映画『カメラを止めるな！』キャスト全員が無名俳優？！出演者まとめ

『カメラを止めるな！』とは？　異例づくしの大ヒット映画

新人監督と無名の俳優陣による低予算映画ながら、口コミで爆発的なヒットを記録している『カメラを止めるな！』。

今回は、この作品の驚異的な人気の一端を担っている、主要キャストの面々と上田慎一郎監督についてご紹介！

各出演者＆監督のユニークな人物像を知れば、この作品をより一層楽しんで鑑賞できるはずです。

ネタバレも多少含みますので、内容を知りたくない方はご注意を！

もともとは、監督&俳優養成スクール「ENBUゼミナール」が開催しているワークショップ《シネマプロジェクト》の一環として作られた本作。

当初は6日間限定の上映予定だったのですが、口コミで人気が広がり、翌年には都内の２館限定で劇場公開する運びに。

しかしそこで人気がさらに加速！

SNSなどで話題が話題を呼び上映館も瞬く間に急増し、2018年9月の時点で全国316館に拡大！　観客動員数も120万人を超え、興行収入も16億円を突破するという快挙を達成！

また、国内外の映画祭でもその作品性が高く評価され、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」ではゆうばりファンタランド大賞（観客賞）を受賞、南米最大級の映画祭「ファンタスポア2018（ブラジル）」ではインターナショナルコンペ部門・最優秀作品賞を受賞するなど、数々の賞を獲得しています。

監督・脚本・演出を手がけた上田慎一郎氏は、この『カメラを止めるな！』が長編デビュー作となる新人監督で、また出演俳優も無名の人ばかり。

しかしながら、まったく先の読めない緻密な脚本や37分にも及ぶワンシーン・ワンカット撮影が話題となり、前代未聞の大ヒットとなりました。

今回は、そんな高評価を獲得している話題作『カメラを止めるな！』に登場する主要キャストと監督について、ネタバレも含みつつ詳しくご紹介します！

『カメラを止めるな！』のあらすじ

山奥にある廃墟でゾンビ映画を撮影していたことろ、なんと本物のゾンビが襲来！

スタッフたちが次々とゾンビ化していくなか、監督だけは大喜びで撮影を続行するが…という、ワンシーン・ワンカットのゾンビ映画を撮影した人々のお話。

『カメラを止めるな！』は、確かにゾンビ映画ではあるのですが、本筋は≪ゾンビ映画を撮影しているスタッフたち≫の悲喜こもごもを描いたヒューマンドラマです。

ワンシ―ン・ワンカットでゾンビ映画を生放送するという難題を成功させるべく、スタッフたちが奮闘する様を描いたコメディタッチの作品。

ゾンビはもちろん出てくるのですが、怖い映画というよりは、笑いあり涙ありの感動作。

ホラー作品が苦手という方も安心して鑑賞できますよ！

『カメラを止めるな！』キャスト全員が無名俳優！？

日暮隆之役 ／ 濱津隆之

本作の主人公である日暮監督は、普段はバラエティ番組の再現ドラマやカラオケの背景映像などを手がける映像作家。

ある放送局からの依頼で、ワンシーン・ワンカットのゾンビ映画『ONE CUT OF THE DEAD』を“生放送”したいという無茶振りをされ、なんとか成功させようと奮闘する役どころです。

日暮監督を演じたのは、1981年生まれで埼玉県出身の濱津隆之さん。

お笑い芸人、DJを経て、30歳手前で俳優になったという異色の経歴の持ち主。

小劇団の舞台を中心に活動していて、映像作品は短編映画に数本出演経験がある程度だったのですが、「自分を変えるきっかけになれば」とENBUゼミナール・シネマプロジェクトのオーディションに参加。

そこで、「頑張っている様子が滑稽で愛らしいキャラクター」を演じるのにぴったりだと監督に見初められ、『カメラを止めるな！』の主演に抜擢されました！

日暮真央役 ／ 真魚（まお）

日暮監督の娘。

父と同じく映像制作の世界を目指しているのですが、作品へのこだわりが強すぎるあまり、現場ではいつもトラブルを起こしてしまいます。

父の作品にはあまり興味がないのですが、『ONE CUT OF THE DEAD』にお気に入りの俳優・神谷が出演すると知り、母の晴美と一緒に父の制作現場にやってきます。

日暮真央役を演じた真魚さんは、1991年生まれで愛知県出身の女優。

23歳のときに映画『スワロウテイル』に影響を受けて役者を志し、その後、テレビドラマや映画などのエキストラを経験。

長編作品での主要キャストはもとより、名前のある役を演じること自体『カメラを止めるな！』が初めてでした。

しかし本作のヒットをきっかけに一躍有名になり、数十社もの芸能事務所からスカウトが！　その後、大手芸能プロダクションの「ワタナベエンタテインメント」に所属が決定。

今後は、女優としてさらなる活躍が期待されています！

日暮晴美役 ／ しゅはまはるみ

元女優で日暮監督の妻。

役に入り込みすぎて撮影中に度々トラブルを起こしてしまい、追放同然で引退に追い込まれた過去が…。

女優をやめて以来、他に打ち込めるものがないかと多数の趣味に手を出していますが、どれも長続きしない様子。

当初は『ONE CUT OF THE DEAD』に出演する予定は無かったのですが、撮影当日に来られなくなった女優のピンチヒッターとして急遽出演することに！

パワフルな日暮晴美役を演じたのは、東京都出身で1974年生まれの女優・しゅはまはるみさん。

もともとは「劇団東京乾電池」に所属し活動していたのですが、現在は既に退団。以後は小劇団をメインとした舞台出演のほか、テレビドラマや映画、CMなどの映像作品でも活躍しています。

『カメラを止めるな！』の劇中で晴美が連発する「ポンッ！」という台詞が話題となり、最近では「ポンッ！　の人」としても親しまれています。

神谷和明役 ／ 長屋和彰

『ONE CUTOF THE DEAD』でヒロインの彼氏である男優役を演じる、売れっ子のイケメン俳優。

役作りに強いこだわりを持っているため、納得いかなければ監督との対立も辞さないという頑固な一面も。

人気イケメン俳優・神谷役を演じたのは、1987年生まれで東京都出身の長屋和彦さん。

映画『20世紀少年 最終章』でデビューを飾り、その後は『大奥〈男女逆転〉』や『イニシエーション・ラブ』、『バクマン』など数々の話題作に出演しています。

共演者からは「休憩中みんなが騒いでいる時でも、ひとり台本を読み込んで役作りに没頭している真面目で熱い人」と評されており、お芝居に並々ならぬ情熱を注いでいるよう。

上田監督からは「面倒くさい奴」と言われることもあり、演技へのこだわりの強さは神谷とも通じるところがあるようです。

松本逢花役 ／ 秋山ゆずき

『ONE CUTOF THE DEAD』でヒロイン役を演じるアイドル。

気に入らない演出は「私は全然構わないんですけど、事務所が…」と口実をつけてはすぐに断ってしまう、ちょっと扱いづらい女性。

しかしゾンビ映画を撮影していく中で様々な困難に遭遇し、徐々に成長していきます。

あまりやる気のないアイドル・逢花役を演じたのは、1993年生まれで埼玉県出身の女優・秋山ゆずきさん。

中学生の頃からアイドル活動を始め、モデルやグラビア、舞台女優として多方面で活躍。

上田監督作品への出演は、短編映画である『恋する小説家』と『ナポリタン』に続き今回で三作目となります。

『カメラを止めるな！』の撮影中、秋山さんは走り回って傷だらけになっても文句ひとつ言わず笑顔で対応し、その“プロ根性”に上田監督もいたく感心していたのだとか。

そんな気丈な部分がある一方で、将来の夢をたずねられた際には「シンデレラになること」と答えるなど、とってもお茶目な一面も。

女優業だけでなく、今後はバラエティなどでの活躍も期待できそうですね。

『カメラを止めるな！』の上田監督ってどんな人？

キャストも無名の俳優ばかりなのですが、監督・脚本・演出をすべて手がけた上田慎一郎氏も、実は一般的にはほとんど知名度のない新人監督。

これまで自主制作の短編映画は数多く撮っていますが、劇場公開の長編作品はこの『カメラを止めるな！』が初めて。

本作で日の目を見るまでには数多くの苦労があったようで、20代前半ではネズミ講でだまされ何百万という借金を負い、一時期はホームレス生活をしていたこともあるのだとか！

しかし自分の苦境も客観視して面白がれる性格だそうで、そうした悲惨な出来事を「ネタ」として笑いに昇華してきた経験が、映画作りにも活かされているそう。

また、『カメラを止めるな！』の成功は、≪無知×無名×無謀=無敵≫を生かして繰り出した一回限りの大技と語っており、次回作はまた新たな試みで臨みたいと意欲を燃やしています。

『カメラを止めるな！』が話題となり、一躍時の人となった上田監督。今後、どんなアプローチで新しい作品を生み出してくれるのか要注目です！

『カメラを止めるな！』俳優・監督を知ることで、さらに魅力的な映画に！

新人監督と名も無い俳優たちによる映画が、これほどの大ヒットとなったのは本当に驚きですよね。

実はこの作品、役を演じる俳優を決めてから脚本を書く“当て書き”という手法がとられていて、それによりキャストたちの個性がそれぞれの登場人物にしっかりと反映されているんです。

見慣れない無名の俳優さんばかりなのに、どの登場人物もとっても魅力的に感じられるのも納得！

出演者たちのプロフィールを知った上で鑑賞すると、登場人物たちがより一層愛おしく感じられるかもしれませんね。

『カメラを止めるな！』は、まだまだ感染拡大中！

ぜひ、前代未聞の大ヒットとなった”人気の秘密”をあなた自身の目で確かめてみてください！