こうの史代さんのマンガを原作に「アリーテ姫」や「マイマイ新子と千年の魔法」で知られる、片渕須直監督の映画「この世界の片隅に」が公開されました。戦争下の広島県呉市を舞台にしたこの作品は全国63スクリーンでの小規模公開ながら全国週末興行成績で10位にランクインしました。また、ヒロシマ平和映画賞に輝くなど、作品への評価も高く、主演のすずの声を能年玲奈から改名した”のん”さんがすることでも話題です。
クラウドファンディングからのスタート!
広島市江波で生まれた絵が得意な18歳の少女の浦野すずに突然縁談話が持ち上がります。その話はトントンと進み、すずは1944(昭和19)年2月に、呉市の北條周作の元へお嫁としてやってきます。嫁いだ先の周作の両親は優しくすずに接してくれますが、一方で義姉の径子は厳しくすずに接します。
戦争中ということもあり配給物資がだんだん減って、生活からは物がなくなっていきます。それでも、すずは日々の食卓を作り出すためにアイデアをしぼり、衣服を作り直すなど、日々の暮らしから人間らしい豊かさがなくならないように工夫をこらします。
しかし、当時の日本海軍の根拠地だった呉市にも戦争の影響が次第に及び、空襲がこの街を襲うようになり・・・・。
すずの生活を丹念に描いた映像
「この世界の片隅に」は戦争や原爆の悲劇を描いた作品ですが、すずたち北條家の生活を非常に丁寧に描いていきます。片渕須直監督がこの作品の原作に惚れ込んだのは、ご飯を作るとか着物を仕立て直すというような細やかな日常が描かれているところだと話しています。
そうした日常の生活を丹念に描くことで、何気ない日々の幸福が、戦争によって奪われていくことの悲劇性が際立ちます。
また、監督をはじめスタッフ達は、あるだけの資料をリサーチして、今はもうなくなったかつての呉や広島の街並みを再現しました。そうした努力もあり当時を生きた人の息吹が感じられるような映像になりました。また、淡い水彩画のような色彩で表現された繊細な映像も見事です。
すずの声を担当するのは能年玲奈から改名した”のん”
主人公のすずの声を担当するのは、前の事務所から独立騒動で、能年玲奈から改名した”のん”さんです。すずを演じる”のん”さんに対して片渕監督も、「ほかには考えられない」と絶賛しています。作品の中のすずは、しっかりして行動力もあるのですが、ふんわりとした優しい女性として描かれるので”のん”さんにピッタリな役と言えます。また、彼女の再出発作品としても注目が集まっています。
作品への高い評価
全国週末興行成績ランキングで、小規模公開ながらも10位に入るなど「この世界の片隅に」は興行的にも成功をおさめましたが、作品へも高い評価が寄せられています。
公式サイトには作家の林真理子さんや水道橋博士などの著名人がこの映画を絶賛するコメントが掲載されています。また、ぴあ映画初日満足度ランキングでもトップになるなど一般の観客からも評価が高いです。
そして、広島国際映画祭2016でヒロシマ平和映画賞に輝くなど、「この世界の片隅に」は年末から来年にかけてのキネマ旬報ベストテンなどの映画賞でも注目を集めそうです。
参考元
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