NHKアニメ『クラシカロイド』とは、クラシック界の偉人をモチーフにした物語です。また彼らが奏でるキーソングには、つんく♂さんや布袋寅泰さんなど有名アーティストが起用されたことでも話題となりました。
音楽ギャグアニメ『クラシカロイド』
クラシカロイドって何者?
TVアニメ『クラシカロイドClassicaLoid』とは、2016年10月8日よりNHK Eテレにて放送された作品です。
タイトルにもなっている“クラシカロイド”とは、「楽聖」と称されたクラシック音楽の偉人――例えばバッハやショパンなど――をモチーフにした、“謎の存在”とされる登場人物達を指しています。
また一部の音楽家に関しては、実際の性別が男性であったにも係わらず、名前や作品のイメージから女性として登場しています。
これは文豪作家を擬人化した作品『文豪ストレイドッグス』と同様の傾向が伺えます。
また後述する“モデルとなった人物の著作物や縁のあるもの”を使用する点などから、本作は「作曲家の擬人化」に近い位置付けかもしれません。
本作ではそんなクラシカロイドを主人公とし、彼らが奏でる「音楽=ムジーク」を巡る“謎”などが描かれた作品です。
ムジークには“音楽を越えた音楽”として超パワーが宿っているため、本作は登場人物らにより日々様々な騒動が巻き起こされる「音楽ギャグアニメ」としても楽しめます。
ギャグ監督と有名アーティスト
この『クラシカロイド』の監督には、TVアニメ『銀魂』や『おそ松さん』など破天荒なギャグ作品を多く手掛けた藤田陽一さんが起用され、それにより本作は放送前より、一部ファンから注視されていた作品でもあるのです。
アニメーション制作は、『機動戦士ガンダム』や前述した『銀魂』などのアニメ制作会社・サンライズ(SUNRISE)が担っています。
ところで作中に登場するムジーク(楽曲)には、つんく♂さんや布袋さんなど現在活躍中のアーティストらが「ムジークプロデューサー(MP)」として参加しています。
各人が担当するキャラクター(音楽家)の名曲(クラシック)を、それぞれのセンスで自由にアレンジ制作したものを、劇中内では「ムジーク=キーソング」として使用しているのです。
物語のあらすじ
町おこしの一貫として音楽が盛んなとある地方都市。
高校生の音羽歌苗と神楽奏助は、ひょんなきっかけで自身をベートーベン、モーツァルトと名乗る「クラシカロイド」と出逢います。
彼らが奏でる音楽には、「ムジーク」と呼ばれる音楽を越えた超パワーが宿っており、星が降ったり巨大ロボが出現したりと大混乱。
ところがその後もバッハやショパン、シューベルトなど、歌苗と奏助の前には次々に新たなクラシカロイドが現われては大騒動を巻き起こすのです。
クラシカロイドの正体とは? そして彼らが生まれた目的は? ムジークの謎とは?
取り壊し寸前の音羽館に住みついた、個性豊かなクラシカロイドらが日々織り成すテンション高めなギャグと突拍子も無いパロディと、そしてちょっぴりの人情味が魅力的な作品です。
登場人物の紹介
クラシカロイド『ベートーヴェン』
■ベートーヴェン…cv.杉田智和さん
音羽館に住んでおり、皆からは“ベト”と呼ばれる頑固で偏屈なクラシカロイド。
基本音楽と大好きな餃子以外に興味を持たず、こだわりと探究心が強い、いわゆる天才肌タイプの人物です。
世間知らずなところもありますが、作中では妙に純粋な一面も。
普段は黒のライダージャケットに赤いマフラー+ジーパンのラフなスタイルですが、ムジーク発動時には黒の燕尾服となります。
ムジーク発動の台詞は「Spielen wir unsere Musik.(さぁ 音楽を奏でよう)」。
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モデルとなったのは、ドイツの作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン(1770~1827年)。
20代後半から持病の難聴が悪化し、40歳頃には全聾と共に神経性の様々な疾患に苦しめられました。
代表作には「交響曲第5番ハ短調(運命)」や「交響曲第9番ニ短調(合唱付き)」、「ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 ・月光」などがあげられます。
ムジークプロデューサー…布袋寅泰(ほてい ともやす)さん
ベートーベンのムジークを担当したのは、日本のロック界を牽引してきたロックミュージシャン・布袋寅泰さんです。
布袋さんは1981年に伝説のバンド「BOWY」のギタリストとしてデビューし、BOWY解散後は吉川晃司さんとのユニット「COMPLEX」など様々な活動で知られています。
主な代表作に映画『キル・ビル』のテーマ曲「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」や「スリル」など、どれも耳馴染んだ曲ばかりです。
また布袋さんは本作のオープニングテーマ「ClassicaLoid ~クラシカロイドのテーマ~」の作曲・編曲にも係わっています。
クラシカロイド『モーツァルト』
■モーツァルト…cv.梶裕貴さん
皆からは“モツ”、ベートーベンからは“ヴォルフ”と呼ばれる、無邪気で下ネタ大好きなクラシカロイド。
子供のような言動とイタズラ好きな人物で、常識から外れても天真爛漫マイペースなため、ベートーベンから何時も怒られます。
普段はピンクの大きな帽子とロング丈の上着を羽織った、かなり特徴的なスタイルですが、ムジーク発動時には赤の燕尾服となります。
ムジーク発動時の台詞は「Hr mal, meine Musik.(聞け 私の音楽だ!)」。
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モデルとなったのは、オーストラリアの音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791年)。
音楽家であった父親の英才教育を受けた天才ですが、多くの傑作を生み出すも晩年は報われず、35歳の若さで亡くなってしまいます。
ところで幼少の頃に、オーストラリアの宮殿で後のフランス王妃・マリーアントワネットに求婚したのは有名な逸話です。
代表作にはオペラ「フィガロの結婚」「魔笛」や、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」などがあげられます。
ムジークプロデューサー…tofubeats(トーフビーツ)さん。
モーツァルトのムジークを担当したのは、インターネットを介して音楽活動をされていたtofubeatsこと本名・川井佑亮(かわい ゆうすけ)さんです。
tofubeatsさんは自身のアルバムなどを発表する他、「ももいろクローバーZ」など多くのアーティストにも楽曲を提供。
主な代表作に「水星」や「森高豆腐」など。現在26歳と大変若いアーティストでもあります。
パッド君
■人工知能搭載型情報端末“パッド君”…石田彰さん
奏助が携帯する端末で、高度なアルゴリズムが組み込まれた人工知能が搭載され、平素は端末機器としてネット検索や動画視聴が可能。
作中では主にムジークの原曲解説や、クラシカロイドらのモデルとなった楽聖(音楽家)の説明をしてくれます。
またネット世界では、青い前髪で右目を隠したイケメンな執事姿で登場しました。
その他のクラシカロイドたち
■リスト(画像右上)…cv.能登麻美子さん
※モデルとなったリストとは見た目の性別が逆。
金髪で派手な女性の姿をしていながらも、女性好きな博愛主義者。
バッハの依頼で音羽館へとベートーベンらを探しに来ましたが、歌苗に興味を持ちショパンと共に住み着いてしまいます。
普段は胸元が大きく開いた緑のシャツと紫のロングスカート姿ですが、ムジーク発動時には白い帽子を被り緑の燕尾服となります。
モデルとなったのはハンガリーの音楽家フランツ・リスト(1811年~1886年)。
ピアニストとしても有名で、代表曲に「ハンガリー狂詩曲」や「ラ・カンパネッラ」などがあげられます。
ムジークプロデューサーは、音楽プロデューサーとしても有名な作曲家・朝倉大介さん。
■ショパン(画像右)…cv.鳥海浩輔さん
繊細で引き篭もり体質なため、音羽館ではひとりネトゲ三昧な日々を過ごしています。外出など様々な場面でリスト頼りなコミュニケーション下手。
普段は白のライダースーツにピンクの上着を羽織り、箱に入ったり被ったりしていますが、ムジーク発動時には紫の燕尾服となります。
モデルとなったのはポーランドの作曲家フレデリック・ショパン(1810年~1849年)。
“ピアノの詩人”とも呼ばれており、代表曲に「夜想曲(ノクターン)」や「華麗なる大円舞曲」などがあげられます。
ムジークプロデューサーは、音声合成ソフト「VOCALOID」などを使用するミュージシャン・EHAMIC(エハミック)さん(本名:江原幹人さん)。
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■シューベルト(画像左)…cv.前野智明さん
ベートーベンを先輩として敬愛しますが、過去に師事していた音楽家(サリエリ)に「君の音楽はモーツァルトのまねごと」と言われて以来モーツァルトを毛嫌いする“さまよえる楽聖”。
真面目過ぎて融通が利かず、どこかズレている人物です。
普段は黄色い上着に茶色のベストを着込んだ眼鏡姿ですが、ムジーク発動時にはオレンジの燕尾服となります。
モデルとなったのはオーストラリアの作曲家フランツ・ペーター・シューベルト(1797年~1828年)。
“歌曲の王”とも呼ばれ、代表曲に「アヴェ・マリア」や「魔王」などがあげられます。
■バッハ…cv.楠大典さん
クラシカロイドらを束ねる存在で、「始まりのクラシカロイド」や「偉大なあのお方」などと呼ばれています。
アイドルユニット「クラクラ」のプロデューサーで、会話は全て音楽用語。
普段の髪形はカツラで、大勢の前に姿を現す時はショートモヒカン。
モデルとなったのはドイツの音楽家ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685年~11750年)。
“音楽の父”と称され、代表曲に「トッカータとフーガニ短調」や「G線上のアリア」などがあげられます。
■チャイコフスキー…cv.遠藤綾さん
※モデルとなったチャイコフスキーとは見た目の性別が逆。
何故か東北弁を話す金髪碧眼な美少女で、通称“チャイコ”。
バッハが話す言葉を唯一理解でき、バダジェフスカと共にアイドルユニットCLASKEY:KLASKY(クラスキークラスキー)略して“クラクラ”として活動中。
普段は水色の衣装にフリルが一杯ついたロリーター服ですが、ムジーク発動時には白いリボンを付けたツインテールの髪形に青い衣装となります。
モデルとなったのはロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキー(1840年~1893年)。
交響曲・バレエ音楽・協奏曲と作品は多岐に渡りますが、代表曲に「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」などがあげられます。
作中での歌唱担当は、女性アイドルグループ「バクステ外神田1丁目」のメンバーのひとり・矢田喜多さん。
■バダジェフスカ…cv.M・A・Oさん
※モデルとなったバダジェフスカ同様に女性。
真面目な正統派美少女で、通称“バダ”。
チャイコフスキーと共にアイドルユニット“クラクラ”として活動中。
普段は白のブラウスと赤いチェックのミニスカートですが、ムジーク発動時には赤い帽子と衣装になります。
モデルとなったのはポーランド出身の作曲家テクラ・ボンダジェフスカ=バラノフスカ(1834/38年~1861年)。
ピヤニストとしても活躍していた女性で、代表曲は「乙女の祈り」。
作中での歌唱担当は、女性アイドルグループ「バクステ外神田1丁目」のメンバーのひとり・佐藤栞さん。
バッハ、チャイコフスキー、バダジェフスカのムジークプロデューサーは、モーニング娘など音楽プロデューサーとしても有名な作曲家・つんく♂さん。
またつんく♂さんは「バクステ外神田1丁目」の共同作業者でもあり、1990年代に活躍した人気バンド「シャ乱Q」のボーカルとしても有名です。
音羽館に係わる人々
■音羽歌苗(おとわ かなえ)…cv.小松未可子さん
物語の主人公、高校1年生。
祖母から受け継いだオンボロ洋館・音羽館の大家をしており、クラシカロイドら自由人を受け入れる強さと逞しさをも併せ持つ少女。
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■神楽奏助(かぐら そうすけ)…cv.島﨑信長さん
歌苗の幼なじみであり、もうひとりの主人公。
将来はビッグなミュージシャンに憧れるも、未だ才能は開花せず。
実際は練習が続かず、丘サーファーならぬ丘ミュージシャンなお調子者。
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■ハッシー
香苗の父親が拾ってきた、音羽館に棲みついたハシビロコウ。
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■音羽響吾(おとわ きょうご)…cv.大川透さん
歌苗の父親で、アルケー社に雇われていた際にクラシカロイドたちを生み出した発明家。
発明に没頭した結果、音羽家の財産を食い潰し、現在は行方不明となります。
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■三弦亜紀楽(みつる あきら)…cv.藤原夏海さん
アルケー社の社員で、自身が心酔するバッハの秘書的存在で、彼の目的である「八音」を揃えようと画策しています。
また響吾がクラシカロイドを生み出す際には、彼の助手も勤めていた女性です。
現在クラシカロイドは8人登場していますが、この後も人数が増えるのか、そしてムジークの謎やクラシカロイドが生まれた意味とは?
アルケドールやミツルロイドなど、少しづつですが物語の謎を解く鍵が見え始めた『クラシカロイド』に、これからも注目です。
参考元
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