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出典:amazon

2019/04/23
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『パルプ・フィクション』に見る、正しいハリウッドの殺し方。

パルプ・フィクションが今すぐ観れる

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監督デビュー作『レザボア・ドッグス』で注目を浴びたクエンティン・タランティーノの2作目が本作『パルプ・フィクション』です。この作品でタランティーノは一躍時代の寵児としてメディアにもてはやされ、映画史的にも決定的な足跡を残しました。後代の映画人にいまでも多大な影響を与え続けるこの映画の魅力に迫ります。

目次

タランティーノがハリウッドの息の根を止める!

低予算の【B級作品】がカンヌ制覇!

世界で最も権威ある映画賞といえばカンヌ映画祭のパルム・ドール(最高賞)でしょう。これまでも数ある名画がこの賞に選ばれました。受賞した監督には決定的なキャリアとなりその後の映画人生に多大な影響があります。

『レザボア・ドッグス』でハリウッド監督デビューを果たしたクエンティン・タランティーノ。この作品はこれまでの映画には見られないオフビートな演出で知られ、カルト的な人気を博しました。

そして彼の監督2作目である『パルプ・フィクション』は大きなムーブメントを世界中に巻き起こします。まさにタランティーノ旋風です。

カンヌでパルム・ドールを獲得後、世界中の映画人に激賞され、この作品に影響を受けた映画が頻発するようになります。タランティーノは映画界を越えたスターとして時の人となり、ハリウッドは一つの画期を迎えます。

『パルプ・フィクション』、意訳すれば「ペーパーバックの安っぽい娯楽小説」と言うことが出来るでしょう。

引用と遊び心に満ちたこの作品は当時の映画界に大きな衝撃を与え、ハリウッドには『ミラマックス』なる映画配給会社が彗星のように現れ、90年代の業界を席巻してゆくことになるのです。

サブカルチャーを混淆した【ポストモダン】作品

1950年代、フランス映画界から発せられ一世を風靡したムーブメント「ヌーヴェルヴァーグ」。
それまでの映画のドラマツルギーを無視した奇抜な演出と即興的なシナリオで極端にアート性の高い一群の作品を生み出しました。

代表作と言えるのがジャン=リュック・ゴダール監督の『気狂いピエロ』や『勝手にしやがれ』です。とにかくスタイリッシュなおしゃれ映画の極点ともいえるこの作品は映像の新しい可能性を世界に知らしめました。

タランティーノの登場によってもたらされた影響はこのかつてのフランスからの「新しい波」に酷似したインパクトを映画界に与えました。

80年代から全盛となった”ポストモダン”という文脈でこの『パルプフィクション』を論じることも可能であり、それまでの映画作品の常識的な構成を崩した物語の時系列や意味の変容はかつてのゴダール作品を彷彿とさせます。

さらに”ポップカルチャー”というアメリカ発祥といって過言ではない大衆的な娯楽感覚をこの作品に持ち込み成立させたのは、ひとえに映画マニアのタランティーノというキャラクターがあってこそといえるでしょう。

交錯するエピソードが演出する最高のジョーク

『パルプ・フィクション』は5つの短篇ストーリーが時間軸を入れ替えながら交わるクライムムービーです。いたるところで名作映画の引用やオマージュがあり、またハリウッドの往年のスターのキャスティング自体がアイロニーに満ちています。

そして普通、映画のシナリオではありえない、登場人物が延々とストーリーに関係のないおしゃべりを続けるのもタランティーノ作品ならではのみどころです。話の内容自体が最高に笑えます。

では以下に5つのエピソードをまとめてみます。

【プロローグ】

ファミレスで若いカップルがだらだらと喋っています。パンプキン(ティム・ロス)とハニー・バニー(アマンダ・プラマー)。2人は強盗です。
パンプキンはひとしきり喋った後、結論としてこの店を襲うことを唐突にハニー・バニーに切り出します。

マフィアのビンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)は組織を裏切った青年2人のアパートを訪れ、大切な黒いアタッシュケースを取り戻します。

【ビンセント・ヴェガとマーセルス・ウォレスの妻】

マフィアのボスに愛妻の世話を頼まれたビンセント。

ビンセントは、魅力的な美人妻であるミア(ユマ・サーマン)を食事に連れていき、ダンスを踊り、もてなす。

滞りなく彼女の世話を終える予定でしたが、ミアはヘロインとコカインを間違えて過剰摂取してしまい…。

【金時計】

ボクサーとして自分の限界を感じているブッチ(ブルース・ウィリス)はマフィアのボス・マーセルス(ヴィング・レイムス)に八百長試合を持ちかけられ、それを承諾します。

しかし、ブッチは実際の試合ではマーセルスを裏切り勝利してしてしまいます。大金を手にしたまま報復を恐れ逃亡をはかるブッチ。

恋人のファビアン(マリア・デ・メデイロス)と街を出ようとするが、ファビアンはブッチの大切にしていた父親の形見である金時計をアパートの部屋に忘れてきたことに気づいて…。

【ボニーの一件】

青年2人を殺害し、黒いアタッシュケースを取り戻したビンセントとジュールス。しかし、青年らの仲間のひとりはトイレに隠れていたのです。
部屋に飛び出し、至近距離から銃を発砲する青年。しかし、弾丸は全てはずれていました。

現場にいた知人のマーヴィン(フィル・ラマール)を連れて自動車で移動する3人でしたが、ふざけたビンセントが拳銃をマーヴィンに向けていると突然、銃が暴発してしまい…。

【エピローグ】

【ボニーの一件】が片づき、ファミレスで朝食をとっているビンセントとジュールス。
するとパンプキンとハニー・バニーが店内で強盗を始めます。
パンプキンはジュールスの黒いアタッシュケースに目をつけ…。

クセは強いがセンス抜群の音楽!

ポップカルチャーに精通したタランティーノ監督。映画に採用する楽曲はちょっとレトロな雰囲気を醸し出す最高にスタイリッシュなものばかり!
60年代のサーフィン・ホットロッドミュージックに影響を受けた監督の偏愛が感じられる劇中音楽となっています。

特にディック・デイル&デル・トーンズがサーフミュージックとしてカバーし全米ヒットとなった『ミザル-』は本作でテーマソングとして採用され、再ブレイクを果たしました。
劇中でパンプキンとハニー・バニーの会話の後に流れ、サントラも大ヒット、映画のプロモーションでも使われているので『ミザル-』=『パルプ・フィクション』を連想させるほど作品にぴったりと寄り添った音楽となっています。

他にもチャック・ベリー、ダスティ・スプリングフィールド、クール&ザ・ギャングなど最高の音楽に溢れています。

異彩を放つキャスト

本作を彩る素晴らしいキャスト陣のなかでも映画のアイコンといえるビジュアルイメージのミア。彼女を演じたユマ・サーマンのボブカットは『レオン』のマチルダとならんで不朽のイメージを保っています。

90年代のユースカルチャーに影響を与えた『トレインスポッティング』や名作映画の代名詞『タクシードライバー』、『時計じかけのオレンジ』など多くの映画ファンの部屋の壁を飾ったであろう映画ポスター。そのなかでも本作『パルプ・フィクション』のミアを部屋に掲げていたファンも多いのでは?

更に本作のキャスティングで忘れてならないのがマフィアのビンセントを演じたジョン・トラボルタ。いわずと知れた『サタデー・ナイト・フィーバー』でブレイクしたトラボルタですがその後は鳴かず飛ばずのキャリアでした。

しかし本作の出演がきっかけで全く新しいイメージで再生した彼のその後の華々しい活躍はみなさんご存知の通り。タランティーノの映画マニアぶりが伺えるキャスティングともいえるでしょう。

クエンティン・タランティーノという男

ビデオショップの店員としてあらゆる映画を観ていたオタクな青年タランティーノ。働きながら書いた脚本が名優ハ-ヴェイ・カイテルの目にとまりハリウッド監督デビュー。

B級映画への偏愛は彼のつくる各作品での多くの引用とパロディに反映されています。
深作欣二や千葉真一の熱烈なファンを公言するタランティーノ作品には、日本のヤクザ映画へのオマージュも随所に認められます。

一見ふざけているような、上流映画には決して見られないサブカルを意識した皮肉なユーモアが、新しい映画の文法を生み出しました。

90年代、閉塞した状況に追い込まれたハリウッドに一石を投じ、その後のインデペンデント映画ブームの火つけ役となったタランティーノ。
彼はそれまでのハリウッドの息も絶えだえの商業主義にとどめを刺し、新たな映画の潮流の幕開けを飾ったのです。

参考元

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