枢やな原作によるダークファンタジー『黒執事』。2006年に連載がスタートしてから絶大な支持を受けている人気作品。特に女性ファンが多く、ふたりの主人公の行く末を見守っている。女性を惹きつける『黒執事』にはどんな魅力があるのか紹介していく。
”悪の貴族”とそれに仕える執事の裏家業を描く『黒執事』
2006年から現在も連載中の、枢やな原作のダークファンタジー『黒執事』は、女性に最も人気の作品であり、2008年から2014年の間にアニメ3期まで放送されている。
舞台は19世紀の英国。
悪魔と契約した12歳の少年シエルは、闇の仕事を請け負う悪の貴族、ファントムハイヴ家の現当主である。
いつもシエルの側にいるのは、執事のセバスチャン。
日常的なことから”始末”まで、どんな命令も卒なくこなす完璧な執事である。
2017年には初となる劇場版も公開され、女性ファンはさらにヒートアップ!
劇場版の舞台は豪華客船。劇場版を観る前に、まずはアニメをチェックしてみよう!
『黒執事』主要キャラクター
シエル・ファントムハイヴ
ファントムハイヴ家の当主で、悪の貴族と呼ばれているシエル・ファントムハイヴ伯爵。
代々、ファントムハイヴ家は女王陛下に忠誠を誓っている家柄だが、シエルもまた当主として忠誠を誓っている。
女王から不定期に依頼される事件を探り、セバスチャンを率いて解決していく。
シエルの執事セバスチャン・ミカエリス
シエルと契約している執事のセバスチャン・ミカエリス。
この名は、シエルから契約のときにつけられた名で、本当の名は別にある。
日常の家事から料理、主人のあらゆる命令に忠実に従う執事である。
しかし実際は、過去にシエルが召喚したと思われる悪魔。
シエルが両親を殺害した犯人に復讐を果たすまで契約を交わしている。見返りはシエルの魂である。
オネェな死神グレル・サトクリフ
グレル・サトクリフは、表向きはシエルの叔母マダムレッドの執事。
その実体は死神で、セバスチャンとも戦った。
しかし、その時使っていたデスサイズ(死神の武器)が許可申請をしてないとして、取り上げられた上に降格された。
その後は何かと登場シーンも多く、セバスチャンに恋する乙女(オカマ)と化している。
シエルとセバスチャンが交わした契約
シエルは、両親が殺され、ファントムハイヴ家も焼き払われてから消息不明となっていた。
気がつくとおかしな趣向の大人たちに捕まっていて、儀式でも行うかのように、体中をナイフで刺されてしまっていたのだ。
瀕死の中、シエルは悪魔・セバスチャンを召喚し、契約したのである。
契約の内容は、両親を殺した犯人に復讐する手伝いをする代わりに、魂を渡すというものであった。
ただ、魂を渡すのはあくまでも復讐を果たした後であって、それまでセバスチャンはシエルの命を守る義務もある。
果たせぬ間は、シエルを死なせるわけにはいかないのだ。
またシエルには、セバスチャンに対する絶対の命令権も与えられている。
女王から直々に依頼される闇仕事
代々ファントムハイヴ家は、裏家業を営んでいた。
両親が存命だったとき、シエルは子供だったので、そんなことは知る由もなかったが、当主となってから引き継いでいる。
不定期に女王から、手紙で依頼される。
そこに書かれた問題を解決していくのもシエルの仕事である。
しかし裏家業への依頼で、解決方法に決まりは無い。
「解決さえ」してしまえばいいのである。
たとえ犯人を殺したとしても、関係ないのだ。
女王が心痛める事件、たとえば多くの子供たちが行方不明となっている事件を解決しろという命令があれば、犯人を全滅したとしても、その事件は解決となる。
事件解決については、あくまでも、シエルの判断で行動して良いということになる。
もちろん事件解決後には、女王への報告義務がある。
ファントムファイヴ家の使用人も凄かった!
いろいろと忙しいシエルだが、ファントムハイヴ邸を留守にすることも多い。
セバスチャンも同行しているので、邸宅はそのあいだ使用人が守っている。
使用人はメイリン、バルドロイ、フィニアンの3人と、先代からファントムハイヴ家に使えている老人タナカの4人。
一見ダメっぷりを発揮しているが、実はこの使用人たちが凄いのである。
メイリンは元スナイパーで、超遠視でスコープ無しでも、遠くの敵を仕留める事ができる。
バルドロイは過酷な戦地で、全員死亡のなかひとりだけ生き残った最強の兵士である。
またフィニアンは、最強人間実験の途中で逃げ出した兵器人間で、超怪力の持ち主。
3人は過酷な状況のなか、シエルやセバスチャンに助けられ、ファントムハイヴ家に忠誠を誓って仕えている。
また、シエルやセバスチャンが不在のときは、ファントムハイヴ邸を守る役目を担っている。
タナカは、普段はミニキャラだが、ごく稀にリアルタナカになることもある。しかし、その姿は3分しかもたない。
一見普通のおじいさんのようなタナカだが、これでかなり強いのである。
ファントムハイヴ家の執事でいられる理由も、アニメを観て頂けると良く分かるのではないだろうか。
繊細な絵のタッチと歴史を織り込んだ時代背景
『黒執事』の魅力は、絵タッチがとても繊細であること。
ダークファンタジーではあるが、優しいタッチで描かれている。
風になびく髪にいたっても、細やかさがうかがえる。
そして、当時の歴史を感じられる時代背景も大きな魅力となっている。
当時の執事の仕事は、主の給仕や接客、身支度や教育、アイロンがけやスケジュールの管理などさまざまだが、セバスチャンがまさにそれを行っている。
また、シエルが身につけている服や杖、馬車や街並みなど、細部にまで当時を忠実に表現しているのだ。
当時の英国貴族がどのような生活を送っていたのか、人々はどういう暮らしをしていたのかなど、アニメを楽しみながら知ることもできるのである。
所々に散りばめられた伏線と完璧な回収
『黒執事』には、気付かないくらい自然に伏線が盛り込まれている。
また、伏線に気がつかなくとも楽しめるというのも『黒執事』の愛される理由のひとつなのである。
ほんのちょっとしたところにある伏線に、気がつかない方は多いだろう。
たとえば、シエルの髪の分け目の違いで何か気づかないだろうか。
シエルの過去シーンは度々登場するが、分け目が右と左になっていることがある。
これはファンの間で、「シエルの双子説」といわれている。
刺されたはずの”シエル”だが、檻に入れられてる際、血ひとつながれていないし、傷も見当たらない。
かなり不自然なシーンではないだろうか。
また、アンダーテイカーがハントムハイヴ家と何か関わっているようなことを匂わせているシーンも観られる。
そういったちょっとした伏線が所々に忍び込んでいる。
しかしその伏線は、読者や視聴者のトキメキと想像力を豊かにしているものもあり、すべてが回収されるわけではない。
大抵の事件での伏線はその都度、回収されているが、大本となっている伏線は、じわりじわりと回収されていくのである。
ファンはそんな細かいところまで探りながら、『黒執事』を楽しんでいるのである。
原作とアニメの違い
1期は原作の4巻あたりまでがアニメ化されているが、ストーリーも少しオリジナルになっている部分がある。
また、原作に登場しないキャラや、女王が少女のようになったりと、かなりのアレンジも加えられている。
アニメ1期の最終回では、ついにシエルの願いを叶えたのか!?という微妙なところで幕を閉じる。
しかし、叶えてしまっては物語が続かない。
もともとシエルは、自分が味わった屈辱と怒り、それを犯人にも味あわせてやるつもりでいるのである。
殺してしまっただけでは、それを果たしたことにならない。
たとえ相手が死んでしまったとしても。
原作では、このようなストーリーにはなっていないので、この辺りはオリジナルのようである。
またアニメ2期は完全オリジナルストーリーであったが、アニメ3期では本編に戻ってくる。
伏線の考察が好きな方は、ぜひとも原作の方でチェックしてみてはいかがだろうか。
深みにハマること間違いなし。
劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」2017年1月21日(土)全国ロードショー
参考元
- ・『黒執事』コミック本㈱スクウェア・エニックス
- ・参照リンク:「黒執事」 | バンダイチャンネル
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