フランケンシュタインというと、あの有名な怪物を思い浮かべる方が多いかもしれません。 ですが、実はこの名前、怪物を作った博士の名前なのです。 『ヤング・フランケンシュタイン』主人公は怪物を作った科学者、ヴィクター・フランケンシュタインの孫で、その名もフレデリック・フランケンシュタイン。 つまり、このタイトルも博士のことを指しているわけですね。
実家嫌いのフランケンシュタイン博士
フレデリックは優秀な脳外科医で、医大の講師でもあります。
そんな彼はおじいさんのことが、というか「フランケンシュタイン」の名前そのものが大嫌い。
この名前で呼ばれるたびに、英語読みの「フロンコンスティン」であると、むきになって相手に食らいつくほどです。
そもそもこの仕事に就いたのも、ひょっとして「フランケンシュタイン」の悪名を嫌ってのことなのでしょうか?
そんな彼のもとに、フランケンシュタイン家の使者がやってきて、フレデリックにとって大嫌いな家族の、家督を継ぐように言われます。
やりがいのある仕事に素敵な恋人。そんな恵まれた環境にいるフレデリックはもちろん嫌がります。
しかし使者の粘り強い説得によって、ついにフレデリックが折れることになり、仕方なく実家のあるトランシルヴァニアに向かうことになるのです。
2代目”フランケンシュタイン”博士
トランシルヴァニアでの生活に、最初は不満たらたらだったフレデリックですが、あるものがきっかけで、フレデリック自身もおじいさん同様に「目覚める」ことになります。
そのきっかけになったのは、よりにもよって大嫌いなおじいさんの研究日誌でした。
内容はもちろん、あの怪物のつくり方です。
しかしあんなに嫌っていたにもかかわらず、それを読んだ彼はひどく感銘を受けて、その研究を引き継ぐことを決意します。
それからは、英語読みである「フロンコンスティン」を、あれほど嫌っていたドイツ語読みの「フランケンシュタイン」に訂正するくらいの変わりようです。
こうして、彼も「フランケンシュタイン博士」として怪物を作り出す研究を始めるのでした。
研究を始めてからは、墓場から大男の死体を掘りおこしたり、研究所から脳を盗み出したりします。
そんな祖父に負けず劣らずの悪行をやり遂げて、ついに怪物が出来上がるのですが……。
なんと、直前で問題が発生します。
脳を盗んでくる担当だったのは召使のアイゴールですが、彼が盗みを失敗したのです。
博士の注文は「優秀な脳」でした。しかし彼が持ち帰ったのは「Abnormal」、つまりは異常な脳だったのです。
そんな脳みその入った怪物が目を覚ましてしまったら、一体どうなることやら……。
モノクロのワケ
この映画は、全編を通してモノクロになっています。
「古い映画だからモノクロなのね」とお思いの方もいるでしょう。
しかし当時、すでにカラー映画の技術は確立していました。
そんな中、なぜわざわざ時代遅れのモノクロ映画としたのでしょうか?
実はこの映画、古いユニバーサル映画のパロディ作品として作られているのです。
ですから、当時の雰囲気を出すために、あえてモノクロにし、さらにはセットまで旧作を使うという気合の入りっぷりです。
『ヤング・フランケンシュタイン』は、何の予備知識がないまま見ても十分楽しい映画です。
また、映画通の方が楽しめるように、きちんと考えられているので、じっくり画面を観察してみると、より一層楽しめそうですね。
ハラハラしつつも、楽しく観られる!
一応はホラー映画のカテゴリーに入る作品ですが、ホラーが苦手な方でも見られそうなくらいには、コメディ寄りの映画になっています。
死体を盗み出したり、怪物が暴れ出したら外に逃げ出したり……といった、普通のホラー映画では怖がらせにくるようなシーンでも、『ヤング・フランケンシュタイン』ではコミカルに描かれていて、クスッと笑えること請け合いです。
主人公をはじめとする登場人物たちも非常にコミカルで、彼らが話すだけでも自然とニヤけてしてしまうくらいです。
そんな「名ばかりホラー」な作品ですので、どうぞ肩の力を抜いて、お休みの日にでもご覧になってみてはいかがでしょうか。
参考元
- ・参照リンク:ヤング・フランケンシュタイン - Wikipedia
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