1933年に初めて公開されて、当時としては画期的な視覚効果で観客に衝撃を与えた特撮映画が「キング・コング」です。アメリカを代表する怪獣映画の「キング・コング」シリーズ最新作となる「キングコング:髑髏島の巨神」が3月25日から公開が開始されます。そんな「キング・コング」シリーズを第1作目からの最新作までの、それぞれの映画の違いや魅力を紹介します。
- 画期的な映像が映画ファンを興奮させた1933年度版「キング・コング」①
- 画期的な映像が映画ファンを興奮させた1933年度版「キングコング」②
- 日米の最強怪獣が夢の共演を果たした「キングコング対ゴジラ」①
- 日米の最強怪獣が夢の共演を果たした「キングコング対ゴジラ」②!
- 現代を舞台にした1976年版「キングコング」①
- 現代を舞台にした1976年版「キングコング」②
- オリジナルへのリスペクトに溢れた2005年版「キング・コング」①
- オリジナルへのリスペクトに溢れた2005年版「キング・コング」②
- オリジナルへのリスペクトに溢れた2005年版「キング・コング」③
- 30メートルの巨大コングが登場する最新作「キングコング 髑髏島の巨神」①
- 30メートルの巨大コングが登場する最新作「キングコング 髑髏島の巨神」②
- ゴジラとの対決を控えるキング・コング!
画期的な映像が映画ファンを興奮させた1933年度版「キング・コング」①
「キング・コング」の第1作目が公開されたのは1933年です。
ストーリーは、映画監督のカール・デナムとその一行が、「スカルアイランド」という地図に載っていない謎の孤島に出発します。
彼らがたどり着いたその島には、太古から生き延びた恐竜たちが生息する驚異の世界が広がっていました。
そんなスカルアイランドに住む未開人たちに神のように崇められるのが体長約7メートルという巨大な猿のキング・コングでした。
デナム一行は爆薬を使ってキング・コングを捕えることに成功しますが・・・・。
この1933年度版の「キング・コング」で何よりも画期的だったのは、静止している人形を1コマずつ動かしていく
ストップモーション(コマ撮り)という技術でした。
この映画で特殊効果を担当したのは、ストップモーションアニメの先駆的人物であるウィリス・オブライエンです。
ウィリス・オブライエンは、「キング・コング」公開の8年前に「ロスト・ワールド」という映画でストップモーションを用いて非常にリアルな動きの恐竜をスクリーンに登場させました。
「ロスト・ワールド」でのノウハウを活かした「キング・コング」のストップモーション映像は非常に素晴らしいものでした。
まるで本当に生きているかのようなキングコングや恐竜たちの映像は、当時の観客に衝撃を与えました。
画期的な映像が映画ファンを興奮させた1933年度版「キングコング」②
1933年版の「キング・コング」は、「ゴジラ」や「ウルトラマン」シリーズの特撮でもおなじみの円谷英二が特撮監督を志すきっかけとなった作品としても知られています。
また、キング・コングが一目惚れする美女役を演じるのが、フェイ・レイという女優なのですが、映画の中で何度も叫ぶシーンがあり、その後絶叫する映画にたびたび出演することになります。
そして、クライマックスに登場する、当時としては世界一高いビルだったエンパイア・ステート・ビルは、キング・コングが登ったビルとして現在でもニューヨークの名所の一つとして有名です。
その他、この作品のキング・コングのデザインはゴリラというよりも、未開人のメタファーを想起させるところなど、当時の世相を反映しているともいえます。
この映画はキング・コングというキャラクターを生んだ点と、後の多くの作品に影響を与えることになる特撮技術という点で映画史に残る作品になりました。
日米の最強怪獣が夢の共演を果たした「キングコング対ゴジラ」①
キング・コングとゴジラというアメリカと日本の代表的な怪獣が激突したのが1962年公開の「キングコング対ゴジラ」です。
この映画で特筆すべきなのは、キング・コングの大きさです。
当時のゴジラのサイズは体長50メートルというもので、それに合わせてオリジナルでは約7メートルだったキング・コングがゴジラと正面から戦えるように45メートルに巨大化されています。
これは、今までに公開された「キング・コング」作品の中で歴代最高の大きさでもあります。
また、大きさだけでなくてキング・コングのデザインもオリジナル版では黒色だった毛の色が茶色になっていたり、顔立ちもずいぶん異なるものになっています。
この映画のキング・コングのデザインは名前だけはキング・コングを借りていますが、サルをモチーフにしたウルトラ怪獣的な姿をしているのが特徴です。
日米の最強怪獣が夢の共演を果たした「キングコング対ゴジラ」②!
「キングコング対ゴジラ」の映像面ではキング・コングが、電車を破壊するシーンや、国会議事堂に登るシーンや、美女を捕まえるシーンなどオリジナルへのオマージュが随所に盛り込まれいます。
そうしたオマージュだけでなくて、キング・コングが大ダコと戦う場面などオリジナルのアクションシーンも盛り込まれているので必見です。
また、ゴジラとキング・コングとのバトルは、アメリカのストップモーションとは異なり、演者の入った着ぐるみを用いて撮影を行っています。
ですから日本の特撮映画の醍醐味とも言えるダイナミックなアクションが楽しめるというわけです。
特に、ゴジラとキング・コングが戦いながら、城を破壊していくシーンなどはとても迫力のある映像です。
日本とアメリカを代表する怪獣同士が夢の共演の果たしたこともあり、「キングコング対ゴジラ」は「ゴジラ」シリーズの中では史上最多の観客動員を記録した作品となりました。
現代を舞台にした1976年版「キングコング」①
1933年の第1作目から40年以上経った1976年にリメイクされた「キング・コング」が公開されます。
この1976年版の「キングコング」は基本的なストーリー流れはオリジナルとほぼ一緒なのですが、時代の設定を1976年当時にしているのが特徴です。
また、キング・コングの大きさも16.7メートルと、オリジナル版に比べてかなり巨大化されました。
リック・ベイカーが担当したキング・コングの造形は、オリジナル版の未開人を連想させるようなものから、野生のゴリラを意識した雄々しいデザインになっています。
そして、キング・コングが登るビルがエンパイア・ステート・ビルからワールドトレードセンターに変更されています。
そうした、いくつかの点が、オリジナル版から変更されているのが1976年版の「キングコング」の特徴です。
現代を舞台にした1976年版「キングコング」②
そんな1976年版「キングコング」の見どころは、ワールドトレードセンターでキング・コングが軍隊用のヘリと戦う場面です。
ワールドトレードセンターはツインタワーとして有名でしたが、ヘリの攻撃から逃れるために、タワーからタワーへキング・コングがジャンプして飛び移るのです。
これは、オリジナルにはないシーンで、ツインタワーの特性を生かしたアクロバティックなアクションが魅力です。
ただし、オリジナルでは、島でのキング・コングと恐竜たちがバトルをするシーンがあったのですが、それがないのが物足りないという意見もあります。
そして、この作品で美女のドワンを演じていたのが、若き日のジェシカ・ラングです。
「キング・コング」で有名になった、彼女は後に「トッツィー」でアカデミー助演女優賞、「ブルースカイ」でアカデミー主演女優賞を受賞した大女優へと成長して行きます。
歴代のヒロインの中でも特に人気のドワンとキング・コングの触れ合いが丁寧に描かれているところも本作の魅力だったりします。
オリジナルへのリスペクトに溢れた2005年版「キング・コング」①
「ロード・オブ・ザ・リング」の監督として知られるピーター・ジャクソン監督がメガホンをとったのが2005年版「キング・コング」です。
もともと、オリジナルの「キング・コング」のファンとして知られるピーター・ジャクソンは、この映画の舞台に再び1930年代のニューヨークを選びました。
また、キング・コングのサイズも7.6メートルとオリジナルとほぼ同サイズになっています。
ただし、キング・コングのデザインは顔立ちが初老のゴリラを彷彿とさせるものであったり、体のあちこちに傷があり、過酷な環境を生き延びてきた野生生物であるという点が強調されています。
そして、ヒロインのアン・ダロウ役には「ザ・リング」に出演したナオミ・ワッツが抜擢されました。
オリジナルへのリスペクトに溢れた2005年版「キング・コング」②
2005年版の「キング・コング」の見せ場は、「スカル・アイランド」でのキング・コングと3匹の恐竜とのバトルにあるといえます。
恐竜たちに追いつめられるアンを守るために戦いに挑むキング・コングの曲芸師顔負けの軽やかな動きを見事に映像で表現しています。
また、平地から谷へと戦いの舞台が移る、横のアクションから縦のアクションへと続く場面転換の見事さは、さすが「ロード・オブ・ザ・リング」の監督といえる映像演出です。
そして、キング・コングが倒した恐竜の顎をカクカクさせて、死んでいるかを確かめるシーンはオリジナル版へのオマージュとなっていてファンは思わずニヤリとしてしまうでしょう。
また、クラシックカーが走り回る1930年代のニューヨークの街並みを緻密に再現しているところも素晴らしく、この作品はアカデミー視覚効果賞を受賞しました。
オリジナルへのリスペクトに溢れた2005年版「キング・コング」③
2005年版「キング・コング」はキング・コングとヒロインのアン・ダロウとのドラマも丁寧に描かれています。
怪獣でありながらもアンのために命を懸けるキング・コングは、人間のように心を持った生物に見えてくるのです。
そして、この2005年版「キング・コング」ではリスペクトを込めて、オリジナル版でヒロインをつとめたフェイ・レイがラストシーンで出演する予定でした。
しかし、残念なことに彼女が撮影直前に亡くなったために実現しませんでした。
この2005年版の「キング・コング」は、最新技術を使った映像やオリジナルへのオマージュなど見どころの多い作品です。
30メートルの巨大コングが登場する最新作「キングコング 髑髏島の巨神」①
そして2005年の「キング・コング」から12年ぶりのシリーズの最新作の「キングコング:髑髏島の巨神」が3月25日から公開されます。
この作品は「パシフィック・リム(2013)」や「GODZILLA ゴジラ(2014)」などの怪獣映画の大作を送り出してきたレジェンダリー・ピクチャーズで、監督をつとめるのはジョーダン・ボート=ロバーツです。
そうした、「キングコング:髑髏島の巨神」に登場するキング・コングは30メートル。アメリカ版のキング・コングの中では過去最大の大きさになります。
また、キング・コングのデザインも2005年版と比べると若々しくなり、牙が強調されるなど荒々しい印象を与えます。
そして、今までの「キング・コング」とは大きく異なる点が今作にはあります。
今までのシリーズでは前半は「スカルアイランド(髑髏島)」を舞台に、後半はキング・コングが船で運ばれたニューヨークを舞台にしていました。
しかし、この映画では、舞台を「スカルアイランド」だけに限定しているのです。
30メートルの巨大コングが登場する最新作「キングコング 髑髏島の巨神」②
「キングコング:髑髏島の巨神」の魅力は何と言っても30メートルの巨大コングが、「スカルアイランド」で暴れまくる迫力の映像です。
巨大なキング・コングは調査隊の軍用ヘリを豪快に破壊したりするなど、縦横無尽に暴れまくります。
また、この島で人間たちを襲う怪獣はキング・コングだけではありません。
他にも巨体に似合わぬ俊敏さで人間を襲うトカゲや、群れを組んで人間を連れ去る鳥や、沼の中から現れる巨大な水牛といった造形にも凝った様々なクリーチャーが現れます。
そうした、キング・コングを含む多彩な怪獣たちが、躍動する姿が映画の醍醐味です。
そんな、この映画で島で怪獣たちに追い詰められる調査隊隊長のコンラッド役には「アヴェンジャーズ」のトム・ヒドルストンが抜擢されました。
他にも、「ルーム」のブリー・ラーソンや、「ターザン:REBORN」のサミュエル・L・ジャクソンや、「シカゴ」のジョン・C・ライリーなどが出演します。
映画ではキャストたちが怪獣たちに追い詰められながらも奮闘する姿も注目ポイントです。
ゴジラとの対決を控えるキング・コング!
1933年にオリジナルの「キング・コング」が製作されて以降、80年以上に渡って、シリーズが作り続けられてきたのはキング・コングというキャラクターが映画ファンに愛されてきた証拠です。
撮影技法や世相が変わっても、そうしたキャラクターは時代を超えて、日本でいうとゴジラのように愛されて、新しい映画として生まれ変わり続けて行きます。
そんなキング・コングですが、実は2020年にゴジラと戦う「Godzilla VS. Kong」の製作が決定しています。
日米の人気怪獣が再び激突するということで、大きな話題を集めるのは間違いありません。
さらに、ゴジラだけでなく、キングギドラやラドンなどの怪獣が総出演する「ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ(原題)」の製作も決定しています。
本作「キングコング 髑髏島の巨神」を含め、これから封切られていく怪獣映画への期待が高まっていくのは間違いないでしょう。
ハリウッド版「GODZILLAゴジラ」の製作陣が再結集し、キングコングの起源を描く超大作「キングコング髑髏島の巨神」のトークイベントが2月28日、都内で開催された。本作の字幕監修を務めた映画評論家の町山智浩氏がゲストとして登場し、作品の魅力
参考元
- ・参照リンク:http://wwws.warnerbros.co.jp/kingkong/
- ・参照リンク:キングコング - Wikipedia
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