2007年に放映された『仮面ライダー電王』。放映前から主人公が歴代“最弱”であると公式アナウンスがされたり、仮面ライダーなのに「バイクに乗らない」ライダーとして登場し話題となりました。こちらでは多くのファンを虜にした本作の魅力と共に、現在活躍されている豪華なキャストやスタッフ陣のご紹介をさせて頂きます。
平成ライダー第8作目『仮面ライダー電王』
2007年はバイクではなく電車に乗ったライダー?
平成仮面ライダーシリーズ第8作として制作された『仮面ライダー電王』は、2007年1月28日~2008年1月20日(全49話)の間、テレビ朝日系列にて日曜の朝・いわゆる“特撮枠”にて放映されていました。
キャッチコピーは「時を超えて 俺、参上!」、「時の列車デンライナー、次の駅は過去か?未来か?」。
このコピーを見ても解るかもしれませんが、本作は“時間”と“列車”がテーマであると公式からアナウンスがされました。
こうして本作におけるライダーのモチーフには“電車”、怪人のモチーフには“おとぎ話に登場する生き物”が取り入れられます。
また「仮面ライダー」でありながら、その代名詞ともいえる“バイク”ではなく“電車”であった理由とは、ズバリ「オートバイに乗れない子供たちに配慮して」……との事だそうです。
10周年を迎えた人気作品
監督は『仮面ライダーアギト』や『仮面ライダー龍騎』など、多くの平成ライダー作品を手掛けた田崎竜太さん。
脚本は『仮面ライダーアマゾンズ』などの特撮作品や、TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズを手掛けた小林靖子さんなど、幾つものヒット作に携わってきた方々が担当されました。
本作は特撮ファンのみならず、平成ライダーから増えたとされる若手イケメン俳優ファンや、アニメ・声優ファンなど多くの女性視聴者さえ虜にします。
それは作中で登場した「イマジン」と呼ばれるキャラクターの声を、関俊彦さんら多くの実力派声優が演じたのが理由のひとつでしょう。
また子供向け番組とは思えない物語の奥深さや、造型師として名高い韮沢靖(にらさわ やすし)さんによるデザインの素晴らしさもあいまって、10年経った今もこの作品は多くのファンの思い出に残る名作として在り続けているのです。
物語のあらすじ
気弱でやさしい野上良太郎はケンカもからっきしで、何をやっても常に運が悪い青年でした。
そんなある日、良太郎は偶然にも、時間旅行をしている列車・デンライナーの乗車券(ライダーパス)を拾ってしまいます。
そんな良太郎に“モモタロス”というケンカっ早いイマジンが取り憑き、そのまま別のイマジンが起こした事件へと巻き込まれてしまうのです。
ところが良太郎は自身が「特異点」と呼ばれる特別な存在である事を、同じ特異点である少女・ハルにより知らされます。
特異点とは、自身に憑依したイマジンをある程度は制御でき、さらに拾ったライダーパスにより仮面ライダーへと変身する事ができる性質の事です。
こうして良太郎は仮面ライダー電王となって、デンライナーの仲間や契約したイマジンらと力を合わせ、歴史改変を企むイマジンらと戦う事になるのでした。
登場人物の紹介
野上良太郎――仮面ライダー電王
【野上良太郎(のがみ りょうたろう)】
主人公でありながら異常に運の悪い18歳の青年で、本作の鍵となる「特異点」。
時の列車・デンライナーに乗車します。
幼い頃に両親を亡くしており、祖母の家で育てられました。
姉・愛理の記憶喪失を期に高校を中退し、その後は愛理が経営する喫茶店「ミルクディッパー」でアルバイト。
ところで、身体能力の低さや気の弱さもあいまってか、良太郎自身はイマジン抜きでは「史上最弱の仮面ライダー」とも称されます。
※後に特訓などを繰り返し、ひとりでもそれなりに戦えるよう成長。
またデンライナーでは車内に置かれた“バイク(マシンデンバード)に跨る”ことで操縦も可能となり、これにより“仮面ライダー”としての面目躍如も果たします。
【演:佐藤健(さとう たける)さん】
良太郎を演じた佐藤さんは、1989年3月21日生まれで埼玉県出身。
高校2年の頃に原宿でスカウトされ、現事務所・アミューズに所属します。
2006年にTVドラマ『プリンセス・プリンセスD』にて主演としてデビュー。
因みにこの作品には、本作の桜井侑斗役の中村優一さん、カイ役の石黒英雄さんも出演しています。
主な出演作に映画『るろうに剣心』の緋村剣心、TBS開局60周年記念ドラマ『天皇の料理番』で主人公の秋山篤蔵を演じ話題となりました。
因みに本作での良太郎は、仮面ライダーに変身した状態以外でもイマジンに憑依される設定。
そのため良太郎役の佐藤さんは、イマジンに合わせた髪形や服装ならびに瞳の色(コンタクト)に変え、それぞれのキャラクター(イマジン)を演じ分けます。
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【M良太郎】…モモタロスが(変身前の良太郎に)憑依した姿で、いつもの良太郎と比べ粗野な雰囲気。
赤いメッシュ+逆立った髪+赤い瞳となり、声はモモタロスである関さん(※以下イマジンも同様)。
【U良太郎】…いつもの良太郎と比べ知的でナンパな雰囲気。
青いメッシュと七三分けのヘアスタイル+眼鏡にスーツ+青い瞳となります。
【K良太郎】…いつもの良太郎と比べ豪快な雰囲気。
金色のメッシュ+着物+金色の瞳となります。
【R良太郎】…DJ風なスタイル。
紫のウェービーなメッシュ+キャップとヘッドホン+紫の瞳となります。
【W良太郎】…いつもの良太郎と比べ高圧的な雰囲気。
白いメッシュとコーンロウな髪形+羽の装飾+白色の瞳となります。
……など。
※人間のまま憑依された姿は映画版など他にもあります。
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つまり味方のイマジン役を担当された声優の方々は、モモタロスなどイマジン姿と、それぞれの仮面ライダーフォーム、そして人間である良太郎へと憑依した姿。
この3つを演じていた事になります。
本作のイマジン並びに声優に関しては別記事にて記載しておりますので、詳細はそちらでご確認下さい。
2007年に放映されるや、多くのファンに支持され大人気となった『仮面ライダー電王』。実は特撮番組でありながら、その成功の裏には、大勢の声優の方との切っても切れない関係があったのです!
桜井侑斗――仮面ライダーゼロノス
【桜井侑斗(さくらい ゆうと)】
良太郎の姉・愛理の婚約者と同姓同名を名乗り、時の列車・ゼロライナーに乗車し行動。
作中では彼を侑斗、愛理の婚約者を桜井(さん)と区別した呼称です。
特異点ではありませんが、イマジンに憑依されても意識を保て、ゼロノスカードにより「仮面ライダーゼロノス」へと変身可能。
しかし変身回数には制限があり、戦闘はもっぱら良太郎頼みとなります。
普段デネブにはクールに対応するも、誰も居ない所では我がまま放題な振る舞い。
使命を帯び愛理を守るなか、徐々に彼女へと惹かれてゆきます。
人間の姿でデネブに憑依された時は牛若丸のような外見(デネブのイメージは弁慶)で、いつもとは違い低姿勢となります。
声は大塚芳忠(おおつか ほうちゅう)さん。
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【演:中村優一(なかむら ゆういち)さん】
侑斗を演じた中村さんは、1987年10月8日生まれ神奈川県出身。
2003年までジャニーズJr.に所属し、現在の事務所はジースタプロです。
主な出演作にドラマ『もやしもん』の主人公・沢木惣右衛門直保、実写版『薄桜鬼SSL ~sweet school life~』で主役の土方歳三など。
【桜井(さん)/桜井侑斗(さくらい ゆうと)】
現われる時はいつも帽子を目深に被り外套を羽織った、30代前半らしき天文学者。
実は失踪した愛理の婚約者。
デネブと契約し、侑斗へとゼロノスカードを渡した人物でもあります。
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【演:岡野友信さん】
桜井を演じたのは、TVや舞台などでも活動される俳優の岡野さん。
※2014年より岡野友紀(おかの とものり)さんに改名されました。
ハナとコハナ
【ハナ】
良太郎と同じく「特異点」の少女。
デンライナーのオーナーと契約しイマジンを追います。
強気で負けず嫌いな性格で、モモタロスらとのケンカは日常茶飯事なうえ、敵イマジンとも素手で戦えるほど。
良太郎が特異点と気付き、彼を守る事を使命と感じています。
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【演:白鳥百合子(しらとり ゆりこ)さん】
ハナを演じたのは、グラビアアイドルやファッションモデルとしても活躍された白鳥さん。
バラエティなどタレントとして広く活動されますが、何度もランキング入りしたブロガーとしても有名です。
【コハナ】
物語の途中でハナが子供の姿となった名前。
子供の姿となったのは、ハナが本来在るべき未来の時間が復活したからではないかと推測されました。
物語の終盤に判明しますが、実はハナの正体とは、とある人物らの“娘”だったのです。
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【演:松元環季(まつもと たまき)さん】
コハナを演じたのは、子役として活躍されていた松元さんです。
ハナ役の白鳥さんが体調不良により降板され、それに伴い急遽新たな設定としてコハナが登場しました。
松元さんは現在芸能界を引退されています。
ナオミ
【ナオミ】
デンライナーの車内でアルバイトをしている天真爛漫な客室乗務員。
度々得体の知れない色のコーヒーを作り出しますが、イマジンらには概ね好評。
沢山の腕時計を装飾品の様に身に付けるなど、奇抜なファッションをしています。
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【演:秋山莉奈(あきやま りな)さん】
元グラビアアイドルとして活躍し、スレンダーな肢体とアンバランスな大きさのお尻から“オシリーナ”の愛称でも親しまれていました。
女優やタレントとして活躍し、夫はボートレーサーの後藤翔之選手です。
オーナーと駅長
【オーナー】
良太郎らが乗る時の列車・デンライナーのオーナー。
いつも無表情で食堂車に現われる、素性も名前も知られていない謎の人物。
時の(列車)運行や分岐点についての詳細を知り、列車の運行や車内でのルールを乱す者には厳しい態度を取ります。
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【駅長】
時の列車が止まるターミナルの駅長で、列車の運行や分岐点を知る人物。
何故かデンライナーのオーナーと瓜ふたつ。
二人は大盛りチャーハンの旗を倒さないようにして食べる“チャーハン対決”のライバルでもあります。
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【演:石丸謙二郎(いしまる けんじろう)さん】
オーナーと駅長を演じた石丸さんは、俳優としてドラマや映画など多くの作品に出演されています。
特にテレビ朝日にて放映されている『世界の車窓から』のナレーションは有名です。
野上愛理
【野上愛理(のがみ あいり)】
良太郎のやさしく美しい姉で、亡き父が残した喫茶店「ミルクディッパー」のオーナー。
天文学者の桜井と婚約していましたが、彼の失踪と共に、桜井に関する全ての記憶を失ってしまいます。
味覚オンチではありますが、コーヒーを淹れる腕前だけは高く、彼女目当ての男性定連が多数居るほど。
マイペースかつ天然ボケでもある女性。
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【演:松本若菜(まつもと わかな)さん】
2007年に本作で女優デビューし、2009年に映画『腐女子彼女』で初主演を果たします。
その後ドラマや映画など女優業の他に、バラエティ番組などでも活躍の場を広げました。
カイ
【カイ】
イマジンが存在する未来から来た謎の青年。
彼もまた特異点であり、多くのイマジンと契約しています。
いつも大き目のストールを羽織り、口癖の様に「俺、そういう顔してるだろ?」と笑顔のまま怒りを露にするなど、感情と表情が合いません。
また“過去”が無い為に物忘れが酷く、他者を「アレ」と呼んだり、平気で使い捨てにするなど冷酷で残忍な性格。
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【演:石黒英雄(いしぐろ ひでお)さん】
高校1年の頃(2004年)「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。
2005年にTVドラマ『ごくせん』にて俳優デビューし、その後子供の頃から大好きだったウルトラマンシリーズ『ウルトラマンオーブ』にて主役を演じます。
また潔癖症としても有名で、日本テレビ『有吉ゼミ』では芸能人の掃除企画に不定期で出演するほどです。
多くの劇場映画に登場した「電王」
人気を裏付ける作品数
本作は関連おもちゃやCDなどの売り上げが良く、特にDVDは平成ライダー最大級の売り上げを誇りました。
またどのシリーズも単独映画やシリーズ関連映画など2~3作程度の出演ですが、本作は単独映画やゲスト作品なども合わせると、映画出演数が16作にも及ぶのです。
※2017年3月25日公開『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』を含む。
この数字を見ても、電王がどれだけ多くのファンに愛されてきたのかが解るのではないでしょうか。
放映から10周年が経った本作を、ファンはこれからも応援し続けることでしょう。
参考元
- ・参照リンク:仮面ライダー電王シリーズの登場キャラクター - Wikipedia
- ・参照リンク:仮面ライダー電王 (かめんらいだーでんおう)とは【ピクシブ百科事典】
- ・参照リンク:佐藤健 (俳優) - Wikipedia
- ・参照リンク:中村優一 - Wikipedia
- ・参照リンク:石丸謙二郎 - Wikipedia
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