2010年から放送されているドラマ『ウォーキング・デッド』は、ウォーカーと呼ばれるゾンビと、生き残りをかけて戦うホラーパニック。ゾンビがテーマでありながら、生存者の深いドラマ展開が話題になっています。世界に何が起こったのか、その始まりは…?
革命を起こしたゾンビパニック『ウォーキング・デッド』
2010年に放送が開始されてから世界中で話題になり、人々を虜にしたドラマ『ウォーキング・デッド』。
原作はロバート・カークマンとトニー・ムーア、チャーリー・アドラードのグラフィックノベル『ザ・ウォーキング・デッド』を基にしています。
放送後は、米ケーブルテレビでも高い視聴率を誇り、ゴールデングローブ賞ドラマ作品部門でノミネートされています。
アメリカでは、シーズンを追うごとに視聴率もアップし、その現象は日本の視聴率にまで及んでいます。
ウォーカーと呼ばれるゾンビが蔓延る世界、そのなかで決死のサバイバルを繰り返す生存者たち。
また、生存者たちが集まったキャンプ(グループ)内での争いや、キャンプ同士が牙をむける、この世界ならではの戦いも描かれています。
崩壊した世界で、人はどうやって生き残るのか。
一見非現実的なようですが、現代にも違う形で似たような現象が起こるかも…。
ゾンビという言葉は存在しないゾンビの世界
『ウォーキング・デッド』には、ゾンビという言葉が存在しません。
彼らはそれを、ウォーカーやバイターと呼んでいます。
人が死に至ってから脳が停止し、早くて10分以内に黒く変色した脳だけが動き出し、再生します。
その時にはまったく別人になっており、記憶も意志ないウォーカーとなり人に襲い掛かるのです。
ウォーカーに傷をつけられたり、噛まれた人は高熱を出した後、死に至ります。
そして、謎のウイルスによってウォーカーとなってしまうのです。
しかし、手足であれば噛まれた直後切断すればウォーカー化を防げる場合もありますが、時間が過ぎるほど、その可能性も低くなります。
また、この謎のウイルスはたとえウォーカーに噛まれていなくても、病気やほかの怪我で亡くなった場合、死後必ずウォーカーになってしまうのです。
ウォーカーを倒す場合、またはウォーカー化を防ぐには、脳を破損させるのが一番効果的な方法です。
いくら手足や体を攻撃しても、決して動きをとめることはないのです。
シーズン1に登場するメインキャラクター
リック・グライムズ
リックは、ジョージア州で保安官代理をしていた人物です。
ある事件で負傷し、数ヶ月もの間意識不明となっていました。
とても真面目な性格で保安官代理をしていたので、拳銃の扱いにも長けています。
意識を取り戻したあと、モーガンと出会い、今の状況を知ることになります。
窮地に陥った際、グレンに命を救われ、彼らのキャンプへ向かいました。
そこで、妻ローリと息子のカールと再会し、正義感の強さと真面目な性格で、実質的にキャンプのリーダーとしてみんなを率いていきます。
シェーン・ウォルシュ
シェーンは、リックの保安官時代の同僚であり親友。
リックがキャンプにくるまでは、彼がリーダーとして、みんなをまとめていました。
リックがリーダーになってから、サブリーダーとしてリックを支えていました。
現実主義者で、仲間を守る責任感は強く、非道なことをする場合もあります。
ローリを支えているうちに、深い関係となります。
しかしリックが現れた後、考え方の違いやリックへの嫉妬心から、対立するようになります。
ローリ・グライムズ
ニックの妻ローリは、シェーンから夫は死んだと聞かされ、支えてくれているシェーンと深い関係になっていきました。
ニックが現れてから、彼は死んだといったシェーンを責め、一方的に距離をとってしまいます。
世界崩壊前は、リックとの夫婦関係の悩みを、シェーンに打ち明けていたことも。
グレン・リー
グレンは、リックが危機的状況になっていたとき助けてくれた人物です。
リックを仲間の元に連れて行ったのもグレンです。
誰かを助ければ誰かが助けてくれるをモットーにしており、身軽で素直な性格なので、キャンプでは物資調達を担当しています。
以前は、ピザの配達をしていたこともあり、街には詳しい。
メンタル面が弱いのがたまに傷。
ちょっとお調子者なところもあり、乗せられると断れないのも、グレンのいいところです。
ダリル・ディクソン
ダリルは、ファンの間でも一番人気の高い登場人物です。
寡黙で気性の荒いところがありますが、攻撃的な性格でも、支配力が強いわけではありません。
仲間と群れずにひとりで行動する一匹狼タイプ。
しかし、常に仲間を気遣うような、優しい一面もあり、後にリックの右腕的存在になっていきます。
戦闘能力は非常に高く、常にリックたちと先陣を切り、グループでも必要とされている人物。
狩猟が得意で、狩りで獲物を捕獲するのにも長けています。
また、足跡を辿って、人や獲物を探すのも得意です。
武器はボウガンを使用しており、移動にはバイクを使用しています。
キャロル・ペルティエ
キャロルは、『ウォーキング・デッド』のなかでもっとも変化していく人物です。
当初は、夫の暴力にも耐え、戦闘能力もない、気弱で何も出来ない女性でした。
夫が亡くなった後は、見違えるように強くなっていきます。
その強さは、リックたちとは違い、冷静かつしたたか。
仲間を守る意識は非常に高く、時には考えられないような非道なことをする場合もあります。
荒げた怒りを見せるわけではなく、静かに激高するタイプ。
誰かに相談するわけではなく、自分の考えを躊躇することなく行動に移してしまいます。
カール・グライムズ
カールは、リックとローリのひとり息子。
父親に憧れていたので、リックの死を聞いたときにはひどく落ち込んでいました。
リックと再会したあとも、父親がわりだったシェーンのことは尊敬しており、自身の悩みも相談していました。
純粋な心の持ち主で、父親同様、正義感に溢れた少年。
子供ながらにも、仲間を守って戦いたいという意識が次第に高くなっていきます。
モーガン・ジョーンズ
モーガンは、リックが病院で目覚めて、初めにあった生存者です。
妻はウォーカーとなってしまい、息子とふたりで暮らしていました。
この世界の状況をリックに教え、ウォーカーと戦うすべを教えたのもモーガンです。
リックの誘いを断り、息子とその場で暮らすことを選択しますが、リックとは何度となく再会することになります。
どんなに悪人でも必ず改心すると信じる節があり、ウォーカーは殺しても、生きている人間は殺さないという強い意志があります。
シーズン1 その他の登場人物
グレンたちのキャンプのメンバーは、他にもダリルの兄メルル、元弁護士のアンドレア、黒人のTドック、グループ最年長のデール、キャロルの娘ソフィアがいます。
また、このほかにもキャラが数人存在していますが、彼らはシーズン1では登場場面も多くなく、中心的人物ではないので、省略しています。
その時、世界の終末を目にする:あらすじ
リックは、逃走犯を追う任務の最中、銃弾に倒れ意識不明の重体になってしまいました。
数ヵ月後、目が覚めると文明は崩壊し、ウォーカーが蔓延る世界を目の当たりにしました。
リックは自宅に戻りましたがもぬけの殻で、モーガン親子に出会い、自分が意識不明状態の最中に起こった出来事を教えてもらいます。
3人で警察署に向かい、必要な武器弾薬を持ち出し、リックはひとりアトランタを目指したのです。
しかし、都心はウォーカーで埋め尽くされており、危機的状況に陥ってしまいます。
放置されていた戦車の中に避難すると、グレンが無線から呼びかけてきました。
グレンの言葉に従い、何とか脱出し合流。
グレンの仲間の元に連れられ、アンドレアやTドッグ、メルルたちと出会あったのです。
命をかけて安住の地を求める
ウォーカーから逃げ延びるため、グループは遠くに避難していました。
しかし、次第にその場にもウォーカーが出現し、仲間を守るためリックは選択を迫られます。
リックやダリル、グレンなど戦力のある者が不在のなか、キャンプがウォーカーに襲われ、死者が出てしまいました。
野ざらしで生活していくには、危険が多すぎる。
しかし、CDC(米疾病予防管理センター)なら、何か治療薬が開発されているのではないかと考えたのです。
確かに、ウイルスが原因であれば、何らかの対処方法が進められていると期待します。
そして、一部の仲間は別の道を選択し、残った仲間たちでCDCを目指しました。
CDCでは、ジェンナーという男性ひとりだけが生存していました。
彼は、長い間ひとりで研究を進めていましたが、希望の光は見られなかったのです。
CDCでも解決に至らないとなれば、ウォーカーと戦いながら安住の地を求めて移動しながら生活するほかありません。
しかし、安住の地などどこに存在するのか…。
その地を求めて、彼らは果てしない旅へと出発するのです。
5000:1 ゾンビと人間の比率が絶望的
単純に、ウォーカーと戦いながらこの世界で暮らしていくのは、命がけで暮らすしかありません。
何といっても、ウォーカーと人間の比率は、5000:1という、絶望的な数字です。
少し移動するだけでウォーカーが目に入り、時にはウォーカーの群れと遭遇してしまう危険もあるのです。
また、ウォーカーは音に反応するので、物音を立てず潜んでいれば、危険は避けられる可能性もあります。
また、生きる者の匂いを嗅ぎ分けられるので、ウォーカーの内臓を衣類に付着させることで人の匂いが消え、ウォーカーの中を移動することも出来るのです。
その際は、彼らと歩幅を合わせるようにゆっくり歩き、出来るだけ目立たないようにすることが重要です。
しかしながら、いつまでもこの生活を続けていくのは不可能です。
ウォーカーは、体が朽ち果てても、脳が攻撃されない限り、死にいたることはありません。
5000:1という驚異的な違いに、彼らはこの先、どう生き残っていくのでしょうか。
敵はゾンビだけではない!
『ウォーキング・デッド』の始まりは、ウォーカーから身を守ることから始まります。
しかし、文明が崩壊すると、不足になるのが食料です。
土も水も汚染されており、作物を育てる場所もなければ、いつかは飢え死にしてしまいます。
そうすると起こるのが、食料や物資の強奪です。
グループを作っているのは、リックたちだけではありません。
グループ同士が争い、相手を殺してでも奪おうとするのです。
もちろんリックたちはほかのキャンプを襲うなどの非道な行為は行いませんが、なかにはそういう輩も少なくはないのです。
ウォーカーと戦いながら、人間とも戦わなくてはならない。
自分の仲間以外信じられない、そんな現象が起こってしまいます。
どんなにいい人でも、それを信じることさえ出来なくなり、出会う者すべてを敵と見なすようになっていくのです。
リアルさを求めた細かい演出にも注目!
『ウォーキング・デッド』の世界感を創り上げるにあたり、様々なところで細かい演出が施されています。
たとえば、ウォーカー役にもオーデションがあり、合格したからといって、すぐに出演できるわけではありません。
ウォーカー養成所というものが存在していて、そこでウォーカーの動きをマスターしなければならないのです。
「午前2時にバーから出てきた酔っ払い」をイメージすることが、ウォーカー役を演じる上でのコツ。
「午前2時」という時間設定があるのも、面白いですよね。
また、上半身だけのウォーカーは、脳に損傷がなく、体が腐敗した状態なので、時間経過を表す細かい演出もされているのです。
しかも、回を重ねるごとに、腐敗状態も進激しくなります。
文明崩壊後の時間経過をウォーカーで表現するという、見事な演出にも注目してくださいね。
ドラマにしか登場しないキャラクターがいる
この作品の人気キャラクターのダリル・ディクソンは、原作には登場しない人物なのです。
ノーマン・リーダスは、この作品のメルル役のオーディションに参加していました。
この時のノーマンの演技に感動した監督が、ノーマンのためにダリル・ディクソンという役名を作ったのです。
また、後に登場する女性キャラのなかにもうひとり、原作に登場しない人物が存在します。
ストーリー展開に気を抜かない!
『ウォーキング・デッド』は、ゾンビの蔓延る世界観を表現する技術にも、目を見張るものがあります。
しかし、なにより注目して頂きたいのは、この世界を通して生まれる人間関係や、深い絆で繋がりを見せる人間ドラマです。
危機を乗り越えると、また新たな壁にぶつかる。
そして、それをまた乗り越えて成長していく。
そんな彼らの姿に感動すら覚えます。
いつか平和な日々を取り戻すことが出来るのか、そんな期待を持ちながら、戦い続けていく彼らを支えたくなるのです。
次に何が起こるのかドキドキしながらも、仲間同士の深い繋がりに、いつの間にか彼らと同じ目線に立っていることに気がつくのではないでしょうか。
参考元
- ・参照リンク:ウォーキング・デッド - Wikipedia
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