プロ野球では、通算本塁打記録や通算試合出場記録など華やかな成績がある裏で、注目はされていないけど実はスゴイ記録というのが幾つも存在します。 今回は、「こんな記録があったんだ」、「ある意味スゴイ記録だな」という珍記録をご紹介いたします。
1試合最多四死球記録(26個)
出典:2017年4月1日「阪神対広島」
9回までに両チーム13個ずつの四球。
計26個の四球を与えました。
広島は先発投手が4回までで7四球。
救援した4投手が計6四球と大荒れでした。
一方の阪神も先発投手が5四球。
救援した3投手が8四球と両チーム投手陣が四球を量産しました。
この試合は延長10回に広島がサヨナラ勝ちを収めました。
ちなみに、1試合26四球は、1リーグ時代の1937年9月12日に行われた「金鯱対ライオン」以来の珍記録となりました。
ノーヒットノーラン未遂3回
西口文也
野球ファンの間では有名な、元西武ライオンズ西口文也のノーヒットノーランおよび完全試合未遂。
1度ではありません。その数なんと3度。
伝説の投手の仲間入りはできませんでしたが、ある意味伝説になった3試合を紹介します。
2002年8月26日「西武対ロッテ」
ある意味伝説の始まりとなった試合です。
この日の西口は、9回2アウトまで無安打1四球という完璧な内容でロッテ打線を抑えてきました。
ノーヒットノーランまであと1人。
しかし、無情にも打球はセンター前へ。
9回2アウトから初安打を許し、惜しくもノーヒットノーランを逃してしまいました。
続く打者にもヒットを打たれたため、9回2安打1四球完封勝ちとなりました。
2005年5月13日「西武対巨人」
1回目のノーヒットノーラン未遂から3年後。
交流戦の巨人戦で再びノーヒットノーランのチャンスが。
この試合も9回2アウトまで1死球に抑えていました。
強力打線の巨人相手にノーヒットノーラン達成なるか、という場面でなんとホームランを打たれてしまいました。
交流戦で初めての、そして西武ドームで初めてのノーヒットノーラン達成者になるはずでした。
9回1安打1四球1失点という普通の完投勝利となってしまいました
2005年8月27日「西武対楽天」
2度あることは3度あるというのは、正にこのことでしょうか?
あの巨人戦から3か月後、再びチャンスが。
この試合はなんと1人の走者も出さない完璧な投球で9回終了時点で完全試合でした。
しかし、西武打線も楽天の先発投手を捉えることができず0対0で延長戦に突入します。
すると延長10回、ヒットを打たれてまたしても完全試合ならず。
この回は四球も1つ与えたので1安打1四球。
味方がその裏にサヨナラ勝ちをしたので、結果10回1安打1四球の完封勝利。
延長戦で完全試合を逃したのは、長いプロ野球の歴史で西口が初めてだそうです。
13球団から勝利
プロ野球はセパ12球団しかないのに、13球団から勝利ってどういうこと?
と思った方もいると思います。
13球団というのは、現在ある12球団と2004年限りで消滅した近鉄バファローズのことです。
長く現役を続けていることと、セパ両方の球団でプレーしたことがないと達成できません。
しかし、過去に1人だけ13球団から勝利した投手がいるんです。
工藤公康
現ソフトバンク監督を務める工藤が、プロ野球史上唯一13球団から勝利した投手です。
現役時代は西武・ダイエー・巨人・横浜・西武の順でプレーしていました。
2007年7月24日の「横浜対巨人」の試合で、当時横浜の工藤は中継ぎで登板し、その裏に味方が勝ち越したことで勝利投手となりました。
この瞬間に、史上初の13球団から勝利した投手となりました。
連続打席無本塁打
野球の醍醐味は「ホームラン」というファンも多いことと思います。
しかし、長くプレーしていても、デビュー以来1度もホームランを打ったことがないという選手や、久しくホームランを打っていない選手というのもいます。
連続打席無本塁打記録を持っているのは、誰もが知っているあの有名選手なんです。
赤星憲広
元阪神タイガースの「レッドスター」こと赤星憲広。
プロで1本もホームランを打ったことがない、というわけではありません。
2001年~09年の9年間で通算3本のホームランを打っています。
2005年にプロ3本目のホームランを打って以降、引退する2009年まで1本もホームランを打ちませんでした。
その打席数は2528打席。
怪我で若くして引退したため、もう少し現役を続けていればさらに記録が伸びていたかもしれません。
岡田幸文
現千葉ロッテマリーンズの岡田幸文は、プロ入り以来1本もホームランを打ったことがありません。
打席数で言うと2016年終了時点で2443打席。
赤星は、ホームランは打ったことがあるため、「デビュー以来の連続打席無本塁打」となれば、現在日本記録となっています。
赤星の記録まであと80打席ほどであるため、2017年シーズンで記録更新の可能性があります。
3連覇したのに日本シリーズ出場は1回!?
現在はクライマックスシリーズが導入されたことで、レギュラーシーズンで3位までに入ると日本シリーズ出場の望みをつなぐことができます。
このクライマックスシリーズが無ければ、3年連続で日本シリーズに出れたのに・・・
というなんとも悲運な球団があるんです。
福岡ダイエー/ソフトバンクホークス
その悲運な球団というのが、現在の福岡ソフトバンクホークス。
当時は福岡ダイエーホークスでした。
2004年から導入されたクライマックスシリーズ(当時は「プレーオフ」という名称)が悲劇のドラマを生むこととなりました。
2003年・リーグ優勝日本一
ダイエーは2003年にパリーグを制し、日本シリーズ出場を果たしました。
当時はまだクライマックスシリーズが導入されていませんでした。
闘将・星野仙一監督率いる阪神タイガースを4勝3敗で破り日本一に。
2004年・リーグ優勝するもプレーオフ敗退
2004年もダイエーが圧倒的な強さでパリーグを制しました。
昨年までならそのまま日本シリーズでしたが、この年から導入されたクライマックスシリーズが待ち受けます。
なんとそこで、レギュラーシーズン2位の西武ライオンズに敗れてしまいます。
リーグ優勝したのに、日本シリーズに出場できませんでした。
日本シリーズに出場した西武は、セリーグ覇者の中日ドラゴンズを4勝3敗で破り日本一となりました。
2005年・リーグ優勝するもプレーオフ敗退
2005年は「福岡ソフトバンクホークス」にチーム名がを変わった初年度。
この年もレギュラーシーズンは危なげなく制し、昨年のリベンジを果たすべくクライマックスシリーズに臨みました。
しかし、結果はレギュラーシーズン2位のロッテに敗れ、またしても日本シリーズ出場ならず。
ソフトバンクを倒したロッテが勢いそのままに、日本シリーズでは阪神相手に4連勝を飾り日本一に。
1イニング3打席
試合展開によっては、1試合に3打席しか回ってこないこともある中で、1イニングで3打席回ってくるというのは一体どういう状況だったのでしょうか。
プロ野球史上1人しかいない、1イニングで3打席入った選手は、現在も現役としてプレーしている選手です。
大松尚逸
元千葉ロッテマリーンズで、現在はヤクルトスワローズに所属しています。
この記録が生まれたのは、2009年6月11日の交流戦「ロッテ対広島」
6回の裏に打者20人の攻撃で15得点を挙げるというプロ野球新記録となる猛攻がありました。
大松は、その回の先頭打者として打席に立ち、その後打者一巡して1イニング2打席目に。
それでも攻撃は終わらずなんと打者2巡目に入り1イニングで3打席目に。
この回の最終打者となったため、唯一1イニング3打席に立った打者となりました。
参考元
- ・参照リンク:NPB.jp 日本野球機構
- ・オフィシャル・ベースボール・ガイド2017 (プロ野球公式記録集)単行本
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