製作資金の一部をクラウドファンディングで調達したことでも話題を呼んだ、梁旋監督&張春監督のタッグ作『紅き大魚の伝説』。中国の本領発揮アニメと名高い本作の見どころを4選ピックアップしました!
『紅き大魚の伝説』あらすじ
不思議な別世界に暮らす、神でも人間でもない少女チュン。16歳を迎えたチュンは成年式の日に赤いイルカに姿を変え、“自然の摂理”を観察するため人間界へと送られます。
7日間の短い期間、チュンは人間界の美しい景色をたくさん目に焼き付けました。そして7日目、元の世界へ戻る日。チュンは人間が仕掛けた罠に捕まるイルカの大軍を目にし、自身も罠に捕まってしまいます。身動きが取れなくなったところを、1人の心優しい青年に助けられるチュン。しかし、青年はチュンを助けたことで波にのまれ、命を落としてしまいます……。
元の世界へ戻ったチュンは、自らの命を呈し救ってくれた青年に恩を感じ、彼を生き返らせようと人間の魂を管理する者と取引をします。そうしてチュンに託されたのは、青年の魂が姿を変えた小さな魚でした。チュンは青年を生き返らせるため、その小魚に「クン」と名付け、大魚へと育てることになります。
その禁じられた行いが、予期せぬ未来を招くことになるとは知らずに……
『紅き大魚の伝説』見どころ4選
Point1.中国の文化が香り立つ映像美。異国情緒溢れる独特な世界観
『紅き大魚の伝説』の見どころは、まずその映像美と世界観です。
冒頭から圧倒される、海の描写。そして人間界とは“別世界”であるチュンたちが暮らす世界ですが、服装や食べ物、住居、小物類、色彩など、随所に中国の伝統や文化が香り立ち、美しく際立っています。
また、世界には『人間界』と空の上の『天界』、そして地底の『別世界』があり、そこで暮らす彼らが人間界の“自然の摂理を管理している”という世界観も独創的です。
風や水を操り、一見神とも思える彼らの存在。しかし神とは異なる存在で、彼らにもまた生活や家族、寿命があるという点が、本作のポイントとなっています。
Point2.とにかく魚(イルカ)がカワイイ!
冒頭でチュンが扮する赤いイルカもとても可愛らしいのですが、青年の魂が姿を変えた「クン」が表情豊かでとても愛らしい!ついついチュンと同じ目線に立って、クンの成長を見守り応援したくなります。
作品の中ではサカナと呼ばれているクンですが、その見た目はまるでイルカやクジラのよう。チュンとの間に絆が育まれていく様子は、男女の愛とはまた違った親子の愛にも似たものを感じ、心温まります。
Point3.涙腺崩壊!みんな“誰か”を守ろうとしているだけなのに…
青年がイルカになったチュンを守ってくれたように、チュンもまたクン(青年の魂)を守りたいと奔走します。チュンに想いを寄せる幼馴染チウはチュンを、チュンの両親もまた家族を、チュンが暮らす世界の者も家族や世界を守ろうと奔走します。
みんな大切な誰かを守ろうとしているだけなのに、歯車が掛け違って争いや犠牲が生まれ、そのもどかしさに胸が押し潰されそうに…。
Point4.心に響く、『紅き大魚の伝説』根底のテーマとは
宋の時代の思想家・荘子(そうし)の古典である『荘子(そうじ)』をはじめ、中国の神話や古文書を題材にしている本作。中でも『荘子』に登場する大魚にまつわる「鯤(こん)」と呼ばれる話しがストーリー元となっているそうです。
荘子(そうし)は、「物はとどまることなく変化し続ける」とし、「人間の『知』は本来無限定である自然を限定してしまうものである。そのため選択を捨て、全てをあるがままに受け入れることが必要だ」とする『不知の知』の概念を説いたとされています。
『命』という自然のもたらすものにどう向き合い、どう生きるのか。全てをあるがままに受け入れるとは、いったいどういうことなのか。我々は長いようで短い『一生』とどう向き合えば良いのか…。
物語の冒頭と最後に流れるチュンの語り部に耳を澄まし、我々視聴者はその想いをどう受け止めるのか。是非、考えてみて下さい。
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