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2018/12/25
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「聖闘士星矢」の圧倒的な人気を再解析

「聖闘士星矢」という作品の名前を知らない人は、おそらく日本中探しても少ないでしょう。 云わずとしれた車田正美原作の少年漫画。1986年に連載開始され、いまなお続編・他作家によるスピンオフ作品・アニメ展開など、人気が続くメガヒット作品です。

人気も神話級のアニメ「聖闘士星矢」

聖闘士星矢の伝説的な人気

「聖闘士星矢」とは、週刊少年ジャンプ上にて連載されていた車田正美原作の少年漫画です。
1986年から1990年にわたり連載され、コミックスは全28巻。累計発行部数は3500万部を超えたメガヒット作です。

そんな「聖闘士星矢」のアニメ版は、1986年10月に放送が開始されました。
放送されるやいなや、子供や女性ファンを中心に人気が爆発。世間の注目を一気に集めることになりました。
当時の熱狂ぶりはいまだに語り草となっており、次の日の学校で必ず話題になったとさえ言われています。

また放映当時、星矢のフィギュアやおもちゃに夢中になり星矢の必殺技のポーズを真似した子供たちは、のちに自らを”星矢世代”と名乗るようになるほど、日本中でブームとなった伝説的な作品です。

アニメは日本だけでなく海外でも放映され、フランスやブラジルでは今なおジャパンアニメで最も好きな作品として語る人が多く存在します。

「聖闘士星矢」のあらすじ

神話の時代より、地上に住まう人間たちは、神々によって引き起こされる争いに巻き込まれてきました。そんな地上を統べ、守ってきたのは戦いの女神アテナです。

しかし、アテナは本来は争いを好まない性格で武器を持つことすら嫌うほどでした。そんな女神アテナの代わりに戦うのが、聖闘士と呼ばれる少年たち。

彼らは武器を持てないかわりに、厳しい修行に挑んで己を高めます。無手でありながら、地を割り空を裂くといわれるほどの拳、その強さ、魂こそが、己の身のうちにある宇宙――小宇宙(コスモ)と呼ばれる力です。

主人公・星矢は、アテナを守る使命をもった聖闘士です。己の守護星座であるペガサスを背負い、仲間のアンドロメダ瞬、キグナス(白鳥座)氷河、ドラゴン紫龍、フェニックス一輝と共に、アテナを狙う悪や、地上を脅かす神々との戦いに身を投じていきます。

異例のスピードでのアニメ化

週刊少年ジャンプにて人気を博し、アニメ化することになった「聖闘士星矢」ですが、実は放送決定に至るまでの時間は破格のスピードでした。

連載期間にして一年未満、コミックス1巻の発売を待たずのアニメ化で、これは歴代ジャンプ作品としては異例のスピードと言われています。

それだけ、当時のジャンプ編集部、ならびにアニメ業界から、「聖闘士星矢」が期待されていたことがうかがえるエピソードです。
アニメは1986年10月11日から1989年4月1日まで、およそ二年半にわたる長期シリーズになりました。

美麗すぎる作画も代名詞に

アニメ「聖闘士星矢」は、その美しい作画でも名を知られており、放映より何十年経ってもいまだに「美しい作画のアニメといえば星矢」と語られるほどです。

「聖闘士星矢」のキャラクターデザイン・作画担当は、「あしたのジョー」「キューティーハニー」「ベルサイユのばら」など、そうそうたる名作アニメの作画を担当したアニメーター・荒木伸吾さん。

荒木さんと、荒木プロダクション設立時からの片腕・姫野美智さんのコンビはファンの間で「荒姫コンビ」と呼ばれ、二人が手掛けた美しい作画もまた、アニメ「聖闘士星矢」の見どころの一つであると言われています。

特に荒木伸吾さんの手がけた作画のうち、なびく髪の毛の表現は卓越しており、アニメ関係者の間では語り草となっているほどです。

また、「聖闘士星矢」に出てくる男性は、力強さと美しさを兼ね備えており、その中性的にもとれる魅力をアニメーション上で最大限に発揮出来たのも、荒木さんならではの技術といえるでしょう。

その確かな技術は原作者の車田正美氏をして、「自分よりも画が上手い」といわしめるほどでした。
しかし、残念ながら荒木伸吾さんは2011年に急逝しています。

しかしながら、スピンオフ作品や、タイアップなどで使われる「聖闘士星矢」の作画は、やはり、荒木伸吾さんの志を受け継ぐ姫野美智さん、ならびに荒木プロダクションにやってほしい、と語るファンがほとんどです。
それほどまで、荒木プロダクションの技巧は「聖闘士星矢」ファンに愛されているのです。

作画崩壊も伝説級!?

美しい作画で知られるアニメ「聖闘士星矢」ですが、たまに見られる作画のブレもコアなファンの語り草になっています。

「聖闘士星矢」のアニメは一話ごとに作画監督が変わるため、各話ごとに絵柄が全く違う、ということもしばしばありました。

そのため、顎のたくましいアフロディーテやミロ、ヘルメットが顔に埋め込まれた一輝などなど、ちょっと驚くような作画も見受けられ、各キャラクターのファンは悲喜こもごも。

星矢のコアなファンなら、ちょっと気にしてみるのもいいかもしれません。

スピンオフ作品も多数

「聖闘士星矢」はアニメでの人気を博し、映画作品も登場することになりました。
映画作品の多くは、「ドラゴンボール」「魁!!男塾」「おそ松くん」などといった他作品と同時上映でした。上映時間も、約45分構成の作品がほとんどでしたが、「真紅の少年伝説」のみ約70分でした。

注意しなければならないことは、これらのストーリーは「聖闘士星矢」本編や、アニメに準拠した内容というよりも、むしろ独立した作品という意味合いが強いということです。

例えば、映画の中でも人気作品の「真紅の少年伝説」には、髪の毛座のコロナの聖闘士が登場します。
ですが、小説版の「ギガンドマキア」でも盟という名の髪の毛座(コーマ)の聖闘士が登場しています。
各星座を背負った聖闘士は一つの時代に一人という法則がありますので(諸説あり)、このように、各作品との整合性は必ずしもリンクしているとは限らないのです。

また、「真紅の少年伝説」にアテナの兄・太陽神アベルが登場しますが、後の映画作品「聖闘士星矢 天界編序奏~overture~」でも同じくアテナの兄・太陽神アポロンが登場します。
こちらも、どちらが正しいとは決して言い切れず、議論をするのは難しい問題です。

海外でも大人気

「聖闘士星矢」は国内のみならず、海外の人気も高いことで知られています。
フランスやイタリアといったヨーロッパ圏、中国やタイといったアジア圏でも人気があるのですが、南米圏での人気が根強く、特にブラジルでは今なお熱烈な人気があります。

ブラジルでは一番好きな日本のアニメのランキングで、「エヴァンゲリオン」や「NARUTO」「ポケモン」など、なだたる作品を差し置いて、「聖闘士星矢」が一番に輝いています。
主題歌である「ペガサス幻想」を歌えるブラジルの方もいまだに多いとのこと。

根強い女性人気 「星矢」がきっかけでデビューした人も

「聖闘士星矢」が、少年たちの人気を集めるのと同じぐらい、女性人気の強い作品であることは知られています。それは聖闘士たちが美形であることに加え、少年同士の熱い友情や絆に魅せられることに由来しているといいます。

特に星矢たち青銅聖闘士の師匠・先輩であり、最強の聖闘士である黄金聖闘士の人気は高いです。カミュ役の声優、故・納谷六朗さんは、それまで悪役や年配の役を演じることが多かったのですが、カミュの声優をしたことによって若い女性からファンレターが届くようになり嬉しかったと言っていたそうです。

それほど黄金聖闘士の人気は高く、連載終了・アニメ放映終了から数十年経ってもなお、黄金聖闘士のフィギュアは入手困難、即完売してしまうほどです。
また、2015年に黄金聖闘士のスピンオフアニメ作品が放映されるなど、不動の人気を感じさせます。

さらに、「聖闘士星矢」のファンになったのをきっかけに、漫画家としてデビューを果たしたり、著名人になった女性もいます。

例えば漫画『LOVELESS』や『機動戦士ガンダムOO』のキャラクターデザインで知られる高河ゆんさんは、『リングにかけろ』時代から車田作品のファンであり、ペンネームも『リングにかけろ』のキャラクターから取ったほど。

『聖闘士星矢』のアニメ放映時は同人誌を書き、その界隈ではかなり有名になったといいます(ちなみに、当時の作品の一部は、原作者・車田正美さん公認で秋田書店チャンピオンREDの付録になったこともあります)。

また、『カードキャプターさくら』などで知られるクリエーター集団CLAMPも、「聖闘士星矢」のパロディ作品を書いていたことで知られています。

更に、ギリシャ神話・古代ギリシャ研究家の藤村シシンさんは「聖闘士星矢」をきっかけに古代ギリシャに興味を持ち、その道に進んだと公言しています。

このように、「聖闘士星矢」をきっかけにして人生が変わった女性たちは多く、あらためて「聖闘士星矢」の人気と影響力の強さがうかがい知れます。

大ヒット曲ペガサス幻想

アニメ「聖闘士星矢」の代名詞といえば、主題歌である「ペガサス幻想」でしょう。

歌唱しているのはMAKE-UPさん。MAKE-UPさんはもともとメタル・ロックバンドとして活動していて、始めてアニメの主題歌を担当しました。当初は、水木一郎さんや子門真人さんと同じ世界に入れるのかと戸惑ったそうです。

サビの歌詞「セインッセイヤー」は、本楽曲の代名詞として知られています。
「ペガサス幻想」をきっかけに、以降のアニメ「聖闘士星矢」シリーズの楽曲「聖闘士神話~ソルジャードリーム~」(影山ヒロノブ&BROADWAY歌唱)、「女神の戦士」(Marina Del Ray歌唱)、「Never」(MAKE-UP歌唱)、さらに「聖闘士星矢Ω」といったスピンオフ作品のテーマソングに至るまで、ありとあらゆる曲の歌詞に「セインッセイヤー」が含まれています。

アニメと原作でちょっとした矛盾も

アニメ「聖闘士星矢」は、アニメの進行が原作に追いつくことも多々あり、そのせいで設定が原作とかみ合わない一幕もしばしば見受けられました。

その例の一つとして、原作には登場しないキャラクターのことが挙げられます。例えば、氷河の師匠は水瓶座のカミュですが、アニメでは水晶聖闘士(クリスタルセイント)が師匠で、水晶聖闘士の師匠がカミュ(つまり氷河はカミュの孫弟子)という設定になっています。

さらに、シャイナの妹分・幽霊聖闘士のガイスト、カシオスの兄ドクラテスなど、アニメにしか登場しないキャラクターが多数存在します。

戦うキャラクターだけでなく、教皇アーレス、教皇の側近パエトンなど、追加されたアニメオリジナルキャラクターは設定も様々。グラード財団によって結成された鋼鉄聖闘士は、その設定が「聖闘士星矢Ω」にも活かされ、メインキャラの一人として登場しました。

更に、星矢と他の青銅聖闘士たちの関係性が原作と異なるなど、根幹の設定が違うところも多々あります。

聖衣デザインの違い

また、原作とアニメで、聖衣のデザインが違うことも多くありました。例えば、星矢たち青銅聖闘士の聖衣。星矢のペガサスの聖衣の頭部は、原作ではサークレットタイプになっていますが、黄金十二宮編までは頭部を覆うタイプになっています。

星矢だけでなく、仲間である青銅聖闘士のうち、紫龍、瞬、一輝もこのような形状になっています。

これはアニメと同時進行するバンダイによるフィギュア制作との兼ね合いで、このようなデザインになったという話です。
しかし、黄金十二宮編後のアスガルド編では、原作準拠のデザインに新生聖衣ということで変更されていました。

同じように山羊座のシュラの兜のデザインも、原作ではサークレット型ですが、ヘルメット型になっています。これは青銅聖闘士たちの理由とは事情が異なり、シュラがアニメで初登場させる段階で、まだ原作で姿が明らかになっていなかったこともあり、デザインを先行させてつくったことに由来しています。

同じように、アフロディーテもアニメのデザインを起こした際は姿が明らかになっておらず、男性らしいフォルムで作られましたが、原作に登場すると実際は女性的なデザインだったということで、関係者は困惑した、というエピソードもあります。

参考元

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すらりあ

written by すらりあ

アニメや漫画、映画、ゲーム好きのライター。

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