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出典:amazon

2019/04/24
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平凡な家族が突然宇宙人として覚醒!?三島由紀夫の異色作の映画化「美しい星」

世界的に評価の高い文豪・三島由紀夫の中でも異色作とも言えるSF小説を「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が映画化した「美しい星」を紹介します。この作品では、ある家族が突然宇宙人として目覚める独創的なストーリーや、リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛などの実力はキャストの共演が話題です。

目次

「美しい星」のあらすじ

お天気キャスターとして働く大杉重一郎は「天気予報が当たらない」と陰口を言われることもありますが、愛する妻と2人の子供にも恵まれて平和な日々を過ごしていました。

ある日、重一郎は妻の伊余子と子供の一雄と暁子の4人で出かけると、空飛ぶ円盤に遭遇してしまいます。

空飛ぶ円盤と遭遇すると重一郎は火星人に、一雄は水星人に、暁子は金星人として覚醒してしまいます。
しかし、妻の伊余子だけは宇宙人に覚醒せずに地球人のままでした。

宇宙人として覚醒した重一郎たちはあらためて「美しい星=地球」の尊さに気づき、地球をあらゆる危機から守るための使命感にかられます。

大杉一家は地球を救うために奮闘するのですが、彼らの行動は思いもよらない騒ぎを巻き起こし、世間からの冷たい視線にさらされた彼らの心は傷つくのでした。

そんな重一郎たちの前に、黒木克己を名乗る謎の男が現れて、「地球は本当に守る価値などあるのか」という問いをぶつけてくるのでした・・・。

原作は三島由紀夫の異色作!

三島由紀夫は自衛隊市ヶ谷駐屯地に乗り込んで割腹自殺した「三島事件」でも有名ですが、流麗な文体で多くの名作を残した日本を代表する作家の1人です。

これまでにも、「金閣寺」や「春の雪」などの彼の代表作が映画化されてきましたが、「美しい星」はSFという三島作品の中でも異色の作品が映画化されました。

監督・脚本を務める吉田大八!

映画「美しい星」で監督・脚本(甲斐聖太郎と共同)を務めるのは、「桐島、部活やめるってよ」や「紙の月」などの作品で高評価を受けてきた吉田大八です。

吉田大八は、原作の重要な部分だけを抜き出しつつ、映画として面白く見せる脚本への再構成が巧みです。

演出では人間同士の芝居の間の取り方が特徴的で、普通なら次の場面に行きそうなところでも、キャラクターの表情を映し出します。

そうすることによって、観客に「この登場人物はこの場面で何を考えているでしょうか?」という問いかけをぶつけてきます。

作品のテーマについて余韻を残し、観客にテーマについて考えさせるところが吉田大八監督らしい演出と言えます。

ちなみに「美しい星」は彼が30年前から映画化を希望していた念願の企画ということもあり、吉田大八にとって
思入れの強い作品になりました。

リリー・フランキーら実力派キャストが宇宙人を演じる!

「美しい星」の主人公で気象予報士だったのにある日突然、火星人として覚醒する大杉重一郎をリリー・フランキーが、宇宙人として覚醒しない母・大杉伊余子を
中嶋朋子が演じます

また、水星人に目覚める野心溢れる息子・大杉一雄に亀梨和也が、金星人として目覚める大学生の娘・大杉暁子に橋本愛がそれぞれ抜擢されています。

そして、物語の鍵になる問いかけを重一郎にする、参議院議員の鷹森紀一郎の秘書・黒木克己を演じるのは佐々木蔵之介です。

物語のキーマン・黒木克己が問いかける映画のテーマ!

三島由紀夫が55年前にこの小説を書いた背景には当時の冷戦時代の核兵器による脅威がありました。

そうした脅威が、謎の男の黒木克己が重一郎たち一家に近づいた時に言い放った「地球に救う価値などあるのか」という問いの背景にはあります。

ただし、2017年に公開されたこの映画では、原作の中の核兵器の脅威以外に、地球温暖化や環境汚染など、より現代社会がかかえる問題に焦点があてられています。

物語のキーマンの黒木克己を佐々木蔵之介が演じますが、彼の低くて相手に突き刺すような声のトーンと無表情が人間の価値観を超越しており、このキャラにはまっています。

大杉重一郎と議論を戦わせる場面では、セリフを畳み掛ける迫力があり、舞台出身らしい凄みあります。

超然的な態度で問いかけを発する黒木克己に対して、大杉重一郎役のリリー・フランキーは反論をしますが、オドオドして心の動揺を隠せません。

この2人のキャラクターの対比が映画では実に巧みであり、彼らの議論を通して「地球に救う価値などあるのか」という映画のテーマを観客は考えさせられるのです。

母なる地球を演じる中嶋朋子!

大杉家の面々は宇宙人として覚醒して、地球を守るための使命感にかられて奮闘しますが、母の伊余子は覚醒せずに地球人のままです。

この地球人の母は他の宇宙人に覚醒した家族たちに比べると自信なさげではかない存在で、簡単に悪意ある人間に騙されたりします。

けれども、彼女が地球人であることで宇宙人として覚醒した家族との対比が生まれて映画のテーマを伝えやすくしています。

また、一見頼りなくも見える伊余子ですが、実は真の強さを持っている包容力のある女性でもあります。

そんな伊余子を演じる中嶋朋子の母性的で優しく包み込んでくれるような雰囲気がこの役にピッタリはまっています。

家族を見守り続ける伊余子の眼差しには、全てを受け止めくれる包容力があり、この映画が描く地球という存在を体現しているのです。

劇中歌として登場する平沢進の「金星」!

映画「美しい星」の音楽を担当するのは渡邊琢磨で、作品の中では映画用にアレンジされたヘンデルの「サラバンド」など多彩な楽曲が登場します。

その中でも、劇中歌に平沢進「金星」が使用されている所が特に話題となっています。

神秘的なメロディーと映画のテーマともリンクする歌詞のこの楽曲は、作品の中でも印象的な役割を果たしています。

まとめ

55年前の三島由紀夫の異色作を吉田大八監督が現代を舞台にアレンジしたところが映画「美しい星」の見どころです。

また、実力派のキャストがそろう中でも、特に中嶋朋子と佐々木蔵之介の演技は見る者を惹きつける魅力があります。

そして、映画では平沢進の「金星」が象徴的に劇中歌として使用されているところも注目点です。

参考元

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