ジョニー・デップ主演でウォーリー・フィスターの監督デビュー作「トランセンデンス」。世界初の人工知能を開発し、コンピューターが人間を超えることを目標として研究を続ける科学者たち。進化を続けるコンピューターの能力が暴走し始めたとき、今までコンピューターに対して抱くことのなかった“恐怖”を知ることとなります…。
コンピューターは人間を超えることができるのか
20世紀から21世紀にかけて、世界のコンピューター技術の進化は日進月歩。
その昔、巨大サイズで超高価だったコンピューターは、今や一家に一台の時代。また、多くの人の生活においてインターネット環境はなくてはならない存在になりつつあります。
「コンピューターは人間を超えることはできない。」心のどこかにそんな認識がある人が多いと思いますが、超えることはできないという根拠はどこにもありません。
もし超えることができたら…
その答えが、この自我を備えたコンピューター「トランセンデンス」が創り出す世界なのです。
コンピューターが自我を持つとどうなるのか?
自我を辞書で調べてみると「行動や意識の主体。自我意識。」とあります。
コンピューターには意識や感情はなく、命令された通りに働きます。しかし、ひとたびこのコンピューターが自我をそなえるとどうなるでしょうか?
命令を選別し、それに従わないこともあるでしょう。また、コンピューター自身の判断によって予想以上の成果を出すこともあるかもしれません。
しかし、一方で破壊的な行動を起こしても不思議ではありません。そんな将来に起こり得る危険を教えてくれているのがこの映画ではないでしょうか。
便利なことはいいことなのか
現代のコンピューター社会は本当に便利です。コンピューターとインターネット環境があれば、その場にいながらにして様々なことを実現することが可能です。
誰もが自宅や職場から、世界中の国や人と繋がりを持つことは数十年前には想像もできなかったことです。しかし、便利さと引き換えに知らず知らずの内に失ってしまったものもたくさんあるのではないでしょうか。この映画を見ると、改めて考えさせられます。
コンピューター≠ライフライン
当たり前のことですが、コンピューターは電力がなければ作動しません。
コンピューターに依存しすぎている今の社会では、電力が大きなライフラインになっていると言えるでしょう。
コンピューターやインターネットそのものがライフラインではなく、それを支えている電力が生活を支えているのです。
つまり、電力に依存していることに気付かずにコンピューターにだけ頼っていると、その電力供給が止まった時点で生活も崩壊するということです。
人間は気付くことができる
この映画が教えてくれることは、いつの間にか何にでも依存してしまう現代人の脆さや弱さです。
日本各地で天災が頻発していますが、危険な目に遭っているその時に助けになるのはコンピューターではありません。電力がない状態ではコンピューターは何も役に立ちません。
便利なコンピューターによって人と人との関係が薄く遠いものになっていることも事実で、それによる様々な犯罪も起こっています。
コンピューターは便利です。万能と言えるほどの機能を備えているものもあります。しかし、最も素晴らしい存在は人間ではないでしょうか。
人間は、様々な自我・感情をコントロールし、それらを開放したり制御したりしながらたくさんの成功と失敗を重ねます。その失敗から多くを学び、また進化していく。その失敗と学びこそがコンピューターにはない人間の人間らしさ、素晴らしさだと思います。
ぜひこの映画を見て、コンピューターとの付き合い方を今一度考えてみてはいかがでしょうか。
参考元
- ・参照リンク:トランセンデンス - Wikipedia
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