多くの謎が明かされず、ファンからも様々な考察も上がっている『夏目友人帳』。未だ明かされていない主人公・夏目の祖父、レイコの死因、そしてニャンコ先生とレイコの関係。また、名取周一の痣の正体や的場静司の目的など、様々な謎を考察していきます。
『夏目友人帳』とは
『夏目友人帳』は、2003年から「LaLa DX」で連載中の緑川ゆき原作によるファンタジー漫画。
2008年にアニメ1期が放送され、2016年には5期が放送された。
2017年春には、アニメ6期の放送も予定され、隠された謎が少しでも明かされるのではないかとの期待も高まっている。
主人公・夏目貴志(以下:夏目)の祖母・レイコに関する謎はもとより、夏目の用心棒・ニャンコ先生(斑)に関する謎も多い。
また、祓い屋を生業としている的場静司や名取周一たちにも明かされていない謎がある。
ここでは、それらに関する謎を考察していく。
夏目レイコの謎を考察
レイコはなぜ妖たちから狙われていた?
レイコははっきりと妖が見れるほどの強い妖力を持った少女で、その力は普通の人間には理解しがたいものであった。
その力によって、変わり者扱いされたレイコの側に近づく人間は、ひとりもいなかったのだ。
孤独な日々を送っていたレイコだが、次第に妖を相手に勝負を仕掛けるようになった。
自分が負けたら何でも言うことを聞く。しかし、自分が勝ったら友人帳に名前を書け、という約束を妖たちと交わしていたのだ。
しかしレイコが負けることはなかった。
人間は妖に名を知られると呪われると言い伝えられている。一方で、妖が人間に名を知られることは服従を意味する。
友人帳に名を書いた妖は、何があってもレイコに従わざるを得なくなってしまうのである。
仕方ないと思う妖もいたが、決してそんな妖だけではない。名を返せと奪い返しにくるものもいた。
そんな妖に命を狙われることも少なくはなかったのである。
レイコの”夫”(人間説)
ニャンコ先生が初登場したアニメ1期の1話で、人間は誰も近づかないから、レイコはいつもひとりだった、と語っている。
しかし、レイコが夏目の母を産んでいるということは、誰かしら愛するものがいたということではないだろうか。
それが妖なのか人間なのか。両方を考察していく。
最近、変わった人に会ったのよ。人間のくせにこの私に話しかけてくるの。木に登ったら危ないとか、もう遅いのに外を出歩くなとか。男のクセにこうるさくて苦手なんだけど、たぶん他の町に住んでいてふらっとこの町にくるみたい。その人が時々おまんじゅうを買ってくれるの。
出典:『夏目友人帳 伍』1話
by 夏目レイコ
このセリフからは、レイコのことを気にかけてくれている男性の姿が見える。レイコが楽しそうに話していることから、決して嫌ではなかったのだろう。
今まで誰もそんなことを言ってくれる人間はいなかったため、苦手と言いつつも嬉しいと感じていたのではないだろうか。
そして相手の言動や行動から、その男性もレイコに少なからず好意を寄せていたとも思われる。
夏目の祖父が人間だと考えるならば、この男性が一番有力なのだろうが、年齢が明かされていないのが気になるところだ。
男とは言っているが、年齢に関してわかるものはない。その男性とレイコは、お父さんと娘ほど年が離れているとも考えられる。
遅いのに…とか、木に登るななんて、父親が娘にいう言葉にも聞こえる。そうなると夏目の祖父説とはかけ離れてしまうのではないだろうか。
レイコの”夫”(妖説)
夏目の祖父として斑(ニャンコ先生)説も上がっている。先ほどの男性は、斑が化けたものだとしたらどうだろう。
しかし、妖力の強いレイコは、妖が人間に化けているくらいなら分かりそうなものであるが、妖だと知っての上だとも考えられる。
斑がレイコを決して悪くいわないことや、レイコを美しい人間と言ってること。そして、夏目の側にいるといった諸々のことから、そういう考察も上がっている。
ただ、セリフのなかで「人間のくせに」と言っているので、やはりその男性は人間なのでは?そうすると、斑という線は消える。
また、他の妖だとしたらどうなのだろう。妖の中でも最上級とされている斑以外に、レイコは惹かれるのだろうか。
レイコは妖に対して決して憎んだり、見下したりしているわけではない。ヒノエの簪を探すために水の中に入ったこともある。
まったく否定はできないが、だとしたら夏目も妖の血を引いていることになるが、妖力が強いと言うだけで、妖と人間のクオーターであると考えるのは難しいかもしれない。
レイコの死因について
レイコの死因に関しての詳細は明かされていないが、若くして木の下で亡くなっていた、ということが分かっている。しかしそれが病気なのか事故なのか…。
これまでの回想シーンには、病気のような兆候は全く見られない。また、妖を相手にしていたくらいだから身軽なのではないだろうか。
そうすると事故という可能性も高くないだろう。しかし、もしそこに妖が関係していたとするとどうだろう。友人帳の件も考えると、決して不自然ではない。
ただ、妖を負かすほど強い妖力があるならば、そう簡単にやられるわけがない。
一番考えられるものとしては、夏目の母を産んだ直後である。
子を守るために命を落としたということである。その子供もまた、大人になって子(夏目)を産み、若くして亡くなっている。
妖と戦ってなのか、それとも何か契約のようなものを交わしたのかは不明だが、レイコや夏目の母の死には、何かしら妖が絡んでいるのでは、と考えられる。
斑(ニャンコ先生)の隠された謎について
ニャンコ先生の正体とは
ニャンコ先生の本当の姿は斑という妖である。妖のなかでは最上級で、本人曰く高貴で偉大な妖である。
本来は巨大な白い獣姿だが、それはそれは優美なもので、高貴と自称する理由もわかる。
『夏目友人帳 伍』では、的場に招待された会合で夏目に同行した話のなかで、人間の姿に化けることができることもわかっている。
長い間、祠に封印されていたが夏目が誤って封印をといてしまい、解放された。
夏目の顔を見たとき、レイコと間違えたり、友人帳の存在を知っていたりと、過去レイコとは顔見知りだったのか、何らかの関係があったことは間違いないだろう。
夏目が死んだら友人帳を譲り受けるという約束をして、用心棒として夏目と行動を共にしているが、見守っているようにも見える。
斑(ニャンコ先生)が封印されていた理由とは
斑(ニャンコ先生)は招き猫の姿で長い間、祠に封印されていた。一体なぜ、いつ、誰に封印されていたかなど、詳細は明かされていない。
また、長い間というのも、人間と妖の捉え方に差がある。たとえば50年という年月は、妖にとって瞬き程度だが、人間にとっては長い年月である。
具体的な年数はわからないので、それが何年なのか何百年なのかによっても、その封印されていた期間への印象は変わってくるのではないだろうか。
また、封印されている間に恨みつらみが溜まってもおかしくないのに、斑は解放されたときそんなそぶりを見せていない。
では、斑が自から封印されたと考えるとどうだろう。高貴な斑がそう簡単に過ちを犯すとは考えにくいが、高貴ゆえにということもある。
大切なものを守るため、何か(誰か)と契約したとか、封印されることによって、約束が守られるということも可能性は否定できない。
ただ、友人帳に名を書いたリオウという妖は、色が黒いという違いだけで、姿形はニャンコ先生にそっくりである。
この妖も長い間封印されていたというが、なぜニャンコ先生と同じ姿で封印されていたのだろうか。また、友人帳に名を書いたとあらば、レイコとは面識もあるはず。
だとすれば同じ姿の斑とは、同時期に同じ人物に封印されたのではないかとも考えられる。
友人帳を奪わなかった理由
斑(ニャンコ先生)が夏目から友人帳の存在を聞いて夏目の家に向かったが、友人帳を探し出そうとはしていなかった。
そして、友人帳を目にしたときに、一度は斑の姿になって夏目を威嚇したが、本気で奪い取ろうとはしていない。
夏目が死んだら譲り受けるという約束を交わしているが、妖に名を返す方法も伝授している。明らかに、友人帳を奪うつもりはないようだ。
もしかすると、斑ははじめから友人帳を奪うつもりはなく、夏目の使い方が悪ければ奪うつもりだったのではないだろうか。
もともと友人帳はレイコが作ったものである。
それは、レイコと妖に交流があった証のようなもので、レイコは妖を利用するつもりで友人帳を作ったわけではない。
レイコは自分の死後、妖たちに名を返して欲しいと斑に頼んでいたのではないだろうか。
悪い妖に友人帳を奪われたら、名を書いた妖が辛い思いをする。自分が返せなくなった時のことを考えていたのかもしれない。
だから斑は夏目から友人帳を奪うのではなく、名を返しているのを、見届けているのではないだろうか。
斑(ニャンコ先生)とレイコの関係は?
レイコと斑の関係は、未だかつて明かされていないものが多い。ふたりが話している描写もなければ、レイコの口から斑という言葉もない。
ただ、斑はレイコのことを決して悪く言わないこと、またいつもレイコを見ていたと思われる節がある。そう考えると決して悪い関係ではなかったのだろう。
一部で、夏目の祖父は斑ではないかという説もあるが、レイコと斑は、人間と妖という関係を超えた信頼関係があったとも考えられる。
斑は夏目にレイコの面影は話すが、核心に触れた部分は決して話さない。それどころか、夏目も斑にレイコのことを深く聞き出すこともない。
友人帳から名を返すとき、夏目はレイコの面影が見える。そのひとつひとつからレイコの思いを汲み取れと言わんばかりである。
自分が話すことは容易いこと、しかしレイコの本当の思いのすべては友人帳のなかにある。そう言っているようにも聞こえないだろうか。
そうなると、斑とレイコは単に妖と人間の関係ではなく、もっと深いところで繋がっているのではないだろうか。
名取周一と的場静司について
名取周一の体を這う痣を考察
名取周一の先祖は祓い屋を生業としていたが、現在は能力のあるものがいなくなって廃業している。
周一にはその妖力が備わっているが、それが理由で家族とは確執が生まれている。
また、体中を動き回るヤモリの形をした痣があるが、普通の人間には見ることはできない。また、その正体は妖であることもわかっている。
一体この痣は何を意味しているのだろうか。痣は特に体に支障をきたすわけではないが、なぜか左足には決して移動しないという。
的場曰く「いつか無くなるもの」のようだが、的場がつけてる眼帯と同じような意味があるのかもしれない。
周一の家族が、祓い屋をしてた先祖の行いに対し、妖からの報復を恐れているとの話もあることも関係していると考えられる。
だとすると、あの痣は周一のほかの部分を守っているのではないだろうか。もしかしたら、左足には呪いが掛けられていて、そのために移動できないとも考えられる。
的場は周一の左足がいずれ無くなるといっているが、その理由も本当は知っているのかもしれない。
的場家と名取家の間には何か関係があるのかもしれない。
的場静司の目的とは
的場静司は、的場一門の現当主であり、物腰は柔らかいが、意味深い笑みを浮かべる謎の多い人物である。
その的場は『夏目友人帳 伍』で、夏目に「柄にもなく長い手紙」を書いたことがある。
そこには、祓い屋の会合への招待と、妖退治に関することが書かれていたようだが、名取周一によって破られているので夏目は読んでいない。
しかし、それも的場にとって想定内のことだったのだろう。夏目に断られないように、手紙という形にしたのだろうが、会合に出席させることも重要だったはず。
夏目の妖力の強さは、的場も認めているが、周りに夏目の妖力を知らしめることで、こっち側(祓い屋)に引き入れようとしているのではないだろうか。
もともと的場は、目的達成のためなら妖だろうが人間だろうが、容赦しないところがあるので、夏目に関してはこれだけでは終わらず、今後も絡んでいくのだろう。
的場の本当の狙いは何なのか、この先も的場の行動から目が離せない。
待望のアニメ6期『夏目友人帳 陸』2017年放送決定!
ファン待望のアニメ6期『夏目友人帳 陸』(なつめゆうじんちょう ろく)の放送が2017年4月に決定した。
内容としては、5期が原作の16巻くらいまでだったので、6期は17巻から21巻あたりの内容をやるのではないかと予想される。
さらに、2017年1月に発売された『夏目友人帳 伍』のDVDでは、特典として第4巻に「一夜盃(ひとよさかずき)」、第5巻に「遊戯の宴」が特別編として収録されている。
参考元
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