日本の多くの小学校の音楽教室に、必ずと言って良いほど張ってあるバッハの肖像。バッハは昔から偉大な音楽家として、世界中の人々に親しまれ続けています。現代社会人も癒やされるその音色のヒミツを探り、おすすめの名曲を紹介したいと思います。バッハを聴いて日々のストレスを解消しませんか。
クラシック音楽には、高周波の響きがリラックス効果を与えストレスを軽減し、リンパの流れを良くして免疫の改善する効果があると言われています。
このことは既に広く周知されていますが、「何となくクラシックって良さそうだけど、何で良いのかいまいちよく分からない」という方も多いでしょう。
そこで、根拠と共にクラシック音楽を生活に取り入れるメリットやクラシック音楽家バッハについて紹介します。
癒やしを生むバッハの旋律のヒミツ
1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)が多用
心臓の音や呼吸音。
自然界の木々のざわめき、川の流れや、森の小鳥のさえずり、波のさざ波や雨音・・・。
私たちの身の回りには、規則的なリズムと予測できない不規則なリズムが入り交じった音で溢れています。
「規則的なリズム」と「不規則なリズム」
それらが調和した状態を「1/fゆらぎ」と言います。
それに触れた体験者は心地の良い安らかな気持ちになり、心が落ち着いていくのを感じます。
小川のせせらぎや小鳥のさえずり、雨粒が落ちる音で、なんだか癒やされたりリラックスした経験はあるでしょう。
また、電車に揺られてうっかり寝てしまった経験はありませんか?
それらは「1/fゆらぎ」が持つリラックス効果によるものなのです。
そしてバッハの音楽には、その「1/fゆらぎ」が多用されています。
抗鬱・快眠ホルモン「セロトニン」も
セロトニンとは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、スッキリした目覚めや熟睡するために欠かせない物質です。
「ノルアドレナリン」・「ドーパミン」と共に並んで、体内の様々な器官に大きな役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。
特に精神面に大きな影響を与えいると言われており、心身の安定や心の平穏に深く寄与しています。
セロトニンが不足すると、うつ病や深刻な精神疾患、不眠症に陥りやすくなると言われています。
日常生活では、集中力が低下し怒りっぽくイライラしやすくなったり・・・。
自分だけではなく、周りの人にも悪影響を与えます。
また、朝なかなか起きられなかったり、冷え性を加速させ、老けた印象になる恐れもあります。
バッハの曲はセロトニンを増やしてくれる音楽として広く知られ、うつ病の改善にも使われています。
バッハ作曲のゴルトベルク変奏曲は、バッハの弟子ヨハン・ゴットリーブ・ゴルトベルクが不眠症に悩むカイザーリンク伯爵のために演奏されていたという逸話が残されているほどです。
各界もクラシック音楽の有効性を提唱
音楽療法とは、心理的、肉体的に音楽の持つヒーリング効果の働きにより、心身の回復改善、社会的生活の質の向上を期待するものです。
日本だけで無く世界中でその重要性と効果が提唱されています。
ストレス社会で生きる私たち、理不尽なことでストレスにさらされる場面も多いでしょう。
心に問題を抱える人は年々多くなっています。
ヒーリング効果を与えてくれる音楽を生活に取り入れることで、セルフメンタルケアが大切になってきています。
ヒーリング効果・バッハのおすすめ曲
バッハのインベンションとシンフォニア
音楽家J.S.バッハとは
学校の授業で必ずと言って良いほど習う音楽の大家バッハ。
彼は、ドイツの音楽奏者の一族の中に生まれ、幼い頃よりバイオリン・オルガンの名手として名を馳せ、主に宮廷音楽家、楽器の演奏家として活躍していました。
そのため当時のバッハは、作曲家としてと言うより、オルガン奏者、その専門家として知られていました。
また、彼の息子達(国際的に活躍している音楽家)の父親としての面の方が有名だったようです。
バッハの作品の作風は古典的で格式張っていて、新古典派からは好まれず、彼の死後は急速に忘れ去られていきました。
音楽家、又は作曲家として評価しなおされたのは、後世の音楽家達の功績によるところが大きいです。
ベートーベンやショパンも影響を受け名曲を誕生させた
バッハは後の有名音楽家達に大きな影響を与えました。
あるときスランプに陥ったベートーベンは、バッハの曲を研究し、その危機から抜け出したといわれています。
「第9」や月光で知られる「ピアノソナタ」などのベートーベンの代表曲は、バッハの曲の構造に影響が見て取れます。
「ピアノの詩人」と言われるショパンも、作曲や練習の合間にバッハの作品を好んで良く弾いていたと言われています。
ショパンが残した「24の前奏曲集」はバッハの影響を色濃く残しています。
形式にとらわれない自由な転調や劇的な展開は、当時革新的だったバッハの「平均律クラヴィーア曲集」を発展させたものです。
バッハ・曲の特徴や作風など
音楽への探究心が強かった彼は、オペラや宮廷音楽など、幅広くあらゆるジャンルの曲を聴き吸収しました。
そのため作品はどれも独創的であり、創意工夫の溢れるものばかりでした。
彼は、対位法的変奏という主題がメロディーに現れたり伴奏に現れたりするという、当時では斬新的な技法を編み出しています。
その複雑な技法を用いることで、奥行きのある音楽を表現することに成功しました。
バッハの代表的な作品、「インベンションとシンフォニア」「平均律クラヴィーア曲集」や未完に終わっている「フーガの技法」などは、対位法的変奏の技法を色濃く反映しています。
その技法こそが、癒やしを生む曲の鍵なのです。
バッハの曲を弾いてストレス解消
クラシック音楽がストレスの改善に良いことは、ここまでで述べました。
ピアノやバイオリン経験者の方はただ聴くだけでなく、自身で弾いてみることでさらにストレスを解消してみてはどうでしょうか。
好きな曲を弾けば、時間を忘れて没頭することができるうえ、ドーパミンも出てストレス解消になりますし、その曲を聴いて癒やされることもできるでしょう。
「ピアノは重いし場所を取るし、なにより難しい」という方は、電子ピアノから始められてみたら良いのではないでしょうか。
一昔前から、大人のための音楽教室が増えてきていますし、初心者も気負わずに始められます。
ここで注意していただきたいのは、上達が目標なのではなく、悪までストレスの改善・解消が目標だということです。
上達が目標になってしまうと、ストレス解消のための楽器が練習しなくてはならないものになってしまい、それによってストレスを生んでしまいます。
そうなると本末転倒ですし、ストレス解消のための楽器演奏がストレスを生む楽器演奏になってしまいます。
心を穏やかに気負わず楽器に触れ、ストレスを改善していきましょう。
参考元
- ・参照リンク:1/fゆらぎ - Wikipedia
- ・参照リンク:ヨハン・ゼバスティアン・バッハ - Wikipedia
- ・参照リンク:日本音楽療法学会:公式サイト
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