恋愛系ライトノベルの金字塔「とらドラ!」。10年以上前の作品ながら、今なお多くの人に愛されている作品です。 今回はアニメ「とらドラ!」の本編あらすじ、さらに本編では明らかにならなかったシーン、描写についての考察も解説していきます。
数ある恋愛アニメの中でもトップクラスに高い評価、人気を誇っている『とらドラ!』。
1人1人に描かれた繊細なドラマ、恋と友情の難しさなど、恋愛作品だけに留まらない人間ドラマが魅力的でした。
今回はアニメ版『とらドラ!』の本編のあらすじ、アニメでは明らかにならなかった描写の考察を紹介していきます!
『とらドラ!』あらすじ解説
第1話「虎と竜」
出典:amazon自分の目つきがコンプレックスとなっている高須竜児は、「ヤンキー高須」と恐れられていました。高校2年生の始業式、クラス替えで密かに思いを寄せていた櫛枝実乃梨と同じクラスになります。浮かれて歩いていると人形のように小さい美少女と廊下でぶつかり、頭突きをくらってしまいます。
少女の名前は逢坂大河。可憐な見た目とは真逆の暴力性で、みんなから「手乗りタイガー」と恐れられている人物でした。
実乃梨と大河の鼻炎のことについて話しているあたり、そうとう仲が良いようです。
そのことがありクラスに馴染むことが出来た日の帰り道、教室へカバンを取りに行くと大河と鉢合わせ。何故かカバンの取り合いになり、怒って出て行ってしまいます。
その夜、自分のカバンに「北村祐作様へ 逢坂大河」と書かれた中身が空のラブレターが入っていたことに気づく竜児。竜児のカバンを奪おうとしたのはそのせいだったのです。
深夜3時、突然誰かの襲撃を受ける竜児。電気をつけるとそこには木刀を携えた大河がいました。
なんとか穏便にラブレターが空であったことを説明し、実乃梨が好きなことまでバレてしまいます。さらに大河と北村が上手くいくよう、なんでも手伝うという約束をしてなんとか帰ってもらいます。
翌日の朝、約束通り隣の高級マンションに住んでいる大河を起こしに行くと、その部屋は阿鼻叫喚の汚部屋状態。掃除心が疼いてしまい、大河が寝ている間にキッチンを掃除。朝ごはんまで用意したにも関わらず「不法侵入、押しつけがましい」「駄犬」と罵られてしまいます。
それでも作った朝ごはんはしっかりと食べ、さらに掃除のおかげで鼻炎が治まったことに気づくのでした。
第2話「竜児と大河」
朝。すっかり高須家に馴染んだ大河は、一緒に朝食を食べ、登校する仲になっていました。
その登校中、実乃梨と鉢合わせした2人は、なにやら怪しい関係だと疑われてしまうことに。
いい機会だと会話しようとする竜児ですが、実乃梨と大河は先に行ってしまいます。どうやら「実乃梨と仲良くしたければ先に自分と北村の仲をどうにかしろ」という無言のメッセージのようです。
さっそく作戦を実行。体育のバスケでパス練習をしようとしたり、調理実習で作ったクッキーを上げようとしますが、大河のドジっぷりが足を引っ張り失敗。意外とメンタルの弱い大河は落ち込んでしまいます。
慰めた竜児ですがその光景をクラスメイトに見られ、次の日には2人が付き合ってるのではないかという噂が流れ始めてしまいました。
追い打ちをかけるように北村、実乃梨にもそのことを信じられてしまいます。その夜、ファミレスで反省会をした2人は電柱を蹴りつけながら不満をぶちまけ合います。そして大河は明日北村に告白することを決意。「それじゃあね、高須くん」と言い去っていきます。
次の日の朝、朝食を食べに来なかった大河。学校へも先に行ったようです。竜児が教室へ入ると、そこには荒れた光景が。するとクラスメートの1人が「2人のことを誤解してた。ごめん」と謝罪。話を聞くと、朝に大河が「自分と竜児はなんの関係でもない」と怒り狂って暴れたそうです。
気持ちを落ち着かせるためにトイレへ行くと大河の声が。ちょうど男子トイレの裏で北村に告白するところでした。結果は失恋。その場に立ち尽くす大河の元へ竜児が現れます。
「もう犬じゃないんだから私の近くにいなくていい」と言う大河に対し、龍として、大河の側にいると力強く宣言。
すると大河もいつもの調子を取り戻し、まだ北村君を諦めたわけじゃない。さっそく次の作戦会議だと歩き出します。その顔はとても嬉しそうに笑っていました。
第3話「君の歌」
友達の携帯をデコレーションする実乃梨。どうやら、デコレーションのバイトをしており、その延長をしているとのことです。その夜、このことがきっかけで少し話ができたことに浮かれる竜児。しかし炊飯器が壊れ、ご飯が炊けなくなってしまいました。
その後、大河の提案でファミレスへ行くことに。あまり乗り気でなかった竜児でしたが、そこにはウェイトレス姿の実乃梨が。話を聞くと他にもバイトをしているようです。欲しいものがあるわけでもなく、「時間あるから勤労しなきゃ」と眩しい笑顔。
翌日の休日の朝も、ご飯が炊けないことを理由にまたファミレスへ行く竜児。当然大河も一緒です。すると途中の酒屋でバイト中の実乃梨を発見。休日限定で酒屋のバイトも始めたそうです。
偶然その酒屋の店主が泰子のお店の客だったこともあり、竜児と大河もバイトを手伝うことに。大河は自転車に乗れないのに配達。竜児は櫛枝が蔵へ行くということでそれを手伝うことにします。
すると店主の手違いで、蔵には鍵が。2人は閉じ込められてしまうのでした。
一方自転車を手押ししながら配達をしていた大河は、北村とばったり会います。そこで北村が去年は大河のことをずっと見ていたという発言があります。その後店へ帰ってきた大河は2人がいないことに気づき、探しにいくことに。
梯子をかけ、外の覗き口から覗き込むとちょうど竜児たちもそこから出ようとするところでした。
覗き口から飛び込む大河。これで出られると喜ぶ実乃梨でしたが、大河は昇ってくるときに使用した梯子を倒してしまい、結局3人で閉じ込められてしまうのでした。
第4話「あのときの顔」
ある日、大河の家で段ボールを見つけた竜児。
中を見るとブレブレの北村の写真が収められたアルバムがみつかりました。勝手に見たことに怒り出す大河ですが、代わりに撮ってやると言うと態度が一変。何枚までいいのか聞くなど浮かれはじめます。
放課後、トイレ掃除をする竜児を引っ張り、ソフトボール部の練習をしている北村を撮ろうとする大河。竜児がデジカメの操作に戸惑っていると大河がそれを奪い撮影し始めます。縦横無尽に動きながら撮影する大河を見て、写真があんなにブレていた理由を悟った竜児でした。
その日の夜、撮った写真を餞別する大河でしたが途中で手が止まり、怒って帰ってしまいます。
その翌日、自販機前で写真を選んでいる大河。竜児がやってくると「あんたが選びなさい」と写真を押し付けどこかへ行ってしまいます。
そこに北村が現れ、撮影された自分の写真を見ると、1年前自分も同じことをしていたことを告白します。そこで、かつて北村は大河に告白し振られていたことを竜児は知るのでした。
放課後、屋上にいる大河を見つけた竜児。そこで北村を振ってから気になりはじめ、気が付いたら自分が好きになっていたことを明かします。
そして、大河が自分で写真を選ばなかったのは、その時の告白してきた顔が見たかった、だけどもその表情はなかったからでした。
第5話「かわしまあみ」
出典:amazon休日のある日、ファミレスで時間をつぶす大河と竜児。そこに一人の美女が来店してきます。偶然にも、大河が呼んでいた雑誌に載っていたモデルの人でした。
するとなぜか美女と一緒に来店してきた北村。そして大河たちに気づき、同じ席に座ることになりました。美女の名前は川島亜美。北村の幼馴染だったのです。
少し天然が入っていながらも朗らかな亜美。その後北村と竜児は席を外し、大河と亜美の2人きりに。すると今までの態度が豹変。まるで女王様のような振る舞いを見せます。
北村によると、こっちが亜美の本当の姿とのこと。
黙っていた大河ですが、そこで一発平手打ち。ここで北村たちも席へ戻ります。すると北村へ泣きつく亜美。この日はここでお開きとなりました。
次の日、なんとクラスに転入してきた亜美。前日の最初の人当たりの良さで、たちまち人気者になっていきます。
昨日なぜあんなことをしたかと北村に問うと、自分自身は亜美の本性は嫌いじゃない、竜児たちにも本当の亜美を見て、それで仲良くしてほしいという願いだったのでした。
放課後、大河が教室で竜児を待っているとそこに亜美が現れます。
じりじりとした言い合いを続ける2人。すると、あんたはもう北村に嫌われているという一言で大河は撃沈。家で一人泣き続けてしまいます。しかし、竜児によって本当のことを告げられ元気回復。一緒にコンビニへ向かいます。
コンビニで雑誌を立ち読みしていると、そこに亜美がモデルを休むという告知が。さらにその帰り道、変装した亜美が大量のお菓子が入ったビニール袋を手に家へ入っていくのを目撃します。
「面白いもの見ちゃった」とニヤリとする大河がそこにいました。
第6話「ほんとの自分」
ある日の帰り道、突然現れ竜児に飛びつく亜美。すると亜美の後ろの物陰から、カメラをぶら下げた怪しい男がこちらを見ていました。話を聞くとストーカー被害に遭っているらしく、そのせいで転校、そしてモデルの休業をしていたとのことでした。
ひとまず大河の家に匿ってもらうことにした次の日、学校でひどく疲れた顔の亜美。言うことを聞かないと追い出すと脅され、好き放題いじられていたようです。さらに、北村から亜美の本性を知っているからこそ、よろしく頼むと言われた竜児と大河。お弁当も一緒に食べることにします。
放課後、生徒会主催のゴミ拾いに立候補する大河とそれに付き合わされる竜児。学校に慣れたいという亜美と、応援に来た実乃梨もついてきました。
早速亜美と大河は口喧嘩。実乃梨と一緒にどこかへ行ってしまいます。
仕方なしに雨の中、亜美と一緒にゴミ拾いをする竜児。相変わらず猫を被る亜美に対し、「取り繕った外面なんかばれてるぞ」と言います。少し不穏な空気が流れたその時、前日にいたストーカーが再び現れました。慌てて身を隠す2人。
するとそこにゴミ袋を被り、頭にトレーを被った大河と実乃梨がやってきます。ストーカーは大河に興味を示し、「かわいいミニ妖怪発見」と写真を撮りはじめます。しかし大河によって一蹴。それを隠れて見ていた亜美もそれを見て何かを決意。逃げるストーカーを追いかけてボコボコにしはじめました。
ついに本性を隠すことを止め始めたようです
ひとまず雨に濡れた身体を温めるため竜児の家へ避難した2人。すると亜美が「本当の私を見せたら、高須君は私のこと好きになる?」と迫ってきます。そしてそのタイミングで、大河が家へやってきたのでした…。
第7話「プールびらき」
第6話から続きます。
迫られている光景を大河に見られましたが、特に何もなく帰っていくのでした。
次の日。プール開きがあるから各自水着を用意するように、とHRで報告あり、竜児、実乃梨、大河の3人は買いに行くことにしました。
すると店で亜美と遭遇。大河は亜美のスタイルの良さ、自分の貧相さに絶望し落ち込んでしまいます。
その夜水着を試着した大河は、あまりの哀れ乳っぷりにさらにがっかり。見かねた竜児がパッドを作ってくれるのでした。
そしてプール開きの日。スタイルを見せびらかしながら泳ぐ亜美、元気いっぱいに泳ぐ実乃梨。大河が貧相なスタイルを見せてくれると期待した亜美でしたが、そこには見事なパッドで偽装した大河が。周りから歓声を浴びます。どうやら実乃梨には一目で見抜かれたようですが問題なし。プールで遊ぶことに。
水泳の授業は自由で、そのうち人をプールに投げ入れる遊びが流行りはじめます。北村と実乃梨に竜児が投げられ、その後大河も亜美に投げ入れられてしまいました。
実は泳げない大河は水の中でじたばた。竜児が助けに行くと、「パッドが取れた!」ともがいています。手段を選んでいられなくなった竜児はパッドを手に取り、大河を水の中へ引き込み、自分の手でパッドを入れなおすという暴挙に・・・。
放課後、竜児、亜美、大河の3人が教室に残り激しい怒りを亜美にぶつける大河。一応は謝るものの、「泳げないんじゃ一緒に遊べないねぇ」と挑発してきます。亜美の親戚が別荘を持っており、夏休みに遊びに行く予定だそうです。
そして大河はほっといて竜児を別荘に誘う亜美。北村も誘うとのことです。それを見てさらに怒る大河。
激しい言い合いをしているところに部活中の実乃梨が現れました。
そして一言。「スポーツで勝負しようじゃないか!」と高らかに提案するのでした。
第8話「だれのため」
出典:amazon第7話から続きます。
翌日、「50m自由形」で勝負することに決まった大河と亜美。大河が勝ったら、亜美が大河の家にいた頃に撮られたネタ動画公開をする、亜美が勝ったら竜児を別荘に連れて行くという条件の元勝負が行われることになります。
教室内ではどちらが書くか賭けが行われるなど、クラスを巻き込んだ一大イベントとなり、大河は特訓を開始します。最初は顔を見ずにつけることすら難しく、勝負は既に決まったかのように見えました。しかし、浮き輪つきではあるものの物凄いスピードのバタ足を習得し、勝機が見えます。
途中で雨が降ってきて、避難する2人。しかし、大河が頑張る理由をどうにも理解しきれていない竜児。それに怒った大河は帰ってしまいます。
和解できないまま勝負当日に。2人は喧嘩したままでした。しかし竜児は大河に勝ってほしい、その思いから弁当をこしらえ大河に渡し、勝ってほしいという思いを告げます。
いよいよ勝負の時。プールサイドにはギャラリーたちがいっぱいです。ビキニで登場した亜美と浮き輪やらビート版を抱えたフル装備の大河。
スタート直後、亜美の気を紛らわせ、さらに抱えた道具を投げつけます。怯んだ隙にバタ足で一気に差を広げていきます。
しかし途中で足が吊ってしまった大河。竜児が助けにいきますが、騒いでいたギャラリーもプールへ落下。竜児は接触で頭を打ってしまい気絶してしまいます。
うっすらと意識が戻ってきた竜児が見たのは自分の目の前で泣き叫ぶ大河。「竜児は私のだああああ!!誰も触るんじゃなああああい!!」
そんな言葉が聴こえてきました。
結局勝負は亜美の勝ちということになり、別荘へ行くことになった竜児。すると独自の理論を展開し亜美を説き伏せ、半ば強引に大河も行くことになりました。
こうして別荘へ行くことになった5人。夏休みが始まろうとしています。
第9話「海にいこうと君は」
夏休み、奇妙な夢を偶然同じく見た大河と竜児。別荘へ行く前に、旅行中にどちらの恋路を全力サポートするか勝負することになります。結果は竜児の勝ちとなり、今回大河はサポートに徹することになりました。
そして当日。合流した5人は亜美の別荘へ。大河は早速サポートを開始します。その内容はホラーが苦手な実乃梨を怖がらせ続け、助ける竜児と吊り橋効果を狙うといったものでした。
掃除をしたり海で楽しむ中、着々と実乃梨を怖がらせる大河。そして恐怖が最高潮に高まった夕食時、カレーを思いっきり辛くしてほしいとリクエストされます。
皆でヒィヒィと言いながらカレーを食べ終わると、お腹が痛くなった大河と看病する北村、洗い物をする竜児と実乃梨がそれぞれ自然に2人きりとなり、いい雰囲気になります。星空を見上げながらアイスを食べる竜児と実乃梨。つい「櫛枝は彼氏いるのか?」と質問してしまいます。
すると、「高須君はさ、幽霊はいると思う?」と逆に質問してくる実乃梨。そしてそこから、結論としてはいないのですが、少しだけ実乃梨の心の内が見えたような、だけど少し遠く感じるような話をしてきます。それに対して真剣に答える竜児。それによって2人の距離は労することなく近づいていくのでした。
深夜、腹痛が治った大河がお腹が空いたと言い、カレーを食べる2人。まったりとした時間が過ぎ、2人がそれぞれ部屋に戻るとそこにはぐっしょりと濡れたベッド、その上に散りばめられた黒い髪の毛が…。
結局、2人とも一睡もできなくなるのでした。
第10話「花火」
第9話から続きます。
一睡もできなかった2人は、リビングでどう実乃梨を怖がらせるかの相談をしていました。するとそこに北村が。悪巧みをしていることがばれたのですが、北村も協力することに。亜美にも協力を取り付けてもらうことになりました。
朝、実乃梨と一緒に朝食を作る竜児。昨晩のおかげで、完全に2人の距離が縮まったようです。
そして出発時、まだ亜美が部屋にいたので竜児が呼びに行くことになりました。すると、「どうして高須君は実乃梨ちゃんを楽しませてあげたいの?」という疑問が。さらに答えてくれないと協力はやめるとのこと。結局答えることはできず、亜美の協力は得られないまま洞窟へ。
しかし、北村が用意した罠というものがことごとくハズレ。怖がることができません。溜息をついて壁に手をつくと、そこには昨日部屋にあったものと同じ髪の毛が…。どうやらこれは北村の罠ではないようです。
すると、突然亜美が「つまんないからもう帰る」と言い1人で歩き出します。追いかける竜児。そして先に進む大河、実乃梨、北村の3人。
2人きりになった竜児と亜美ですが、「私と離れたくないって思ってくれる?寂しいって思う?」という謎の質問が。そして実乃梨の悲鳴が奥から聞こえてきます。さらに北村の悲鳴も聞こえてきて、最後に大河が2人を助けようと奥へ飛び込んでいくと…北村と実乃梨に助けられました。
結局、全ては北村と実乃梨による逆ドッキリだったのです。
全てが終わった夜、浜辺で花火をする5人。竜児は改めて亜美に「お前がいないと寂しいぞ」と答えます。
そしてその後、実乃梨が隣にやってきました。お互いに楽しかった、ありがとうとお礼を言いあいますが、どうして自分を怖がらせようとしていたのか問いかけられます。
昨日の話題から続けて話し続ける竜児と実乃梨を、遠くからじっと見つめる大河がそこにいました。
第11話「大橋高校文化祭(前編)」
出典:amazon2学期が始まり、目玉イベントである文化祭が迫っています。生徒会も開催に向けた準備を始め、各クラスも盛り上がりはじめました。そんななか、竜児たちのクラスでは男子が結託。出し物をコスプレ喫茶にしようと企てます。
その夜、大河の携帯が着信を告げますが無視し続けます。父親からの電話なのですが、取ろうともしません。
電話に出ろと言う竜児と、父親のことを「くそじじい」と呼び、かたくなに出ない大河。少し気まずい空気が流れるのでした。
翌日、文化祭の出し物を決めることに。実行委員は竜児の友人である春田と亜美。
まずはミスコンの代表についてです。当然亜美を推すクラスメイトたちですが、亜美は司会のため出られないとのこと。亜美はその代りに大河を推薦し、そのまま決まります。
そしていよいよ出し物の決定へ。男子は予定通り結託し、多数決でコスプレ喫茶に決めようとします。しかし何故か春田は集まった案の中からくじ引きを決行。
あっけにとられる男子たちが固まる中くじが引かれその結果、担任である恋ヶ窪ゆりの提案した「プロレスショー」に決定してしまいました。
放課後、大河がお金を下そうとすると残高が0円になっていました。父親から振り込まれる生活費で暮らしていましたが、口座を止められてしまったようです。
大河が怒りを露わにしていると、再び父親からの着信。
どうしても会いたくない大河は、竜児が代わりに父親と会うことになるのでした。
実際に会ってみると、もう1度大河と暮らしたいということを伝えてきました。
その夜、大河へお金を渡し、父親の印象を話す竜児。すると、どんどん不機嫌になっていく大河。大河は怒って帰って行ってしまいました。
次の日、プロレスショー開催が決まり、テンションが上がらないクラスの面々。責任を感じた春田は台本を作ってきますが、みんな手につけません。
すると亜美が「これ面白い!」と言い出し、みんな一斉に台本を読みはじめます。
大河と竜児が悪役、亜美が正義のヒーローショーのような内容となっており、盛り上がったクラスは団結。このままいこうという話になりました。
さらに生徒会から、今年の文化祭はクラス対抗戦。優勝すれば豪華景品が出るということが発表されました。
帰宅すると、大河の家の前に父親が現れました。大河は父親を蹴り上げ、そのまま帰ろうとしますが止める竜児。大河は「竜児がそう言うなら」と言い、渋々ながら父親とともに去っていくのでした。
第12話「大橋高校文化祭(中編)」
出典:amazon第11話から続きます。
文化祭の練習をするクラスの面々。段々と空気も盛り上がり、一体感が生まれていました。
大河はというと、家へ戻ると父親が迎えに来て、一緒にご飯を食べに行く日々。失った親子の絆を徐々に取り戻しているようでした。
次の日、亜美に複数回ある公演中、1回だけ主役を代わってほしいとお願いしに行きます。それを遠目から見る実乃梨と竜児。竜児は、大河の父親が帰ってきて、文化祭を見に来ることを実乃梨に教えます。
すると、実乃梨の態度が豹変。大河の目を覚めさせる、あんな人の言うことを信じちゃだめだと言いはじめ、竜児と大喧嘩してしまいます。
せっかくいい雰囲気だったクラスの空気を壊してしまったことに耐えかねた竜児は逃げだします。すると亜美が迎えに来て、自分がフォロー入れたこと、実乃梨は帰ってしまったことを告げます。以前とは違い、いい意味で本当の自分を見せ始めている亜美に、竜児は「俺も変わりてえよ」と呟きながら一緒に教室へ帰るのでした。
その夜、晩御飯の時間の高須家。もう大河はおらず、竜児と泰子の2人だけです。そこで泰子から、大河が引っ越すことを聞きます。親子2人で住むには今のマンションでは狭いから、とのことでした。
泰子は勝手に迎えに来て勝手に連れて行くなんて身勝手な人だとご立腹。
寝る前に大河がマンションに帰宅し、窓越しに会話する大河と竜児。しっかり実乃梨と仲直りをするよう伝えられます。
いよいよ文化祭本番。結局実乃梨とは仲直りができないままでした。
父親が来るタイミングの公演は、大河が主役をすることが決まっていたプロレスショー。全員の役のはまりぶりもすさまじく、大盛況で終わります。
しかし結局、大河が主役を演じることはなく文化祭は幕を閉じたのでした。
第13話「大橋高校文化祭(後編)」
第12話から続きます。
プロレスショー中に来なかった父親。続いてはミスコンです。メイクをしながらも父親からの連絡を待つ大河。
そして本番。会場である体育館にいた竜児の携帯が鳴ります。大河の父親からのメールでした。
「仕事で出なくてはいけなくなった。いろいろあって、一緒に暮らす話もなしで。お姫様に謝っておいてください」
大河には連絡をせず、自分に簡単なメール1本で済ませてしまった父親。怒りに震えていると、ちょうどミスコンは大河の出番。
そこには美しい、純白のドレスを着た大河がいました。一気に盛り上がる会場。
しかし、「会場にお父様が応援に来ています!ぜひ応援の声を!」という司会の亜美に反応がありません。シーンとした中、大河はドレスの裾を踏んでしまい転んでしまいます。それでも歯を食いしばり、涙を浮かべながら立ち上がる大河。その姿に竜児は思わず拍手をしてしまいます。すると後ろからもう1本の拍手が。実乃梨が泣きながら拍手をしていたのでした。
見事にミスコンは大河の手に。これで終わりかと思いきや、最後のメインイベント「福男」の開催が生徒会から告知されます。優勝すれば大河と後夜祭でフォークダンスを踊る権利、そして生徒会長の今までのノートが手に入る特典付きでした。
コースは校内1周。竜児は全力で走り続け、最後のグラウンドにトップで戻ってきます。すると人影が。実乃梨も参加していたのです。無言で争う中、陸上部が2人を抜きにかかります。
すると実乃梨が捨身で陸上部へタックルし、竜児をゴールさせようとします。しかし竜児は実乃梨の元へ。2人で手を繋いで1位でゴール。福男は竜児と実乃梨になりました。
後夜祭、会長としての最後の責務を全うした狩野は、北村にお礼を言います。
そして2人でいた竜児と実乃梨。改めて仲直りをします。話を聞くと、父親は1年前にも同じように現れ、同じように忽然と姿を消してしまっていたとのことでした。だからこその実乃梨の怒りだったわけです。
そしてフォークダンスは、北村から大河へ誘いが。「福男ではないけれど、俺と一緒に踊ってくれるか?」の問いに満面の笑みで答える大河。
こうして、誰にとっても特別な日で、誰かにとっての特別な夜は幕を閉じていくのでした。
第14話「しあわせの手乗りタイガー」
出典:amazon文化祭から日にちが経過したある日。
いきなり後輩たちに感謝されたり、クラスメイトたちに襲いかかられたりと奇妙なことが起き始めます。亜美によると、「文化祭のプロレス公演で場外乱闘が起きた時に、大河に殴られた人達がその後幸せになってる」そんな噂が飛び交ってるとのことでした。「しあわせの手乗りタイガー伝説」と名前までついてしまい、勝手に盛り上がっていたのです。
その後、文化祭の写真が飾られている廊下へやってきた竜児と大河。そこには実乃梨もいました。写真を見ていると、大河は別の場所を見に行きます。竜児と実乃梨の目の前には福男レースで、2人で手をつないでゴールしている写真が。照れながらも、2人とも購入することにしたのでした。
放課後。狩野へ「しあわせの手乗りタイガー伝説」について話す北村。いつもは男気溢れる狩野ですが、確信のないものに頼ってみたいという気持ちは分かる、といつもらしくない発言が。そしてその後、北村へ話があると言い去ります。
帰り道、竜児はスーパーで亜美に会います。何か悩みがあるだろうということに気づいていた竜児。実は実家から「そろそろ戻っておいで」と、誘われており、転校するかどうか悩んでいたのです。しかし、このことがきっかけで吹っ切れ、今の場所に居続けることを選んだのでした。
晩御飯の時間。「しあわせの手乗りタイガー伝説」を泰子に話すと、泰子は大河をワシワシと撫で始めます。「大河ちゃんを撫でて、家族揃ってご飯を食べることが幸せ」そう言った泰子は改めて大河を家族として受け入れてることを宣言したのでした。
第15話「星は、遠く」
出典:amazonある日、なんだかいつもと様子が違う北村。話をしても上の空で、心ここに非ず、といった感じです。
文化祭が終わり、生徒会長選挙の日が近づいています。当然北村が次期生徒会長になると思っているクラスメイトの面々。囃し立てていきますが、突如生徒会長にならないことを宣言。それどころか生徒会も辞めると言い出したのです。
翌日、竜児と大河が登校すると、先生たちに取り押さえられている北村の姿が。よく見ると、頭を金髪に染めていました。
何か北村について知っていることはないかと呼ばれた竜児、亜美、狩野。特に分からない2人、そして狩野は「分からないし、理解したくもない。そもそも、もう生徒会を辞めると言っている人間が何をしようと私には関係がない」とバッサリ。そのまま去ってしまいます。
放課後、朝帰ってしまった北村の様子を見に行くことにした竜児、大河、実乃梨。しかし、大河は途中で気が変わったと言い、2人で行くことに。
道中、文化祭を経てより距離が近くなった竜児と実乃梨。お互いのことを話しあえるほどになっていました。
結局北村は家におらず、諦めて帰宅した竜児。するとそこには北村と大河が。泰子が家に上げてくれたとのことです。
そのまま竜児の家で1晩を過ごした北村と大河。翌日も朝から遊びに振り回されます。
帰宅すると、黒髪戻しを持った泰子が。北村の親とつながっており、家に帰るまでに黒髪に戻そうとしたのです。それに抵抗した北村は再び逃亡してしまいます。
どうすれば元の北村に戻ってくれるのか相談する竜児と大河。そこである作戦を思いつきます。
翌日の学校。玄関にはマイクを持った大河と後ろで構える竜児。なんと大河が生徒会長に立候補。学校を恐怖の闇に落とそうと演説を始めたのでした。
第15話から続きます。
日々を選挙活動にいそしむ竜児と大河。焚きつけて、北村を生徒会長に立候補させようという考えでした。
しかし、北村からの立候補はないまま時間は過ぎ、立候補締切の前日に。
夜、竜児の携帯に生徒会の人から電話があり、北村が生徒会長をやりたがらない理由を聞きます。
北村は狩野に恋しており、その会長が留学をするために学校からいなくなる。ずっと狩野が引退したら、生徒会長になった自分を見てほしい、そしていつか自信がついたら告白をしたいと考えていた北村の思いが、全て打ち砕かれたからなのでした。
翌日、髪を黒に戻し立候補する宣言はしながらもなかなか立候補届を出さない北村。まだ迷いがあるようです。
そのまま帰ろうとしていると、狩野が待っていました。
狩野に激を飛ばされ、立候補届をつきつけられ、目の色が変わった北村。立候補届を提出するために走り出します。
生徒会長選挙演説の日。北村が立候補したため、大河は辞退。信任投票となりました。すると演説の時、所信表明ではなく、狩野への思いを告白し始めます。しかしその答えを聞くことは叶わず、はぐらかされ、余興の一環として処理されてしまいました。
演説会後、教室で涙を流し続ける北村。すると大河が竜児は北村の傍にいてあげて、そう言い残し教室を出ていきます。背中には木刀を携え、向かった先は狩野のいる3年生の教室。殴り込みをかけたのです。
殴り合いを続ける2人。大河が北村を好きなこと、狩野もまた北村を好きなこと。だけど北村のことを考えるとこうするしかなかったこと。様々な思い
がぶつかり合います。
その後北村と竜児が到着。「本当に好きでした。ありがとうございました!」と涙ながらに頭を下げる北村。その後事態は収拾されました。
影から見ていた実乃梨。通りすがりに亜美から「罪悪感はなくなった?」と声を掛けられ、そのまま去って行きました。
そして2日後、狩野はアメリカへ旅立ち、大河は2週間の停学となりました。
第17話「クリスマスに水星は逆行する」
出典:amazon「罪悪感はなくなった?」亜美に言われた言葉が引っかかり続ける実乃梨。ソフトボールの試合でもエラーを起こすなど、部活にも影響が出てしまいます。
大河の停学が明けた日、その間実乃梨との距離が全く縮まっていないことに辟易した大河。クリスマスまでの間になんとか2人の仲を進展させることを宣言します。
その頃、学校では北村が失恋大明神として生徒達の恋愛相談に乗る光景が。そして、生徒会主催のクリスマスパーティが開催されることが告知されました。
それを機に竜児と実乃梨の仲を進展させようと目論む大河ですが、実乃梨は出席を拒否。自分の不甲斐なさに腹が立ち、今は遊んでる気分ではないとのこと。準備の実行委員もやらないと頑なで、それを見た亜美が自分が実行委員をやると焚きつけますが取りつく島もありません。
その日の夜、男子は竜児、北村、春田、能登。女子は大河、木原というメンバーでテスト勉強をすることになりました。ファミレスで合流したのですが、能登が何かと大河と北村をくっつけようとする行動に出ます。それを見た木原は複雑な表情。
テスト勉強の帰り、木原は「北村と大河が付き合えばいいって思う?そうは思わないよね?高須君は大河のことが好きなんでしょ?」と言い出します。どうやら木原は北村のことを意識しており、能登の行動に不満があるようです。
木原の勢いに圧倒された竜児は言い返すことができず、帰っていく後ろ姿を見つめることしかできませんでした。
第18話「もみの木の下で」
第17話から続きます。
クリスマスパーティの準備がすすむなか、だんだんと実乃梨との距離が離れていくことを感じる竜児。大河が昼食に誘っても、部活があるからと断られてしまうほどです。
ある日、学校帰りに大河に用事に付き合ってほしいと言われた竜児。家まで行くと大量のプレゼントが置いてありました。それは全て実家と、施設へのプレゼントだというのです。救われないような子ども達にも、誰かが自分のことを見ている、それを伝えたいという思いでサンタクロースのようなことをしているのでした。
クリスマスパーティを前日に控えた最後の準備の日。体育館では大きなクリスマスツリーが作られていました。
ツリーの頂上には大河が家から持ってきた大きな星の飾りが。照明を消してライトアップしてみると、大きな歓声が沸き起こります。
しかしその直後、ガラスの割れる音とともにツリーの照明が落ちてしまいます。そこに入ってきたのは実乃梨。自分の打ったボールが体育館へ飛び込んでしまい、不幸にもツリーの頂上に直撃してしまったのです。
謝罪をした後、一人で星の破片を集める実乃梨。するとそこに、竜児がやってきて無言で同じように拾い集めました。拒絶する実乃梨でしたが竜児は無視。実乃梨のためではない、自分が望んでこうしてるだけだからと言う言葉に涙が止まらなくなる実乃梨なのでした。
集めた破片をくっつけて元に戻した後、改めてソフトボール部全員での謝罪を行った実乃梨。
そのまま帰る姿を竜児が呼び止めます。
「お前と一緒に過ごしたいから!絶対来てくれよな!」という言葉にも拒否する実乃梨。それでも待ってるという言葉を叫ぶ声は、実乃梨の耳に届きつつも、その足は止めることなく去っていくのでした。
第19話「聖夜祭」
第18話から続きます。
クリスマスパーティ当日。私服でOKのイベントということで、何を着ていくか悩む竜児。すると大河から「これに着替えろ」と、父親が昔来ていた高級なスーツをプレゼントされます。
大河はドレス、竜児はスーツの姿で学校へ行きます。実乃梨に電話をするも繋がらず、留守電にメッセージを残したまま。
パーティ中もつい給仕をしてしまう竜児。するとステージに大河と亜美が現れ、2人によるクリスマスソングが披露されました。
ステージが終わった後も大河が見えないことを心配する竜児。亜美によると、家に帰ってサンタを迎える準備をするとのことでした。
家には大河が1人。帰り際に「竜児がずっと待っているから絶対学校に来て」と実乃梨の家に寄っていたのでした。竜児と実乃梨をくっつける。これが大河から竜児への本当のクリスマスプレゼントだったのです。
1人リビングでうつむく大河でしたが、寝室の窓からサンタの着ぐるみ、クマの被り物をした怪しい人物がいました。
「サンタさんなの…?」という大河の問いにうなづく謎の男。やっと会えたサンタに大河は大喜び。束の間の楽しい時間を過ごします。
落ち着いた後、「本当にありがとうね、竜児」と言い、クマの被り物を取ります。そこには竜児の顔がありました。
実乃梨はパーティに向かってるはず。だから私にもう構わず学校へ戻ってと言う大河。半ば強引に竜児を向かわせます。
竜児が去ったあと、本当に1人となった大河。ふと、涙が頬を流れます。
竜児がもう自分の隣にいない、自分が竜児の隣にいてはいけなくなる、それがとても辛く、嫌だということ。
そのことに気づいた大河はいてもたってもいられず、外へと走り出します。しかし、既に竜児はそこにいませんでした。
竜児の名前を泣きながら叫ぶ大河。そしてその姿を、これからパーティに向かおうとしていた実乃梨が見てしまったのでした。
校門で待つ竜児の元に、実乃梨がやって来ました。自分の気持ちを伝えようとすると「先に言わせてほしい」と言う実乃梨。
夏休みに、亜美の別荘で2人きりで話したこと、見たいと思っていた宇宙人やUFOは、やっぱり自分には見えなくていい。それだけ伝えたかったと言って帰ってしまいました。
自分の思いを実乃梨に伝える前に一方的に伝えられ、帰られてしまった竜児。それが、告白をしないでほしいという遠まわしの失恋という事実に気づくのに、時間は必要ないのでした。
第20話「ずっと、このまま」
出典:amazonクリスマスパーティの後、竜児はインフルエンザにかかってしまいます。竜児が寝込んでいたある日、神社で北村と出会った大河。すると失恋大明神である北村にお願いがとのことでした。
竜児が実乃梨にフラれ、インフルエンザから快復しても一向に高須家に寄り付かなくなった大河。ある日の夜、窓越しにようやく話をすることができます。
大河の後押しを受け、改めて実乃梨の気持ちを聞くため、2年生最後の大イベントである修学旅行へ臨むことになります。
修学旅行の行先は、沖縄の予定でしたが諸事情によりスキーに決定。
そして登校中、竜児が1人で登校していると実乃梨と出会います。すると大河が後ろから走ってきて竜児を捕まえろと叫びます。慌てて竜児の手を掴む実乃梨ですが、恥ずかしさから思わず手を放してしまいます。
それでも必死に袖をつかむと、大河は自分のカバンを2人に放り投げ去っていきます。
大河の思惑に気づいた実乃梨は真っ赤になりながらも竜児と2人で登校することになるのでした。
放課後、大河の家で修学旅行のしおり作りをすることになりました。作業中、紅茶を入れることにした実乃梨と竜児。
そこで大河の住居環境がよくなっていることをお礼されます。そして今のクラスで何かをやるのが最後ということに寂しさを覚える実乃梨。
竜児はクラスが分かれる前に、もう一度実乃梨の気持ちを確かめようと心に決めたのでした。
そして修学旅行当日、最後のイベントがはじまります。
第21話「どうしたって」
第20話から続きます。
スキーを楽しむ2年生の面々。そんな中、スキーが滑れないからとソリで遊ぶ大河の姿がありました。
竜児と大河が話をしていると、リフト乗り場の方で争う声が。北村と一緒にリフトに乗りたい木原と、それを防ごうとする能登。完全に喧嘩となってしまっていました。さらに北村の無自覚な一言で木原は泣いてしまいます。そのことに女子は北村を非難。男子と女子に亀裂ができてしまいました。
その日の晩御飯。これでは実乃梨の気持ちを確かめることもできないと落ち込み1人抜け出す竜児。すると実乃梨が後を追いかけてきました。
しかしそれは何とか男女を仲直りさせたいという相談であり、クリスマスパーティのことを完全になかったことにしようとしているのを察した竜児は完全に落ち込んでしまいます。
その後男子部屋で寝込む竜児。相部屋の北村、春田、能登に自分が実乃梨を好きだったこと、クリスマスパーティのことを話します。すると北村の発案により女子部屋へ乗り込み、本心を聞こうということになります。
女子部屋へ行く4人。しかし全員風呂へ行っており、誰もいませんでした。
すると誰かが戻ってくる物音がしたため襖に隠れます。現れたのは大河でした。襖を開けようとした大河。見つかって騒がれたら困ると慌てて大河を襖に引き込み口をふさぎます。
その後亜美、実乃梨、木原、香椎の4人も戻ってきました。話を聞いていると恋バナが始まります。北村のこと、大河のことを話しており、実乃梨ははぐらかすばかり。
その態度を見かねた亜美が喧嘩を売ってしまいます。そこから一気に険悪になる2人。その場は収まりましたが、しこりが残ることになりました。その後4人が大河を探しに部屋を出たところでなんとか男子たちも事なきを得るのでした。
翌日、1人で雪遊びをしている亜美に竜児が話しかけます。すると亜美は昨日のことを反省していて、実乃梨にひどいことを言ってしまったこと、本心を見せてくれない実乃梨につい喧嘩を売ってしまったことを後悔していました。
そこにソリで突っ込んでしまった大河と実乃梨。昨日の続きの喧嘩が勃発。叩き合いになってしまいます。
その衝撃で実乃梨が付けていたヘアピンが取れ、雪山の中へ…。
先生たちや他の生徒も駆けつけ、何とかその場は収まったものの完全に仲違いしてしまいました。
そして、いつの間にか大河はそこからいなくなってしまっていました。
夜になっても宿に帰ってこない大河。竜児、実乃梨、北村の3人で探しにいきます。
喧嘩した場所まで戻ると、なにかが滑り落ちた跡が。竜児が下りていくと、そこには頭をぶつけて気を失っていた大河がいました。なんとかおぶって元の場所へ戻ろうとすると、少し気が付いた大河。しかし、北村がおぶっていると勘違いし、ぽつりと言葉を漏らします。
「どうしたって、竜児のことが好きなんだもん…」
第22話「君のいる景色」
修学旅行が終わり、学校の日々が始まります。
イベントも終わり、進路相談票を提出するようにと先生にくぎを刺されました。
あの日、その後救助隊が到着。大河の実の母親が迎えに来て帰って行きました。そして、その日から学校には来ていません。
竜児は北村に、あの日助けに行ったのは北村ということにしてほしいとお願いします。何かを察した北村は了承してくれます。
その夜、泰子に相談すると進学するようにと言われます。竜児は頭がいいからしっかり勉強して幸せになるんだと言います。お金のことは心配ないから自分のやりたいことをやるんだと竜児に伝えるのでした。
次の日の放課後、進路調査票のことについて先生に呼び出される竜児。竜児自身は早く泰子を助けたくて就職を希望しており、進路希望の食い違いによるものでした。
夜、家に帰ると泰子はいません。バイトを増やしたようです。お金の心配はいらないと言ったのはこういうことか、と思う竜児。すると呼び鈴が鳴り、大河がやって来ました。
学校に来ていなかったことを問い詰めますが、どうやら実の母親とは本当に仲が良く、久々に会えたため学校をさぼって色々遊びまわっていたとのことでした。頭をぶつけたケガも大したことないとのこと。しかし、家の鍵を失くしたため竜児の家からベランダ伝いに入ろうとしたのでした。
久々に家に大河が来たということで、なんとか少しでも長くいてほしいとする竜児。
しかしその願いは叶わず、少しいた後大河は帰って行きました。頭をごつんとぶつけながら。
その光景を見て、「大河、お前は本当に…ドジだよな」
少し切なげに、そう呟いた竜児でした。
第23話「進むべき道」
出典:amazonバレンタインが近づいたある日。竜児と大河は先生に呼び出されます。
進路調査票を未だ提出できていないということで残される2人。ひょんなことから口喧嘩となり、大河は怒って帰ってしまいます。
1人残った竜児は玄関で亜美と会います。そこで、亜美はもう学校を辞めるつもりだったことを知ります。大河の気持ちに気づいており、だから大河を救おうとした、だけど駄目だった。自分がいなければすべて上手くいっていたのではという後悔があったのです。亜美と別れた後、大河から着信が入ります。
家に帰ると、泰子が過労で倒れていました。熱と貧血だったようです。自分のせいで泰子が倒れた、その自責の念に耐えられず飛び出す竜児。大河が追いかけていき、そのまま泰子のバイト先へも謝罪。泰子の代わりにバイトに出ることに。
翌日、洋菓子屋の店頭で売り子をする2人。
余ったチョコを買い、自分もチョコレートを作ってみんなに上げるんだと張り切る大河でした。
翌日、コンピュータ室に集められた竜児、北村、亜美、実乃梨のいつものメンバー。ひとりひとりにお礼を言いながら大河がチョコを渡します。
しかし最後、北村に崖から助けてくれてありがとうとお礼を言います。実乃梨にはそのことを口添えしておらず、激昂。実乃梨の口から真実が伝えられ、揉めあいになってしまいます。
教室から逃げようとする大河を、ドア口で塞ぐ北村と亜美。実乃梨は大河が自分のことを思って行動していたことについて、「あたしの幸せはあたしが決める。この手でつかみ取る!」その言葉に涙を浮かべながら塞がれたドア口から逃げ出します。亜美が塞いでいた場所を避けたのです。
誰かが追いかけなければいけない。大河を見つけなければいけない。
みんなの視線は竜児に集まっていたのでした。
第24話「告白」
第23話から続きます。
「オレは…追いかける!」その言葉で走り出した大河と実乃梨。
大河を探しながら叫ぶ実乃梨。そしてついに自分の気持ちを、竜児のことを好きなんだと叫びます。そして玄関まで来ましたが、大河の姿はありませんでした。
鼻血を出してしまった実乃梨を介抱するため保健室に来た竜児と実乃梨。そこで本当の気持ちを伝えあいます。そして改めて「高須君は大河のことが好き」「おう」このことを確認しあうのでした。
そこで2人は別れ、竜児は再び大河を探し始めます。
大河がバイト先へ行くと、そこには既に竜児が。バイトが終わったら逃げずにちゃんと伝えるから、そう言ってバイトにいそしむ2人。
その帰り道、泰子がやって来ます。バイトを禁止していたのに嘘をついていたことに怒っていたのです。さらに大河の実の母も登場。竜児と泰子、大河と母親の喧嘩が始まりますが、すぐに竜児の手を取り逃げる大河。
夜、橋の上で大河の父親が夜逃げしたこと、それにより母親と暮らそうと言われていることを知ります。竜児は自分がいなければ泰子はもっと幸せだったと再び自分を責めます。そしてこれからどうするかを話し合う2人。
「2ヶ月後、俺は18になる。逃げて逃げて、寝て起きて、逃げて、俺の誕生日になって…。そしたら…嫁に来いよ!」
告白を通り越したプロポーズでした。
すると、大河はずるいと言い、自分から伝えると言い出します。
改めて告白しようとする2人でしたが着信が入り…。
亜美の家に呼ばれた2人。そこに北村と実乃梨もやって来ました。2人の親が躍起になって探し回っていますがまだ亜美の家には連絡が来ていないとのこと。とりあえず匿ってくれるようです。
そこで2人は3人に、駆け落ちすることを宣言。色々考えた末の結論ということで、賛成はしないけど、と協力してくれる3人。
一度家に帰って準備をし、明朝出発することにします。
帰宅した竜児でしたが、そこに泰子はおらず、実家へ行くといいという手紙と形見の腕時計を置いて、どこかへ逃げていました。
無事合流した2人は電車へ。そして泰子の実家へ向かうことにしました。
初めて出会った祖父母に自分と大河を嫁として紹介。そしてこの先へ進むために動き出すのでした。
第25話「とらドラ!」
第24話から続きます。
スーツケースとインコちゃんを抱え走る泰子。一瞬怯みながらも実家の扉を開きます。そこには竜児が座っていました。
逃げるのではなく、みんなに祝福されることを選んだ2人。まずは泰子と会うため、大河が「竜児が命に関わる事故にあった。じいちゃんの家にいる」と嘘の留守電を残します。それを聞いて慌ててやってきたのです。10数年ぶりに再開した泰子と両親。それでも昔のように話し、怒られる姿に家族という存在の尊さを認識する2人でした。
夜、1つの部屋に2つの布団が敷かれた竜児と大河。竜児の親だけでなく、大河の親にも認めてもらい、みんなで幸せをつかみたいと話す竜児。どんなに時間がかかってもいい、それを実現しようと誓いあいます。
そしてシーツをベール代わりにした大河と、はじめて唇を重ねたのでした。
翌日、電車で帰る3人。夜ご飯は高須家で食べようということで、一旦荷物を置きに帰る大河。すると、携帯に母親からの大量の着信が入っていました。
母親も大人なんかじゃない、子どもっぽいところもあることに気づいた大河は、竜児がそうしたように、自分も逃げずに立ち向かうために動き出します。
その日、大河は夕飯を食べに来ませんでした。
翌日、先生から大河が転校したことを知らされたクラスメイト。実乃梨は竜児を責めますが、お互いの事情があってのこと。亜美に窘められます。
夕方、クラスメイト全員に大河からのメールが。それは夜空に浮かぶ小さな星でした。
翌日のクラスはその話題で持ちきり。そしてクリスマスパーティの時に飾られた星の飾りと、全員の写真を送ろうということになります。
無事に探し当てたみんなは集合し、竜児の不器用な笑顔とともに写真を送るのでした。
時は流れ1年後、竜児の卒業式の日。生徒会長として活躍した北村は卒業後アメリカへ留学など、それぞれの進路が明かされます。下級生たちの話によると、1年前の竜児のクラスは伝説となっており、「幸せの手乗りタイガー」も都市伝説のような扱いとなっていました。
外に出て、ふと教室の窓を見ると見慣れた茶髪がふわりと揺れたのを確認。慌てて教室へ行きますが誰もいません。
しかし、迷わず掃除用具箱の扉を開けると、そこには違う制服を着た大河がいました。
1mmたりとも伸び縮みしていない大河に、「あのさ、好きだ」と告げます。
ずっと言えなかった「好き」という言葉。それをついに伝えた竜児は、照れ隠しの頭突きを喰らうのでした。
『とらドラ!』あらすじのまとめ
出典:amazon「とらドラ!」はただのラブコメではありません。繊細な心理描写によるヒューマンドラマでもあります。
友情、家族愛の尊さも教えてくれるこの作品を、ご覧になってはいかがでしょうか?
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