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2019/03/19
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ダーティハリー第2弾! マグナムの爽快感と正義の所在について。Part1

人気シリーズ第2作!今度は暴走する正義をハリーが迎え撃つ。 今回のパート1では、前作よりも豊富なアクションシーンと、拳銃に関する予備知識を紹介。

目次

人気シリーズの第2作となる本作は、原題「マグナム・フォース(Magnum force)」=マグナム戦争。

シリーズ2作目となる本作は、「ダーティハリー」が高く評価された後の、最も脂の乗り切った時の作品。
シリーズ中でもこの2と1の人気が特に高く、イーストウッド自身が老齢に差し掛かる4作目以降に比べると若々しい野性味に満ちている。

また、作品としても、娯楽アクションに終始せず法律や警官は如何にあるべきか?をテーマに作られた1~2は出色の出来栄えであるといまだに高く評価されている。

ダーティハリー2では、ハリーの愛銃S&WM29(スミスアンドウェッソンエム29)以外にも、マグナム弾(強装弾)を発射する強力大型拳銃を持った警官たちが登場。己の正義感を執行する信念のために、ハリーと激突する。

娯楽アクションと倫理道徳の交錯・パート1の魅力を継承!

本編は娯楽アクション巨編らしく、前編と同じように豊富なアクションシーンが見どころの一つになっている。
パート1となる今回はアクションシーン、それも特にガンアクションについて詳しく語ってみたい。

その特異な風貌と行動でハリーの前に立ちふさがった、前作の異常犯罪者「スコルピオ」の圧倒的存在感。そのおかげで、サスペンステイストも強かった前作に比べると、今回はそれほど不気味な雰囲気には満ちていない。
前作と比べるとスカッと明るい作風に仕上がっている本作は、前作よりもアクション傾向が強く、派手なアクションシーンが多い。

その豊富なアクションシーンのうち、注目の場面を少しだけ見てみよう。

1.ハイジャックをあっという間に片付ける空港でのファーストアクション
ここは前回の真昼の銀行強盗との銃撃戦と同じく、食事中のハリーが突発事件を速攻解決するシーン。今回のメニューは空港のハンバーガーである。ハリーの手にあるハンバーガーが、ホットドッグと同じく何とも旨そうに見える。

2.深夜のドラッグストアで強盗を一掃
深夜に知らせを受けたハリーが応援に駆け付け、複数の強盗を片付ける。撃ち合いの前に、ドラッグストアのマジックミラー(一方的に向こうが見える鏡)でシングルアクションに撃鉄を起こしたハリーが、息を詰めてタイミングを見計らう場面が秀逸。緊迫した「静」から一瞬にして「動」に転じ、一気に片を付ける落差が強烈な印象を与えてくれる。

3.イタリアンマフィアとの真昼の銃撃戦
ここではハリーひとりではなく、警官隊とマフィアの銃撃。この戦いで、白バイ集団も最初の死者を出す。この場面でイーストウッドは、車のボンネットにつかまり振り落とされる危険なスタントを自ら演出している。

この他にもハリウッドのくねくね道を見事なハンドルさばきでチェイスするシーン、バイクで疾走するシーンなど、前作以上にアクションシーンが多くなっている。
また本作の売りでもある射撃シーンは、事件の時だけでなく警察の射撃場や警官の射撃大会など、シリーズでの他作品では見られない貴重なシーンも多くみられる。
また、アクションの発展だけでなく警官の倫理道徳をテーマにした点でも、本作は前作を継承していると言えるだろう。

しかし何といっても、見どころはシリーズ中最多を誇る拳銃操作のシーン。ガンファイトの他、射撃練習や射撃大会などのシーンで、ハリーのみならず登場人物の手に握られている銃は何とも魅力的に見える。ガンファンにはたまらないシーンだが、このパート1では銃器に詳しくない人のために解説しよう。

「マグナム・フォース」!ハリーとライバルたちが使う拳銃を解説

本編の魅力の一つは、ガンファンにとっては垂涎モノの銃に関するシーンが多く登場するところだろう。
シリーズ第一作で登場した、ハリーの愛銃の名前はS&WM29(スミスアンドウェッソンエム29)。

それに対抗する形で、本作の競争相手が使うのはColtPython(コルトパイソン)である。
ここで、拳銃にあまり詳しくない人たちのために概略を説明しよう。

拳銃には大きく分けて、リボルバー(回転式拳銃)とオートマチック(自動式拳銃)が存在する。リボルバーは円筒形の弾倉の中に弾を入れ、それが回転して一つずつ発射される。
弾倉と拳銃は一体である。

反してオートマチックは、弾倉が本体と分離しており、縦列に詰めた弾倉をグリップの下から装填する。
そして弾は、「弾丸」と「薬莢」からできている。「弾丸」は「薬莢」に詰まっている火薬の力で撃ち出され、発射済みの薬莢は不要となるので銃の外に排出する。これを「排莢」と言う。

リボルバーとオートマチックで大きく異なるのは、「装弾」と「排莢」のシステムである。
リボルバーの弾倉は「シリンダー」と呼び、構造上装弾数はあらかじめ決まっている。これに対してオートマチックの弾倉は「マガジン」と呼び、これを長くすれば理論上無限に装弾数を増やせる。

排莢システムに対しては、リボルバーは撃ち終わった薬莢がシリンダーの中に残るので、全弾撃ち終わってから手動で一気に捨てる。これに対してオートマチックは上部がスライドして薬莢が即座に排莢され、スライドが戻る時に次弾を装填する。

このように比較すると、オートマチックのほうが性能的には勝っている。ただし構造が複雑なため故障がリボルバーより多く、特に弾詰まりとなると致命的という欠点がある。それに比べるとリボルバーは構造が単純で故障が少ないため、信頼感で勝る。

最近の現実世界では、より改良され故障が少なくなったオートマチックが軍や警察でも圧倒的なシェアを誇る。
それが反映されているのが例えば「ダイ・ハード」のベレッタや「バイオハザード」のデザート・イーグルと言った、ヒーローやヒロインたちが持つ自動拳銃である。

しかしこのダーティハリーのシリーズ1~3が作られた70年代までは、まだまだリボルバーが主流だった。そこにガンファンは一種のノスタルジーを感じる。80年代に作られた4ではハリーもついにオートマチック銃を手にする(その後5で再び愛銃はM29に戻ったが)。

ハリーとライバルたちの使う拳銃のちがいとは?

さて、以上を前提として本作の主要人物たちが使うリボルバーに話を進めよう。

リボルバーが全盛だったこの時代、本作に登場する拳銃たちは主に回転式のみである。

しかし同じ回転式拳銃でも、メーカーや弾の種類が大きく異なっている。これが主要人物たちの個性の違いをより際立たせているのだ。

まず、メーカーから見ていこう。
ハリーが使っているのはアメリカでは老舗のガンメーカー、「スミスアンドウェッソン」である。
これに対し、ライバルたちの使う拳銃はそれよりもさらに古いガンメーカー、「コルト」である。どちらも拳銃に対しては一流の歴史を誇るブランドであり、ライバル関係にある。

ハリーが「スミスアンドウェッソン」を使うので、敵方は「コルト」と言うライバルブランドの拳銃を使っていると言うわけなのだ。
この二社別に競っているわけではないのだが、シリンダーの回転方向とかボタンの操作方向など、多くの点で全く反対である。

弾丸の種類で言えば、ハリーのは44マグナム弾と言う当時の世界では最強とされる弾丸を使用していた。これに対して、ライバルたちは357マグナム。名前の割にハリーの44マグナムよりも威力では落ちる。

また、銃の存在感を示す銃身の長さも、ハリーのは6.5インチ、ライバルたちのは4インチとなっている。

威力においても存在感においても、一見ハリーの愛銃のほうが上の扱いである。
しかし、単に威力や銃身の長さだけでは銃の優劣は語れない。

このコルトパイソン、実は1丁の値段がハリーのM29よりずっと高く、その丁寧な作りと作動の確実性から「リボルバーのロールスロイス」と呼ばれているのだ。

また、日本の漫画「シティーハンター」の冴羽りょうの愛銃としても有名で、本作と同じ4インチ。
画面で確認していただきたいが、このコルトパイソンは4インチが一番比率がよく美しい。

こうしてライバルたちにハリーに勝るとも劣らぬ名銃を持たせることで、より鮮明に「マグナム・フォース」の演出が生きてくるのである。

また今回、警察の射撃場で鉢合わせたハリーと彼らが、お互いの銃を交換して射撃をすると言うサービス・シーンもある。
しかしやはり長身のハリーは、銃身の長いM29を構えるのが最もサマになっている。

現代式リボルバー、ハリーの使い方の特徴とは

この二つの現代式リボルバーには「ダブルアクション機構」と言う共通点が存在する。

それよりも一昔前のリボルバーは必ず撃鉄(ハンマー。雷管を叩く部分)を起こしてからでないと引き金が引けない。これを「シングルアクション」と言う。
また、シングルアクションのリボルバーはシリンダーが横にスイングアウトできないので、一発ずつ装填・排莢しなければならない。

これに対して、「ダブルアクション機構」と言うのは撃鉄を起こさなくても引き金を引くだけで自動的に撃鉄が持ち上がり雷管を叩くことができる。もちろん、撃鉄を起こしてから引き金を引くことも可能である。

一見ダブルアクションのほうが便利に見えるが、撃鉄を連動して起こすと指が重くなり、照準がブレると言う欠点がある。シングルアクションでは軽く引き金を引くだけなのでブレが少ない。ゆえに命中率ではシングルアクションが勝っているが、少しの力で発射されてしまうため誤射の可能性もそれだけ高くなる。

なので警察機構では安全のためにダブルアクションで撃つように推奨されているらしいのだが、ハリーは必ずシングルアクションで初弾を撃つ。

前作や本作でのガンファイトのシーンでは、ハリーは待機の時に必ず撃鉄を起こして身構えている。ハリーが「カチリ」と撃鉄を起こす仕草は実にカッコいいのだが、見栄えの演出+ハリーは自分のフィンガーコントロールに自信があるからと見ることもできる。

本作では銃操作のシーンがたっぷりと出てくるので、今まで銃に詳しくなかった方々には、ぜひ注意して鑑賞していただきたい。
特に真夜中のスーパーの銃撃戦で、マジックミラー越しにハリーが息を詰めて狙いをつけるシーン。このシーンでハリーは、シングルアクションに起こしたマグナムを絶妙に緊迫した空気感の中で構える。この独特の雰囲気は、さすがに西部劇出身のイーストウッドならでは。

シングル・ダブルアクションの使い分けの他には、射撃場や射撃大会でハリーたちがシリンダーをスイングアウトさせて6発いっぺんに手動排莢する動作も見ることができる。また、排莢した後には6発一緒に装填できる「ローダー」と言う道具も登場する。これは、シリンダーの形に合わせて6発の弾丸を並べた円筒形の弾丸供給装置である。ハリーは弾切れの対処のために、常にこれを2つもっていることが劇中で語られる。つまり、銃の中に装填してある6発と合わせてハリーは18発の弾丸を装備して任務に当たっているのだ。
こうした微細な部分にも主人公の性格付けがしっかりとされているのが、ダーティハリーシリーズの骨太な演出なのである。

参考元

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