トム・ハンクス演じる「ロバート・ラングドン」のシリーズ最新作である「インフェルノ」が遂に今秋から公開されました。そこで今回は、シリーズ最新作の「インフェルノ」はもちろん、1作目の「ダ・ヴィンチ・コード」、2作目の「天使と悪魔」、そしてこれからの「ロバート・ラングドン」シリーズについて色々な方向からまとめてみました。
「ロバート・ラングドン」はシリーズ化されている人気作品、発売されるとベストセラーに!
「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「インフェルノ」は、すべての作品に「ロバート・ラングドン」が登場することから、「ロバート・ラングドン」シリーズとも呼ばれています。
公開された映画はいずれも大ヒットしましたが、実はこれらの作品はベストセラーになった原作が映画化された作品だったのです。
「ロバート・ラングドン」シリーズの著者は元英語教師、大ベストセラーのきっかけは研究旅行
「ロバート・ラングドン」が登場する「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「インフェルノ」などを執筆したのは、アメリカの小説家であるダン・ブラウン。
元々は母校で英語教師を勤めていましたが、暗号解読や秘密結社に興味を持ち、1994年から執筆活動を始めます。
そうして描かれた最初の小説「Digital Fortress」(邦題:「パズル・パレス」)は1998年に出版されました。
また、旅行でパリ、ルーブル美術館を訪れた後に出来た小説「The Da Vinci Code」(邦題:「ダ・ヴィンチ・コード」)は2003年に発表されると、40ヶ国語以上に翻訳出版されました。
これを機にダン・ブラウンは大ベストセラー作家の仲間入りを果たし、経済誌フォーブスが2014年に発表した作家年収ランキングでは第2位にランクインしています。
ダン・ブラウンを取り巻く環境が小説に影響している!?
ダン・ブラウンの作品は、映画化された物も含め、暗号解読や宗教といったテーマが深く関係している物が多いです。
これは彼の育った環境、そして現在の環境が少なからず影響しているようです。
ダン・ブラウンの父親は、彼の母校でもある名門フィリップス・エクスター・アカデミー校で数学を教えていて、母親はプロの宗教音楽家(オルガニスト)なのです。
また、ダン・ブラウンの奥様は美術史研究者です。数学という「形式科学」、宗教という「超自然的な存在」に対する観念、絵画や建築物などの「芸術の歴史」。
それぞれ異なる分野から受けた影響が作品にも色濃く出ているのではないかと言われています。
小説と映画では発表された順番が違っていた!
これまでに「ロバート・ラングドン」シリーズは3作が映画化されています。
1作目は2006年の「ダ・ヴィンチ・コード」、2作目は2009年の「天使と悪魔」、3作目が2016年の「インフェルノ」という順番なのですが、小説はこの順番で発表されていません。
ダン・ブラウンの小説では、2000年に「天使と悪魔」、2003年に「ダ・ヴィンチ・コード」、2013年に「インフェルノ」の順番で出版されています。
また、小説では「ダ・ヴィンチ・コード」と「インフェルノ」の間に「ロスト・シンボル」が発表されています。
小説と映画ではこのように順番が変わっていますが、ストーリー自体はそれぞれで完全解決しているので、どの作品から読んでも楽しめるようになっています。
「ロバート・ラングドン」シリーズ1作目の「ダ・ヴィンチ・コード」のあらすじとキーワードをチェック!
2006年度の興行収入ランキングでは第2位を獲得した「ダ・ヴィンチ・コード」。
第59回カンヌ映画祭ではオープニングを飾ったものの、その内容から多方面で物議を醸した作品でもあります。
「ダ・ヴィンチ・コード」の簡単なあらすじ
主人公であるロバート・ラングドンはある殺人事件に捜査協力を要請され、ルーブル美術館に同行します。
殺害されたのは同館館長のジャック・ソニエール。
実はフランス警察はラングドンを犯人と疑っていたのですが、その危機を救ったのが暗号解読官のソフィー。
二人は現場に残された暗号を解読していき、シオン修道会と聖杯に辿り着きます。
さらなる謎を解くためにラングドン達は旧友であるリー・ティービングに協力を依頼します。
フランス警察と教団「オプス・デイ」に狙われながらも、ラングドン達は名画と聖杯に隠された謎と真実に迫っていきます。
「ダ・ヴィンチ・コード」に出てくるキーワードはコレだ!
タイトルにもなっている「ダ・ヴィンチ・コード」とは、「レオナルド・ダ・ヴィンチの暗号」という意味であり、この映画の大きなキーワードがレオナルド・ダ・ヴィンチであることは言うまでもありません。
また、「シオン修道会」や「オプス・デイ」といったキリスト教に関係のある団体も登場します。
シオン修道会は実在していた組織なのか現在では意見が別れています。
オプス・デイは実存するカトリック教会の組織の1つで、現在も活動を継続しています。
「ダ・ヴィンチ・コード」の主要キャスト
「ダ・ヴィンチ・コード」で主役のロバート・ラングドンを演じるのは名優トム・ハンクス。
本作では、役作りのため元々の天然パーマにストレートパーマをかけています。
本作のヒロインとも言える暗号解読官のソフィー役は、映画「アメリ」で人気女優の仲間入りを果たしたオドレイ・トトゥ。
ラングドンの旧友リー・ティービングを演じるのは「ロード・オブ・ザ・リング」で魔法使いを演じたイアン・マッケラン。
ラングドン達を追うフランス警察の警部ファーシュは映画「レオン」「ミッション:インポッシブル」の他、トヨタのCMでドラえもんを演じた有名なジャン・レノ。
「ロバート・ラングドン」シリーズ2作目の「天使と悪魔」のあらすじとキーワードをチェック!
「ダ・ヴィンチ・コード」から3年後の2009年に「天使と悪魔」が公開されました。
興行収入は初登場1位と相変わらずの人気の高さを証明しました。
「天使と悪魔」の舞台となるのは、カトリック教会の総本山であるバチカン市国を含んだイタリアのローマ。前作と同様にその内容から、こちらも多方面で物議を醸した作品です。
ただし、前作と違うのは「ダ・ヴィンチ・コード」が原作に忠実に映像化されたのに対し、本作は原作に比べて、かなりの脚色が加えられているという点です。
「天使と悪魔」の簡単なあらすじ
前教皇が死去したバチカンでは、新しい教皇を選ぶための選挙(コンクラーベ)が行われています。
ところが、新教皇の候補者4名が誘拐され、秘密結社イルミナティから脅迫状が届きます。
警察はイルミナティが関与していると見て、ロバート・ラングドンに捜査協力を依頼します。
時期を前後して、素粒子研究所から「反物質」が何者かに盗まれます。
ラングドンは科学研究者のヴィットリア、前教皇の従者であったカメルレンゴと協力し、誘拐された教皇を救い出し、盗まれた反物質を取り返すために謎を解いて行くのですが・・・。
「天使と悪魔」に出てくるキーワードはコレだ!
「天使と悪魔」では、前作同様にキリスト教がキーワードになっていますが、他に「イルミナティ」と「反物質」がキーワードになっています。
「イルミナティ」はかつて実在した組織ですが、現在も組織が存続していて、秘密結社的な活動を続けているかは意見が別れています。
もう1つのキーワードである「反物質」ですが、こちらも実存する物ではありますが、映画のような巨大なエネルギーを放出する兵器としては実現不可能ではないかとも言われています。
ちなみに、「天使と悪魔」のパンフレットなどには右側が天使、左側が悪魔になっている像が使用されています。この像、実は映画のために作られた物であって、バチカンに実在する像ではないそうです。
「天使と悪魔」の主要キャスト
主人公のロバート・ラングドンは、前作に引き続き、トム・ハンクスが演じています。
トム・ハンクスが連続したシリーズ物に出演するのは声優として出演した「トイ・ストーリー」を除けば、本シリーズが初めてだそうで、「ロバート・ラングドン」役をとても気に入っているそうです。
本作の主要人物の一人であるカメルレンゴを演じるのは、「エンパイア賞最優秀男優賞」を何度も受賞しているユアン・マクレガー。神父姿が素敵だとファンの間で話題にもなりました。
本作ヒロインでもある科学研究者ヴィットリアを演じるのはイスラエル出身の女優、アイェレット・ゾラー。
一般的にはまだ知名度も高くない女優さんですが、母国ではイスラエル代表と評価されている女優さんだそうです。
「ロバート・ラングドン」シリーズ3作目にして最新作の「インフェルノ」のあらすじとキーワードをチェック!
今秋公開された「ロバート・ラングドン」シリーズ最新作の「インフェルノ」は、北米では初登場で2位、日本では初登場3位と、まずまずな滑り出しのようです。
また、本作は3D及び2Dでの公開となっています。大まかな流れは原作とほぼ同じですが、映画向けに原作と違う部分が1点だけあります。
「インフェルノ」の簡単なあらすじ
ロバート・ラングドンは幻覚にうなされながら、フィレンツェの病院の一室で目を覚まします。
ラングドンは女医シエナから数日間の記憶を失っていることを聞かされるのですが、そこに突然暗殺者が現れ2人は病院を脱出します。
その後、シエナの自宅でラングドンはポケットに入っていたバイオチューブに気づきます。中身を確認すると、ダンテの「インフェルノ」を基にボッティチェリが描いた「地獄の見取り図」が。
ダンテの「インフェルノ」に隠された暗号と謎を解き明かし、ラングドンが辿り着く結末とは・・・。
「インフェルノ」に出てくるキーワード、そして見どころはコレだ!
「神曲」はイタリアを代表する詩人ダンテの代表作と言われています。
この「神曲」は3部構成になっているのですが、その中の1つである「地獄変」が本作タイトルにもなっている「インフェルノ」です。
ダンテの「地獄変(インフェルノ)」を知っていると本作の解釈も変わってくるかと思われますので、ここでは敢えて説明はしませんが興味のある方は「神曲」を読んでみてはどうでしょうか。
「インフェルノ」では、フィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブールでロケが行われました。
作中に出てくる各地の美しい観光名所も見どころの1つと言えます。
「インフェルノ」の主要キャスト
主人公ロバート・ラングドンは、前作、前前作と同じくトム・ハンクス。
3作目ともなるとトム・ハンクスもラングドンを演じるのではなく、ラングドンそのものになってしまったとインタビューで答えていました。
「インフェルノ」のヒロインの一人でもある女医シエナを演じるのは、フェリシティ・ジョーンズ。
2014年公開の映画「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされた注目の女優さんです。
WHOのフランス支部職員であるクリストフ・ブシャールを演じるのは、2011年公開の映画「最強のふたり」でドリス役を演じたオマール・シー。
オマール・シーは俳優としてだけでなく、コメディアンとしても活動しています。
これまでに個性的な役を演じることが多く、実力派と言われているベン・フォスターが、大富豪の遺伝子学者ゾブリストを演じます。
民間の危機管理会社「コンソーシアム」のCEOであるハリー・シムズ演じるのは、インドの俳優イルファーン・カーン。
「スラムドッグ$ミリオネア」「アメージング・スパイダーマン」「ジュラシック・ワールド」などにも出演しています。
「インフェルノ」のもう一人のヒロイン、WHOの事務局長エリザベス・シンスキーを演じるのは、デンマーク出身の女優シセ・バベット・クヌッセン。
デンマークテレビフェスティバルの主演女優賞や、フランスのセザール賞助演女優賞を受賞されたこともあるベテラン女優さんです。
「ロバート・ラングドン」シリーズの次作はもう決定している!?
「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」が製作された後、「ロバート・ラングドン」シリーズの3作目として「ロスト・シンボル」が製作される予定でした。
脚本は原作者のダン・ブラウンが手がけ、トム・ハンクスも同作に「ラングドン」役として主演予定だったそうです。
また、これまで監督を務めてきたロン・ハワードは続投しないと言われていました。
当時、ロン・ハワードは「もうダン・ブラウンの小説の映画化作品を監督するつもりはない。同じキャラクターで同じ物語を何度もやるのはもうやりたくない。」とインタビューで答えていたそうですが、なぜかその後に「インフェルノ」の監督を務めています。
2013年にはダニー・ストロングが脚本、マーク・ロマネクが監督に収まったとも言われていましたが、以降、現在まで「ロスト・シンボル」の具体的な製作開始の話題は出てきていません。
製作が難航している具体的な理由も発表されていないため、何らかの圧力があったのではないかとも言われています。
問題が解決すれば、次作として製作される可能性も大きいのではないでしょうか。
ダン・ブラウンは「ロバート・ラングドン」シリーズをこれからも書き続ける意欲大
ダン・ブラウンは2017年の秋に新作「Origin(邦題:オリジン)」を出版することを発表しています。
「ロバート・ラングドンが、人類にとって永遠の疑問が交差する危機に追い込まれ、世界を揺るがす大発見がその答えを導く」とプレリリースでは説明しています。
ダン・ブラウンはインタビューで、ロバート・ラングドンシリーズの構想は1ダースほどあるので、しばらくはラングドンシリーズを執筆していく予定だと語っています。ちなみに、そのうちの1作は「偉大な作曲家」がテーマだそうで、その作曲家はモーツァルトではないかとファンの間では噂になっています。
今後のダン・ブラウンの小説も映画化されると思うので、これからの作品の発表が楽しみですね。
参考元
- ・参照リンク:映画『インフェルノ』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
- ・参照リンク:ダ・ヴィンチ・コード (映画) - Wikipedia
- ・参照リンク:天使と悪魔 (映画) - Wikipedia
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