手のひらに収まる小さな本。読むのも楽しいけれど、作るのはもっと楽しい。初心者向けから上級編まで丁寧に解説された、豆本を作る本です。
自分の本を、作ろう
世界各地で古くから作られ、愛されてきた豆本。豆本とひとくちに言っても、サイズも材質も、作り方も様々です。
手を握ればすっかり隠れてしまうほど小さいのに、ちゃんと表紙がついていて、ページをめくると本文もしっかり書いてあって……。現代でも豆本の数々は、我々を魅了してやみません。
それを作るとなると、細かい作業が多いですから、とっつきにくく感じる方もいるでしょう。しかし、本書では珍しい道具は使いません。手芸が好きな人ならば、家の中のものだけで事足りるかもしれません。
自分だけの一冊を、作ってみてはいかがでしょう。
初心者ならまずはここから。
はじめから「本らしい本を作ろう」と意気込まないで、まずは簡単なものから作ってみましょう。
細長く切った紙に、芯を当てて撒いていくだけの”巻きもの式豆本”。開きっぱなしにならないように紐やリングで閉じれば、それだけでも立派な豆本です。
ぺージという区切りがないので、文字のみらずイラストや写真を大胆に配置できるのが魅力的。
本らしくぺージをめくれるようにしてみたいなら、糸をかけて結ぶだけのカード式がおすすめです。もうすこしページ数を増やしたいなと思ったら、真ん中に1つ閉じ穴をあけるだけでも安定感が増しますよ。
もっと本らしく!
中綴じタイプは、本というより冊子という印象が強いかもしれません。もっと本らしくしたいという方は、アコーディオン折り本に挑戦してみましょう。
ただ蛇腹状に折るだけでも本にはなりますが、ひと手間くわえることで背表紙をつけることができます。ここに署名など書き込めば、一気に本らしくなりますよ。
このタイプの本も、ひもで閉じられるようにしますが、革ひもを使ったりチャームをつけてみたり、アレンジもできます。
ここから上級編
次はハードカバー本に挑戦です。これができるようになれば、豆本上級者と言えるでしょう。
糸で閉じて、カバーを作って、貼り付けて……と工程は激増。細かい作業も多く、根気を要求されること、間違いなしです。ですがそのぶん、完成させたときの満足感は格別ですよ。
それにハードカバーの作り方をマスターすれば、表紙が紙でない本も作れるようになりますよ。布張り表紙や革装丁など、デザインの幅がぐっと広がります。
革装丁の本を作るなら、専門の道具は要りますが、箔押しをすると存在感のある本になります。ぜひ試してみてください。
中身にも、こだわりたい
装丁も大切ですが、中身もこだわりどころ。好きなものをめいっぱい詰め込みましょう。
イラスト、小説、詩に写真……紙の上に表現可能なものは、すべて豆本の中に閉じ込めることができます。奥付を作れば、より一層本格的に。
背表紙なしのアコーディオンや巻きもの式など、ページという枠に捕らわれずに作れる豆本なら、ひとつなぎの紙をキャンバスにして、いっそう大胆にデザインすることができます。あなたのセンスの見せ所です。
中身を考えるのが不得手な方は、いっそまっさらにするなり、罫線だけ引くなりして、メモ帳にしてしまうのもアリですよ。自分で装丁したメモ帳を使うなんて、なかなか無い機会だと思いませんか?
手のひらに収まる贅沢
今すぐできる簡単製本と、じっくり時間をかけるハードカバーの豪華装丁本。
手間暇はそれぞれに違っても、一冊仕上げた時の感動に違いはありません。
自分で作った、自分のための、世界に一冊だけの本。これほどの贅沢は、ちょっとありませんよ。
参考元
- ・豆本づくりのいろは河出書房
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