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2020/06/25
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もう一度観たくなる『ラ・ラ・ランド』サントラを全曲解説!!

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2016年公開のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』― 夢を追う2人の男女の恋模様や苦悩、それぞれの人生の選択を描いた作品です。本作を構成する大きな要素にして、全編に渡って彩りを与え観客に感動を与えた楽曲を徹底解説!

目次

『ラ・ラ・ランド』は2016年に公開され、第89回アカデミー賞では史上最多タイの14ノミネートで6部門受賞するなど大絶賛されました。興行成績でも全世界で4億4千万ドルと、実写ミュージカル映画としては歴代4位を記録しています。

監督のデイミアン・チャゼルは前作『セッション』でも大成功を収め、本作では史上最年少でアカデミー監督賞を受賞するという快挙を達成。音楽は、チャゼルの大学時代からの友人ジャスティン・ハーウィッツが前作に続いて担当し、アカデミー作曲賞を受賞しました。作詞を担当したパセク&ポールは2017年にミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』でも作詞で参加しています。

観客・批評家の双方から絶賛された本作を構成する重要なエッセンスである数々の音楽を解説していきたいと思います!

概要

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『ラ・ラ・ランド』のオリジナル・サウンドトラックには15曲が収録されていて、全曲がジャスティン・ハーウィッツにより作曲されている。作詞は『スタート・ア・ファイア』を除き、すべてパセク&ポールが担当。かつてはジャズ・ミュージシャンを志していたというデイミアン・チャゼル監督により、前作『セッション』に引き続きジャズが重要なエッセンスとなっている

物語はミア(演:エマ・ストーン)とセバスチャン(演:ライアン・ゴズリング、愛称:セブ)の2人の主人公により展開され、サントラの曲順もストーリーで使用される順番となっている。そのため、曲順に聞くことでストーリーを思い返すこともできるだろう。

劇中のピアノの演奏シーンは差し替えなどはなく、すべてライアン・ゴズリング本人が弾いている。ゴズリングは過去にロックバンドを結成していたことがあり、ピアノの経験はあったが専門というわけではなかったという。本作のためにピアノを猛練習して撮影に臨んだ

アナザー・デイ・オブ・サン

本作のオープニングを彩る最初の曲
ロサンゼルスのハイウェイを舞台に、渋滞していた車の中から人々が次々と歌い始める。

やがてハイウェイ一帯がステージとなり、ダンスや楽器の演奏まで描かれる。カリフォルニア州の温暖で明るい気候の中で、カラフルな衣装を着たキャスト達が歌って踊る様子は圧巻!オープニングから一気に観客を映画の世界に引き込む!

キャッチーで明るく、ジャズの要素は薄いポップな曲である。歌詞は夢を追うことの尊さを語る内容で、ハリウッドが位置するロサンゼルスへ夢を見て訪れた人々を讃えている。

そして、夢を追う過程でくじけそうになったとしても、Another Day of Sun(また朝になって太陽が昇れば、新しい日が始まる)という考えで、前を向いて立ち上がろうという歌詞で終わり、タイトルコールとなる。夢を追う主人公達を描く本作のストーリーを暗示した曲となっている。

このシーンは、第74回ゴールデン・グローブ賞のオープニング映像でパロディ化された

サムワン・イン・ザ・クラウド

ミアがルームメイトの友人達にパーティーに行こうと誘われるシーンで使用される曲

夢を実現するためにも、パーティーに出席してそこで誰かと出会えばきっかけになるかもしれないというルームメイト達の主張から始まり、最初は行くことを渋っていたミアも次第に乗り気になってドレスアップし、一緒に歌い始める。運命の相手かもしれないSomeone in the crowd(大勢の中の誰か)を探しに行こうと、ルームメイトとミアの4人の女声で構成される。

ポップでリズミカルな曲だが、途中でテンポがダウンし、ミアのソロとなる。

パーティーは華やかで、確かにこういう場の出会いがきっかけとなって女優への道が開けるかもしれない。しかし、ミアが本当に会いたい人は女優としての自分しか見ていない人ではないのだ。

成功は掴みたいけれど、同時に偽りのない自分自身でいたいというのも彼女の本心だった。ありのままの自分を見てくれる人はいないのかとミアは苦悩する

ミアとセバスチャンのテーマ

上記のパーティーの直後、疲れたミアが街を歩いていると、通りかかったレストランからピアノの曲が聞こえてくる。その曲に誘われるようにミアはレストランの中に入っていった。

一方で、ジャズ・ピアニストのセブはレストランのオーナーからクリスマスソングのみを演奏することを固く言い渡されていたが、それは彼が愛するジャズとは程遠いため、苦痛でしかなかった。しばらくは言いつけ通りクリスマスソングを弾いていたが、店内の客は誰一人聞いていない。耐えられなくなったセブは、独断で自身のオリジナルのフリー・ジャズであるこの曲を演奏する。

ミアとセブの始まりの曲である。ピアノのみで構成されるシンプルな曲で、クリスマスソングから変更しても周囲の客は誰も耳を傾けない。それはセブだけの世界で綴られる孤独で切ないメロディだった。ジ

ャズを何よりも愛し、本気の情熱を込めて演奏しているのに、誰も気にかけてくれない。自分を理解してくれる人を無意識に求めているようだった。序盤は静かなトーンで始まり、徐々に激しく溢れんばかりのジャズへの想いが表現されていく

中盤では、「ザ・メッセンジャーズ」の写真撮影中にカメラマンから「何でもいいから、何か弾いてくれ」と頼まれたセブがミアへの想いから演奏する。更に終盤では、ミアと思いがけない再会をしたセブが再度 演奏する(後述の『エピローグ』のイントロ)。

ア・ラブリー・ナイト

別のパーティーで再会したミアとセブは帰り道が一緒になり、ロサンゼルスの夜景を見ながら語り合う
「美しい夜景なのに、自分達の組み合わせではちっともロマンティックじゃない。恋に落ちるなんてありえない」と悪態じみた歌詞ばかりを言い合うが、2人はどこか楽しそう。反発し合っているようで、本質的なところで2人は似ているのかもしれない。

次第に2人は息をぴったりと合わせて「A lovely night(素敵な夜)がもったいない」と歌いながら踊り出す。

このシーンでは、『雨に唄えば』『踊るニュウ・ヨーク』など往年のミュージカル映画の名作へのオマージュが描かれ、2人はタップダンスを披露する。本作のパッケージやポスターなどでも描かれることの多いダンスシーンもこのシーンで登場。歌とダンスが終わる頃には2人の距離はずっと近づいていた

ハーマンズ・ハビット

「ライトハウス・カフェ」という店でジャズ・ミュージシャン達により演奏されるオーソドックスなジャズ・ナンバー

ジャズに興味がないと語るミアに、セブは本物のジャズを見せてやると言って彼女を誘って演奏を見に来る。チャゼルの前監督作『セッション』でも見られたダイナミックなカメラワークで演奏者それぞれがアップで映される。
演奏を観賞しながら、セブはジャズとは何かを熱弁。

ジャズとはコミュニケーションの手段なのだという。演奏者それぞれが作曲家でありアレンジャーであり、自分の思い通りに曲を解釈して演奏し、音をぶつけ合うことで意思の疎通をしているのだと語った。

純粋なジャズだが、同時にそれは大衆受けせず滅びかけている音楽でもあった。演奏者も客も年配の人々ばかりで、若者はいない。セブはこの曲のように滅びかけているジャズを救うために、自分の店を持つことが夢だとミアに熱く語る

シティ・オブ・スターズ

ミアと映画を見に行く約束をしたセブが帰り道、埠頭で1人口ずさむ曲
第一印象は全く良くなかったミアとセブだが、セブの心は彼女へ傾き始めていた。これは恋の始まりなのか、それとも叶いはしない一時の夢なのか― セブのつぶやきのような歌と口笛とピアノのメロディで構成されている、美しくも切ない曲(口笛はジャスティン・ハーウィッツが担当)。セブのピアノをイメージしたサウンドであるため、ジャズの要素も含まれている。

City of Stars(スターの街)とはロサンゼルスを指しているが、「Stars」は「人々から愛されるスーパースター」と「夜空の星々」の両方の意味が込められている。

第89回アカデミー賞・歌曲賞 受賞曲

プラネタリウム

セブとミアの両者が恋心に気がつき、結ばれるシーンで使用される曲
映画『理由なき反抗』を観賞した2人は、映画に登場するグリフィス天文台へ向かう。

施設内で2人はプラネタリウムを眺め、やがて手を取り合って踊る。プラネタリウムの無数の星の中で初めて触れ合った2人は優雅に踊り続け、最後はキスシーンで締めくくられる

基本のメロディは「ミアとセバスチャンのテーマ」と同じだが、オーケストラの音で構成されたワルツ調の曲となっている。

サマー・モンタージュ/マドレーヌ

恋人同士となったミアとセブが過ごす夏のシーンで使用される、キャッチ―でアップテンポなジャズ・ナンバー。

結ばれた2人が幸せそうにデートするシーンがダイジェストで描かれ、やがてライトハウス・カフェでセブがジャズ・ピアノを演奏し、ミアが踊るシーンへと繋がっていく。

シティ・オブ・スターズ(ft.ライアン・ゴズリング&エマ・ストーン)

2人の交際は順調だったが、セブは自分の店を持つという夢のための資金が得られない。そんな中で、旧友のキースからコンボ(バンドメンバー)に誘われる。

キースとは音楽性が合わないが、やり方を変えずに行くのか、それとも古きジャズへのこだわりを捨てて彼のコンボでプレイして金を稼ぐべきなのか苦悩する。セブはそんな不安を口にするかのようにピアノで弾き語る。

前半は先述の同曲と同じだが、途中からミアも参加しデュエットとなる。歌詞は、後半からは夢と愛について語る内容。夢も大切だけど、人は誰しも愛を求めてやまない。最愛の人がそばにいてくれることで不安を少しずつやわらげ、「私がそばにいるから大丈夫だよ」と互いに言い聞かせる様子が描かれる。

スタート・ア・ファイア

セブが加入した、旧友のキース(演:ジョン・レジェンド)が率いるコンボ「ザ・メッセンジャーズ」の曲

本職のシンガーソングライターであり本作の製作総指揮も務めるジョン・レジェンドが歌う曲。ジャズを基本としているが、ポップ・ロック・ダンスミュージック・エレクトロニカなど様々な要素を融合させた斬新でスタイリッシュな曲。ライブではジャズのコンサートとは思えないほど観客が騒ぎ、大絶賛されている。

同じジャズ・ミュージシャンでも、キースは伝統を愛するセブとは正反対に新しい音楽を求める革新派であり、その音楽性が存分に表現されている

一般大衆には大好評だが、セブにとっては本当にやりたいジャズではないことは明白であり、ライブを見に来たミアもそれに気がついていた。セブはイントロこそジャズ風のピアノソロを演奏するが、曲のほとんどでシンセサイザーによる電子サウンドを披露する。

この曲のみ、作詞はパセク&ポールではなくレジェンド、ハーウィッツ、マリウス・デ・ヴリース(本作のプロデューサー)、アンジェリーク・シネルの共作で作られた。

婚約パーティー

コンボのツアー遠征などが原因で、セブとミアは次第にすれ違い、疎遠となっていく。ミアの舞台には客がほとんど入らず、傷ついたミアはセブと別れ、夢を諦めてロサンゼルスを飛び出し実家に帰ってしまった。

そんな中で、セブは友人の婚約パーティーでピアノを演奏することになりこの曲を演奏する。『サムワン・イン・ザ・クラウド』のスローアレンジバージョンであり、ピアノのみのシンプルな曲である。

離れ離れになったミアとセブの無気力な様子がセリフなしのダイジェストで描かれる。婚約パーティーでは友人がこの上なく幸せそうにしているのを見て、セブは尚更やるせない表情を浮かべる。

2人にとってはお互いが運命の相手であるSomeone in the crowd(大勢の中の誰か)だったはずなのに、何故こうなってしまったのか… 両者の虚ろな心境が表現されたように切ない雰囲気が漂う

オーディション(夢を追う愚か者)

ミアが実家へ戻ってしまった後で、彼女の舞台を見た映画会社のキャスティング・ディレクターからオーディションのオファーが届く。

「もうこれ以上オーディションで酷評されて恥なんかかきたくない。女優なんて、ただ憧れてただけ」とロサンゼルスを逃げ出したミアだったが、諦めきれずにオーディションに訪れる。そしてディレクターからは、即興で語り部となって何か話すように言われる。

ミアは悩んだ末に、女優であり大好きだった叔母のことを話し始め、それはやがて歌となっていった。パリに住んでいた叔母は真冬にセーヌ川に跳び込んだという話を聞かせてくれた。しかも笑顔で跳び込み、風邪をひいても、もう一度跳ぶと語ったという。

傍から見れば愚かな行為でも、夢を追うということは川に何度も何度も飛び込むようなものなのだとミアは歌う。体は凍え、心も痛むけれど、叔母の夢への情熱はミアにとって忘れられないものだった。例え狂気じみた行動だったとしても、役者や画家や詩人のようなアーティストによって、明日も見えずに不安でいる人々は救われている、だから夢追い人は必要なのだと叔母は教えてくれた。

それがミアが女優を目指した理由だった。ただ単に憧れや俗世のイメージから目指していたわけではなかったことを思い出す。

サントラでも、この曲のみ音楽ではなくセリフから始まる。そして徐々に歌となり、ミアの高らかな声が響き渡る。序盤はつぶやくような静かな歌唱だが、後半になるにつれ熱く情熱的な歌となっていく。

ハーウィッツは「多分映画の中で1番のお気に入り。作曲の上でもこの曲は1番誇れる」と語っている

第89回アカデミー賞・歌曲賞 ノミネート曲

エピローグ

終盤― ミアがオーディションに受かり、撮影のためロサンゼルスを離れ、2人が会わなくなってから5年の月日が流れた。ミアは女優として大成し、結婚し娘も生まれ、幸せに満ちた生活を送っている。しかし夫はセブではない

セブは今も独り身だが、ようやく念願の自身の店を持つに至っていた。夫と共に偶然その店に訪れたミアはセブと再会するが、互いに言葉は一言も交わさない。

そしてセブがステージに上がって演奏する曲は2人の始まりとなった、レストランで演奏した『ミアとセバスチャンのテーマ』だった。

夢を叶えても添い遂げることはなかった2人だが、もしほんの少しだけ何かが違っていたら、別の物語もあったかもしれない。そんな2人の想いから映画はやがて2人だけの世界の心象風景を描き始める。それはあり得たかもしれないアナザーストーリー。

本作で最も盛り上がるクライマックスを飾る曲であり、今までの『アナザー・デイ・オブ・サン』『プラネタリウム』などの音楽が総集するようにバックで流れる。

幻想的でカラフルな背景は数々のミュージカル映画へのオマージュで溢れている。その背景の中でミアは舞台の成功を収め、セブも自身の愛する音楽でミュージシャンとして成功し、傍らには常に最愛の人がいてくれた。常に一緒だった2人は、やがて満天の星の中で踊る。そして8mmフィルムのような映像を眺めると、その映像の中ではミアとセブは結婚し、子供も産まれていた。

現実でのセブの演奏が終わるとともに心象風景も終わり、2人は現実世界へと戻る。

ジ・エンド

『エピローグ』が終了すると、ミアは夫と共に店を出る。最後の去り際、ミアとセブは目を合わせる。

もう自分達の道は別れ、結ばれることはないとわかっているが、それでも互いを愛する気持ちは変わらないことを再確認するように笑みを浮かべると、何も言わずに別れた


ミアがいなくなると、セブは演奏を再開するため「1、2、1・2・3・4…」と次の曲へのカウントを始める。こうして出会えたことで、セブはまた前へ進めるのだと表現するように、次の曲へ向かう。

曲が始まると同時に映像は「The End」と大きく表示され、壮大なオーケストラの締めくくりの音楽と共に映画は幕を閉じる。

シティ・オブ・スターズ(ハミング)

エンド・クレジットで流れる、ミアのハミングによる歌。歌詞はない。メロディは先述の2曲と同じで、バックのサウンドはピアノではなくアコースティック・ギター。

まとめ

いかがだっただろうか?
曲の一つ一つが作品の重要なファクターとなり、ストーリーを綴り、彩った数々の音楽。観客は一種のキャラクターのように音楽を追うことで映画の世界に入り込み、セブとミアという2人の主人公に感情移入したことだろう。アニメーション監督の新海誠は「大いに堪能しました。音楽と映画の特別な瞬間が何度もありました」と語っている。


見る人によっては、「成就しなかったバッドエンドの恋愛映画」と捉える人もいたようだが、チャゼルは以下のように語っている。

「人は人生において、自分を変えてくれて、なりたい人物になれる道筋を作ってくれる人と出会えるけど、最終的にはその道をひとりで歩まなければならない。そのことは物凄く美しくて、切なくて、驚くべきことだと僕は気づいたんだ。この映画ではそのことを描きたかった」

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