UFOキャッチャーやプリクラなどをゲームセンターで遊んだ人も多いのではないでしょうか。 しかし、そんなゲームセンターも年々減少しており、生き残る事が死活問題となっているのです。
これがゲームセンターの実態!皆のイメージは?
皆さんはゲームセンターと聞いて、どんな場所を想像しますか?
2010年にマイボイスコムが実施したアンケートでは、「うるさい」と答えた割合が53.0%と最も多く、次に「お金がかかる」と答えた割合が51.3%とのことでした。
このアンケートからも多くの人がゲームセンターにネガティブなイメージを持っていることが分かります。
実際、ネガティブなイメージと連動するかのように、ゲームセンターの店舗数は年々減少を続け、ピーク時の1986年には26,573軒も存在したゲームセンターは、2015年になって4,439軒にまで減少してしまいました。
それでは、どうしてこんなにもゲームセンターは衰退してしまったのでしょうか。また、ゲームセンターが今後生き残っていくには、どうすればいいのでしょうか。
今回は、ゲームセンターの生き残り策について考察してみました。
【原因1】機材と消費税の高騰
ゲームセンターが衰退してしまった原因の一つとして、ゲーム筐体そのものの値段と、消費税の高騰が上げられます。
ゲーム筐体については、近年のゲーム自体の複雑さと3Dグラフィック機能の向上に伴い、1本あたりのゲーム制作費が高騰し、それがそのままゲーム筐体の価格として跳ね返ってきています。
また、ゲームセンター間のオンライン通信対戦が可能なゲームタイトルも増加しており、その通信料をゲームセンター側が負担しなければならず、その負担も大きくなっています。
また、消費税が5%から8%に高騰したことも原因で、より1回のプレイ料金から得られる店舗側の利益は、少なくなってしまいます。
これには、値上げが難しいという、ゲームセンター特有のジレンマも関係しています。一般的にゲーム1回のプレイ料金は100円であり、その値段を変えることは容易ではありません。
高騰した仕入れ値や消費税を回収しようとし、100円+αの金額をお客さんに求めようにも、20円~30円を入れる為のお客さんの両替の手間や、両替機の導入が関係し、お客さんに値上げを許容してもらうという、小売店の様な小回りが効かない事が原因となっています。
【原因2】お客さんの余暇時間の使い方に幅が広がった
また、上記のような販管費の問題に加えて、単純に売上が落ちているという問題も存在します。それが、昔に比べて日本人の余暇時間に幅が広がったことです。
今では、これを読んでいるスマートフォンやパソコンでもゲームを遊ぶことが出来ますし、Youtube等の動画サイトやTwitterやLINE等のSNSも普及しています。
これはゲームセンターに限ったことではありませんが、インターネットが、ゲームセンターで遊ぶ時間を奪っているのです。
人が1日に割くことの出来る時間は限られており、その中の余暇時間をいかにゲームセンターに当ててもらうかが重要ですが、ゲームセンターは店舗まで向かう手間がどうしてもかかってしまいます。
その場で遊べるアプリゲームと比較すると、ゲームセンターは、わざわざ出向いてでも遊びたい何かを付加価値として提供する必要があり、どうしても不利となっているのです。
【解決策1】ターゲットを意識したゲーム選択
それではゲームセンターは、抱えている課題に対してどのような解決策を取ればいいのでしょうか。
解決策として一つ挙げられるのは、店舗のコンセプトを”何か一つに特化させる”ことです。つまりお客さんのターゲットを一つに絞り、そのターゲットにあったジャンルのゲーム筐体のみを仕入れることで、原価を抑える作戦です。
ターゲットを絞るメリットは、
・ターゲットに合わない、余計なものを仕入れる必要が無くなり仕入れ値を抑えることが出来る。
・様々な筐体を満遍なく維持する必要がなく、スタッフの負担も少なくなり、維持費と人件費を抑えることが可能。
・ターゲットと店舗のコンセプトがマッチしていれば店舗のリピート率が向上する。
ことが主に挙げられるでしょう。
例えば地域に女子校が多く、店舗に訪れるお客さんの比率も女子高生が多いのであれば、プリクラ専門家やUFOキャッチャーの景品も可愛いものだけを集めて、ターゲットを絞ってみるのです。
ターゲットと上手くマッチする店舗を作ることが出来れば、それだけで大きな利益アップが見込めるでしょう。
【解決策2】一人あたりの売上を上げる
また、お客さん一人あたりの売上を上げる事も重要です。
余暇時間の減少によりお客さんの来店数が減少したのであれば、それだけ一人あたりの売上を上げてもらう必要があります。
しかも、1回あたりの値上げが難しいゲームセンターであれば、プレイ回数を増やすことで、一人あたりの売上向上を目指す必要があるのです。
遊んでもらう回数を増やす施策は無数にありますが、例えば…
・UFOキャッチャーを一定回数遊べば、必ず景品がゲットできる。
・ビデオゲームで大会を開催する。
等が挙げられるでしょう。
UFOキャッチャーに天井を設け、「○回プレイすれば確実に景品をゲット出来る」とすれば、早期にゲームを諦めるお客さんを囲い込み、一定の売上を見込めるかもしれません。
またコアなファンが多く存在するビデオゲームであれば、大会前のウォーミングアップとしてゲームをプレイしてくれたり、大会後もお客さん同士、引き続き対戦を続けてくれる可能性も見込めます。
上記の施策はあくまで一例に過ぎませんが、一人あたりのプレイ回数を増やすことは、ゲームセンターが生き残っていく有効な戦略ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
街から消えていくゲームセンターが生き残っていくには、ゲームセンターの持つ強みを最大限発揮して、ターゲットに定めたお客さんに、価値を提供していく必要があるでしょう。
冒頭で述べた、ゲームセンターへの「うるさい」というイメージを払拭した、静かで落ち着けるゲームセンターを目指してみるのも面白いかもしれません。
ゲームセンターの運営にも、緻密なマーケティング戦略がこれからは求められていくのでしょう。
参考元
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