『銀魂』のあらすじをネタバレ満載で魅力を大公開！

『銀魂』の魅力的な長編ストーリー

『銀魂』は江戸時代を舞台にSFの要素を入れた人情物の作品で、基本はコメディテイストですが、その合間合間で描かれる長編ストーリーが特に高い人気を誇っています。

長編ストーリーの特徴としては、「各キャラクターの設定や過去の掘り下げ」「キャラクター同士の因縁や関係性の開示」「読者の涙を誘うようなジンとくるヒューマンドラマ」「シリアスとギャグの秀逸なバランス」が挙げられます。

主役である、銀ちゃんこと坂田銀時率いる万事屋のメンバー3人が中心に展開されることが多い基本ストーリーと違い、サブキャラクターたちにも焦点が置かれることが多い長編は、それぞれのキャラクターファンからの注目度も高い作品です。

そして、ギャグアニメとは思えないような、非常によく練られた人間模様は、多くの人から支持される理由のひとつとなっています。

独特のセリフ回しや、原作がジャンプ漫画にしてはちょっと大人っぽい風味を感じさせるキャラクター同士の絡みも、長編ならではの見せ方です。

『銀魂』ミツバ篇は涙なしには観られない！【ネタバレあり！】

『銀魂』の登場人物のなかでも、コアなファンが多い真選組。

その真選組のメインキャラクターとなる近藤勲、土方十四郎、沖田総悟の関係性や真選組の過去について描かれているのが「ミツバ篇」です。

「ミツバ篇」という題名からも分かる通り、腕は立つが腹黒ドSで問題児でもある真選組一番隊隊長の沖田の姉・ミツバがストーリーの重要人物となっています。

本篇では、普段は上司であるはずの副長・土方をバズーカで吹き飛ばしたり、何かと命を狙ったりと暴れん坊な沖田も、姉であり母代わりでもあったミツバ相手には頭が上がらない、という意外な一面を見ることができます。

他にも、土方とミツバの淡く切ない恋愛ドラマが描かれており、普段の『銀魂』長編とは少し違う雰囲気なのも特徴です。

ミツバは元々体が弱く、病弱な自分を気遣ってくれた商人の元へと嫁ぐために江戸にやってきます。弟の沖田もミツバの幸せな縁談に喜んでいました。

しかし、その縁談の相手は、裏では「攘夷浪士」と呼ばれるテロリストと通じている悪徳商人で、取り締まる立場にある真選組としては見過ごす事ができません。

そんな板挟みの状況に葛藤する沖田と、あくまで真選組としての立場を貫こうとする土方との対立などがシリアスに描かれています。

中でも見どころなのは、沖田が土方に対して常に反感を抱いている根っこの部分と土方の不器用な男前ぶり、そして2人をまとめる近藤局長の器の大きさです。

この3人の、お互いを理解し合い、認めっている男の友情。

そして、自分の進む険しい道に、惚れた女であるミツバを巻き込ませまいとする土方の、ミツバの幸せのためにあえて嫌われ役を買って出るかっこよさには、男の美学を感じます。

物語の終盤、病弱で先が長くはなかったミツバが、弟である沖田に看取られて息を引き取りますが、そのシーンは涙なしには観られません。

『銀魂』の人気の火付け役となった紅桜篇【ネタバレあり！】

今では非常に沢山の長編ストーリーがある『銀魂』ですが、実は昔はジャンプの中でもそれ程人気ではなく、打ち切り候補とまで言われていました。

そんな『銀魂』が人気作品へ駆け上るきっかけとなったのが、初の長編ストーリーである「紅桜篇」です。

坂田銀時の攘夷戦争時代の仲間、桂小太郎や高杉晋助の過去を初めて取り扱い、大規模な戦いを描いたストーリーとなっています。

江戸の町では、腕利きの剣士たちを狙った辻斬り事件が多発しており、銀時の旧友である桂も斬られたとの噂が流れます。

桂のペットであり仲間でもあるエリザベスが桂の捜索を依頼しに、万事屋を訪ねてきます。

そんななか、下手人はかつて銀時と剣を交えた盲目の剣士、岡田以蔵であることが判明します。

かつて銀時と切り結んだ時は敗北を喫した岡田でしたが、「妖刀・紅桜」を手にしたことで、桂や銀時さえ圧倒するほどの強さを身に着けていたのでした。

そして、その岡田の背後には、かつての攘夷戦争時代の仲間であり過激派の攘夷浪士のリーダー高杉晋助が…！

江戸の町で暮らす銀時や、もとは高杉と同じテロリストでしたが、銀時との再会や江戸の人々との触れ合いによって穏健派となった桂たちが、江戸の町を狙った大規模なテロ攻撃を画策する高杉一派「鬼兵隊」を相手に、江戸の町を守るため、激しい戦いを繰り広げます。

「紅桜篇」は幕府を倒そうとする過激派の高杉たちとの長い戦いの幕開けとなったことで、非常に印象深い長編になっています。

人気も根強く、アニメで放送された話とは別に、特別編集を加えた『劇場版 新訳紅桜篇』や実写映画化でも取り扱われ、長編の中でも非常に完成度が高い本篇は、『銀魂』を語る上では欠かせないストーリーとなっています。

『銀魂』アニメ最終回までのクライマックスを描いた銀ノ魂篇【ネタバレあり！】

長年に渡ってアニメ化されてきた『銀魂』のラストを締めくくる長編ストーリーが「銀ノ魂篇」です。

『銀魂』は最終回に向けて長編ストーリーが続き、それらはある意味ひとつの物語と言えるのですが、便宜上いくつかのストーリーに分かれています。

それらは、「将軍暗殺篇」「さらば真選組篇」「洛陽決戦篇」そして「銀ノ魂篇」の4つに分けられ、ラストに向けての大長編ストーリーとなっているのです。

「銀ノ魂篇」は、将軍の暗殺により幕府が倒壊した後、万事屋一行と桂一派、そして鬼兵隊の生き残りが、最大の敵である「虚」との最終決戦を迎えるストーリーです。

虚は、銀時たちの恩師である吉田松陽と同じ顔をし、剣の腕前も圧倒的。

地球の利権を狙い、支配しようと画策していた「天人」と呼ばれる、宇宙人の中でも黒幕の組織・天導衆を隠れ蓑に糸を引き、地球を滅ぼすことで不死身である自らをも終わらせるべく、アルタナを暴走させようとします。

そんななか、アルタナの力を横取りしようとする解放軍からも地球が狙われる…という、2つの勢力を相手取る形になっており、絶望的な状況から始まります。

「銀ノ魂篇」のストーリーの魅力は、今までの長編ストーリーで活躍してきたオールスターたちの再登場と、単なる武力闘争だけではなく、地球を狙う解放軍を退けるために政治交渉を持ちかけたりするなど、本格的な戦の形を取っているところです。

準レギュラーである真選組たちの帰還や「洛陽決戦篇」で星海坊主たちと戦った神楽の兄・神威が率いる春雨たちや「歌舞伎町四天王篇」で登場した泥水次郎長や平子なども登場し、ファンを喜ばせる物になっています。

しかし、オールスター軍をもってしても、その圧倒的な戦力によって絶望的な状況に陥り、虚という最大のボスに全戦力で立ち向かっても何度も打ち負かされそうになるなど、ハラハラする展開が続きます。

更には虚の計略により、地球のアルタナは一度暴走させられかけ、それをペットである定春が命をかけて阻止するところは、万事屋たちの家族のような絆を見ることができ、集大成を感じます。

『銀魂』あらすじまとめ

『銀魂』には、紹介したストーリー以外にも魅力的な長編ストーリーがいくつもあります。

そして、それを引き立たせる短編や一話完結のギャグパートも非常に面白く、アクセントと起伏がとてもよく利いた物語として視聴者を飽きさせません。

長編で登場したキャラが、ギャグパートなどで再登場して違う一面を見せたり、過去を掘り下げることでキャラクターにより厚みを持たせたりするストーリー展開こそが『銀魂』という作品の人気の秘密なのです。

原作がジャンプ作品であるアニメは知名度の高いものが多いですが、『銀魂』はその中でも非常にクオリティが高いので、今まで観たことがない人でも絶対に楽しめる作品となっています。