2016年には5期も放送された人気アニメ『夏目友人帳』。妖と人間の交流を描いた、ドキドキ要素もちょっぴり加わった、心温まるファンタジー作品です。まずは、基本となるキャラクターやストーリー、見どころなど紹介します。
ドキドキと癒しが交差するアニメ『夏目友人帳』
『夏目友人帳』は、緑川ゆき原作によるファンタジーアニメで、妖怪と人間の交流を描いています。
主人公・夏目貴志が、祖母の遺した「友人帳」を巡り、様々な妖怪たちと出会っていきます。
好意をもつ妖怪、敵意を向ける妖怪などと触れ合っていく中で、亡き祖母がどのように生きていたのかを知っていきます。
懐かしさを感じる風景に癒されたり、ちょっぴりドキドキする場面もあったりと、ひとことでは語れない、魅力の詰まった作品です。
『夏目友人帳』あらすじ
主人公・夏目貴志は、悲惨な幼少時代を送っていました。
両親が亡くなった後、親戚中をたらい回しにされていたのです。
それというのも、彼に普通の人には見えないものが見えてしまう「力」によるものが原因でした。
一般人には当然見えませんし、まさか彼だけに見えているものが妖怪であるとは、誰も思いもしません。
親戚家に引き取られる度に、妖怪が現れることによって奇妙な行動に出てしまったのです。
「自分にしか見えていない」
そう気づいたときには、薄気味悪い子として厄介者扱いされていました。
『夏目友人帳』登場人物
妖怪が見える主人公:夏目貴志
夏目貴志は、妖怪のなかでは知らないものはいないほど、強大な力を持つ夏目レイコの孫。
夏目は、祖母の能力を受け継いでしまったようです。
両親が亡くなってから、その力が現れたようですが、はじめ、自分だけしか見えていないことに、全く気づかないでいました。
とても優しい性格ですが、過去のこともあってか、周りに対し、一歩引いてしまうところがあります。
また、人間だけでなく、困っている妖も放っておけず、感情移入してしまうことも。
そのたびにニャンコ先生から、お叱りを受けています。
藤原家に温かく迎えられてから、ふたりには絶対迷惑をかけたくないと、ニャンコ先生や仲間の妖たちの手をかりながら、守っています。
学校には友人も出来て、ほんの一部の友人は、夏目の秘密を知っています。
そんな仲間に支えられながら、幸せな今を感じているのです。
自称 貴志の用心棒:ニャンコ先生(斑)
貴志がうっかり封印を解いてしまった妖怪・斑(まだら)です。
『夏目友人帳』のマスコット的存在で、自称・夏目の用心棒といっています。
本来の姿は、圧倒的な力をもつ大妖怪で、妖力のある者しか姿を見ることは出来ません。
普段は招き猫の姿で、好きな物は酒とスルメとまんじゅう。
基本的に食っては寝るの繰り返しですが、ここぞというときには、頼りになる存在です。
貴志の死後、友人帳を受け継ぐ約束を交わしていますが、貴志に危険が及ぶと、すっと現れ、敵をやっつけてくれます。
教師さながらの豊富な知識で、夏目に妖怪のことを始め、人生論まで叩き込んでいます。
それがニャンコ先生と呼ばれている理由です。
貴志の亡き祖母:夏目レイコ
亡き人物として、回想シーンにのみ登場する夏目レイコ。
貴志の祖母で、友人帳を作った人物です。
美しい少女でしたが、若くしてこの世を去っています。
ニャンコ先生も、レイコを美しい娘だと褒めたことから、以前関わりがあったことを示唆しています。
死因はもとより、ニャンコ先生との関係など、詳細に関しては一切不明となっています。
また、貴志もレイコのことは、妖怪たちから伝え聞くだけとなっています。
強大な力を持っていたレイコは、負けたら子分になる証として友人帳に名を記せと、妖怪に勝負を挑んでは負かしていました。
また、レイコをいい人間だと思う妖がいる一方で、たちの悪いことをしていたこともあり、レイコを悪と捉える妖も少なくはありません。
夏目の親がわりとなった藤原滋・塔子夫妻
夏目を引き取り、実の息子のように大切に育ててくれている藤原滋・塔子夫妻。
実は以前、滋はレイコと交流があり、妖を祓ってもらったことがあります。
しかし、本人はそのことを忘れているのか、自覚がありません。
また、夏目がレイコの孫だということも、全く気づかないまま、夏目を引き取っています。
これも何かの縁なのかもしれませんね。
塔子は、家庭的で、おっとりして優しく、料理上手な女性です。
子供がいなくて寂しい思いをしていたので、夏目のことをとても大事にしています。
僧侶の息子で貴志の友人:田沼要
夏目の友人の田沼は、妖怪を見ることは出来ませんが、その気配を感じたり、影を見たりすることが出来ます。
夏目にとっても、初めて妖怪の存在を分かち合えた友人です。
また、夏目とニャンコ先生の秘密を知っている、数少ない人物でもあります。
妖について悩んだり、困っている夏目を、よくサポートしています。
前に、夏目を妖から庇って、自分が取り憑かれたこともあります。
祓い屋でイケメン俳優:名取 周一
名取周一は、夏目と同じように妖が見える仲間です。
職業は俳優ですが、その傍らで祓い屋家業をしています。
ヤモリの形をした妖が、アザのようになって周一の体にずっと住み着いています。
しかし、左足には絶対に移動しないとのこと。
周一本人も、動くアザをうす気味悪がっていますが、いつ体内に住み着いていたのか、なぜいるのかなど、理由は明らかになっていません。
周一の家系は以前、名取一門として名を馳せており、祓い屋の中でも有名な家柄でした。
しかし現在は、名取家は妖を怖がる家系として、見下す者もいるのです。
夏目には一目おいており、一度は自分の助手にしようとしていたことがあります。
手助けしたりされたりするうちに、友人関係を築いていきますが、妖に対して恨みを抱いているので、夏目とは少し違う感情を持っています。
祓い屋的場一門当主:的場静司
的場静司は、祓い屋一門的場の当主で、番傘に着物姿というのが一般的です。
妖には弓矢を使った攻撃を得意としており、その命中度も高いです。
かつて、先代が「手伝ったら右目を食わせる」という妖との約束を破ったことが原因で、右目を守るために文字が書かれた眼帯をつけています。
性格は物静かで、感情を表に出すことはあまりありません。
何を考えているのかわからない、危険な雰囲気があるので、夏目は距離を置いています。
また、合理的主義で人間はもとより妖にも非情な行いを厭わない、抜け目のない人物です。
的場の長男というわけではなく、的場一門の当主になった経歴などの詳細は、謎に包まれています。
妖に対して、あまりにも非情な行いをするため、祓い屋のなかでも、評判は良くありません。
夏目レイコを祖母に持つ、貴志の力に興味を抱いていて、自分の元に引き入れたいと考えています。
中級妖怪(つるつる・牛)
夏目が「中級」と呼ぶ妖怪は、その名のとおり、中級レベルの妖怪です。
毎回登場する、ふたり組のお調子者妖怪で、妖力さえも中級。
夏目のことを、夏目様と呼び慕っていて、お節介ですがいい妖怪たちです。
しかし、酔って夏目の元を訪れたり、面倒を持ち込むことも。
夏目のところに来るときは、犬の会の旗を掲げていることも多く、なんだかんだ文句を言いながらも、夏目の人柄を気に入っているようです。
『夏目友人帳』の舞台設定
『夏目友人帳』には、明確な舞台設定はされていませんが、繊細で独特な世界観があり、原作の良さを壊さないような背景設定がされています。
作者の出身地、熊本県のある町をモデルにした描写が多く、駅や橋を始め、神社や野原まで、実物とよく似た場所が存在するのです。
その場所は、ファンの間でも話題になり、『夏目友人帳』の聖地として、人気スポットになっています。
山林に囲まれた田畑の多い、のどかな風景のなか、夏目と妖、友人たちとの温かいストーリーが展開されていきます。
妖との交流は、夏目が登校に使う道筋や、学校内での出来事。
家の中や、妖が住処にしている山や森の中が中心となっています。
妖との交流以外のシーンでは、夏目の友人との交流や、藤原家での穏やかなひととき、ニャンコ先生とのギャグも満載です。
夏目貴志の過去が孤独すぎて切ない
夏目は、妖が見える奇妙な力によって、幼少期からずっと、孤独な生活を送っていました。
それは、家の中だけではなく、外にいても学校にいても同じことでした。
子供たちからも、変なヤツだと噂され、誰も近寄ろうとしなかったのです。
また、そのとき出会った妖は、良い妖じゃない場合が多く、夏目を襲ってくるものも多かったのです。
妖に襲われたら驚く、追いかけられたら逃げるというのは、見える夏目にとっては当たり前の行動です。
まして、子供であれば、なおさらのことです。
しかし、周りの見えない人たちからすると、その行動は奇行と捉えられてしまいます。
どこの親戚の家に引き取られても結果は同じです。
夏目の行動が町で噂になると、親戚の者は迷惑と考えるようになり、次第に苛立ち、夏目に辛くあたるのです。
自分が変だと思うようになった夏目は、周囲との関わりも避けるようになっていきます。
親戚に迷惑をかけないようにと、藤原夫妻に引き取られるまで、いつもいつも孤独だったのです。
しかし、藤原夫妻や友人たちの温かさに触れ、心を開くようになり、ようやく普通の少年として生活できるようになったのです。
また、夫妻や友人だけではなくニャンコ先生の存在も、夏目の人生を大きく変えた出会いなのです。
ニャンコ先生と夏目貴志の出会い
人のくせに妖怪(わたし)を見て動じないとはナマイキな
出典:アニメ『夏目友人帳』第1話
斑(まだら)/ニャンコ先生
妖怪に追われた夏目は、なんとか神社に逃げ込みましたが、誤って妖怪が封印されていた結界を破ってしまいました。
そこに現れたのが、斑(まだら)の仮の姿、ニャンコ先生です。
斑の第一声は「人のクセに私を見て動じないとは、生意気な」。
でも、何度も妖を見ているだけでなく、ニャンコ姿の妖怪とあらば、夏目でなくともあまり驚かないですよね。
まして夏目はニャンコ好きです。
本人はニャンコではないと言い張りますが、ねこじゃらしで遊ぶなど、ニャンコっぽい仕草が板についています。
長い間、招き猫の姿で封印されていたので、その姿に馴れてしまったようです。
そして、結界を破った恩義もあるという理由で、夏目の用心棒になったのです。
ただ、ニャンコ先生は夏目レイコのことを、よく知っているような素振りがあります。
夏目がレイコの孫ということで、守るつもりで側に居ようとしているのかもしれません。
レイコが遺した「友人帳」の存在とは
夏目レイコは、強大な力を持つ人間で、生前たくさんの妖に勝負を挑み、負けた妖たちに名前を書かせ、それをまとめたものが友人帳です。
レイコの子分になる、という契約書のようなもので、名を書いた妖たちは、自分の名を忘れてしまいます。
そして、その妖たちはレイコが呼んだらすぐに駆けつけなくてはならない。
そんな決まりごともあるのです。
レイコはいつもひとりでいて、自分と同じようにひとりでいる妖に、勝負を挑んでいました。
タチの悪いこともありましたが、妖の相談にのることもあったのです。
レイコは妖に、妖はレイコに寂しさを埋めてもらうこともありました。
いつレイコが呼んでくれるのか、いつ会いにきてくれるのか待っている妖もいたのです。
レイコ自身も、多くの妖と携わっていたので、妖と交わした約束を、たびたび忘れることもありました。
そして、夏目が友人帳を手にしてから、レイコと間違えて訪れる妖も多いのです。
訪れるのは、レイコに会いたかった妖、名前を返して欲しいという妖だけではなく、友人帳を狙う妖など様々です。
夏目は名を返すたびに、妖の記憶のなかから、レイコが歩んだ人生や思い、記憶を知ることができます。
ただ、体力を奪われるので、少しの間動けなくなります。
夏目組・犬の会発足!?
夏目と妖との交流で生まれた「夏目組・犬の会」というサークルのようなものが存在します。
夏目の呼び出しとあらば、すぐに集まり、悩みやお節介に付き合うというものです。
夏目は困っている妖を放っておくことができない性格です。
犬の会からすれば、アホみたいな事ですが、そんな夏目だからこそ慕っているのです。
夏目の元気がないときや、病気になったときも、元気になってもらおうと、妖たちが夏目を励ましたり、薬をもってきてくれたりします。
発起人は中級妖怪のふたりで、他にもヒノエや三篠(みすず)、ちょび、紅峰(べにお)、カッパなどの妖が顔を揃えています。
しかし、何かにつけて酒盛りすることが多く、酒の飲めない夏目にも勧めてきます。
夏目のお手伝いというより、基本酒飲みサークルのような会です。
参考元
- ・参照リンク:夏目友人帳 - Wikipedia
- ・参照リンク:バンダイチャンネル|好きなアニメを楽しもう!
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