導入された犯罪係数、「あなたの心に潜む未来の可能性が裁かれ」る。あなたの人生は全て「シビュラシステム」が決定する?!
「成しうる者が為すべきを為す。これこそシビュラが人類にもたらした恩寵である」 国民憲章序文
22世紀、日本は新しい防犯システムを確立します。
それは、罪を犯したものを罰するためのシステムではなく、罪を犯す可能性のあるものを未然に捕獲するためのシステムでした。
PSYCHO-PASSは精神を測定する装置であり、「善人か悪人かを判断する」犯罪係数を検出することができます。
この「犯罪係数が規定値を超え」れば、「潜在犯として逮捕・隔離され」てしまいます。
この「潜在犯を摘発」し、事前に事件を防ぐと同時に、「全住民の徹底的なメンタルケアとストレスケア」を行うことで、この世界の犯罪発生率は激減しています。
さて、潜在犯が事件を起こす前に捕まえなければいけないのですが、この潜在犯を含め、「犯罪係数の高い人間を処理するためには、同じく犯罪係数の高い人間の方が適して」います。
そのため、「高い犯罪係数を叩き出しつつ、しかし政府のために働くことを条件に隔離施設から解放された刑事」がいます。
彼らは「執行官」と呼ばれています。
彼らは刑事でありながら犯罪係数が高いため、事件を引き起こすリスクを有しています。
そのため、執行官は一人で外出することができず、必ず「間違いを犯さないよう厳しく監視する」役目の人間、すなわち「監視官」が同行する必要があります。
この執行官と監視官が在籍し、犯罪係数が高い人間を取り締まっているのが「厚生省公安局刑事課(こうせいしょうこうあんきょくけいじか)」です。
この公安局で働く執行官と監視官を巡る物語がPSYCHO-PASSです。
執行官と監視官
狡噛慎也(こうがみしんや)は、公安局に勤める執行官です。
ここに新たな監視官、常守朱(つねもりあかね)がやってきます。
新しい監視官常守は少し変わっています。
潜在犯を追い詰めていた時のことです。執行官や監視官はドミネーターという銃型の武器を使って潜在犯を判定しています。
ドミネーターを対象に向けると、狙った相手のPSYCHO-PASSを読み取り、「相手が潜在犯だった場合のみセイフティが解除され」武器としての役割を果たします。
すなわち、ドミネーターは相手の犯罪係数によって変化します。
向けた相手の犯罪係数が低い場合、銃は武器としての役割を果たしません。
しかし、相手の犯罪係数が基準値よりある程度高い場合は「パラライザー」、すなわち麻酔銃となり、対象の動きを封じます。
このシステムにより、犯罪係数の低い所謂「一般人」を撃ってしまうという事態は起こらないようになっています。
さらに、犯罪係数が一定を超え、「更生が不可能」と判断された場合、ドミネーターは「エリミネーター」となり、対象はこの世から抹消されてしまいます。
このように、犯罪者として罰せられるか否かは、全てシビュラシステムに任されているのです。
この様に、シビュラシステムにより監視され、統制された社会に生きることに人々は慣れています。
そして、シビュラシステムに馴れすぎた人々は、シビュラシステムの判断を信じ、自分の価値観に従って行動することはほとんどありません。
しかしながら、常守監視官は自分の正義に従って行動します。
その行動を、執行官狡噛は評価し、彼女をサポートしていくのです。
PSYCHO-PASSの中のサイコパス
Psychopathは日本語で精神病質と呼ばれています。
シュナイダーは、精神病質を平均的な人間像から定義される正常な人格から大きくはずれた人格を持っており、その人格のために本人もしくは周りが困難さを感じるものと定義しています。
PSYCHO-PASSの中にも、このサイコパスと呼ばれる人々が何人か登場します。
狡噛は、以前自分が担当した事件の裏で糸を引いていた人間の存在を疑っています。
現在起きている事件も、実は同じ人間が他者にやらせているのではないか……。
犯罪を行いながらそれを楽しみ、天才的な頭脳で操っている人間の存在が暗示されているのです。
そうであるのだとしたら、シビュラシステムに引っかからないのは何故であるのかという疑問が浮かびます。
また、犯罪係数の高い者の傍にいると、その人間の犯罪係数も上昇してしまうというのもこの話の1つのテーマとなっています。
犯罪係数の高さは人から人へと伝染してしまいます。
そのため、大変不幸なことに、犯罪被害者となった者の犯罪係数が上がってしまい、刑の執行対象となってしまうことも少なくありません。
シビュラシステムは被害にあったことによって犯罪係数が上がった人間をも「抹消」の対象とします。
シビュラシステムを使用する人間は、それを不思議に思わず、対象を抹消するのです。
言われるままシビュラシステムに従って生きることにいかなる意味があるのか……。
そもそもシビュラシステムとは何であるのか……。
これらもPSYCHO-PASSの見どころとなっています。
漫画とアニメ
アニメPSYCHO-PASSはどちらかというと執行官である狡噛の視点から話が進みます。
一方で漫画は『監視官常守朱』という名前の通り、監視官の視点から同じ事件が進んでいます。
どちらから見ても、話の展開に違和感なく、PSYCHO-PASSの世界観を楽しむことができます。
参考元
- ・参照リンク:アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」
- ・参照リンク:アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」
- ・シュナイダー 臨床精神病理学序説みすず書房
- ・監視官常守朱集英社
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