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『レジェンド&バタフライ』は、魔王と恐れられた織田信長とその妻・濃姫の関係を描いていく歴史映画である。資料がほとんど残っていない濃姫は、男勝りな女性に設定されており、信長を尻に敷くほどの恐妻ぶりを見せる。
今作では織田信長を木村拓哉が演じており、イメージに縛られない、まったく新しい信長を生み出した。また、濃姫役には綾瀬はるかが抜擢され、力強い演技で映画を盛り上げている。
格好つけてばかりいる若き織田信長(木村拓哉)は、敵国の姫である濃姫(綾瀬はるか)と結婚する。しかし、敵対心をあらわにする濃姫との結婚生活はうまくいかなかった。そんな中、濃姫の父・斎藤道三(北大路欣也)が戦で命を落としてしまう。悲しみに暮れる濃姫は、信長に父の敵を討つよう迫り、尾張国を勝利に導く。
それから数十年後。信長は戦に勝ち続け、「魔王」と恐れられるようになっていた。そんな信長を心配しつつも、濃姫は夫に対して特別な感情を抱くようになる。
出演:木村拓哉、綾瀬はるか
宮沢氷魚、市川染五郎、音尾琢真、斎藤 工、北大路欣也、伊藤英明、中谷美紀
脚本:古沢良太
監督:大友啓史
配給:東映
周囲から「大うつけ者」と呼ばれていた武将。当初は男勝りな濃姫と喧嘩してばかりいたが、徐々に恋心を抱くようになる。濃姫の助言を受け、戦で勝利して以降、天下統一を目指して突き進んでいく。戦での残虐性から「魔王」と呼ばれるようになった。
信長の妻。尾張国と敵対していた美濃の大名・道三の娘であり、信長の命を狙っている。父に鍛えられた体術や弓の腕は信長よりも上で、初夜に騒動を起こしてしまう。父の敵を討つため、信長に戦で勝つための助言をした。
信長の家臣。「織田家五大将」のひとりに数えられ、信長のために命をかけて戦ってきた。信長に対する並はずれた忠誠心を持っており、人の道に反する作戦にも賛成する。本能寺にいる信長を奇襲し、暗殺しようとした。
濃姫の父。尾張国と和平を結ぶため、娘を差し出した。戦で命を落とす。
戦国武将。信長に会うため、安土城を訪れた。人の心を読む能力に長けている。
後の豊臣秀吉。お調子者だが、信長に信頼されている。誰に対しても腰が低い。
濃姫とともに尾張国にやってきた侍従。信長と濃姫の狩りにも同行した。
濃姫の侍女。幼いころから濃姫を知っており、初夜にも付き添っている。
幼いころから信長の世話をしていた小姓。本能寺にも同行している。
織田信長の波乱万丈な人生は、日本人なら多くの人が知っているでしょう。しかし今作では、妻・濃姫とのラブストーリーをメインに物語が進行していきます。
ふたりの夫婦関係は資料がほとんど残っておらず、現代の人々は想像することしかできません。今作では信長の人生に脚色を加え、男勝りな濃姫との関係性を丁寧に描いていきます。
信長のイメージが変わってしまうようなシーンもありますが、フィクションを織り交ぜた歴史ものとして楽しめる映画です。
タイトルにある「レジェンド」は、文字どおり伝説的な存在といえる信長を、「バタフライ」は帰蝶とも呼ばれていた濃姫をあらわしています。
信長と濃姫は、ただの夫婦ではありません。男性優位な戦国時代において、夫よりも強い濃姫は、織田家から歓迎されませんでした。しかし、ふたりの絆が歴史を大きく動かしていき、日本という国を根本から変えてしまいます。
今作はタイトルどおり、ふたりの関係性が主軸になる、まったく新しい歴史映画です。
主演を務めた木村拓哉と綾瀬はるか以外にも、今作には豪華なキャストが集結しています。中でも注目したいのは、日本史上もっとも有名な裏切り者・明智光秀を演じた宮沢氷魚です。
今作の光秀は、信長のカリスマ性に惹かれつつも、本心が見えない描写がされています。宮沢氷魚が作り出した、なにを考えているかわからない不気味な雰囲気は、裏切ることが確定している光秀のイメージにぴったりです。
そのほかにも、特殊メイクで家康を演じた斎藤工や、したたかさを感じさせる藤吉郎を演じた音尾琢真など、注目すべきキャストが大勢出演しています。
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