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2019/01/21
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自由に生きるという事。今一度振り返って観て欲しい映画「リンカーン」

リンカーン(映画)が今すぐ観れる

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私達は今まで以上に人と人の繋がりについて考えなくてはいけない時に来ているのかもしれません。そして国際化の進んだ昨今、それは輪が広がり国と国との交流としての問題になっているのです。150年前に遡り考える、人としてのあり方。あなたは海外にも友達がいますか?

目次

リンカーン大統領

プレジデントデー

アメリカでは、2月の第三月曜日に「プレジデントデー」としてアメリカの歴代大統領を称える祝日があります。

以前は2月22日にアメリカの初代ジョージ・ワシントン大統領の誕生日をお祝いしていました。

2月12日には16代目のアブラハム・リンカーン大統領の誕生日も同様に祝われていました。

しかし、1971年より当時のリチャード・ニクソン大統領が全ての歴代大統領を同じ日に祝うことを決め、2月の第三月曜日が大統領の日となったのです。

日本における天皇誕生日と同じ様な祝日ですね。

公共機関などはお休みになりますが、民間業者は営業しています。

お店の特別セールの広告があちらこちらに出て、ビジネスは大賑わいです。

さて、初代の大統領ジョージ・ワシントンを称えるのはわかります。

では何故アブラハム・リンカーン大統領も、歴代大統領の中で特別にお祝いされるのでしょう?


あなたは学校で教わった事を思い出したでしょうか。


彼が南北戦争で果たした役割には、特に1862年の奴隷解放宣言を発表した、ということがあります。

また、1863年に行われた演説『人民の人民による人民のための政治…』はあまりにも有名です。


未だに根強く残る人種差別の問題ですが、当時の黒人を人と思わない奴隷制度は、現代の私達には想像もできないようなものだったに違いありません。


そう、アメリカ白人による黒人奴隷制度廃止に動き、新たな憲法を作ったのがリンカーンなのです。

映画『リンカーン』

2012年に発表された『リンカーン』という映画をご存知でしょうか?

アメリカのドリームワークスから出された映画で、アカデミー賞やゴールデングローブ賞で最多のノミネート数を記録した作品です。


監督はスティーブン・スピルバーグです。

今更説明する必要のないぐらい有名な映画監督ですよね。

彼は「E.T」「インディ・ジョーンズ」「ジェラシック・パーク」などの多くの大ヒット作品を生んでいます。


その彼が2000年ぐらいから10年以上もの長年に渡り温めてきた作品がこの映画『リンカーン』です。

原作者のグッドウィンから執筆計画がある事を聞いたスピルバーグは、すぐに映画化権が欲しいと彼女に言ったそうです。


『リンカーン』は、2011年にようやく撮影開始となったほど、彼のこだわりの映画と言えるでしょう。

監督スピルバーグの思い

スピルバーグは以前にも奴隷解放をテーマにした映画「アミスタッド」(1997年)を製作しています。

しかしながら、こちらも素晴らしい作品であるにも関わらず、興行的には成功しませんでした。


スピルバーグの他の作品を振り返ってみると、彼が人種差別などの大きな問題に、常に向き合っていることが伺えます。

ですから、アメリカの伝記作家であり、また政治評論家でもあるドリス・カーンズ・グッドウィンの執筆には興味以上の物を持ち、すぐに飛びついたのでしょう。


この映画は、南北戦争時代を取り上げていますが、スピルバーグが最終的に「アメリカの合衆国憲法修正第13条」の可決の苦悩と戦いをメインテーマにすることを決断しました。

時代を再現

この映画では、当然の事ではありますが、悲惨な戦争での「死」という物に向き合うシーンが幾つか映像として出てきます。

しかし、映画自体は戦場以外での人と人との駆け引きや論争などの方が多く、戦場の悲劇を前面に出したものではない、内面的な戦いの物語となっています。


そんな映画の中で一際目を見張るのが、映画のセットです。

背景、小物、衣装と細部の細かな物まで忠実に当時を再現しようと努力されました。

衣装はその時に着ていたものの絵などを見て、出来る限りそのままのデザインで作ったり、デスクに乱雑に置かれた物なども一つ一つ精密に復元された物だという事です。

特に、リンカーンが最後に身に着けていた懐中時計の実際の音をつかった時間を刻むシーンは、時の重さを感じさせるシーンです。

アブラハムとメアリー

リンカーンはダニエル・デイ-ルイスが演じています。


しかし2005年の企画発足時には、リーアム・ニーソンにキャスティングが決まっていたんです。

彼は役作りの為に色々研究したりもしていました。

ただ残念なことに、実際に撮影が開始したのが5年以上も経ってからになってしまい、歳を取ったリーアムは降板することになりました。


その様な経緯の後に選ばれたダニエルですが、素晴らしい演技を披露し、幾つもの映画祭などで主演男優賞を受賞しています。


彼は、穏やかな話し方でありながら、信念をしっかりと持ったリンカーンを力強く演じています。

私達が今まであまり考えた事のなかった「リンカーン」という、ひとりの人物の人生や人柄を深く演じていることがわかり、強く印象に残ります。

アブラハム・リンカーンの妻、メアリー・トッド・リンカーンを演じたのはサリー・フィールドです。

フィールドは1960年代に女優としてデビューしていて、「ノーマ・レイ」や「プレイス・イン・ザ・ハート」では主演女優賞を受賞し、沢山の良い作品に出ています。

スピルバーグが、メアリーの様に複雑な役は彼女以外に考えられない、と言うほどの実力派女優です。


演技もそうですが、彼女の着るドレスはどれも素晴らしく、見入ってしまいます。


フィールドは脚本を見て出演することを決めたそうですが、最初に役の話が来た時、彼女は自分には出来ないと思ったそうです。

何故ならば、メアリーはアブラハムより9歳若いのに対し、自分はダニエルよりも11歳も年上だったからなのです。

他の俳優たち、国務長官ウィリアム・スワードを演じるデヴィッド・ストラザーンや弁護士タデウス・スティーブンスを演じるトミー・リー・ジョーンズなどを筆頭に素晴らしい役者ばかりです。

撮影では、アングルがコロコロ変わることなく、お互いに向き合って、会話すらない、無言の長い描写があったりしました。

つまり、役者は目だけでの演技や息遣いだけの演技を要求されたのです。


この物語はリンカーンが再選した後の2ヵ月という短い間に絞られた物です。

南北戦争が4年も続き、もうこれ以上犠牲者を出してはならない…と、戦争を終結させなければいけない、危機迫った時期。

この歴史が変わる瞬間を演じる為に、ダニエルは役作りに一年間の準備期間をもらい、挑みました。

1862年に奴隷解放宣言を出したものの、なかなか奴隷制度がなくなる事はなく、1865年に戦争終結を迎えるまでに可決しなければいけなかった奴隷解放の修正憲法。

自分の一生を政治に捧げたリンカーンの、人生の最後の戦いを描いた映画を、ぜひ一度観てみてはいかがでしょうか?


今年からアメリカは、民主党のオバマ大統領が8年の任期を終え、共和党のトランプ新大統領へと代わりました。

保守派である共和党からの大統領なのですが、リンカーンも共和党だったんですよね。


この映画を通して、150年という月日の間に私達の生活はかなり変化してきたのだという事を考えさせられます。

国際的な壁が少なくなった今、そして自由に生きるという事が難しくなった今の世の中で、アメリカはまたも人民が二つに分裂しています。

参考元

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