界には土壌や気候の問題で野菜を生産できない国が沢山あるからだ。今年の春、森さんは初めて海外にフィルムを持ち込んだ。それが、中東のUAE、アラブ首長国連邦。国土の大半が砂漠で占められていて野菜の生産が難しく、輸入に頼るため、新鮮でない上に高価格となっている。UAE産で、しかも“絶品のトマト”を作ろうと、森さんの挑戦が始まった。通常、魚の養殖は海に生け簀を設けて行われる。しかし、技術の進化により、いま陸上でも様々な水産物の養殖が始まっている。その1つが、新潟県妙高市にある「IMTエンジニアリング」という会社。ここでは「バナメイエビ」の養殖を行っている。実は、バナメイエビは孵化して2週間ほどは海水でしか生きられないが、その後は淡水でも生きられる。その特徴に目を付け、生後10日ほどの稚エビを海外から輸入し、陸上養殖することにしたのだ。「IMTエンジニアリング」では水槽内の温度を調整。また、特別な技術によって波を作り出すことによって、エビの身が“プリプリ”するという。国内産という安心感もあり、いまでは都内の高級レストランなどで人気となっている。そのIMTエンジニアリングが、モンゴルでエビの養殖を始めようとしていた。モンゴルは国土の大部分が草原で、海に面してもいない。そのため海産物を食べる習慣がなかった。そんなモンゴルの人たちに、日本の技術を使って作る“絶品のエビ”を届けようというのだ。
蒸し暑い日本の夏に、冷えたモノを食べたり飲んだりする様々な工夫…国内では4世紀、冬にできた氷を?氷室?で蓄え、夏場に嗜んでいたことが日本書紀に記されている。そして現在に至るまで、その飽くなき欲求を満たそうとしてきた。そして?冷やす技術?を今、海外にも展開しようとする動きが広がり始めていた。その最前線を追う。去年1年間で3億杯以上を販売したセブン-イレブン・ジャパンのセルフ式ドリップコーヒー。そのアイスコーヒーに使われているのが、小久保製氷冷蔵の氷だ。?溶けにくい氷?とも言われ、透明で、冷たさを長持ちできるのが特徴だという。工場を訪ねると、そこには氷を溶けにくくするための意外な技術があった。そして小久保製氷冷蔵は今、タイで自社工場を稼働させている。タイでは、ビールに氷を入れて飲む習慣がある。そうした市場に小久保製氷冷蔵は、日本でもお馴染みの「ロックアイス」を投入。?透明で溶けにくいニッポンの氷?を売りに販売を拡大していた。但し、価格は現地の氷よりも約2倍とだいぶ高め。果たしてタイ市場で広がるのか…。一方、2年前にキリンが発売したビール「フローズン<生>」は、グラスに注いだ一番搾りの上に、マイナス5度以下で凍らせたシャーベット状の泡を乗せる、世界でも例を見ないタイプのビールだ。凍っても、泡がキメ細かく清涼感もあるとの評価から、日本人好みの、まさに?キンキンに冷えたビール?。そして現在、中国・上海、台湾、シンガポールなど海外市場でも、徐々に投入を始めた。キンキンに冷えたビールは海外でも通用するはず…しかし、香港に渡ったキリンの営業担当者は、意外な壁にぶつかる。とにかく一度飲んでもらえれば、その良さが分かってもらえるはず…担当者は、飲食店関係者などに、ある仕掛けを働きかける。
誕生から20年あまり…今や日本全国に1000カ所を超えるまでに増えた?道の駅?これまで通過点だった?道の駅?が、それ自体で観光の目的地となるほどの大きな集客力を発揮している。そこに企業や自治体も注目し、観光の起爆剤として、国内だけでなく、外国人客まで呼び込もうとしたり、過疎の町で道の駅に“行政の機能”を担ってもらう動きが出てきた。2014年夏…進化し続ける?道の駅?その最前線を追った。日本一、道の駅がある北海道…その数114カ所。それを1年かけて全て巡るバスツアーが50?60代のシニア層に大人気だという。7月もツアーが開催され、巡る道の駅は約10カ所。ツアーを仕掛けたのは阪急交通。今や「道の駅」は稼げる場所として、地元の有力な観光資源となっているのだ。愛媛・今治と広島・尾道市を繋ぐ「しまなみ海道」にある道の駅では、長年集客に苦しんできた。6年前、立て直しに取り組んだのが株式会社しまなみの社長・村上秀人さん、目をつけたのが昨今ブームの自転車だ。実はしまなみ海道は自転車で渡ることができる日本でも珍しい大型の橋。村上さんは自転車乗りに便利な環境整備を着々と進め、徐々に自転車愛好家が集う道の駅として知られるようになってきた。村上さんはさらなる集客を狙い、自転車大国として知られる台湾に目を付けた。果たして、しまなみ海道に外国人を呼び込むことはできるのか…。今年5月、山口県周南市に道の駅「ソレーネ周南」が開業した。国や地元自治体が19億円を出資したこの「道の駅」は、住民に密着したサービスに取り組んでいる。周南市が考えたのが「生きがい支援」というコンセプト。お年寄りが作る農作物をわずかな量でも集荷して売ることで、生活に張りを持ってもらい、さらに買い物が不便な集落のために、生活に必要な商品を届ける配送サービスも行う。「道の駅」の新たな挑戦は、実を結ぶのだろうか。
「いつも通り、シロップ2個でよろしいですか?」常連客に気さくに声をかけながら、コーヒーを手渡し。セルフサービスが基本の他のコンビニと差別化を図り、コーヒーを通じて“接客”していこうというローソンの戦略だ。ローソンは今年5月、新浪前社長に代わり玉塚新社長が就任した。コーヒーのファンタジスタ制度は、玉塚さんが副社長時代から陣頭指揮をとって推し進めてきた。最近はコンビニの数が激増し、競争が激しい。「客に選んでもらうためには、今後“接客”が重要になる」と考える玉塚さん。コーヒーだけでなく、店舗全体で“接客”を心がけようと動き出した。兵庫県姫路市の広畑センチュリー病院。正面玄関で「コンシェルジュ」と呼ばれるスーツ姿の女性が笑顔で出迎える。外来患者にはおしぼりやお茶を提供し、入院患者には買い物を代行する。こうした患者への“接客”を重視しているのが、父親から病院を引き継いだ事務長の石橋正子さんだ。これまで病院は診療ばかりに目が行きがちな業界だった。石橋さんはCS(顧客満足度)委員会を設置し、医者や看護師を含む職員の接客や身だしなみ、言葉遣いなどをチェック。また、職員は外資系ホテルで研修を行う。神戸市にある近畿タクシー。同じ商圏には100社以上のタクシー会社がひしめき、ただ街中を走っているだけでは商売にならないという。そこで森崎社長が考えたのが、“接客”タクシーだ。例えば「神戸スイーツタクシー」。時間制の貸し切りで、予約客を乗せて神戸スイーツの店を巡る。ドライバーは運転するだけではない。「チーズケーキの美味しい店に行きたい!」といった乗客の要望に応じて、臨機応変に連れて行く店を変える。そのため、事前に様々な店の情報を頭に入れておくほか、乗客を楽しませるための接客術も学ぶ。新たな企画もドライバーたちが自ら考える。乗客を獲得しようと、“接客”に励むドライバーたちを取材する。
出産を機に6割の女性が退職するといわれる日本。労働人口が年々、減少していく中にあって、働きの担い手として注目されているのが“子育て中のママ”。しかし彼女たちは様々な事情で働きたくても働けない環境にある。そこで子育てと仕事を両立させたい女性の要望をすくいあげて、働きやすい環境づくりを進める様々な取り組みが始まった。子育て中の女性がいざ仕事につくと急な会議や残業も多く、保育園への送り迎えや家事など育児に影響を来してしまう。そうした時、ワンポイント・リリーフで安心して気軽に子どもを任せることができたら…。そんな女性の要望に応えるのが横浜に本社を構えるアズママだ。アズママのインターネット・サイトで個人情報を無料登録すると、近くに住むママたちの情報が一斉に検索可能となる。その中から我が子の世話をしてくれる人を募り、1時間500円でお願いすることができるのだ。このサービスは、行政が補いきれない働くママの悩みを解決する画期的なシステムとして、いま注目を集めている。「週に2?3日、残業がなければ、自分の能力を活かした仕事に就きたい」と考える子育て中の専業主婦が多いという。そこに目をつけ、2年前、「離職する前の会社で高いスキルを身につけた主婦」を対象に人材派遣を始めたのが、東京・新宿にあるビースタイルだ。こうした女性のパワーに、企業が注目し始めた。東京・江東区にある老舗割烹料理の升本。四代目の塚本光伸さんは、本店で出すコース料理の器を一新したいと考えていた。だが、優秀な仕入れ担当者をフルタイムで雇う余裕が会社にはない。そんな時、ビースタイルから、銀座・和光で和食器のバイヤーとして部下8人を率いていた主婦を紹介してもらうことに。果たして、その結果は?
モノを買う消費者の目が厳しい時代、新しい発想の売り方が模索されている。生き残りを賭け、常識とは逆の発想で客をつかもうという企業の挑戦を追う。今、加盟店を急激に増やしている家電販売チェーンが、名古屋市が拠点の「コスモス・ベリーズ」。その加盟店の店づくりは、変わった特徴がある。例えば愛知県西尾市の「はず店」には、家電の展示が少ない。代わりに、ソファを置くなど、客が団らんできるスペースが作られている。そこで最新家電などを薦めるというのだ。そして、家電製品の仕入れ先は、何と家電量販店ヤマダ電機。在庫を持たずに済む上、仕入れ価格もヤマダ電機がメーカーから仕入れる価格と変わらないため、メーカーから直接仕入れるよりもだいぶ安い。家電を売るためにライバルと組むという?逆転の発想?から生まれた販売戦略だ。ヤマダ電機にとっても、自らの販売網に引っ掛からない地域に手が届くメリットがあるという。さらに、コスモス・ベリーズが街の電気店以外にも、家電を売るために力を注ぐパートナーとして目を付けたのが異業種…果たして成功するのか。
アイスやドーナツなど、デザートの包装容器を製造する伊藤景パック産業。創業100年を超える老舗企業だ。ところが、取り扱うのは紙やプラスチック製の使い捨て商品。難しい技術も必要ないため新規参入も容易で、中国製の台頭もある。このままでは生き残れないと、新たに開発したのがデザイン性の高い紙の食器「WASARA」だ。商品はコップや皿、お椀。。。業界の常識を覆す発想によって、陶器のように見える質感を作り出した。値段は1つ約100円で「使い捨てなのに、高い」。ところが、そこに需要があった。パーティや高級レストランで使われるようになり、外国人にも人気だ。いま、さらに高級なWASARAの開発が進められているという。一体、どんなものなのか?日本製のメガネの8割以上を生産しているという、福井県鯖江市。戦後の高度成長期に一大産業として発展し、最盛期の1991年には、メガネ関連の会社は約900社にものぼった。しかし、バブル崩壊後、安い中国製のメガネが台頭するなどして、価格競争の波にさらされてしまう。関連の会社も次々と倒産してしまった。その鯖江市で新たに開発された老眼鏡が、いま異例の大ヒットとなっている。その名も「ペーパーグラス」。人気の秘密は折りたたむと2ミリになるという、薄さだ。老眼鏡は、それほどデザイン性や機能が重要とされないため、100円ショップでも売られているほど。ペーパーグラスは1万5000円ほどするのに、注文が殺到しているという。ペーパーグラスを開発した西村金属は1968年に創業し、メガネ用のネジや蝶番などの部品を作ってきた町工場。市内にある10社の関連企業の技術力を結集して作り上げたという。鯖江市の逆襲となるのか?
増税などの向かい風が吹く中、今、単なるコラボというレベルを超えて、様々な企業が生き残るための共同戦線を張っている。例えば、モスバーガーとミスタードーナツ。互いの商品の強みに加え、店が賑わうピークの時間の違いを、うまく組み合わせれば相乗効果があるとして、広島で実験的な合同店舗、「モスド」を展開している。そして5月には、モスドブランドで、新商品を発表。果たして成功するのか? また、コンビニのファミリーマートと、「カラオケDAM」を運営する第一興商も。両社が手を組んだ一体型店舗を、4月に東京・蒲田駅前でオープンした。入口は1つで、右を向くとカラオケルーム。左を向くとファミリーマートの店舗。正面のカウンターには、カラオケの受付とコンビニのレジが共に設置されている。カラオケルームは、飲み物・食べ物の持ち込みがOK。カラオケの利用客に、コンビニで弁当や総菜・菓子・飲み物などを購入してもらうのが狙いだ。コンビニ業界は好調とはいえ、出店競争が激しく、弱点となっている顧客層の開拓は必須だ。一方で、カラオケ業界も、いかに効率よく店舗数を拡大していくかが大きな課題。今回の共同店舗では、出店コストを大幅に削減できるという。スタートすると、意外な客層で賑わっていた。更に、百貨店業界トップの三越伊勢丹ホールディングスと全国2万以上の郵便局を持つ日本郵便が共同で、新たな通販カタログ事業に乗り出した。三越伊勢丹側のバイヤーが選りすぐった衣料品などを、全国の郵便局を通じて販売する。日本郵便は、三越伊勢丹と組むことで、そのブランド力と商品力を高める狙い。一方で、三越伊勢丹側は、全国隅々まで網羅する郵便局のネットワークで、とりこぼしていた地域の需要を掘り起こしたい考えだ。百貨店側の目論見通り、地方に眠る商機は掘り起こせるのか…互いの強みを生かしながら、弱みを補い合って時代を生き抜こうとする企業の取り組みを追う。
人気のスーパー「成城石井」。輸入食材や自社製の総菜・加工品など、こだわった独自の品揃えが特徴だ。今、成城石井は、都心の駅ナカやコンビニ並みの小さなスペースに積極的に出店している。しかし都心の店舗は、売り場面積に限界がある。そこで、場所や客層に応じて力を入れるカテゴリーと、省くカテゴリーを選択するのだ。例えば駅ビルにある錦糸町の店舗では、生鮮食品が無い代わりに、仕事帰りのサラリーマンやOL向けに、簡単に食べられるレトルト食品や酒、さらにつまみを充実させている。選択したカテゴリーは豊富な品揃えをするため、総商品数はコンビニの倍になるという。今年出店する15店舗のほとんどが都市型の店舗。5月下旬にオープンする南青山店もその一つ。出店前には担当者が徹底的に現地をリサーチ。東京・南青山はブランド店が立ち並ぶなどオシャレな街のイメージが強いが、団地や一軒家なども多いことが分かった。さらに、コンビニは多いがスーパーなどはあまり無く、地元の人は買い物に困っていると分析。そこで目玉コーナーとして肉の対面販売コーナーを設置する事にした。一方、東京・麻布十番の店にはさらなる新戦略が・・・。一階はスーパーだが、その2階に成城石井初の外食業態となるワインバーを出店。そこで出すワインや料理の食材を、1階のスーパーでも売るという戦略だ。逆に、スーパーで販売に力を入れたい食材を使って、ワインバーのメニューを作り客にアピールする事も・・・。さっそく相乗効果も現れ始めている。原昭彦社長は「簡単には真似できないビジネスモデルで他社と差別化を図っていきたい」と話す。一方、いま東京では人口の都心回帰が進んでいる。マンションの再開発などが進み、新しい住民が増えているのだ。その変化に対応したいと考えたのが、上野・御徒町で店を構えるディスカウントストアー「多慶屋」。創業から67年、家電から仏壇、豆腐に至るまで、あらゆるものを取り扱い、常連客に愛されてきた。しかし店とともに客も年を取り、客の7割が50歳以上。売り上げも年々減る一方だ。そこでこの春、創業以来初となる新店舗を作って、若い層にアピールする事にした。店づくりを任されたのは若いスタッフ達。新店舗の食品売り場を任されたのは29歳の菊地佳代さんだ。しかし、4月下旬のオープン後もなかなか20代、30代のメインターゲットの売り上げは伸び悩む。特になんとかしたいのが、お茶売り場。本店では高齢者を中心に年2億円を売り上げるが、若い人たちに売るには工夫が必要だ。そこで菊地さんは、お茶を使ったラテを考案。さらにラテを作るキッチン用品を使って実演も・・・。こうした努力の結果、お茶が予想以上に売れた。きっかけをつかんだ菊地さん。「お客さんからのニーズを待つだけでなくこちらから仕掛けていきたい」。街の変化とともに、店も変わる取り組みは始まったばかりだ。
4月の消費増税で、消費は落ち込む…そうした予測の中、各企業は、客を呼び込もうと戦略を探っている。大手ファミレスのデニーズは、4月からメニューの8割を刷新。価格戦略も「実質値下げ」「改良し値上げ」「高価格帯の目玉新メニュー開発」と対応。蓋を開けてみると、2000円近くするメニューが予想外に好調だという。また、390円だったパンケーキも、高さを倍にして500円と大幅に上げた新メニューが、売り上げを大きく伸ばしている。この状況を受け、デニーズはパンケーキを更にバージョンアップさせる方針。一方、百貨店では、4月の売り上げが全体的に減った一方、好調な売り場があった。それがデパ地下の弁当だ。東京駅に隣接する大丸東京店では、1500円〜2000円前後の高級な弁当が人気で、前年を上回る売れ行きだという。購入するのは、出張のビジネスマンを始め、ファミリー層や高齢者、更に企業の会合用、近隣に勤めるOLのランチや夕食用など様々。想定外の消費者の“変化”を受け、百貨店側が打った次の一手とは…。一方、総合スーパー大手のイトーヨーカドーは、主力の食品事業が、近年売り上げが減少傾向。考えられたのが、職人たちが手間をかけて作る、新しいタイプのプライベートブランド(PB商品)「つくるものがたり」。PB商品といえば大量生産・低価格が主流だが、「つくるものがたり」は手間がかかる分、数も限られ価格も高くなる。しかし、今年2月から試験的に始めると、予想を上回る人気に。例えば豆大福は、創業53年の和菓子メーカーと組んで、素材や手作業の製法にこだわった。価格は1個150円と、既存商品の2倍程度だが、当初想定の3倍を売り上げ。5月からは新たに、おぼろ豆腐を販売するため、人気豆腐「波乗りジョニー」のメーカーと組んだ。イトーヨーカドーでは、「つくるものがたり」を食品事業の目玉にするために、今年度中に200品目まで急ピッチで増やす方針。脱低価格時代を探りながら次の戦略を模索する、企業の試行錯誤を追う。
日曜大工用品や園芸用品、日用雑貨などを販売するホームセンター。店舗数はこれまで右肩上がりで増え続け、いまでは全国に4500店以上もあるという。ところが、店が増えたことにより、最近ではホームセンター同士の集客争いが激化。家電量販店や100円ショップなど、他の業界との競争にもさらされている。そんな中、ターゲットを絞り、特色ある店を作ることで、客をつかもうという動きが出てきた。ホームセンターの最新の戦略を取材する。
3月30日に国際線が大幅に増便された羽田空港。世界23都市と1日最大77便で結ばれる事になった。都心からの移動は成田より便利な上、今回の増便で昼間の時間帯に出発する欧州・東南アジア便が登場するなど、利便性が大幅に増した。ANAが新規就航させた羽田ーハノイ線を利用した中小企業の社長を追ってみると、成田へ行くより移動時間が1時間程度短縮。現地には正午頃に到着できたので、午後まるまる仕事をし、夜には現地社員達との会合も持てた。翌日も午前いっぱい仕事をし、午後9時ごろ羽田着。交通の便もよい羽田なら問題なく帰宅できる。”羽田から海外へ”という動きが加速していた。これを大きなビジネスチャンスと捉えているのが旅行会社。HISは羽田発の海外ツアーを続々と企画していた。特に欧州路線は、これまで深夜出発しか無かったが、昼間の出発便も登場。現地滞在時間も長くなり、ツアーもより魅力的になった。また、ツアーの企画にも変化が。多くの航空会社が羽田便を増加したことで座席数も大幅に増えた。そのため直前になって旅行会社にリーズナブルな価格で割りふられる座席も増えたのだ。そのかわり、出発は間近。そこで、1時間足らずでツアーを組み、リーズナブルな価格ですぐに売り出すという取り組みを始めていた。さっそくシンガポール2泊4万9800円というツアーで旅を楽しむ人が・・・。空の旅も大きく変わっていた。一方、羽田の国際便が増えた事で、地方空港にも変化が現れている。実は地方空港から、ソウルや台北、上海などを結ぶ国際線が数多くある。こうした客を追っかけてみると、ソウルの仁川空港などから、別の目的地に乗り継ぐ人も多い事が分かった。地方空港からだと、アクセスの悪い成田から海外へ飛び立つより、ソウルに直接飛んで乗り換えた方が楽なのだという。しかし、羽田の国際線増便以後、富山空港を取材してみると、羽田経由で海外へ出かける人が増えていた。逆に、海外から羽田を経由して富山に来る人たちも増加していた。これをチャンスと見たのが富山県の観光課。羽田の乗り換えが便利になったことをPRすれば、富山に来る外国人客も増えるはず。観光課の荻布さんが仕掛けたのが、外国の航空会社の日本支社長クラスを富山に呼び、直接PRする視察ツアー。4月中旬、富山にやってきた支社長たちに、富山特産の魚介類にこだわった寿司を振る舞い、さらに名所を案内したところ大好評。羽田の変化で地方にも新しい流れが出来始めている。
リタイア後、悠々自適な生活を送るためにつくられた、日本初の本格的なシニア用分譲マンション「スマートコミュニティ稲毛」。 高級ホテルのような作りと、毎日開かれる趣味の教室が人気だ。ゴルフ、フラダンス、和太鼓にコーラスなど、その数は30以上。さらに夕食は、老舗日本料理店「なだ万」監修の懐石風料理も食べられる。現在2棟だが、来年までに全部で5棟に増える予定だ。社長は、ゲーム会社から転身した染野正道さん。初期投資は大きくても、利用者拡大で回収していく、ゲームビジネスに似ているという。一見、順風満帆…しかし、オープンから4年目の今、異変が起きていた。設立当初は考えられなかった不満が出始めているという。対応を迫られる社長…常識とは違う“理想郷”を探る動きを追う。一方、介護の業界で、型破りな施設が注目を集めている。一般的な福祉施設では、手すりを設けたり段差を無くす「バリアフリー」が常識だが、山口県に本部があるデイサービスセンター「夢のみずうみ村」では、階段や段差など日常の障害物を、あえて配置。常識と真逆の発想で、これを「バリアアリー」と呼ぶ。さらにスタッフは、利用者をすぐに手伝わず、あえて見守ることを徹底。代表の藤原茂さんは「介護しない介護」と訴える。もう一つの特徴が、ギャンブル性の高いメニューで、中でも利用者に大人気なのが「カジノ」だ。他にも、ダーツや輪投げまであり、そこでは「ユーメ」という施設内通貨がやりとりされる。金銭感覚が刺激され、認知症の予防にもなるという。こうした様々なリハビリで、介助なしでは立てなかった車いす利用者が、1年半で歩けるまで回復した例もある。しかし、利用者の要介護度が軽くなると、「収入が減る」と言う経営的な矛盾も。全国にこの?バリアアリー?を広げたい藤原代表の次の一手は…高齢者本人だけでなく、働き盛りの息子・娘世代にも、親の老後生活と介護は心配。ユニークな試みの中で、生き生きとした自分を取り戻そうとする人々の奮闘を伝える。
植物工場メーカーの「みらい」は、モンゴルに初めて植物工場を輸出した。厳しい自然環境でも、一定の室温を保ち、人工光や養分濃度を独自ノウハウで調整するという日本で培ったシステムを導入。万が一の場合は、日本から遠隔操作も出来るという最新のシステムを構築した。1月下旬、本格出荷。冬場はほとんどが中国から輸入された鮮度の落ちる野菜を売っていた市場に、取れたてのレタスが並んだ。中国産の1.5倍の値段ながら飛ぶように売れていく。今後はロシアにも輸出する予定だ。
4月1日から消費税が8%になることを受け、「そのまま増税分を価格に転嫁する」か、「税込み価格を据え置く」か、あるいは「敢えて値下げする」か…各企業は対応に頭を悩ませる。 ファミリーレストラン大手「デニーズ」は、ほとんどのメニューを刷新。消費税の転嫁分を新商品の魅力で補い、客離れを食い止める狙いだ。また、地方の人気スーパーでは、目玉商品の価格を抑えるため、陳列や配送などの作業工程を、専門の「カイゼン部隊」が見直し。懸命なコストダウンを図る。消費増税を機にした、価格決定の裏側を伝える。
回転寿司業界に今、大きな変化が起こっている。業界2位「かっぱ寿司」。低価格路線でかつて業界トップだったが、他社との競争激化でここ最近は不振が続く。そんな中、業界5位の「元気寿司」と業務提携に乗り出す事になった。その元気寿司が今押し進めているのが新業態の「魚べい」。回転レーンが無いかわりに、注文専用レーンが3列。客から注文が入ると、店内で加工したネタと1日4回炊くシャリで作った寿司を平均1分30秒で届けるなど、”ネタの鮮度”を武器に人気を集めている。その元気寿司の法師人尚史社長がかっぱの改革も担う事になった。大型店舗を得意とするかっぱと、鮮度にこだわる元気のノウハウが合わされば、生まれ変わるのは可能だと法師人さんは考えていた。法師人さんと共に現場で改革に取り組み始めたのが、かっぱ寿司の福島・北関東エリア責任者・鈴木康一さん。元気流の鮮度を実現するため、ネタの処理やシャリの炊き方を変えるなどやれる事から始めた。さらに、本体では目玉商品の開発も始まっていた。創作寿司や一貫189円の大トロなどを投入することに…。その一方で店舗作りの改革も始まった。鈴木さんが担当する店舗が、リニューアルを迎える事になった。元気のノウハウを取り入れて新しい店舗にし、客を呼び戻そうという。
ネット通販が拡大し、さらに、実際の店舗に客が足を運んでも、スマホで価格を調べて安いネット通販で買う、いわゆる?ショールーミング?も広がっている。こうした状況に企業は、実際の店舗でどう商品を買ってもらうか、頭を悩ます。そこで、目の前の客の心をつかんで買う気にさせる、接客に力を入れる企業に注目。訓練された?技?や、客の無理難題に近い要望にも応える?安心感?を磨くことで、店の魅力を徹底的に高めようとする企業の取り組みを伝える。九州エリアで拡大を続けているハンズマンは、1店舗当たりの商品数が21万点、平均的なホームセンターの4倍と言う圧倒的な品ぞろえが特徴だ。その人気を支えるのは、何を取り扱うべきか、顧客の要望に細かく応える店員だ。コピー用紙のばら売りや、商品の部品だけ欲しいと言う、客の“わがまま”にも「No」とは言わず、要望通りの商品が無ければメーカーと掛け合って作ってもらうことも。こうした対応や、提案力が店員の人事評価=給与にも反映され、接客力強化に繋がっていると言う。牽引する大薗誠司社長が描く、独特の戦略と狙いを探る。一方、東急ハンズは、店頭販売の競争力が落ちていくことに危機感を抱いていた。そこで、力を入れたのが「実演販売」。売り場経験15年以上のベテラン社員を選抜して専任チームを結成。客の心を掴みながら、商品の良さをアピールする技を、徹底的に訓練する。リーダーの男性社員が実演販売すると、店に置いておくだけでは1日数個しか売れない商品が、70個以上売れることもあるという。ポイントは、商品を使った時の喜びを客に知ってもらうこと。チーム唯一の女性店員も、初めて担当商品を任され、いざ実演販売。しかし、客が目の前を通り過ぎるだけで、足を止めてもくれない。悩む彼女に加藤さんが「通行人をお客様に変える瞬間」について手解きをする。その接客術の極意とは。
第二の医師人生として、へき地に赴く医師たちがいる。静岡県西伊豆町にある田子診療所。この診療所で地元の人たちの診療をしているのが、笹井平さん、60歳だ。笹井さんは大学の医学部を卒業後、企業で医薬品などの研究を行ってきた。50歳を過ぎた時に人生を振り返り、学生時代に「へき地とか医者のいない所へ行くんだ」という志を持っていたことを、ふと思い出したという。そして、医師の再研修を行う地域医療振興協会のプログラムに参加。数か所の病院で診療現場を経験し、総合医療に対応できる力をつけてから、6年前、田子診療所に赴任した。担当する田子地区の住民は約2500人。高齢化率は50%の漁村で、医師は笹井さん1人しかいない。外来だけでなく、寝たきりの患者の往診も行い、携帯に連絡があれば夜中でも患者の自宅に駆け付けるという。耳が遠くなった高齢者や聴覚障害者などが、家の中でインターホンや電話の呼び出し音を把握できる製品がある。「シルウォッチ」と呼ばれる腕時計型の受信機だ。それを開発したのが、東京信友という企業の社長、斎藤勝さん、84歳。自らも重度の聴覚障害を持つ斎藤さんは、建設会社などで働いてきた。65歳を過ぎた時(66歳の時)、日常生活を支えてくれた妻が亡くなり、生活の不便さを改めて痛感。「同じように苦労している人たちのためにも」と、シルウォッチの開発に乗り出した。3年かけて完成させた商品は多くの人に受け入れられ、「本当に生活が一変しました」などと、使用者から感謝の手紙が殺到したという。実は、「ガイアの夜明け」では、2年前にも斎藤さんを取材。その後、シルウォッチが進化を遂げていると知り、今回、改めて取材することにした。「まだまだ人の役に立つ商品を開発し続けたい」。そう語る84歳のさらなる挑戦を追う。
都内を中心に9店舗を展開するステーキ「くに」。肉はもちろん、客の目の前で肉を切るオーダーカットなど人手がかかるサービスが売りの本格的なステーキ店だ。しかしここ最近、アルバイトが集まらず困っていた。「くに」の創業者で、外食チェーン「ペッパーフードサービス」社長・一瀬邦夫さんが次に仕掛けたのが、”立ち食い”ステーキ店だ。少ないスタッフでも運営できるよう効率化を進め、「くに」と同じ肉を半額で提供できるようにした。出だしは上々で今年中に10店舗まで増やす計画だ。一方、全国展開する飲食チェーン「リンガーハット」。長崎ちゃんぽんでおなじみだ。ここも人不足に悩んでいた。店舗改革の責任者、執行役員の山?繁樹さんは”セルフ”店を試す事に。ショーケースに様々な具材を置き、自在にトッピングできる「myちゃんぽん」という仕組みを取り入れた。客の評判もまずまず。スタッフを減らす事が出来た上に、客単価が10%上がるなどの効果も…。さらに効率化を狙う山?さん。次は佐賀の自社工場へ。ここは店舗で使う調理器具を開発している。ここに効率よくちゃんぽんを煮込む事が出来る機械を依頼していたのだ。いま使っているIH調理器は横に長く、スタッフが2人必要。さらに冷凍麺を煮込むため、沸騰までに時間がかかっていた。新型機は鍋が円形に移動するようにしてコンパクト化。これで1人で調理できるようになる。さらに、麺を自動で解凍する機械も同時に開発し、これまでの半分の時間でちゃんぽんが出来上がった。人不足に悩む各店舗に出来るだけ早く投入する予定だ。外食の中でも、特に人材獲得に苦労しているのが居酒屋業界。居酒屋「山内農場」などを運営するモンテローザが導入したのがアルバイトへの祝い金制度。14日間勤務したら6000円を支給するというもの。同じく居酒屋「塚田農場」などを展開するAPカンパニーは、学生のために就職活動支援に力を入れる。就職活動を機に辞める学生バイトが多いため、月1回無料セミナーを開いたり、実際の人事担当者がマンツーマンで模擬面接もしてくれるなど、バイトを続けながら就活できるようにするのだ。秋葉原の店ではこの半年間だれも辞めていないなど効果も出ている。さらに一般の企業に呼びかけて、自社のアルバイトを就職活動で優遇してもらえるよう働きかける事まで…。人手不足の外食業界、各社の新たな取り組みが一層加速している。
去年、訪日外国人旅行者数が初めて1000万人を突破した。2020年には東京オリンピックの開催も決まり、ホテル業界は活気づいている。そんな日本に、今年、外資系ホテルが続々と開業する。外国人旅行者は増えている一方で、それを獲得しようというホテル間の争奪戦も激しくなっているのだ。世界的に知名度の高い外資系ホテルに、日本のホテルはどう対抗していくのか。新たなホテル戦争を追った。西武グループの傘下にあり、全国に40のホテルをもつプリンスホテル。かつてのバブル期には、スキー場などのレジャー施設と一体開発したリゾートホテルや、「赤坂プリンスホテル」に代表されるシティホテルがトレンディスポットとして人気を博した名門だ。しかし、近年、顧客は固定化し、宿泊客数も頭打ちとなってしまった。そこで目をつけたのが外国人旅行者だ。しかし、国内では“名門ホテル”だが、海外では知名度がほとんどなく、外国人の宿泊客を受け入れるノウハウも十分ではなかった。そこで去年、世界的なホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルと業務提携。マリオットのもつ国際基準のサービスと、外国人客を獲得するノウハウを学ぶ事にしたのだ。初めて外資系と提携することで、復活の足がかりとなるのか?一方、北海道の北端に近い町「歌登」。かつて賑わったスキー場はバブル崩壊でなくなり、スーパーマーケットや学校も次々と閉鎖された。人口は最盛期の3分の1の1900人ほどに減るなど、過疎化が進む町だ。そこにある唯一のホテルに、いまタイ人の観光客が殺到している。その数は年間1300人ほどという。その秘密は、事前に旅行会社と相談し、徹底的に宿泊客の要望に応えるというサービスにある。宿泊客には浴衣を着てもらい、鮭の解体ショー、寿司握り体験、流しソーメン、茶道教室・・・さらには雪を見た事がないタイの人たちに雪像作りやソリ滑りを楽しんでもらう。ホテルが提供する様々なイベントが「観光資源」となっているのだ。さらに、いま、ホテルと町が一丸となって新たな取り組みをしているという。
いま人気の弁当の宅配サイト「ごちクル」。その秘密は、行列のできる有名店や一見さんお断りの割烹といった店の味も弁当で宅配してくれること。「ごちクル」運営のスターフェスティバルは注文、配達、さらに弁当の開発も一緒に行うという独自のビジネスモデル。提携する店は560店に上る。そんな中、東京・六本木の焼き肉店「ビーフマン」が新たに弁当開発に乗り出す事になった。さっそく弁当開発チームの野澤和泉さんが店へ。店の料理長、遠藤さんと相談した結果、極上カルビや牛ホホ肉のワイン煮などを弁当にする事に。しかし試作品を見た野澤さんは盛りつけが寂しいと指摘。「弁当は見た目が命」だという。さらに熱々だとおいしかったカルビを食べたところ、冷めて脂がしつこいと感じるようになっていた。そこで野澤さんは肉の下にキャベツを敷いて、脂を吸わせることを提案。次なる関門は、スターフェスティバルの岸田祐介社長による試食。5種類が提案されたが、牛ホホ肉については色が黒すぎると指摘。写真でおいしそうに見えないからだという。再び店と二人三脚で解決策を探る野澤さん。2日後に開かれた最終試食会で、牛ホホ肉にクリームをかけるなど見た目を改善。無事商品化が決まった。
12月20日、千葉県の海浜幕張駅近くに「イオンモール幕張新都心」がオープンする。19万2千平方メートルという広大な敷地に、「大人」「家族」「スポーツ&家電」「ペット」とテーマを分けた4つのモールが開業。約360店が集結する。全国に展開するイオンモールの中でも最大規模となり、“旗艦店”に位置付けられる。このモールの特徴は“時間消費型”だという。ただ買い物ができるだけでなく、仕事を体験できるテーマパークや、お菓子作りを体験できる店、調理の様子が見えるフードコートなど、様々な体験ができる店を揃える。これまでイオンモールは、地方都市の郊外を中心に出店してきた。それがいま、大都市近郊にも進出し始めている。イオンモールの出店戦略と、“時間消費型”というモールづくりの手法に迫る。イオンモール幕張新都心の開業に神経をとがらせるのが、「ららぽーと」を展開する三井不動産だ。千葉県船橋市にある「ららぽーと東京ベイ」は1981年の開業以来、延床面積を拡大し、リニューアルを繰り返すことで「客に飽きさせない」店舗づくりを目指してきたという。30年間、売り上げは右肩上がりで、年間の来館者数はいまや東京ディズニーリゾートに匹敵するほどだ。しかし、わずか5キロの距離にイオンモール幕張新都心が開業。ららぽーと東京ベイの商圏は平日で10キロ、休日で20キロとされるため、今後、激しい集客争いが予想される。ららぽーとは11月、約50店舗が入る西館をリニューアルオープンさせた。来春には南館もリニューアルする計画だ。果たして、ららぽーとは、どんな戦略でイオンを迎え撃つのか。
東京・日本橋。仕事帰りのサラリーマンでにぎわう居酒屋がある。店名は「北海道厚岸」。北海道の東南に位置する港町、厚岸町のことだ。メニューには、特産のカキなど、「厚岸産」の文字が並ぶ。店内には、厚岸町長からの挨拶文も張り出されている。この店の姉妹店は、「佐賀県三瀬村」「青森県むつ下北半島」「北海道八雲町」。いずれも、地方の町や村の名前を冠にした“ご当地酒場”だ。仕掛け人は、合掌智宏さん、36歳。「都内には都道府県のアンテナショップがあるが、そこでは紹介されない美味しいモノが、地方にはまだまだ埋もれている」。合掌さんは、そうした小さな町や村に徹底してこだわることで、「町や村そのものをブランド化」して売り出すことにした。合掌さんのもとには、いま全国の市町村から、居酒屋を出してほしいとの依頼が殺到している。町や村の宣伝になるだけでなく、特産品の安定した供給先となるため、地元の農家や漁師の期待も高いのだという。新たな店のオープンを通じて、町や村をブランド化する手法を取材する。熊本県阿蘇市。阿蘇の外輪山によるカルデラの中に町がある。昭和の時代には観光地として栄え、新婚旅行で訪れる人などで賑わった。しかし、年々、観光客が減り、いまではすっかり寂れてしまった。そこで、佐藤義興市長を中心に、観光客を呼び戻すためのプロジェクトが始まった。その第一歩が“阿蘇ブランド”づくりだ。阿蘇には、ベーコンや牛乳、溶岩プレートなど、優れた特産品が沢山ある。ところが、これまではバラバラに販売していたため、“阿蘇の特産”というイメージが作れずにいた。そこで、市が認定した阿蘇の特産品を、「然」というブランドで統一して売り出すことになった。この「然」ブランドに、いま、企業も注目。阿蘇市と企業がコラボレーションした商品開発も始まった。町の再生をかけた、“阿蘇ブランド”の開発を追った。
がんを内視鏡で切り取る手術で注目を集めているのが刃渡り2ミリの極小ハサミ。腫瘍を確実に切り取れると、医療現場の評価も高く、全国700の病院で採用されている。長野・岡谷市の「リバーセイコー」。創業者でハサミの生みの親でもある西村幸さんはがん患者。番組では2年前に取材していたが、5年後の生存率は50%と宣告されながらも、自分と同じがん患者を一人でも助けたいと奮闘していた。再び訪ねてみると、西村さんは健在。今没頭していたのが、外国人用のハサミだ。極小ハサミの開発パートナーでもあり、その手術の第一人者の本間清明医師から、ブラジルで手術する用のハサミの依頼が来ていた。一般的に外国人の内臓は脂肪が多く、滑ってしまうので刃渡り2ミリの中にギザギザを入れてくれという。西村さん、レーザー加工機を使って、手作業で刻みを入れ始めた。3週間後、見事に30以上の刻みが入ったハサミが出来上がっていた。6月、ブラジルのポルト・アレグレ。本間さんが直腸がんが再発した61歳のブラジル人女性の手術をすることに。当初は通常のハサミを使うが、徐々に内臓脂肪によって切れ味が悪くなってきたところでギザギザのハサミを投入。厚い脂肪をもろともせず、腫瘍をつかんで切る事が出来た。手術は無事成功。西村さんのハサミが海外の人を助けた瞬間だった。11月西村さんを訪れてみると、新工場を立ち上げていた。生産量を増やすとともに、世界中の人に合ったハサミを開発するためだ。「がんは世界共通。一人でも多く助けたい」。一方、新生児用の人工呼吸器を作る町工場、埼玉・川口市の「メトラン」。普通の呼吸器は一度に多くの空気を送るが、メトラン製は、毎分900回に細かく分けて空気を送るため、新生児の未熟な肺も傷つけない。全国の新生児集中治療室の9割に採用されている。創業者の新田一福さんの本名はトラン・ゴック・フックさん。ベトナム生まれだ。留学生として来日するが、ベトナム戦争の影響で日本に帰化。その後、自ら人工呼吸器のベンチャーを立ち上げた。そんなフックさんのもとには海外からの引き合いが増えている。自身も孫を持つフックさんは「子どもに人種の差はない。日本と同じ医療を受けさせてあげたい」と話す。10月、フックさんは祖国ベトナムにやってきた。メトラン製の呼吸器もごく一部で導入されているが、現地価格で700万円するため、普及はまだまだ。そこで部品を作る現地工場で、コストダウンした新型機の開発も進めていた。その1号機が完成し、ホーチミンの病院でまずは無償で使ってもらう事にした。すぐに未熟児の命を救った新型機。現場の評判も高く、普及の第一歩を踏み出した。さらにベトナムに新工場を建設していたフックさん。今後は日本の工場と合わせて世界中の小さな命を救っていく予定だ。
ガイアの夜明けが追い続けてきた町工場の底力。今回は4つの町工場、その後の闘いを追う。三重県の錦見鋳造。機械部品の下請けを続けてきたが自らの製品を作りたいと、鉄鋳物で1.5mmというこれまでにない薄さを実現したフライパンを開発。「魔法のフライパン」と名付けた自信作は、プロから一般の主婦まで幅広い人気を集め、今や30カ月待ちの状態に・・・。この待ちを解消すべく社長の錦見泰郎さんは「自動鋳造機」を開発中。ボタン一つでフライパンが出来上がるという。さらに薄く軽くしたいという研究も同時に進めているが、あともう一歩。この自動鋳造機が出来れば、人員を新商品開発に振り向け、さらに世界にも自社製品を売っていきたいと夢は広がる。一方、自在に形が変わる器で世界の人を驚かせている町工場がある。富山県高岡市の能作だ。もともと銅の鋳物で仏具を下請けで作ってきたが、柔らかくて変形しやすいという欠点があったスズに目を付け、逆に曲がる器として売り出したところ大ヒット。その後工場を訪れてみると、今度は富士山のぐい飲みを開発していた。今回は曲がるという特徴ではなく、富士山の火口や山肌などを忠実に再現した精巧さが売り。スズはサラサラと溶けるためどんなに細かな型にも流れ込むという特徴を生かし、伝統の鋳物技術で生んだ逸品だ。これもさっそくヒットに・・・。さらに桜島の焼酎カップなどを開発。技術とアイデア、そしてデザインを加味した、新たなものづくりを今後も進めていく予定だ。さらに、鋳物技術を生かし、鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」を開発した愛知ドビー。高い密閉性を持つため、素材の水分だけでおいしく調理できる無水鍋として大人気だ。しかし無水調理は難しいというユーザーの声を受け、工場の一角をキッチンスタジオにして調理法などを研究。レシピ本をまとめるなど、ものを作るだけでなく、よりユーザーに寄り添った取り組みを強化していた。また現場にはここ3カ月で新人を15人雇い入れたり、海外展開をにらんでフランス人を採用するなど、鍋を通して町工場自体も変わろうとしていた。最後に紹介するのは栃木県岩舟町のグローバルエナジー。もともと自動車部品の下請け工場を経営してきた鈴木政彦さんが立ち上げた。風力発電に使われる羽根を製造している。試行錯誤の末、独自の技術で「回り続ける」風車を研究し、東京の八丈島やいくつかの企業が採用してくれるようになった。そんな鈴木さんの風車を韓国のベンチャーがライセンス購入するなど、海外にも可能性が広がり始めている。現在、より巨大な風車の羽根を開発中の鈴木さんは「諦めなければ夢はかなう」という。小さな町工場の大きな戦いはこれからだ。
時代に合った新しい働き方や人材の活用法に注目する。タマノイ酢では、夢がある若者に5年間限定で働く場を提供するキャリア制社員という制度がある。教員や声優志望など、毎年20人前後の若者が入社し、社員の2割を占めるという。働く側にとっては、きちんとした社会人経験を積めるというメリット。会社側も正社員の刺激になり、双方プラスになっているという。また、多くの企業にとっての悩みが社員の内向き志向。グローバル化が進む中、海外で働きたいという人材が育っていないのが現状。そんな中、注目を集めているのが「ミッションコンプリート」という研修だ。新興国に送り込まれ、5日間に渡って毎日与えられるミッションをクリアしていくというもの。現地人の意識調査から、ビジネスモデルの提案、さらには現地の人を使った自社CMをつくる事まで・・・。今回、ベトナムでの研修に参加したのが日本ハムの若手社員2人。最初はなかなか殻を破れず結果を出す事が出来なかった。しかし「今までは大企業で、決まったシステムの上で仕事をしてきた。何がなんでも、という気持ちが薄かった」と気づいてからは積極的に現地人と交流するなどして成果を出す事が出来た。今では海外に興味を持つようになったという。その一方、大手企業を辞め、チャンスを求める若者が集まった企業グループがカンボジアにある。飲食やITなど10の事業を展開する「トライアジア」だ。これらの事業を日本人の若者がそれぞれの責任者となって展開している。グループのCEO横井朋幸さんは「自分の可能性に挑戦していきたいという日本の若者に活躍の場を与えたい」と話す。大手メーカーを辞めて去年やってきた吉田剛さん26歳。「日本では5年先、10年先の自分が見えてしまう。ここでは1年先も分からない。だからこそ面白い」。さっそく家具事業の立ち上げを任される事になった。用地の確保から建設、さらに雇用まで4ヵ月で立ち上げなくてはならない。すぐに用地を確保し建設を始めるなど順調に動き始めたが、従業員が集まらないという課題が・・・。日本ではチームで働いていたが、ここでは自分で状況を切り開かなくてはならない。その後、従業員用の寮を自ら確保。遅れ気味だった建設現場にも積極的に足を運び、何とか間に合わせる事が出来た。すっかりたくましくなった吉田さん。今後は工場の経営に加え、更なる新しい事業も任される予定だ。
中古のブランド品の販売で知られるコメ兵。いま頭を悩ませているのが商品の仕入れ。実は客が店に持ち込んだ中古品を買い取るというこれまでのやり方では、商品が十分に集まらなくなっている。そこで、今年8月に通販サイトの「ベルメゾンネット」と提携。ベルメゾンが全国に抱える約900万人の会員から、不要なブランド品を送ってもらおうというのだ。また、長い間、飲まれないまま、家の中に放置されている酒を買い取る店が登場した。今年7月に東京・高円寺に1号店をオープンした「リカーオフ」だ。ソムリエの資格を持つ店長が、あらゆる種類の酒を査定する。リカーオフを運営するのは、「ハードオフコーポレーション」。1993年に家電がメインの中古品の店「ハードオフ」をオープンして以来、衣料やブランド品、カーグッズ、おもちゃなど、扱う中古品を広げてきた。現在では全国に合わせて700店舗以上を展開する。山本善政社長は、ハードオフの使命を「家庭に眠っているものをいかに掘り起こすか」だと語る。果たして、「酒」という新たな挑戦はうまくいくのか?一方、中古車の買い取りで最大手の「ガリバーインターナショナル」。これまでガリバーは、買い取った中古車を主に自動車のオークション会場で転売してきた。ところがいま、店舗での自社販売に力を入れ始めている。今年2月にオープンした高級車の専門店「リベラーラ」。通常のガリバーとは違う高級感に溢れる店内には、フェラーリやポルシェなどの中古車がずらりと並ぶ。これまであまりガリバーを利用しなかった富裕層が、次々と買いに訪れているという。一方で、「アウトレット」店もオープンした。カラフルな色の車、傷が付いている車など、一般の中古車店では人気のない車ばかりをあえて集め、格安で販売している。“買い取り”のガリバーが、一体なぜ、いまになって“販売”を強化しているのか?
おばあちゃんたちが摘み取る“葉っぱ”を料理の「つまもの」として販売し、年間2億円を売り上げる、徳島県上勝町の第3セクター「いろどり」。高齢者が生き生きと働く姿で有名となったが、厳しい現実に直面している。人口は減り続け、町民の約5割が65歳以上の高齢者だ。葉っぱビジネスが好調でも、このままでは町が存続できない。そこで、町に若者を呼び込もうという取り組みが始まった。まずは「地域密着型インターンシップ研修事業」として、全国から若者を受け入れる。そして、移住を希望する若者たちには、町が起業の支援を行うというものだ。すでに、こうした移住者によって、7つの新ビジネスが生まれている。果たして、この町おこし作戦は、うまくいくのか?和歌山県北山村の人口は476人(6月30日現在)。離島を除けば本州で最も人口が少ないとされ、65歳以上の高齢者が約47%をしめる過疎の村だ。村には信号機や横断歩道もなく、“紀伊半島の秘境”とまで呼ばれている。そんな北山村に、今年7月、製パン大手の「山崎製パン」と提携した村営のコンビニがオープンした。村はいま地域おこしに力を入れている。特に材木で組んだ筏を川に流した「筏流し」が観光客に人気で、キャンプ客や釣り客を加えると、年間に約5万人が訪れる。そんな村の悩みが、観光客が買い物できる店がないことだった。実は村にはかつて13軒の商店があったが、4軒に減ってしまっていたのだ。自分たちの利便性だけでなく、観光客を呼び込むためにもコンビニを存続させようという、村人たちの奮闘。また、“秘境”に進出した山崎製パンの戦略を取材する。
活況の住宅市場。中古マンションも例外ではない。そんななか、敢えて中古物件を買い、自分好みに作り替える人が増えている。古くなった部分を元通りにするリフォームとは違い、間取りから大規模に作り替える事を「リノベーション」と呼ぶ。中古マンションのリノベーションを手がける「リノべる」。物件探しから設計、工事に至るまでワンストップで請け負うサービスが売りだ。平均費用は70?で800万円ほど。そんなリノべるに依頼してきた小島さん夫婦。東京・世田谷の築39年の中古マンションを買い、自分好みに変えたいという。予算は750万円。和室を無くしてリビングを広く、さらに玄関を広く、などの要望の他、奥さんがこだわったのがアメリカ・サンタフェで見た、ざらざらした土壁を部屋に再現したいということ。ご主人は、部屋に曲線を取り入れて柔らかい感じにして欲しいと言う。さっそく二人の要望を取り入れた設計図が出来上がった。しかし、予算は40万円もオーバー。その後、担当者はこだわりの部分は残しつつ、コストを下げれるところは工夫して、何とか予算を守る事が出来た。工事開始から2ヵ月で完成。広くなったリビングに玄関、さらに曲線の壁や、サンタフェの壁などが再現されていた。一方、日本でマンションより多い一戸建て。しかし築20年以上経つと建物自体の資産価値はゼロに近くなる。これまでマンションを一棟まるごとリノベーションする事業を進めてきた「リビタ」。古い一戸建てを買い取り、リノベーションして再販するというビジネスに新たに乗り出す事にした。東京・世田谷区野毛にある築27年の一戸建てで工事が始まった。ベテラン大工の手によって、いい部分は残しつつ、弱い部分は補強するなどして、見違えるように生まれ変わった。販売予定価格は7800万円前後。建物だけの価格で比べると、解体して立て直すより、4割ほども安くなるという。リビタではこれからも一戸建てリノベーションを積極的に進めていく予定だ。そのころ、マンションをリノベーションした小島さん夫婦は新しいマイホームに引っ越してきていた。「中古だからこそ、自分好みの身の丈にあった空間が出来た」と話す。古くて新しいマイホームで新たな暮らしが始まった。
ドライバーの休憩施設として全国に1003カ所設置されている「道の駅」。人気を集めているのが地元の野菜や魚などを売る直売所だ。福岡県宗像市の「道の駅むなかた」は年間160万人が訪れ、16億4000万円を売り上げる。その秘密は漁師が獲って直接持ち込む新鮮な魚介類だ。漁師は売り上げの10数%の手数料を払えば、自分で値段を決めて売る事が出来る。道の駅向けだけで年2000万円以上を売る漁師も少なくない。いまや出品希望の農家も増加。道の駅全体の市場規模は3500億円ともいわれ、地域振興の一大拠点になっている。新潟・見附市でも道の駅がオープンしようとしていた。「道の駅パティオにいがた」。現場責任者の小林久仁代さんは地元野菜にこだわった直売所を売りにしようと準備を進めていた。しかし、協力農家が増えていかない。コメ農家が多く、野菜で商売しようとする人たちが少ないのだ。小林さんの肩に重圧がのしかかる。一方、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアも驚くべき集客力を誇る。愛知県の刈谷PAは、観覧車にメリーゴーランド、温泉まである。また東名の海老名SAは高級スーパーや百貨店なども出店し、大型商業施設として日本一人を集めている。いまやサービスエリアは”道ナカ”と呼ばれ、企業にとっても注目の売り場となっているのだ。新東名の清水PAに出店しているのが「ハートダンス」。そもそも女性向けのアクセサリーの店だが、新しい客層をつかむため、清水PAの店ではドライブ用品や男性向け雑貨も扱っている。さらに客層を広げるため、お土産物に注目。富士山グッズを店頭に置いたところ、外国人観光客などに人気だった。各企業とも道ナカを強化する動きが加速している。そのころ、オープンを控えた「道の駅パティオにいがた」。地元の若い農家が協力してくれるなど、徐々に出品者が増えていた。小林さんはさらに目玉が欲しいと、地元ブランド野菜を使ったスイーツを、洋菓子店に依頼した。そして迎えた8月23日、オープンの日。地元の農家が野菜を持ち込んでくれ、当初の目標を大きく上回る85品目が店頭に。スイーツも無事完成していた。オープンと同時に多くの客が詰めかけてきた。「これからも地元の活性化の手助けをしたい」と語る小林さん。田舎町を元気にし続けられるか、その第一歩を踏み出した。
飲料の自動販売機は日本全国に約256万台あり、年間の販売額は2兆円を超えるという。しかし、都心の道路脇はすでに飽和状態。さらに、深夜まで営業するスーパーやコンビニが増えたため、飲料自販機はいま激しい競争にさらされている。猛暑が続くこの夏、冷えた飲料を求める客をどうやって捕まえるのか?自販機の設置場所をめぐる、飲料メーカーたちの熾烈な戦いを追った。 設置台数で業界3位のダイドードリンコ。コンビニなどにも販路をもつ他社と違い、ダイドーは売り上げの9割を自販機が占める。外はコンビニとの競争が激しいため、ダイドーはオフィスや商業施設の中への営業を強めることにした。また、新たな実験も始まった。客は自販機のどこを見て購入するのか?人の視線の動きを記録する技術を活用して、商品ラインアップを考えるという。 一方、アサヒ飲料はこの夏、新たなシステムを開発した。街でタブレットをかざすと、すでに自社の自販機が設置されている場所や、別の社員が営業活動中の場所などが地図上に表示される。また、都心以外の新たな設置場所の開拓も始まった。狙うのは「観光地」だ。観光地が頭を痛めているのは「インターネットがつながる場所が少ない」という外国人観光客からの不満の声。そのため、アサヒ飲料は新機能付きの自販機で勝負をかけることにした。
高齢者を狙った“振り込め詐欺”が、最近再び増加している。警視庁によれば、昨年度の都内の被害総額は約81億円にものぼる。また、注文した覚えがないのに、突然、自宅に商品が届き代金を請求される“送りつけ商法”の被害も増加。年金を担保に高金利で金を貸し付ける“偽装質屋”も増えている。狙われるのは、ほとんどが高齢者だ。番組では、なんとか高齢者の財産を守ろうとする、弁護士や警察、企業や自治体の取り組みを取材する。
昨年末からの円安傾向で、いま、日本を訪れる外国人観光客が増えている。4月に92万3千人と過去最多を記録。5月も過去3番目という高水準だった。そこに、日本の象徴とも言える富士山が世界遺産に登録されることになり、国内の観光業界はさらに活気づいている。しかし、外国人観光客で賑わうのは、有名な観光地を抱える地域がほとんど。その裏では、多くの街が、観光客に来てもらえずに歯がゆい思いをしている。有名な観光地はないが、どうしたら外国人観光客に来てもらえるのか?番組では、空港や港をうまく活用して、“ニッポンの新たな玄関口”として売り出すことで、外国人観光客を呼び込もうという取り組みを取材する。
円安で原材料費が高騰したこの夏、マヨネーズ、食パン、食用油など、食品の値上げが続々と始まった。全国642店の「業務スーパー」を展開する神戸物産。“業務”と名が付くが、客の約8割は一般の消費者だ。「豆腐」39円など、安さが客に支持されている理由。これまで神戸物産は大規模農場を始め、牧場や養鶏場を運営。さらに豆腐、パンなどの自社工場を全国に19ヵ所持ち、自社で原料を生産、加工、販売することで、低価格を守ってきた。しかし全てをまかないきれている訳ではない。特に小麦は海外から輸入しているため、仕入れ値は確実に上がる。影響があるのが「パン」。PB商品の食パンは2斤サイズで198円という価格。これをどう守っていくか。さっそく製造部門責任者が自社パン工場に飛んだ。注目したのはパンを焼く工程。オーブンの中のパンの列の間隔を20センチから10センチに縮める事で、生産量を1.5倍に増やす戦略を立てた。同じスタッフの人数でパンの生産を増やせば1本あたりの人件費コストを下げられるという訳だ。試行錯誤しなから、生産量を増やす事が出来、198円という価格を守る事が出来た。すでに次なる動きも・・・。同じく小麦高騰の影響を受けている麺。5月に製麺工場を買収し、7月中旬から自社製造も始める事にした。一方、100円ショップ大手の「キャンドゥ」。企画部の廣田淳子さんは、これまでも数々の人気商品を生み出してきたヒットメーカー。今、手がけているのは「防水巾着バッグ」。夏に向けて、水着やタオルなど、濡れたものを入れられるバッグを100円で売り出そうと言うのだ。しかし、防水加工の材料となる塩ビなども高騰。最終的には中国の生産工場から輸入するため、円安という壁もある。価格は100円と決まっているため、上げることも下げることも不可能だ。廣田さんの計算によると、想定より10%もコストアップになるという。そこで、既存のショッピングバッグと同じ生地を使う事で7%のコストダウンを実現。しかし、サンプル品を見ると、防水加工が甘くはがれやすくなっていた。コストを上げてでも防水加工を強化した廣田さん。その一方、袋のマチを無くして縫製工程や生地を減らす努力などでコスト削減。無事商品化にこぎ着けた。低価格を守る戦い、これからも一層厳しくなりそうだ。
急拡大するネット通販に対して、テレビやカタログ通販は曲がり角に差し掛かっている。そのため、いま新たな収益源を模索する動きが加速。ジャパネットたかたは、パソコンやタブレットを高齢者に販売。自宅を訪問して使い方を説明するなど、持ち前のコミュニケーション力で巻き返しを図る。「国内市場の再拡大は難しい」と、東南アジアでテレビ通販を始める会社も出てきた。一方、カタログ通販も必死だ。ニッセンは“ぽっちゃり”“のっぽ”など、「規格外」のサイズに商機を求める。生き残りを賭けた、通販業界の新たな戦略を取材する。
”がん”は医療の進歩で早期に発見すれば治せる病になってきた。しかし、進行がんや再発がんは治療が難しい。そんな中、これまで治せなかったがんに挑む治療法が進化している。京都大学原子炉実験所の小野公二教授が研究する「BNCT」もその一つ。放射線の中でも中性子線を使う。中性子線は特にホウ素と核反応を起しやすい。そこで、ホウ素化合物をあらかじめ患者に点滴。ホウ素ががん細胞に取り込まれたところで中性子線を照射すれば、がん細胞を中から破壊してくれる。これまで500例の治療を行い、9割で何らかの効果が得られたという。1月、その治療を受けた患者がいた。悪性脳腫瘍が再発し、余命3ヵ月と告知された50代の女性だ。照射は1時間半程度。強い中性子線を当てるため、基本的には1度限りの治療。2ヵ月後、脳腫瘍の主な部分はほとんど消えていた。しかし、BNCTはあくまで研究段階に過ぎず、一般的な治療としては認められていない。最大の課題が、中性子線を生み出すため原子炉が必要だと言う事。一般の病院での治療は不可能だ。そこで小野教授は、住友重機と共同で、サイクロトロンという原子炉なしでも中性子線を生み出す最新のがん治療械を開発した。すでに昨秋から治験を開始。2018年までに承認を受けるべく新たな戦いが始まった。さらにがん治療機として注目を集めているのが「サイバーナイフ」。アメリカ製の放射線治療機だ。CT画像で腫瘍の位置と、放射線を当てたくない臓器を指定すれば、自動的に照射位置を決め、がんを狙い撃ちしてくれる。頭部や骨など動きが少ない部分には有効だったが、苦手なのは呼吸で動く臓器。がんも動くため、狙いがずれてしまうのだ。しかし、最新型はセンサーなどで呼吸の動きを感知し、追尾してがんを攻撃する。これまで治療できなかった肝臓がんや肺がんなどの治療にも可能になった。すでに条件付きながら保険適用されている。一方、がん治療薬の世界でも新たな動きが・・・・。名古屋大学の研究室が発見した「HF10」というウイルスだ。ヘルペスウイルスの一種で、がん細胞に感染し、死滅させるという特徴を持っているという。これを商品化しようとしているのが化学メーカーのタカラバイオ。すでにアメリカで治験を開始し2018年度末までの商品化を目指している。日本でも今後、内臓のがんへの応用など更なる研究を進める予定だ。
今、就職活動の真っ盛りだが、就職活動の学生にとって、最近気になるのが「ブラック企業」という言葉。社員に十分な社員教育もせず使い捨てをするような会社を言うようだ。そして、就活生たちがよく気にしているデータが「3年以内の離職率」というもの。つまり、新入社員が3年以内にどれくらいやめているかを示すデータだ。2009年に入社した大卒社員の3年以内の離職率は、28.8%と、3人に一人が早期離職している計算になる。
中小企業の間で、他社と積極的に手を組んで生き残りを図ろうという動きが加速している。企業同士のM&A(合併・買収)もその一つ。そんな中、食品会社ばかりをM&Aして急成長している会社がある。ヨシムラ・フード・ホールディングス。シュウマイや日本酒など6社を傘下に納め、グループ売上高は100億円。赤字の会社でもグループの強みを生かして再生してきた。CEOの吉村元久さんが新たに買収したのが、四国にある冷凍食品メーカー・オーブン。主力のカキフライはかつて全国シェア25%を誇ったが、消費低迷もあり、去年6月経営破綻した。吉村さんは、グループの全工場を統括する深谷英吾さんを送りこんで改革を始めた。工場を一目見るなり、様々な改善を提案し、問題を解決していく。それだけではない。積極的に従業員の輪に入る。深谷さんも、かつてヨシムラに買われた会社の社員、その痛みが分かるのだ。改革を進める深谷さんだが、更なる生産性向上には新しい機械が必要だと考えた。吉村さんに直談判し投資してもらうことになった。こうした効率化を受けて、今度は主力のカキフライ製造ラインも増強する事に。食品のプロ集団が破綻した工場を立ち直らせていく。一方、埼玉・入間市周辺の町工場5社がタッグを組み、共同で仕事を受注しようという「チーム入間」。金型、プレス、レーザー加工など、得意分野が違う5社がそろった。設立して5年経つが、未だ共同の受注はない。リーダーの狭山金型製作所の大場治さんは、5社の技術力が一目で分かる象徴的な製品を作ろうと提案した。それがギアボックス。複数の歯車を組み合わせて大きい動力を生む、ほとんどの工業製品に組み込まれている仕組み。指の爪よりも小さい、世界最小レベルのギアボックスを作ろうというのだ。各社が得意技で部品を作り、組み立ては入曽精密が担当。自社開発した組み立て装置で組み立てていく。作業は困難を極めるが、なんとか完成。そしてチーム入間が乗り込んだのが、産業用ロボット世界シェアトップの安川電機。ギアボックスを見せたところ、技術力を見込まれ、新しいモーターの開発を一緒にやらないかという提案が・・・。その後も国内だけでなく海外からも引き合いが入り始めた。手を組んで生き残ろうという中小企業の挑戦は続く。
3月16日、首都圏の鉄道路線図が大きく変わった。東急電鉄の東横線が、東京メトロ副都心線に乗り入れ、これまで副都心線とつながっていた西武鉄道と東武鉄道、それに横浜高速鉄道を含め、5社の鉄道が相互直通運転を始めたのだ。これで埼玉県の西部から横浜まで一本で行けることになった。ガイアでは私鉄の雄・東急電鉄が仕掛けるこの一大プロジェクトに長期密着。東急はこの直通運転開始に大きな期待をかけていた。鉄道利用者の総数は頭打ち。鉄道会社生き残りのためには、ライバルと手を組んででも、乗客を伸ばす必要があるからだ。そのために総工費1581億円を掛け、ターミナルである渋谷駅をつぶして渋谷ヒカリエの地下にある副都心線・渋谷駅と統合。他社の車両に合わせて駅のホームや表示を全て変え、運転士の教育も実施した。さらに一番の難関は、地下の渋谷駅から隣の代官山駅まで伸ばした新しい線路を、従来の線路とつなげる大工事。これを最終電車が出た後から始発までの3時間半で行わなくてはならない。当初順調だったが、最後の最後で電線の架け替えに手間取り、緊迫したムードに・・・。その後懸命の作業で、始発まで10分前に完成した。3月16日午前5時、最初の電車が発車。5社直通運転が開始した。直通運転が始まり沿線の街にも変化が・・・。横浜中華街には埼玉から来た客が詰めかけていた。街を挙げての開通記念キャンペーンもあり、多くの人々でにぎわうようになった。東急は今後、拠点の渋谷の再開発を加速させる。旧東横線渋谷駅には高層ビルを建てるなど、街自体を作り替え、安定的に乗客を増やそうといす戦略を推し進めていたのだ。一方のJR。創建当時の駅舎に復元した東京駅には今も駅を見に来る客が殺到。エキナカ施設も充実させるなど、駅自体に来てもらう客を増やそうという戦略だ。エキナカ「エキュート」が3月16日の秋田新幹線スーパーこまちのデビューに合わせて実施したキャンペーンも大人気。今後も駅を魅力的にする取り組みは続いていく。
弁当用に小分けにされたものや、自然解凍する冷凍食品・・・冷凍技術の進歩を背景に冷凍食品は進化を続け、多様化している。こうした中、大手メーカーとは一線を画す形で冷凍食品市場に挑む企業がある。15年前から食品の通販サービスに乗り出したセコム。利用者は年々増加し、現在10万人を超えている。セコムが扱う食品は約500種類でその半分が冷凍食品だ。商品は、『但馬牛のハンバーグ』や『阿蘇のロールケーキ』など地方の名品ばかり。バイヤーの猪口由美さんが全国を回り、絶品の味を掘り起こす。直接生産者と会い調理課程をチェックし、試食することで「安心・安全」にもこだわる。さらに冷凍しても味が落ちないかを猪口さんが自分の目と舌で味わって品定めする。地方の小さな生産者が生み出した食材を冷凍させることでヒット商品に生まれ変わらせるセコムの取り組みを追った。
手軽な料金で様々な風呂が楽しめるスーパー銭湯。そのトップが「極楽湯」。しかし温浴施設は今や飽和状態。そこで海外、まずは中国・上海への出店を決めた。店長に抜擢されたのが椎名晴信さん。さっそく上海で風呂事情の視察に向かった。地元の銭湯に入ると、湯船でタバコをすう人や、風呂の縁でアカスリをする人・・・。入るのもためらわれるお湯の汚さだった。きれいなお湯は武器になる、そう確信した椎名さん。愛知県のろ過装置メーカー「ミズプラ」に協力を仰ぐ。ミズプラは全国のスーパー銭湯にろ過装置を納めるトップメーカー。ろ過材やタンクに様々な仕掛けをし、きれいなお湯を実現している。さっそく上海にもそのろ過装置が届いた。さらに、中国の水は硬水。風呂では泡立ちが悪く肌も荒れるため、軟水器も設置した。一方、椎名さんは現地スタッフ100人を採用し、研修へ。しかし、掛け湯すら分からないスタッフたち。風呂の正しい入り方をお客の前にスタッフに教えこまなくてはならない。椎名さんは沸いたばかりの風呂にスタッフを入れる事にした。掛け湯や風呂の作法を一から教えていく。これでようやく開店準備が整った。入浴料1900円と高めながら、日本の平均的店舗の6倍、様々な風呂が楽しめる海外一号店、まもなくオープンを迎える。一方、インドでビジネスマンを悩ませるホテル事情。高級ホテルか安宿か両極端で、その中間がない。そんな中、人気を集めるのが日立ライフが運営するビジネスホテルだ。シンプルながら清潔な部屋。大浴場に朝食付きで1万円ほど。日立グループの日立ライフは、茨城県でビジネスホテルを運営している。平塚健司さんはインドの出張者がホテルに困っているという声を聞き、2年前現地でホテルを立ち上げた。日本人ビジネスマンが詰めかけ、今や常に満室状態に・・・。事業拡大を目指す中、インド人の大富豪が自分のホテルを任せたいという話が。これまでの平塚さんのホテルの倍の客室を持つ建物だった。視察した平塚さん、ここに引っ越すことにした。インドでは不動産の取得には許認可が100以上必要のため、運営だけを担当することにした。12月にオープンしたところ、やはり日本人に大人気。稼働率8割と好調なスタートを切ったが、その後は予約が低迷。平塚さんの次なる一手は、日本式の大浴場を作る事だった。完成後、グローバル企業の現地担当者を招待してアピール。その結果、日本人だけでなく外国人ビジネスマンも目立つようになった。もちろんお風呂も外国人に好評。1月の稼働率は7割に回復した。さらなる快適空間を目指し挑戦は続く。
高級レストラン出身の一流シェフが高級食材で作るフランス料理が格安で食べられると今でも人気の「俺のフレンチ」。仕掛人は元ブックオフの創業者・坂本孝さんだ。立ち食いにして客の回転率を高める事で、人件費や材料費が高くても、高級料理を格安にする戦略を確立した。今年仕掛けるのが、格安高級和食「俺の割烹」だ。現在、銀座の小さな割烹の料理長・島田博司さんが「俺の割烹」の料理長となる。しかし、坂本さんはもう一人看板料理人をおく事にした。高級日本料理「菊乃井」出身の小野山英治さんだ。2人はメニューで早速火花を散らす。坂本さんの狙いは、一流料理人がライバルを作り切磋琢磨して欲しいということ。それは既存の店でも同じだ。全店で売り上げ2位の「俺のフレンチTableTaku」。坂本さんに目玉メニューを作るよう発破をかけられた飯田卓也シェフ。研究を重ね、試作品が出来上がった。それを評価するのは、全店のシェフたちだ。しかし散々な評価…。飯田さんはそのままのメニューを貫き通す。この意地が勝ち、「Taku」は1位に・・・。坂本さんは言う。「シェフが競い合うことでさらにいい料理ができ、行列を生み出していくのがうちの強み」。「俺の割烹」の2人も看板メニューで対決する事になった。小野山さんは京野菜、島田さんは鯛を選んだのだが、お互いしゃぶしゃぶでかぶってしまう。坂本さんは、こだわりがきちんとあれば同じ料理でもいいと両方合格。今後も3月のオープンに向けて、2人で安くておいしいメニューを作ることになった。一方、東京・原宿にある高級中国料理「南国酒家」。宮田順次社長は国産食材でありながら、ほとんどが中国に輸出されている「干しアワビ」に目を付けた。さっそくアワビの一大生産地・青森を訪れると、大きなものは干しアワビに加工され、一つ数万円で中国へ輸出されていたが、小さなものは生食用として一つ1000円以下で国内へ出荷されていた。小さな物を干しアワビにすれば、格安に提供できると考えた宮田さん、漁協と交渉するが、安定した量が見込めないと対応できないという。そこで自分の店でメニュー開発するだけでなく、創作料理のシェフにも声をかけ、いろいろな料理の可能性が広げようと奔走。そして仕入れ値交渉に臨む。まだ出荷量が足りないという漁協に対し、レトルト商品にして、デパートなどでも売る計画を披露。これなら一定の量も見込める。ついに漁協側も協力してくれる事になった。「国産で誰も知らない食材を広め、しかも格安で提供するのが外食の役目」という宮田さんのさらなる挑戦が続く。
日曜大工だけでなく、食品に至るまで、圧倒的な品揃えで人気のホームセンター。しかし今や市場は飽和状態だ。「カインズホーム」はPB商品を強化して差別化を図る。開発部隊は年間3万点もの新商品を生み出すが、そのエースが生活用品担当の市川幸治さん。週1回開かれる社長同席の企画会議にプレゼン。全国の店舗スタッフが集まる「新商品展示会」などを経て、商品化が決定する。今回、市川さんの一押しが「スプレーモップ」。水が霧吹きのように出て、フローリングを水拭きできるもの。展示会でも絶賛され、掃除売り場のメインを飾る事になった。次なる新商品は「洗濯物ハンガー」。取っ手付きで片手でも簡単に物干し竿に掛外しができる商品だ。カインズには商品化の前に必ず従業員が家で使って試すシステムがある。そこで、思わぬ指摘が・・・。取っ手の裏が空洞になっているので、握ったとき縁が手に食い込んで痛いという。しかし空洞を埋めてしまうと原価が100円アップしてしまう。そこで市川さんは、縁を少しだけ厚くし丸みをつけるという工夫を考えだした。今後、カインズはPB商品の売り上げ比率を5割以上に高める予定だ。
9月15日に中国湖南省で発生した反日デモ。暴徒化したデモ隊によって破壊と略奪の被害を受けたのが、湖南省で3つの百貨店を展開していた滋賀県のスーパー『平和堂』だった。テナントを含む被害総額は約35億円。中国からの撤退も囁かれる事態となった。しかし、暴動の後も2000人近い中国人従業員は一人も辞めず店の再開を待っていた。平和堂は社長が再開を決断。10月27日に1号店と2号店の再開を果たした。オープン初日は多くのお客が詰め掛けた。
独自のサービスを提供することでリピーターをつかんでいる店がある。東京・代官山の「蔦屋書店」には本の案内人ともいえる「コンシェルジュ」がいる。コンシェルジュは、もともとは旅行のライターだったり書評家だったりとそれぞれ特定の分野の専門家たち。客からのあやふやな注文でも、これまでの経験や知識をもとに、マニアックな本やCD,DVDを探し出してくれるという。また、岐阜県を中心に店舗を展開する「大垣共立銀行」は、次々に客目線のサービスを仕掛けることで預金残高を伸ばしている。その一つが、移動店舗。支店のない地域に、ATMや窓口を備えた移動型の店舗を走らせている。特に高齢者に好評で、地域住民のコミュニケーションの場にもなっている。さらに、雑誌100種類が読み放題、ジュースやコーヒーが飲み放題といった支店も設置。客に気楽に立ち寄ってもらおうという狙いだ。一方、東京・表参道のレストラン「カシータ」は、客一人一人に合わせた手厚い”おもてなし”が人気で、1カ月先まで予約が取れないという。予約の電話の際に、客の好みやどういった目的でレストランを利用するかを徹底的にリサーチ、それぞれの状況に合わせてサービスをする。想像以上のおもてなしを受けた客は、思わず涙を流すこともある。感動のサービスを提供することで、売り上げを伸ばしている企業の最前線を取材する。
去年は震災や円高の影響で日本に来た外国人旅行者の数は大きく落ち込んだ。そして今年に入ってからも尖閣諸島問題で中国からの旅行客が大きく減っているが、実は旅行客全体では震災前の水準近くにまで回復している。そして日本を訪れた外国人は、日本人にとっては意外に見えるところを訪問している。和歌山県の高野山には連日アメリカ人やイギリス人などの欧米人が多く訪れている。宿泊は寺の宿坊。畳に布団で寝て、食事は精進料理だ。早朝からの「お勤め」や写経など独特な体験ができることが人気の理由だと言う。こうした埋もれた日本の魅力を世界に向けて積極的に発信して、外国人を日本に呼び込んでいるサイトがある。月600万件のアクセスを誇る人気サイト「japan-guide.com」だ。掲載されているのは徹底した外国人目線の観光情報。サイトの運営者は、群馬県在住のスイス人ステファン・シャウエッカーさん(37歳)。外国人が好む日本の火山や紅葉スポットなど、自ら現地を取材し頻繁に情報をアップする。また、ステファンさんは、被災地も定期的に取材し観光情報を随時アップしている。外国人を被災地に呼ぶことで、復興に貢献しようと言うのだ。一方、これまで日本に呼び込むことができていなかった新たな客層を開拓する動きも出てきた。大阪の旅行会社「ミヤコ国際ツーリスト」が目を付けたのが全世界に16億人いるイスラム教徒だ。彼らを日本に呼び込もうというのだ。しかし、食事や例内など宗教への細かい配慮が必要で、様々な問題がある。「ハラール」と呼ばれるイスラム教徒の食事は豚肉やアルコールなどの食材を一切使わないことが求められるほか、1日数回の礼拝も欠かせない。ホテルやレストランに一軒一軒理解を得ることから始めなくてはいけない。ツアーの準備から、実際のツアーまで密着取材した。
日本を代表する家電メーカーでリストラが相次いでいる。かつて、大手家電メーカーに就職するということは「終身雇用」を約束されているようなものだったはずだ。しかし、その神話は崩壊した。さらに去年の東日本大震災では、家族や地域の絆が改めて見直され、日本人の仕事観に大きな影響を与えた。これまでの常識が覆され、私たちは仕事に対する価値観や働き方の転換を迫られている。シリーズ「働き方が変わる」第一弾では、急速に変化し始めている日本人の働き方を考える。 社員10数人のベンチャー起業「イー・エル・テクノ」は、大手家電をリストラされた技術者たちが集まって立ち上げた会社だ。社長の豆野和延さん(54歳)はかつて三洋電機の技術者だった。現在、次世代の照明として期待を集めている「有機EL照明」の量産に挑んでいる。資金集めや、慣れない営業・・・サラリーマン時代とは違う仕事に戸惑いながらも、再起をかけ働く豆野さん。改めて自分にとって働くことの意義が明確になったという。一方、若者の「仕事観」は多様化している。ソーシャルゲーム大手の「グリー」は、新卒者の年収を最高1500万円支払うと発表した。その人材獲得戦略の狙いを取材した。また、震災をきっかけに「働き方」を変えた人もいる。外資系の大手食品メーカーに勤めていた井出留美さんは震災を機に転職し、現在はNPO法人で働いている。震災以降より直接的に人を助けることを仕事にしたいと強く思うようになったのだと言う。これまで常識とだと思われていたことが次々と壊れていく時代、「どう働けばいいのか」のヒントを探った。
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マイケル・ムーア監督がアメリカ銃社会に鋭く切り込んだドキュメンタリー 全米ライフル協会会長にアポなし取材を敢行するなど、命を張って製作した渾身の作品。カンヌ国際映画祭では「55周年記念特別賞」を新設してその功績を称えた。 1999年4月20日、コロラド州。朝からボウリングに興じたふたりの少年は、その後高校に向かい銃を乱射。計13人を射殺して自殺した。なぜアメリカはこれほど銃犯罪が多いのか、ムーア監督はその疑問を解消すべく決死の突撃取材に乗り出していく。
覆面ストリートアーティスト・バンクシーが初監督を務めたドキュメンタリー アート業界の真実をユニークな切り口で描き、第83回アカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた話題作。スペース・インベーダーら、アーティストが多数出演。 ストリートアートに関するドキュメンタリーを制作していたティエリー・グエッタは、幸運にもバンクシーの取材に成功する。だがティエリーに映像の才能がないと気付いたバンクシーはカメラを奪い、逆にティエリーのドキュメンタリーを自ら監督し始める。
カリフォルニアからやってきたジューン・ラブジョイの秘密を深堀りインタビュー! 金髪ヤリマンを自称するジューンちゃんが日本にやってきた理由、そして現在の心境を赤裸々に独白。何が彼女をそうさせたのかを知ることで、より彼女の魅力が増大する。 むっちりボディのアメリカ人セクシー女優・ジューンちゃんの素顔に大接近!日本のオタク文化が大好きで日本にやってきたジューンちゃん。企業に就職するが、そこはブラック企業で耐え切れなくなった彼女はもともと興味のあったエロの世界に足を踏み入れる…。
ワインの伝統製法を守り続けるジョージアの人々を追ったドキュメンタリー クヴェヴリ製法は、壺を土中に埋め、ジョージア固有のブドウ品種と野生酵母により発酵・熟成するワインの醸造法。ワインの豊潤な香りが映像から伝わってくるようだ。 ワイン発祥の地・ジョージア。世界無形文化遺産に登録されたクヴェヴリ製法は、かつてはどの家庭でも作られていたが現在は極少量となった。逆境に立ち向かいながら「究極の自然派」と呼ばれるクヴェヴリ製法を守ってきた人々の姿に迫る。
挑戦者たちが過酷なサバイバル生活に挑むシリーズ第2シーズン 今シーズンでは、ベテランのサバイバリスト9人が集結するだけに、見事に乗り切っていくかと思いきや、事態はそう簡単ではない。極限状態により人間の本性も露わに。 エクアドルのアマゾン盆地で40日間のサバイバル生活に挑む。彼らは3つの男女のグループに分かれてスタート。たちまち食糧難や病気などのアクシデントに見舞われていく。さらに、リーダー格のメンバーが脱落し、残ったメンバーは不安にさいなまれる。
地球上のあらゆる生物をフィーチャーした家族向け自然番組 ハイスピードカメラや生物の体に装着するカメラが捉えた映像、同一地点で1年間観測した映像などは、大人が見ても驚かされる。よく知る生物から不思議な生物まで網羅する。 毎回ひとつの生物をピックアップ。よく知っている生物だと思っていても、私たちが知らない生態などを迫力と美しさにこだわって観察。生命の誕生を捉えることも多く、ほほ笑ましい。語り掛けるようなナレーションなので、親しみを持って見ることができる。
一般投稿から選りすぐった心霊エピソードと恐怖映像の数々を紹介するオムニバス 全国から続々と寄せられた一般投稿の心霊映像を紹介する。「ほん呪」製作委員会が選りすぐった心霊エピソードと恐怖映像。 【収録内容】都内で有名な心霊スポット千駄ヶ谷トンネルに取材班が潜入する「千駄ヶ谷トンネル」(#1)、誰もいないはずの方向から女性の声が聞こえる「謎の声」(#2)、害虫駆除のため屋根裏に設置したカメラに謎の物体が映っている「害虫駆除」(#3)ほか。
「映画史上最も有名な実現しなかった映画」をめぐる爆笑と感動のドキュメンタリー 未完ながら後のSF映画に多大な影響を与えたホドロフスキー版「DUNE」。その影響力をさまざまな監督や俳優が熱く語るさまから、作り手の想いやエネルギーが伝わってくる。 1975年にアレハンドロ・ホドロフスキー監督によって企画されるも、撮影を前にして頓挫したSF大作「DUNE」。果たしてどのような理由から実現しなかったのか。関係者へのインタビューや膨大な数のデザイン画、絵コンテなどからその顛末を綴っていく。
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