2017年4月、日本初放送がスタートしたトム・ハーディ主演によるドラマ『TABOO』。愛と復讐が絡み合うダーク・ミステリーで、19世紀のイギリスが舞台になっている。孤高の戦いを繰り広げる男の記憶が意味するものとは、物語で描かれるタブーとは一体何なのか。歴史ストーリーに隠された謎を紐解く。
歴史ドラマ『TABOO』とは
『TABOO』とは、2017年4月からスター・チャンネルにて放送が開始されたドラマで、19世紀のイギリスを舞台にした歴史バイオレンスミステリーである。
殺害された父親の復讐を遂げるため、イギリスに戻ってきた男ジェームズが、巨大組織に挑む物語である。
しかし、ジェームズには誰にも明かすことのできない、大きな秘密があったのだ…。
ダークでバイオレンス、冒頭から緊張感の続くストーリーで、すべてが謎に包まれている。
トム・ハーディがドラマ初主演を飾った作品で、トム・ハーディと彼の父チップス・ハーディの原案のもと、スティーヴン・ナイトが脚本を手がけた。
イギリスBBCでは2017年1月から放送されているが、視聴者からの評価も高く、既にシーズン2の製作も決定している。
死んだはずの男が織り成す禁断の愛と復讐の物語
10年前にアフリカに向かったジェームズだが、その後死亡したと思われていた。
そんなジェームズが、父の死を知りイギリスに舞い戻ってきたのだ。
ジェームズの異母妹ジルファは、”愛する”兄の帰りに驚きを隠せない。
”今でもお前を愛している”ジェームズからジルファへのこの言葉は何を意味しているのだろうか。
そしてジェームズは父が遺した遺産を巡り、イギリスの巨大組織東インド会社に闘いを挑むのである。
製作は名匠リドリー・スコットとトム・ハーディがタッグを組んだ!
『TABOO』の製作総指揮に名を連ねているのは、映画界に影響を与え続ける名匠リドリー・スコット。
そして、主演を演じるトム・ハーディが強力なタッグを組んでいる。
リドリー・スコットといえば、映画界屈指の映像家であり、リアリティを追及することでも知られている。
映像に関しては常に完璧さを求め、より鮮明にするため決して妥協はしない。
一方で、舞台俳優としても活動するトム・ハーディとは、リアルさを突き詰めていくという点でも共通しているものがある。
この相乗効果を生み出した映像は、よりバイオレンスに、そしてよりリアルといった表現に注目である。
キャスト陣も違和感なし!まさに適役揃い
ジェームズ・ディレイニー役/トム・ハーディ
10年間行方不明で、死亡したと思われていた主人公ジェームズ・ディレイニー。
父親の死をなぜ知ることができたのか、行方不明の間彼に何があったのか全てが謎に包まれている。
ジェームズ役を演じているのは、製作にも携わっているトム・ハーディ。
2010年出演した『インセプション』で、イームス役を演じ注目された。
ワイルドな雰囲気とこの作品のダークな雰囲気がマッチしており、ジェームズになりきった演技にも注目だ。
スチュアート・ストレンジ役/ジョナサン・プライス
ジェームズと対立する巨大組織、東インド会社の幹部スチュアート・ストレンジ。
ジェームズが相続した土地を狙っており、対立することとなる。
ストレンジ役を演じているのは『ゲーム・オブ・スローンズ』のハイ・スパロウ役で知られるジョナサン・プライス。
舞台も務めるイギリスの名優で、偉大な脇役としても名を馳せている。
ジルファ・ギアリー役/ウーナ・チャップリン
ジルファは、ジェームズの父と後妻の間に生まれた異母妹である。
ジェームズが10年ぶりに帰ってきたことで、心がゆれ始めている。
ジルファ役を演じているのは、チャーリー・チャップリンの孫であり、『ゲーム・オブ・スローンズ』でタリサ役を演じたウーナ・チャップリン。
女優としての経歴はまだ短いものの、独特な演技と美しさに魅了される。
ソーン・ギアリー役/ジェファーソン・ホール
ジルファの夫ソーンは、ジェームズが帰ってきたことで、”自分たちの資産を守る”と、義父の遺産を狙っている。
妻のジルファを支配するかのような言動も見られるが、本当のところの立場はどうなのか…。
ソーン役を演じているのは、デビューしたばかりで俳優としての経歴も浅いジェファーソン・ホール。
2015年には『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』仕官役でも出演した。
ローナ・バウ役/ジェシー・バックリー
ローナ・バウは、ジェームズの父の妻と名乗る女性だが、遺産を巡って巻き込まれた可能性もあるが、詳細は不明。
ローナ役を演じているのは、女優で歌手のジェシー・バックリー。
2016年にBBCにて放送された『戦争と平和』で、心優しい女性マリア役を演じて注目を浴びた。
全てが謎!姿を消していたジェームズに何があったのか!?
ジェームズがアフリカに渡って10年、彼の消息は全く不明だった。
イギリスに戻ってきた後も、行方不明の間のことは決して誰にも口にしない。
しかし、彼が幻覚に襲われるシーンを何度か目にすることとなる。
血だらけの奴隷と思われる大男が迫り来るものだったり、死者が蘇ったりするものもある。
そのたびジェームズは、彼らを見下すような言葉で罵るのだ。
フラッシュバック時の映像から察するには、人に知られたくないものだろうという想像もつくが、それだけではないのだろう。
1話の冒頭で「私は大罪を犯した」と父親の亡骸に語っていることから、彼の過去は物語の重大な鍵を握っているのかもしれない。
ジェームズはなぜ父の死を知ることができたのか。
10年間、一度もイギリスに帰らなかったジェームズは、なぜ父親の死を知ることができたのか。
生前の父親は召使いに、ジェームズと話をしているといっていた。
そして、ジェームズもまた父から聞いたのだという。親子ふたりの共通点は、意味不明な言葉を唱えていたことだ。
意味不明な言葉とは、何かの呪文なのだろうか。それをジェームズも”聞いた”ということは、ふたりが悪魔と契約を交わしたということなのだろうか。
全てが謎だらけの展開から始まるが、全8話でどこまでが明かされていくのかにも注目したいところだ。
深みにハマるバイオレンスミステリー『TABOO』について
『TABOO』は、有料のスター・チャンネル独占放送作品である。
1話は無料で視聴できるので、この機会に一度観てはいかがだろうか。
歴史ものやバイオレンス、シリアスやダークファンタジーが好きな方にはオススメのドラマである。
また、トム・ハーディのファン必見!ワイルドで怪しげなトムの一面も楽しんで頂けるだろう。
『TABOO』は毎週火曜日、23時からスター・チャンネルにて放送。
参考元
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