『文豪ストレイドッグス』は、かの有名な文豪たちを擬人化した異能力バトルです。文豪たちに関わった小説や詩をテーマにした異能力を使い、難事件を解決に導いていきます。現代では決してありえない顔合わせを実現した『文豪ストレイドッグス』の魅力を紹介します。
『文豪ストレイドッグス』の概要
朝霧カフカ原作の漫画をアニメ化!
『文豪ストレイドッグス』は、2013年から「ヤングエース」にて連載中の、異能力バトルアクションです。
原作・朝霧カフカ、原画・春河35による、漫画を原作としてアニメ化。
2016年4月に第1期、2016年10月には第2期が放送されました。
コミック本は、2017年1月現在410万部を突破し、全国の書店員が選んだおすすめコミックで、11位を誇る人気作品です。
実在した日本の文豪たちがイケメン化して登場!
偉大な文豪たちが異能力バトルしたら絵になる、という朝霧カフカの案で生まれた作品で、誰もが知っている有名な文豪たちが、キャラクターとなって登場します。
しかもキャラの異能力は、太宰治なら『人間失格』、芥川龍之介ならば『羅生門』など、本人との関わりあるものが元となっています。
また、登場人物のほとんどが魅力あるキャラクターに仕上がっており、本人の性格や容姿などを参考にしていると思われる節があります。
コミカルな部分を含めながら、シリアス展開も忘れない。
それでいて、実はイケメンキャラの多い、女子にも嬉しい作品です。
『文豪ストレイドッグス』あらすじ
中島敦は、孤児院を追い出され、食べるものも金もないまま、横浜を放浪していました。
そんな時、鶴見川で浮いていた太宰治を助けたことをきっかけに、探偵社を手伝うことになったのです。
ちょうど探偵社に依頼されていた「人食い虎」を追う事件で、敦は太宰治に同行しました。
出現すると思われる倉庫で、ふたりは虎が出現するのを待っていたとき、敦はその虎が自分だと、太宰治にいわれたのです。
敦は無意識に「月下獣」の異能力を使い、虎に変身していたのです。
そして、孤児院を追い出されたのも、その姿で徘徊していたのが理由だったと気づいたのです。
敦は動揺し、異能力の「月下獣」を制御できず、人虎に変身して、太宰治に襲い掛かかってしまいます。
しかし、太宰の「人間失格」能力によって異能力が無効化され、沈静させられました。
そのうえ太宰は、敦が探偵社へ入社できるように、尽力してくれたのです。
『文豪ストレイドッグス』での異能力とは
変わった設定の異能力が魅力
常識では決して考えられない能力、それが異能力で、体の一部を変化させるものから忌み嫌われるものまで様々です。
攻撃的なものや、非攻撃的なもの、精神操作できるものまでと、幅広い種類があります。
また、治癒能力があるものは非常に珍しいので、所有している能力者は少数しか存在しません。
なかには、自分が能力者だと気づかない者もいたり、異能の種類によっては差別されたりということもあります。
うまく制御できれば成功することもありますが、それができない場合は、自滅してしまうこともあるのです。
異能を扱った仕事には「異能開業許可証 」が必要
能力者が開業するには、内務省異能特務課の種田長官の発行する、許可証が必要になります。
この許可証を取得することによって、異能力者たちが合法的に能力を使用することが許可されます。
しかし、政府内において内務省異能特務課の存在は無いものとされているので、裏金を積めば取れるというものではありません。
あくまでも、種田長官が認めた者のみ発行されます。
過去に、ギルドのフィッツジェラルドが、福沢諭吉に許可証を譲るよう、直談判したこともあります。
それほど、許可証を取得するのは難しいということなのでしょう。
危険な以来を引き受ける「武装探偵社」
特定危険種の社員:中島敦
本作の主人公、中島敦は、銀髪でアシンメトリーの髪型が特徴。
ヘタレと呼ばれるほど気弱な人物ですが、自分より人のことを考える、優しい人物です。
太宰治と出会い、武装探偵社に入社しましたが、孤児院で虐待されていたことがトラウマになっていて、自分に自身がもてません。
中島敦の異能力は「月下獣」で、大きな白虎に変化します。
動きも俊敏になり、銃で打たれても銃弾を通さないほど、強固になります。
この月下獣は、特定危険種として、政府管理の下保護対象となっています。
腕がなくなろうと、足がもげようと、もの凄いスピードで元の体にもどる治癒能力もあります。
完全体に変化すと、自分では制御できなくなります。
武装探偵社に入社してからは、福沢諭吉の能力により、部分的に変化させたり、自分の意志で能力を解放したりと、制御できるようになりました。
この異能力の名は、文豪・中島敦の短編小説『山月記』のなかで、虎に変身した主人公を基にしています。
自殺が趣味の社員:太宰治
掴みどころのない性格で、何を考えてるか分からない太宰治。
体のあちこちに包帯を巻いていますが、その理由は明かされていません。
自殺マニアで、当初はひとり自殺希望でしたが、その後は、美しい女性との無理心中に憧れています。
前職が何かは探偵社内の七不思議で、当てたら70万円の賞金がもらえるといいます。
しかし、その前職はポートマフィアの史上最年少幹部であり、芥川を教育していたことがあります。
ある事件をきっかけにマフィアから足を洗っています。
太宰の異能力は、「人間失格」で、他者の異能力を無効化することができます。
太宰が直接触れた能力者は、能力を使うことができなくなります。
この異能力の名は、文豪・太宰治の中篇小説『人間失格』が基になっています。
現実主義者の社員:国木田独歩
太宰治の相棒の国木田独歩は、スーツに身を包み、眼鏡をかけたインテリ風の人物です。
真面目で、常に「理想」と書かれたメモ帳を持ち歩いています。
メモ帳には、予定や計画がきっちり書き込まれており、自身の理想の女性像についても書きこんでいます。
太宰が、予定外の行動をおこすと激怒します。
冗談が通じないほど、曲がったことが嫌いな性格で、敦に厳しい反面、褒める一言を発するなど優しい一面も覗かせます。
国木田独歩の異能力は、「独歩吟客(どっぽぎんかく)」で、手帳に書いた言葉を具体化することができる能力です。
文豪・国木田独歩の数あるペンネームのひとつが基になっています。
自由奔放の社員:江戸川乱歩
江戸川乱歩は、いつもニヤケ顔をしていて、探偵社では一目置かれている人物です。
推理能力は一級ですが、電車の乗り方を知らないなど、一般的な常識はしりません。
推理に関しては、10秒もかからず全てを見抜き、はずしたこともありません。
乱歩の異能力は、眼鏡をかけると異能力が発動する「超推理」で、犯人から犯行時間、証拠品にいたるまで、全て分かってしまいます。
本人は異能力を使っていると思っていますが、実際は乱歩本人にずばぬけた観察力や推理能力があるだけで、異能力があるわけではありません。
しかし、異能力者と同等に渡り合えることから、探偵社の社員たちから尊敬されています。
乱歩は異能力者ではないため、「超推理」という名も、文豪・江戸川乱歩と関わりづけていません。
武装探偵社社長:福沢諭吉
武装探偵社の社長・福沢諭吉は、社員思いの人物で、かつては用心棒をしたこともあるほど、武道に長けています。
敦がマフィアにさらわれたときも、本業をストップさせて救出に向かわせ、マフィアにいた鏡花を敦が連れてきたときも、探偵社に迎え入れました。
福沢諭吉の異能力は、「人上人不造(ひとのうえにひとをつくらず)」で、異能を制御することが出来ます。
敦もこの能力のおかげで、自身の月下獣を制御できるようになりました。
この異能力の名は、教育者・福沢諭吉の『学問のすゝめ』の一節を基にしています。
一番温和な社員:谷崎潤一郎
谷崎潤一郎は、探偵社のなかでも一番温和な性格で、めったに怒ることはありません。
妹のナオミから、かなり挑発的なスキンシップを受けていますが、そのことに関しては深く追求してはいけないという暗黙のルールもあります。
しかし、ナオミが危機に陥ったときは、一転し我を忘れてしまうことがあります。
また、戦闘能力ではないため、重傷を負ってしまうことも。
谷崎の異能力は「細雪」で、雪を降らせることで、空間内に幻影を投影することが出来ます。
自分の体をそのスクリーンの背景に上書きして、姿を消すことも可能。
この異能力の名は、文豪・谷崎潤一郎の同名長編小説『細雪』が基になっています。
最年少の社員:宮沢賢治
宮沢賢治は、探偵社のなかで最年少の社員で、社内での成績は優秀です。
しかし、以前は狭いコミニュティで生活していたせいか、動物でも人でも話せばきっと通じ合えるという独特な思考をもっています。
たとえ犯人が嘘をついたとしても、それを信じるという、探偵向きではない捜査方法を行います。
かなりオリジナル性のある捜査方法なので、他の社員の参考にはなりませんが、警察からは何度も表彰される実力の持ち主です。
異能力は「雨ニモマケズ」で、体が頑丈になり、車も片手で持ち上げるほどの怪力を発揮します。
しかし、あくまで空腹時のみで、満腹時には寝てしまいます。
この異能力の名は、文豪・宮沢賢治の詩が基になっています。
医師で社員:与謝野晶子
与謝野晶子は、自分の能力を生かして探偵社で医療を担当していますが、社員たちにはなぜか恐れられています。
死を軽視したり、女性に対して屈辱的な態度をとるものは、一切許しません。
与謝野晶子の異能力は、「君死給勿(きみしにたもうことなかれ)」で、異能力のなかでも珍しい、治癒能力です。
しかし、瀕死の状態にしか使うことが出来ず、怪我人程度の場合は瀕死状態にしてからでないと治療することは出来ません。
自身の体に関しても同様で、敵と戦って怪我を負ったとき、わざとやられて瀕死状態になってから復活します。
この異能力の名は、文豪・与謝野晶子の詩が基になっています。
元ポートマフィアの殺し屋:泉鏡花
泉鏡花は、孤児だった幼い頃、ポートマフィアに拾われ、暗殺者に育て上げられました。
6ヶ月で35人を殺害しましたが、本当はもうひとりも殺したくないと感じていました。
しかし鏡花は、自分で異能力を解放することが出来ず、ただ電話で操られていただけだったのです。
中島敦と出会ってから、探偵社に身を寄せるようになりました。
実在する泉鏡花は男性ですが、アニメでは女性キャラとして登場しています。
鏡花の異能力は、「夜叉白雪(やしゃしらゆき)」で、戦闘能力に特化した能力です。
白い女性を召喚し、素早く斬り込みをいれるなど、その高い戦闘能力をマフィアに利用されていました。
この異能力の名は、泉鏡花著書の『夜叉ケ池』に登場する竜神・白雪姫が基になっています。
港を牛耳る凶悪なポート・マフィア
殺戮特化能力者:芥川龍之介
芥川龍之介は、ポートマフィア首領直属の遊撃隊に所属しており、武闘派組織「黒蜥蜴」をも動かすことができる権力を持っています。
冷徹で残虐な殺人を繰り返す、非情な性格です。
かつてマフィアの幹部だった、太宰治に教育されていた時期もあります。
芥川の異能力「羅生門」は、着用しているコートの姿形を自由自在に変え、あらゆるものを切り裂くことが出来る殺戮特化能力です。
この異能力の名は、文豪・芥川龍之介の短編小説『羅生門』が基になっています。
個性的な異能力はまさに見どころ
この作品は、かの有名な文豪達にちなんだ、個性的な異能力が魅力です。
あまり類を見ない能力設定は、文豪たちに関わるものであり、キャラ=異能力と位置づけのしやすさも見事です。
また、江戸川乱歩のように特異ではない人物には、本人の特徴をいかした能力設定にするなど、手を抜くこともありません。
一風変わったこの異能力には、なるほど!と納得できる魅力があり、次は誰がどんな異能力を出すのか、気になってしまいますね。
偉人が擬人化することに引き寄せられる!
『文豪ストレイドッグス』では、文豪たちが擬人化するという珍しい展開に、ぐいぐい引き寄せられてしまいます。
武闘探偵社に集まっている人物は、現実では絶対にありえない、かつての文豪たちが顔を揃え、協力して難事件を解決に導いています。
まさに、彼らの才能をこの目で追っていくことができるなんて、まるで夢のようではありませんか。
その現実離れした設定に、引き寄せられてしまうのが、この『文豪ストレイドッグス』なのです。
ぜひあなたも、擬人化した文豪たちを、その目で追ってみてはいかがですか?
参考元
- ・参照リンク:文豪ストレイドッグス - Wikipedia
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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