今や、ゲームを楽しむ人で知らない人はいないであろう、全世界での累計販売数1億2000万本を突破したものづくりゲーム『Minecraft(マインクラフト)』。 「マイクラ」の愛称で親しまれているこのタイトルが、なぜ教育現場で活用されるようになったのか?
Minecraftとは?
2009年にスウェーデンにてNotch(ノッチ)氏(本名:マルクス・ペルソン氏)と彼の仲間によって生み出され、以降7年間に渡ってセールスを記録し続ける怪物タイトル「Minecraft」。
このゲームが近年、教育現場における学習教材として注目が高まっているのをご存知だろうか。
すでに、世界では実際に授業科目として「Minecraft」が採用されている例もある。
はじめに、Minecraft(マインクラフト)を知らない方のために説明しておくと、このゲームは「サンドボックス」と呼ばれるジャンルのものづくりゲームだ。
ワールド内では、ブロックで出来た木や石など様々な素材が自生しており、それらを採取・採掘し、加工して家を作ったり、ベッドをはじめとする家具を作ったり、危険なモンスターに立ち向かうための剣や鎧を作ることができる。
また、畑を耕してジャガイモやニンジンを栽培することや、家畜を飼育、繁殖させて食料を生産し、自給自足の生活を営むこともできる。
マイクラの世界にも強大なボスは存在し、エンディングも迎えられるが、それはあくまでゲームの目的のひとつでしかない。
思うがまま、終わりのない世界を冒険したり、街や巨大建造物を建設したりと遊び方は自由だ。
畜産や工学の「仕組み」を理解できる
Minecraftでは、実際に畑を耕し作物を育て、家畜から食料を生み出すことができる。
日の当たる場所の土をクワで耕し、水路を確保して土を湿らせ、畑をつくり、種を撒いて、育つのを待つ。
充分育った作物は収穫して、小麦をパンにしたり、ニンジンをシチューにしたりすることが可能だ。
また、家畜を飼育、繁殖させ、牛から牛乳を、ニワトリから卵を収穫してこちらも料理に使える他、間引いて肉にすることもできる。
このように、普段食べている食物が生み出される一連の「流れ」を、疑似体験できるというメリットがMinecraftにはある。
他にも、「レッドストーン回路」と呼ばれる工学装置を使ったテクノロジー要素が存在する。
この回路を組むことで、スイッチを切り替えて照明や機械を操作する仕組みや自動ドア、果ては演算装置まで幅広く実現させることが可能だ。
成人したプレイヤーでもレッドストーン回路を扱うのには少々手こずるが、仕組みを理解しさえすれば様々な機能を実現できるこの回路は、機械工学の入門に最適といえるだろう。
ブロック建築を通してクリエイティビティが培われる
Minecraftで、アニメ「天空の城ラピュタ」の世界や、各国の歴史的建造物を再現しているWeb動画を見たことがあるだろうか。
創造力と根気さえあれば、世界中のどんなものでも生み出せてしまうのがこのゲームの最大の魅力だ。
こうした「ボクセル」と呼ばれる様々な形、模様のブロックを駆使して、Minecraftでは様々な建築物を生み出すことが出来る。
プレイヤーの創造力次第で、小洒落た家から城、果ては街一つまで自由自在。
家を建てるための建材の確保から、屋根や内装などの細かい部分まで、どう作っていくかの取り組みがただ楽しく、想像力が掻き立てられる。
また、それを動画やマップとしてオンライン上にアップロードし、全世界に公開することも可能。
作ってウェブ公開し、世界のプレイヤーとシェアする場があるというのは、何かを表現する上では、これ以上ない環境だといえるだろう。
ゲームがもたらす、有益な学習効果
ゲームは楽しく、最も手軽に「非日常」を体感することができるツール。
Minecraftは、そんな非日常の中での日常を楽しみ、試行錯誤し、そして現実世界へ飛び出していくゲームだ。
今後ますます学習教材として注目されていく中で、このゲームが最も魅力的なのは、何かを生み出す喜びを手軽に味わえるという点。
まだ遊んだことがない方や、子を持つ保護者の方などにも、幅広くおすすめしたい。
参考元
- ・参照リンク:Minecraft - Wikipedia
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