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出典:amazon

2019/04/12
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翻案版『吸血鬼ドラキュラ』の魅力とは?古典だと侮るなかれ

吸血鬼といえばドラキュラを思い浮かべる人は多いでしょう。 そのドラキュラですが、元は小説だったということを知っていますか? 本作は、もともと中高生向けとして翻案されたもの。現在は文庫として販売されており、背表紙の厚みも言葉の難解さもぐっと減って、なおかつ大人も十分楽しめる作品に仕上がっています。 なにしろ翻案は伝奇小説で有名な菊地秀行氏。面白くならないはずがありません。

目次

『吸血鬼ドラキュラ』翻訳版、原作と違うこんなこと

原作は登場人物たちの日記や新聞記事を寄せ集めた形式をとっており、視点がくるくると変わるのでそれにやや読みにくさを感じます。

本作はそれを一新。一般的な小説のように三人称に変えられていますので、一気に読みやすくなりました。
さらに助長な部分を大幅カット。文庫で500ページ超の原作に比べて、300ページほどに収まる長さです。

原作よりも派手なアクション描写が多いのも見どころのひとつ。どれもこれもありありと光景が想像できる、映画を文章に落とし込んだかのような描写は必見。またそれに合わせてヴァン・ヘルシング教授も、原作より若く造形されています。

吸血鬼ハンターといえばこの人、なヘルシング教授ですが、彼の出どころもまた「ドラキュラ」なのですよ。原作ではもっぱら後方支援の教授ですが、本作ではぐいぐい前に出てくる「ドラキュラ映画のヘルシング」に寄せたキャラクターになっています。
 
原作の古典文学たる重厚さはいくぶん失われていますが、読み物としての面白さは本作に軍配が上がるでしょう。

このページ数なら、バッグに放り込んでお出かけをするにも負担にならない重さ、という利便性もありますよ。文庫本とはいえ分厚ければ、決して軽くはない荷物ですからね。

『吸血鬼ドラキュラ』広がり続ける「ドラキュラ」の領土

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もしもこの作品を読んで「面白かった!」という方は、ぜひもっと深くこの世界を探索してみてください。

分厚い完訳版を読んで、違いを楽しみながら読んでみてもよし。当時一世を風靡した、ハマーフィルムのドラキュラ映画を観てもよし(一部はレンタルショップで借りられます)。

あんまり好みじゃなかったという方は、
ドラキュラではなく「吸血鬼」に範囲を広げてみてはいかがでしょうか。

ホラーに伝奇にアクションに、果てはラブロマンスにまで、およそ吸血鬼の登場できないジャンルはあるのかというほどいろいろな作品に吸血鬼は顔を出しています。

漫画に映画に小説その他、メディアもよりどりみどりです。時代だって選び放題。きっと今この瞬間にもどこかで、我々の知らない吸血鬼作品が世に生まれているに違いありません。
それが「ドラキュラ」なのか「今風の吸血鬼」なのか、はたまた「突拍子もない吸血鬼」なのかは作者のみぞ知るところではありますが。

増え続けるドラキュラ作品と、それをはるかに上回る速度で増え続ける「吸血鬼」作品。

彼らは普遍的な怪物であるがゆえに、あらゆる物語に登場することができます。能力も弱点も著者の好み次第で激しく変動し、いつからか血を吸わない吸血鬼なんていう、邪道な種族も現れだして、もはや吸血鬼の定義などあってないようなものではないでしょうか。

その中からお気に入りを探し出すことは困難な作業ではありますが、きっととても楽しいですよ。

あなたが素敵な「吸血鬼」作品に触れて、素敵な吸血鬼ライフを送れますように。

参考元

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