女性から圧倒的な人気を誇るダークファンタジー『黒執事』だが、いまだ観たことがない方も多いはず。どんな物語なのかイマイチわからない方でも、登場キャラクターから興味を持つことはあるだろう。個性的で魅力的なキャラクターたちを知ってもらうため、初めてさんにもわかりやすく紹介する。
『黒執事』とは
2006年から「月刊Gファンタジー」で連載している枢やな原作の人気漫画『黒執事』。
実写化や舞台化もされており、2017年には『劇場版 黒執事Book of the Atlantic』も公開されている。
舞台は19世紀のイギリス。
主人公は幼い貴族であるシエル・ファントムハイヴ伯爵と、シエルと契約した悪魔のセバスチャン・ミカエリス。
まだ幼さが残るシエルだが、ヴィクトリア女王から依頼された事件の真相を解明する「女王の番犬」という裏の顔もある。
どんな手段を使っても事件を解決する女王の番犬。
そんな彼らが繰り広げる、ミステリアス・ダークファンタジーなのだ。
枢やな原作によるダークファンタジー『黒執事』。2006年に連載がスタートしてから絶大な支持を受けている人気作品。特に女性ファンが多く、ふたりの主人公の行く末を見守っている。女性を惹きつける『黒執事』にはどんな魅力があるのか紹介していく。
『黒執事』に登場する主要キャラクター
シエル・ファントムハイヴ伯爵
本作の主人公であるシエル・ファントムハイヴ伯爵。
幼くして「ファントム社」の社長であり、ファントムハイブ家の現当主を務める。
そんな華々しい顔の裏では「女王の番犬」や「悪の貴族」という通り名を持っており、女王から依頼される事件の真相を探っている。
傲慢で押しに弱い一面もあるが、誇り高き貴族であるのは間違いない。
かなりの甘党で、ティータイムには必ずケーキを食べるという子供らしい一面も持ち合わせている。
右目は悪魔(セバスチャン)との契約印があるため黒い眼帯をつけている。
過去に両親を殺害されており、シエル本人も黒ミサの犠牲となって背中に焼印が押されている。
セバスチャン・ミカエリス
もうひとりの主人公で、ファントムハイヴ家の”悪魔で執事”のセバスチャン・ミカエリス。
教養から料理の何から何まで完璧にこなす執事で、物腰柔らかな印象ではあるが、その正体は冷酷で非情な悪魔である。
「シエルが復讐を果たしたら魂を食わせる」という契約をしており、その願いが成就するまでシエルの身を守る義務がある。
普段は手袋をはめているのでわからないが、シエルとの契約の証として左手にはペンタクルがあり、強大な相手と戦うときは手袋をはずす。
無類のネコ好きで、特に肉球には目がない。
また、セバスチャンという名は、シエルが飼っていた犬の名前からつけられている。
枢やな原作の『黒執事』は、張りめぐらされた伏線が多くあることでも知られている。そしてこの伏線を巡ってファンも様々な考察を上げている。ここでは、特に注目されているシエルの双子説から、アンダーテイカーの謎、そして使用人の考察までを追う。
ファントムハイヴ家使用人
タナカ/Mr.Tanaka
長い間ファントムハイヴ家に仕えるタナカ(Mr.Tanaka)は、通常デフォルメで描かれており、時々リアルタナカになるが3分で元に戻ってしまう。
執事より高い家令という身分だが、それらしい姿はほとんどない。
基本お茶をすすってリラックスしているなど、冷静さを崩さない。
柔術の使い手でもあり、ファントムハイヴ家に危害が及ぶような時には、高い戦闘能力を発揮する。
3年前ヴィンセントらと一緒に殺害されかけたが、幸いにも一命は取り留めた。
フィニアン
過去、ある研究所で実験体となっていたフィニアン。
実験体だった頃シエルに救われて、ファントムハイヴ家の庭師をして仕えている。
16歳とまだ幼いが、頑丈な体と人並み外れた怪力を持っている。
この能力も実験によるもので、首の後ろにあるコードナンバーを隠すため、麦わら帽子は欠かせない。
自分を救ってくれたシエルには恩義を感じており、命を懸けてファントムハイヴ家を守っている。
バルドロイ
過酷な戦場でひとり生き残ってしまった兵士バルドロイは、ファントムハイヴ家の料理人として仕えている。
戦場に居ただけあって、しばしば常軌を逸した行為をする。
兵器を使った料理をしようとして屋敷を破壊し、セバスチャンにもよく怒られている。
ファントムハイヴ家を守るために使用する武器には、重火器や爆弾を使用する。
その戦闘スタイルは、料理のセンスと同様に豪快だといえる。
また、使用人たちのリーダーとして指揮を執る。
メイリン
ファントムハイヴ家のハウスメイドとして仕える元スナイパーのメイリン。
「~ですだよ」という訛りが特徴的である。
遠視が酷く、眼鏡を掛けないと何も見えない。
シエルに貰った眼鏡を大切にしており、普段は絶対に外すことがない。
ファントムハイヴ家が危険にさらされた時は、眼鏡を外して凄腕のスナイパーに変身する。
その腕前は、照準器がなくとも100%仕留められるほど。
ファントムハイヴ家に災いをもたらす者は、どんな相手でも決して容赦しない。
スネーク
ノアの方舟サーカス団の団員だったスネークは、ヘビと人間のハーフであるヘビ男。
体にはところどころヘビのような鱗がついており、話す時も自分の言葉としてではなく、ヘビの言葉を代弁するように話す。
かつて見世物にされていた際、サーカス団のジョーカーに救われており、恩義を感じていた。
シエルたちがジョーカーたちを始末したことを知らず、行方不明になっているとだけ聞かされている。
復讐のためにシエルを殺害しようとしたが、一緒に団員を探そうとファントムハイヴ家の従僕として仕えるようになった。
ファントムハイヴ家に関わる人物
エリザベス・ミッドフォード
シエルのいとこで婚約者のエリザベス・ミッドフォード。通称リジー。
明るくて活発な性格だが、シエルの前では可愛らしい女の子でいたいと願う少女的な一面を持つ。
剣術に関しては天才的な能力を持っており、ミッドフォード家のなかでも一番の実力者である。
豪華客船編での危機には、周囲のゾンビをひとりで一掃するなど、シエルを驚かすほどの腕前である。
これまで可愛い女の子を演じていたのは、「シエルに怖いと思われたくないから」という乙女心からである。
アンジェリーナ・ダレス/マダム・レッド
シエルの母の妹のアンジェリーナ・ダレス。通称マダムレッド。
若い頃、ヴィンセントに報われない恋をしていた。
赤い髪がコンプレックスだったが、ヴィンセントに赤が似合うと言われて赤が好きになった。
今では彼女のトレードマークとなっている。
ヴィンセントのことが忘れられない事実も受け止めてくれた優しいバーネット男爵と結婚し、幸せな結婚生活を送っていた。
男爵との間に子供も授かったが、馬車事故によって夫と子を失い、自身も子供を埋めない体になってしまう。
ヴィンセント・ファントムハイブ
シエルの父ヴィンセント・ファントムハイブ前伯爵。
物腰柔らかく、紳士的な一面の裏では「女王の番犬」となる冷酷な顔も持っている。
シエルがまだ9歳だった頃に何者かの手で殺害されており、屋敷にまで火を放たれている。
学生時代、ウェストン校では紺碧の梟寮の監督生、いわゆる「P4」であった。
ソーマ・アスマン・カダール
ベンガル藩王国の第26王子ソーマは、乳母だったミーナを捜しにイギリスにやってきた。
「逆さ吊り事件」を追っていたシエルたちの前に突然現れて以来、ファントムハイヴ家に居つくようになる。
お調子者の単純な性格で、好奇心が旺盛。
シエルにとってはウザイの一言に尽きる。
シエルの過去を知り、そしてセバスチャンに脅されたこともあってか、当初よりはおとなしくなった。
その後、ファントムハイヴ家が所有する別邸の管理を任されるようになっていたが、後にシエルに駒として利用される。
アグニ
ソーマの執事を務めている。
セバスチャンと同等に戦うなど、人間離れした高い戦闘能力を持っている。
以前は堕落した生活を送っており、死刑になる寸前でソーマに救われた。
それ以来、ソーマを神として慕っている。
逆さ吊り事件には大きく関わっており、それもすべてソーマのことを考えての行動だった。
王室関係者
ヴィクトリア女王
イギリスを治める女王ヴィクトリア。
難事件があると執事を通して、女王の番犬であるシエルに解明を求めている。
しかし番犬の仕事といえども、女王の命令に背いた場合(罪無き者を始末するなど)は厳しく罰する。
原作とテレビ版では、容姿が全く違っている。
原作では年配の女性だが、テレビ版の2期はオリジナルストーリーのため、幼女のような姿となっている。
W.チャールズ(グレイ&フィップス)
ヴィクトリア女王の執事Wチャールズ。
右がフィップス・チャールズで、左がチャールズ・グレイである。
グレイは、ファントムハイヴ家の使用人さえ手が出ないほどの剣術家だが、ヘビとオバケが苦手。
女王の執事としての仕事がどこまでなのか、非常にわかりにくい部分もある。
フィップスはグレイとは違う性格で、基本的にあまり喋らない。
どちらかというと寡黙なタイプである。
また、フィリップスは女子力が高く、フィニアンの帽子の穴を一瞬で刺繍してしまうなど、女王お墨付きの腕前を持っている。
女王の命令は絶対で、何人たりともそれに背くものは許さない。
裏世界の関係者
劉(ラウ)
表向きは貿易会社のイギリス支店長だが、裏の顔は知る人ぞ知る上海マフィアの幹部である。
普段は目をつぶっているが、本性を表した時には目を開くことがある。
シエルに対して本当のことを言っているのか、それともただ奮い立たせているだけの発言なのか掴めないところがある。
よく劉の膝に座っている藍猫(ランマオ)は義理の妹となっているが、劉の言葉だけで行動するため、その詳細はわかりにくい。
死神
アンダーテイカー(葬儀屋)
黒装束をまとい、不気味な笑いが特徴的な銀髪のアンダーテイカー(葬儀屋)。
顔や体に数箇所の傷があり、自分のことを「小生(しょうせい)」と呼ぶ。
彼への情報の報酬には、金品ではなく「極上の笑い」が必要になる。
テイカーの笑いのツボはいまだ明かされておらず、ただ普通に喋っていただけで爆笑することもある。
もともとは死神で、半世紀前に引退している。
本来ならその時点で、死神派遣協会に返却しなければいけないデスサイズを所有している。
「こっそり持ち出した」と本人は言っているが、何のために必要なのかは明かされていない。
アンダーテイカーが「宝物」にしているメモリアルジュエリーには、複数の名前や西暦が刻まれている。
しかし、それが何を意味するのかは不明である。
グレル・サトクリフ
切り裂きジャック事件編で、マダムレッドの執事として登場した死神グレル・サトクリフ。
テレビ版では、あまりにも不甲斐ない執事のため、ファントムハイヴ家に執事修行に行かされている。
赤毛が特徴のオカマで、セバスチャンやウィリアムなどのイケメンを好む。
チェンソーのようにカスタマイズしたデスサイズを使用していたが、派遣協会の許可を得てないとして、ウィリアムに没収された。
ロナルド・ノックス
ちょっと小生意気な、若い死神のロナウド。
「残業をしない」というのを前提に、卒なく仕事をこなす。
芝刈り機のような形をしたデスサイズを所有している。
ノアの方舟サーカス編で初登場した。
ウィリアム・T・スピアーズ
死神派遣協会の管理課に所属する死神ウィリアム。通称はウィル。
几帳面な性格で、規則違反に対しては決して許さない態度をとる。
よくグレルの後始末をさせられており、そのことを愚痴っていることが多い。
ノアの方舟サーカス編に登場
ケルヴィン男爵
慈善団体を営んでいたケルヴィン男爵は、ファントムハイヴ家に魅了され、執着するようになる。
「仲間に入れてもらうには美しくなければならない」としてフランス人形のような顔に整形したが、成功したか否かは明かされていない。
サーカス団を使って子供を誘拐して薬漬けにし、不気味な見世物で喜びを感じるなど、次第に変態になっていった。
ジョーカー
幼い頃から右腕がなく、ドブのような生活をしていたジョーカー。
仲間とともにケルヴィン男爵に救われた過去を持つ。
それ以来、男爵を「お父様」と呼び、多大なる恩義を感じている。
犯罪だと知りつつも、男爵の命令には逆らうことができない。
子供達を誘拐していたが、シエルたちによって暴かれ、「女王の番犬」の命によって始末されてしまった。
ファントムハイヴ家連続殺人事件編に登場
アーサー
『ファントムハイヴ連続殺人事件編』で登場する、眼科医で売れない小説家のアーサー。
ファントムハイヴ家の夜会に招待された際に起きた殺人事件でセバスチャンの正体を知り、口止めの契約を交している。
話せない思いと恐怖をぶつけるため、数多くの作品を生み出した。
豪華客船編に登場
リアン・ストーカー
『豪華客船編』でゾンビを生み出した暁学会の会長リアン・ストーカー。
死者蘇生の開発をしていたが、開発は失敗し、その結果船内は地獄と化した。
しかし、実際はアンダーテイカーに利用されていただけだった。
彼自身はカンパニア号沈没により転落死している。
女性に大人気の『黒執事』の劇場版が2017年1月21日から公開されている。原作には出ないWチャールズも登場して、「豪華客船編」をド迫力で描かれている。死者蘇生の噂を聞いた女王からの指示に、シエルとセバスチャンが客船に乗り込む!
寄宿学校編から登場
プリーフェクト4
P4とは、ウェストン校の寮を代表する4人の監督生である。
現P4はヴィクトリア女王のデリックを衝動的に殺害し、それを隠蔽するため暁学会に死者蘇生を依頼した。
シエルによって真相が暴かれた後は、女王により事件をもみ消されて退学処分となった。
しかしその後、意外な形で『青の教団編』に登場する。
緑の魔女編から登場
ジークリンデ・サリヴァン
ドイツにある狼の谷の若き領主で、緑の魔女でもあるサリヴァン。
究極魔法を完成させているというが、実際は細菌兵器を作らされていた。
事実を知って絶望するが、シエルの計らいによってヴィクトリア女王と謁見し、援助を受けながらイギリスで小さな病院を営んでいる。
ヴォルフラム・ゲルツァー
サリヴァンの執事を務めていたゲルツァー。
その正体はドイツ軍人であった。
サリヴァンの側にいるうちに次第に情が芽生え、サリヴァンを命懸けで守ってイギリスの地にやってきた。
その後もサリヴァンの護衛として働いているが、いまだに英語が覚えられていない。
その他の登場人物
ドルイット子爵
あらゆる場面に登場するドルイット子爵。
『黒執事』でのギャグ担当といっても過言ではないだろう。
どんな環境下におかれても必ず生き延び、決して死なないだろうと考えられている存在である。
ここぞという場面でチャラチャラしながら登場する。
周囲をイラつかせる存在としてファンからウケている。
女性に人気のダークファンタジー『黒執事』では、いくつもの大事件が展開される。2017年には「豪華客船編」が『Book of the Atlantic』として劇場版で公開された。ここではそれらの物語をポイントごとに紹介・解説する。
参考元
- ・『黒執事』単行本1~24巻スクウェア エニックス
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
合わせて読みたい
このニュースに関連する作品と動画配信サービス