伝説的なSF映画「ブレード・ランナー」の続編で監督をつとめるなど、ハリウッドで注目を集めるドゥニ・ビルヌーブ最新作の「メッセージ」を紹介します。突然地球にやってきた異星人とのコンタクトを描く異色のSF映画として注目を集める本作は日本では2017年5月に公開予定です。
ドゥニ・ビルヌーブとは?
ドゥニ・ビルヌーブはカナダ出身で、短編映画を数本制作した後、1998年に「Un 32 Aout Sur Terre」で長編監督デビューをかざります。
そして、2000年の「渦」でベルリン国際映画祭パノラマ部門の国際批評家連盟賞を受賞して注目を集めます。
その後も「静かなる叫び」や「灼熱の魂」といった作品を監督して、カナダのアカデミー賞と言われるジニー賞を受賞します。
カナダでの監督としての評価を決定づけたドゥニ・ビルヌーブは、2013年に「プリズナーズ」と「複製された男」でカナダからアメリカへと進出を果たします。
そして、ドゥニ・ビルヌーブは2016年に「メッセージ」を監督後、2017年には「ブレードランナー」の続編の「ブレードランナー 2049」の監督を務めることが発表されました。
ドゥニ・ビルヌーブは、話題作を連続して監督することもあり、キネマ旬報が発表した「評論家100人が選ぶ外国映画監督ベスト10」の2位にランクインするなど現在注目の映画監督です。
「メッセージ」のあらすじ
ある日突然、異星から地球上に不思議な形をした宇宙船がやってきます。地球にやってきた目的は不明で、人類は未知の異星人にどう対処すれば良いのか、混乱に陥ります。
そんな中で言語学者のルイーズ・バンクスは、物理学者のイアン・ドネリーとともに謎の知的生命体とのコンタクトをはかる役目を担うことになります。
そして、ルイーズは“彼ら”が人類に「何か」を伝えようとしているのを知り、そのメッセージを解読していくのでした・・・。
「メッセージ」のキャスト
映画「メッセージ」で主人公のルイーズ・バンクスを演じるのは、「魔法にかけられて」・「アメリカン・ハッスル」などの作品に出演してきたエイミー・アダムスです。
そして、ルイーズとともに異星人のメッセージ解読に挑むイアン・ドネリーには「ボーン・レガシー」のジェレミー・レナーが抜擢されています。
また、「ラストキング・オブ・スコットランド」でアカデミー主演男優賞を獲得したフォレスト・ウィテカーがウェバー大佐役に、「シリアスマン」のマイケル・スタールバーグもハルペーン役で出演します。
「メッセージ」の原作
映画「メッセージ」はテッド・チャンのSF小説「あなたの人生の物語」を原作にしています。
この作品はアメリカのSF小説の分野で権威のある賞であるネビュラ賞の中長編小説部門を1999年に受賞しました。
また、この小説はSFマガジンが選ぶ「オールタイム・ベストSF」で1位を獲得するなど日本でも高い評価を得ています。
侵略物とは違った異色のSF映画
ハリウッドのSF映画で地球に異星人がやってくる物語というと、「宇宙戦争」のような異星人が地球を侵略にやってくるような作品を多くの方はイメージするでしょう。
しかし、「メッセージ」は異星人とのコンタクトを描きます。そして、この作品では数式処理システムのMathematica(マセマティカ)の生みの親として知られるスティーブン・ウルフラムが監修として映画に参加しています。
専門家が監修として参加しているこの映画では、いわゆる映画だからなんでもありではなく、きちんとした考証がなされたソースコードや数式が登場します。そうした、最新の科学的根拠に基づいて異星人とのコンタクトが描かれるところにも注目です。
映画「メッセージ」では異星人が地球人とコンタクトをはかるための特殊な文字が登場します。また、異星人が乗ってくる宇宙船のデザインも特徴的です。
そうした映像的な部分でもドゥニ・ビルヌーブ監督の「メッセージ」に期待しましょう。
参考元
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