映画史に残る名作『ショーシャンクの空に』のあらすじを徹底解説! 「罪」と「希望」という相反するテーマを調和させた、登場人物たちの名言を紹介しながら、映画の魅力をひも解いていきます!
映画『ショーシャンクの空に』の製作年度は1994年で、監督を務めたフランク・ダラボンにとっては、これが初監督作品となりました。
原作はスティーブン・キングの小説『刑務所のリタ・ヘイワーズ』で、現代でも愛される名作です。
『ショーシャンクの空に』が愛される要因は、「罪」と「希望」という相反するテーマを調和させた、見事なストーリーがあるからでしょう。
暴力と不正に支配されたショーシャンク刑務所を舞台に、さまざまな囚人や刑務官たちの人間ドラマが展開され、「罪」と「希望」という主題を深く考えさせられます。
そんな名作映画『ショーシャンクの空に』の魅力を、「あらすじ」と「名言」にスポットを当てながら、徹底解説していきます!
ただし、この記事にはネタバレを含みますので、その点はご了承ください。
あらすじ①『ショーシャンクの空に』アンディが刑務所で居場所を見つける
本作の主人公は、ポーランドで銀行員を務めるアンドリュー・デュフレーン (アンディ)です。アンディは若くして銀行の副頭取まで出世しますが、妻とその愛人を射殺したことで冤罪を着せられ、ショーシャンク刑務所へと送られてしまいます。
そこは暴力と不正に支配された刑務所で、アンディはしだいに孤立していくことになります。受刑者たちから性的暴行を受けるほど弱い立場に置かれていたアンディでしたが、彼の能力が発揮されるシーンが訪れます。
アンディは元銀行員としてのスキルを活かし、ハドリー主任刑務官の金銭問題を解決することに成功しました。それ以降、アンディは有能な囚人として、一目置かれることになるのです。
あらすじ②『ショーシャンクの空に』アンディの盟友レッドの人物像に迫る
主人公のアンディは、刑務所内で後々に盟友になる受刑者と出会います。彼の名はエリス・ボイド・レディング(通称レッド)で、レッドを演じているのは、名優としても名高いモーガン・フリーマンです。
レッドはアンディが入所するはるか昔から服役する囚人で、「調達屋」の異名をもっていました。
レッドは何度も仮釈放申請を断られていたこともあって、希望を失っていました。そんなレッドに、アンディは趣味の鉱物加工に用いるためのロックピックの調達を依頼します。
これがキッカケとなって、アンディとレッドは交流を重ねるようになり、しだいにレッドは希望を取り戻していくようになります。
あらすじ③『ショーシャンクの空に』ブルックスがアンディに与えた影響
アンディは、ハドリー主任刑務官の金銭問題を解決したことで、図書係へと任命されました。そこで、既に50年も服役している老囚人・ブルックスの助手になります。
ブルックスは物静かな老人で、アンディは彼のもとで図書係として精力的に働いていました。しかし、その本当の目的は図書係ではなく、ノートン所長や刑務官たちの金融資産の運用や税務の処理をさせるためのものでした。
そんなある日のこと。長年模範囚として振舞ってきたブルックスは、仮釈放のチャンスを手にします。しかし、ブルックスは仮釈放を恐れました。あまりにも長い間服役していたので、外の世界に恐怖感を抱いていたのです。
結局、アンディらの説得によって仮釈放を受け入れるのですが、外の世界の生活に馴染むことができず、最終的には首を吊って死んでしまいます。
そして、アンディはブルックスが死の間際に自分に向けて送った手紙に、感情を抑えられなくなくなります。そこには、ブルックスの感謝の言葉がつづられていたのです。
あらすじ④『ショーシャンクの空に』トミーの入所で物語が大きく動きだす
それからの期間は、大きな事件もないまま時が経っていきました。所長は私服をこやすために、不正な蓄財を繰り返していましたが、アンディはそれを巧みな手段で隠蔽していたので、それが露見することはありませんでした。
このように、アンディが刑務所にとって欠かせない存在になっていたタイミングで、新たな囚人としてトミーという人物が入所してきます。
トミーは仲間たちとすぐに打ち解け、更生したいという相談をアンディにもちかけます。アンディは読み書きから教え、彼と親交を深めていきました。
そして、トミーはアンディほどの人物が服役していることに疑問をもつようになります。やがてアンディの過去を知ると、真犯人に心当たりがあることを告げます。
アンディはすぐに所長に再審を請求しますが、優秀な経理担当であり、加えて不正蓄財の証人であるアンディが出所することを恐れました。
そこで、アンディを脅し、考えを改めるよう迫ります。しかし、かたくなであったアンディに業を煮やした所長とハドリーは、アンディを懲罰房送りとし、さらに証拠を握るトミーを殺害しました。
あらすじ⑤『ショーシャンクの空に』ラストで“希望”を手にするアンディ
アンディが懲罰房から解放された晩、空には嵐が巻き起こっていました。不吉なものを感じたレッドは、仲間たちとアンディを心配します。
そして翌朝、囚人の点呼をとる際にアンディの姿はありませんでした。
そう、アンディは昨晩の嵐に乗じて、刑務所から脱獄していたのです! 所長らが慌ててアンディの房を確認すると、壁に張られたポスターの奥に、大きな穴が開いていました。
アンディは、レッドから調達したロックピックを用いて、ひたすらに壁を掘り続けていたのです。
そして、脱獄したアンディは所長の不正な財産の架空名義人であった「スティーブンス」に成りすまして預金を引き出すと、所長やハドリーの告発状を新聞社に送りつけました。
事態が露見したことで、ハドリーは逮捕され、所長は拳銃自殺しました。
その後、レッドも仮釈放の権利を手にします。しかし、ブルックス同様、彼もまた外の生活になじむことができませんでした。
レッドは、最後の希望として、出所前にアンディから告げられていたメキシコの地を目指します。
『ショーシャンクの空に』の名言
『ショーシャンクの空に』の数々の名言を解説とともに紹介していきます。あなたに刺さる名言を見つけてみてください。
名言①「刑務所の時間はゆっくりと流れる」
元銀行員として、若かりしころから能力を発揮していたアンディにとって、刑務所における生活が、それまでに体感したものとはまったく異なるということを端的に言い表した一言です。
私たちも、突然刑務所へ行くことになったら…そんなことを考えさせられてしまいます。
名言②「ショーシャンクで、俺はただひとりの有罪の男さ」
ショーシャンク刑務所は刑務所と名がついているように、服役しているのはすべて囚人です。
しかし、アンディの盟友レッドは自分がまったく釈放される気配がないことに失望し、このような発言をしたのです。
レッドがいかに希望を失っていたのか、その心情を察するととても虚しくて悲しい気持ちになってしまいます。
名言③「人から音楽を奪うことは決してできない」
アンディが図書係として議会へ要請し続けていた寄付金が、ようやく刑務所へと送られてきました。そこに荷物として同梱されていたのは、「フィガロの結婚」のレコードでした。
アンディはこれを無断で所内放送し、懲罰房送りになります。その後、仲間たちからその理由を尋ねられたアンディは、こう答えました。
「頭の中で。心の中で。人から音楽を奪うことは決してできない」
ここには、たとえ身体が支配されていたとしても、心までは支配できないという、アンディの強い意志が感じられます。映画の主題でもある「希望」というものにも繋がっていますね。
名言④「頑張って生きるか、頑張って死ぬかだ」
不正経理の継続を条件にアンディを懲罰房から解放しますが、アンディの様子は明らかに変わっていました。それを心配するレッドに、アンディはこう告げました。
「頑張って生きるか、頑張って死ぬかだ」
これは、アンディが盟友であったレッドに伝えた、自分なりの答えだったのかもしれません。アンディは自らの求める希望が、ここにはないことを悟っていたのです。
名言⑤「レッド、希望は良いものだ。多分最高のものだ。素晴らしいものは決して滅びない」
感動のラストシーンです。そこには「希望」を勝ち取ったアンディの姿がありました。アンディは、手紙でレッドに希望の素晴らしさを告げていました。
これは、作中で「希望」という想いに対して否定的であったレッドへの、アンディの答えともいえます。
その後、二人は久しぶりに再会し、熱い抱擁を交わすのでした。
『ショーシャンクの空に』まとめ
ここまで『ショーシャンクの空に』を徹底解説してきました。この映画は、私たちに人生の哀愁や、諦めないことの大切さを教えてくれます。
残念なことに、世間には罪があふれています。人は罪を犯す、あるいは罪を着せられる、ということもあり得るのです。
ただ、それは仕方のないことでもあります。大切なのは、そこからどうするかです。罪を犯していたならば、償わなければならないでしょう。ときには存在しない罪を償うこともあるかもしれません。
それでも、決して諦めずに心を強くもち、「希望」を忘れなければ人生の道は必ず開ける。
人生というものを教えてくれるこの映画は、いつまでも色あせることのない傑作です!
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