『黒執事Ⅱ』は、ふたりの黒執事と若き当主たちの戦いを描いた作品で、原作にはないアニメオリジナルとして全12話に渡り製作放送されたものである。最終的にシエルが悪魔になるといった、原作には無いストーリーで、意外な展開に満足しているファンも多い。いったいどんな物語なのか、あらすじや登場人物など交えながら紹介する。
『黒執事Ⅱ』とは
『黒執事Ⅱ』は、2010年に放送されていた作品だ。
新たな闇、名門トランシー家の当主アロイスと、ファントムハイヴ家当主シエルとの腹の探りあいや、悪魔で執事のふたりの巧妙なやり取りが描かれている。
ファントムハイヴ家の使用人や、死神グレルも登場するシーンはあるものの、ほとんどはシエルとアロイス、執事たちの物語で構成されている。
トランシー家もファントムハイヴ家と同じ、裏で女王と関わりがあるが、シエルが女王の番犬と呼ばれているのに対して、アロイスは女王の蜘蛛と呼ばれている。
今作ではアロイスがシエルに大して牙をむくことになる。それはセバスチャンへの復讐を果たすためであるのだが、実はクロードからの嘘の情報によりアロイスは踊らされているのだ。
『黒執事Ⅱ』主要登場キャラクター
セバスチャン・ミカエリス
本作の主人公でファントムハイヴ家の”悪魔で執事”のセバスチャン。
シエルが復讐を果たしたら、魂をもらうという契約をしているが、2期では意外な展開に不満げな顔を見せる。
シエルにセバスチャンという名をつけられたが、その名は昔、シエルが飼っていた犬の名前である。
シエルに仕える忠実な執事ではあるが、時に情報を伝えなかったり、ちょっとだけ危ない目にあわせたりと、悪魔らしい一面も見せている。
シエル・ファントムハイヴ伯爵
ファントムハイヴ家の若き当主シエル・ファントムハイヴ伯爵。
9歳の頃、何者かに両親を殺害され、シエル自身は怪しげな団体に売られてしまったが、黒の儀式の犠牲になる寸前に逃れている。
黒の儀式の最中に悪魔を呼び出し、自分を虐待していた者たちをセバスチャンに皆殺しにさせた。
セバスチャンとの契約の刻印は右目にあり、普段は黒い眼帯で隠している。また、儀式でつけられた焼印が背中にある。
2期では、記憶の一部を失っているということもあり、使用人やリジー、セバスチャンのことは分かっているが、ソーマやアグニのことは覚えていない。
クロード・フォースタス
トランシー家の”悪魔で執事”のクロード。森で”妖精の呪文”を唱えたアロイスに呼び出され契約を果たした。
アロイスに、ルカの魂を食らったのはセバスチャンだと嘘を吹き込み、復讐の標的をセバスチャンにさせた。
セバスチャンにシエルの魂を食わせないため、カラスの姿になってシエルの魂を掠め取った張本人。
一時、セバスチャンと悪魔同士で契約したが、シエル欲しさにその誓いを破っている。
自分にすがるアロイスに愛想を尽かし、最終的に殺害してしまう。
アロイス・トランシー
トランシー家の若き当主アロイス・トランシー。村の裕福な家庭で育てられたが、両親が亡くなったあとは、村人たちに蔑まれ貧しい生活をしていた。
弟が亡くなったあと、美少年好きのトランシー家当主の男娼をさせられていたが、クロードを呼び出して契約し、トランシー家の当主となる。
クロードから、弟のルカを殺したのはセバスチャンだと吹き込まれ、復讐のためにセバスチャンからシエルを奪おうとしている。
残虐で冷徹な一面があり、ハンナが目を合わせただけで片目をつぶしてしまうなど、少しでも気に入らないことがあると暴力的になる。
ハンナ・アナフェローズ
トランシー家に仕える女中で、どんな酷いことをされても決してトランシー家を去ることはしない。
一見みるとかわいそうな女中という姿ではあるが、その正体は意外なものであった。
トンプソン、ティンバー、カンタベリーという、正体不明の三つ子を従えている。
左目に包帯を巻いているが、その目はアロイスに指でえぐられたものである。しかしその後、包帯を取るシーンでは元に戻っている。
シエルが記憶喪失に!? すでに魂は抜け殻だった!?
アニメ1期の終わりで、契約どおり復讐を果たしたシエルの魂を、セバスチャンが食べようとしたとき、魂がないことに気がついた。
そこにいた1匹のカラスに、シエルの魂が掠め取られていたのだ。そのカラスの正体はクロードであり、シエルの魂はトランシー家の地下に隠されてしまったのだ。
この時点で、アロイスは既にシエルを狙っていたのだろう。1期から続いているように見えるが、実は原作とは全く違うストーリーが展開することになる。
シエルとセバスチャンとの契約は、復讐を果たし魂を食わせるまでは、永遠にシエルの執事でいろというもの。
シエルの魂がなければ、契約は完結しない。セバスチャンはシエルの魂を奪い返すために、旅人を装いトランシー家に入る。
しかし、シエルの魂は戻ったものの、一部の記憶を失くしてしまっていたのである。
アロイス・トランシーの薄暗い過去とは
アロイスの本名はジム・マッケンといい、村でも裕福な家庭に生まれた。幼い頃、両親が亡くなると村人は態度を翻した。
アロイスは村人を憎むようになり、全員がいなくなればいいと願うようになったのだ。
翌日、その願いは叶ったかと思われたが、弟のルカもまた命絶えてしまった。その後アロイスは、トランシー家の男娼にされてしまった。
ルカが居なくなり絶望したアロイスだったが、ルカを殺した犯人はセバスチャンだとクロードから聞かされ復讐を決めたのだ。
復讐といってもそう易々と葬ることができない。ならば、シエルの魂を横取りしてしまえばいい。そういうことである。
アロイスにとって、シエルとセバスチャンは同類。どちらを奪ってもそれが復讐となるのである。
シエルの魂の味はどんな悪魔も虜になる!?
シエルの魂の味というのは、悪魔にしか分からないと思うが、セバスチャンはよく分かっている。
今までのシエルがやってきたこと、そして復讐に燃える非情なまでの行い。
誰かのためではなく、すべて自分のためにやっているということ。
どんな人間でも、所詮は自分の駒でしかなく利用価値があるものはすべて利用するといった悪魔的な考え。
それを真っすぐ貫いているシエルの魂は、とても温かくて美味いのである。
また、シエルは主人と僕という立場をきちんと分けており、その心は決して揺るがない。
しかしシエルとは対照的に、アロイスの心中は変化し、次第にクロードにすがるようになってしまった。
悪魔からすれば、自分の信念を真っすぐ持った人物と、悪魔にもすがるような人物の魂とでは、信念を持っているほうが魅力的である。
シエルの魂と比べたらアロイスの魂は比較対象外。さっさとアロイスを裏切るなんてさすが悪魔である。
グレル・サトクリフは原作ほど狂気じゃない!
強烈な印象を持つ死神のグレル・サトクリフ。本編では、セバスチャンと戦ったり、擦り寄ったりと様々だ。
しかし、2期ではセバスチャンに牙を剥くわけではなく、死神の仕事をちゃんとこなしている。
しかも、どちらかというとセバスチャンラブの意識のほうが強いようだ。
死神と悪魔は敵対しているが、ここでは死神と悪魔ではなく、単なるオカマと執事としての印象で写っている。
悪魔に協力したり、セバスチャンに対してちょっと甘い?グレルの姿は恋する乙女(オカマ)であるが、ウィルが見たらきっと怒るのだろう。
黒執事vs黒執事戦闘シーンも見どころ!
シエルをめぐって、セバスチャンとクロードが戦うのだが、悪魔vs悪魔のシーンは滅多に観られるものではないし、スマートな戦いぶりが目を惹く。
唯一、悪魔を傷つけられるのはデスサイズだけだが、悪魔同士が戦うとどうなるのか?
身体能力も同程度で、互いが死なない存在であれば、どんなに戦っても決着はつかないだろう。
確かに、ふたりが戦っているシーンでは双方が傷を負うことはない。しかも、主人のティータイムには休戦するのだ。
お菓子を作っている時は、戦いというよりちょっかいを出し合っているというような描写も面白い。
大変!シエルに何があった!?
ラストには意外な展開を迎えるのだが、シエルのこの目はまさにセバスチャンと同じ目である。
いったいシエルに何が起こったのか。魂を取り戻したはずなのに異変が起きている。
ハンナの正体は何なのか、アロイスに何をされても決して側を離れない理由とは!?
オリジナルストーリーだけあって、思わぬ展開が巻き起こる。セバスチャンが永遠の執事になるとは一体何なのか!?
1期で復讐を遂げたはずのシエルだが、セバスチャンとの契約で何かが起こっている。
参考元
- ・『黒執事Ⅱ』DVDアニプレックス
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